ProFuture株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:寺澤 康介)は、7月27日、2018年卒業予定の就活生2,513人を対象にした「6月下旬現在の就職活動」に関する調査結果を発表しました。本調査は、最新の就職活動状況を把握するとともに、今や就職活動の一環となっているインターンシップと企業の採用選考活動との関係を明らかにするために行われました。インターンシップを活用する企業にとって、見過ごすことのできない注目すべき結果が判明いたしました。主な調査結果は以下の通り。
【「6月下旬現在の就職活動」調査結果のポイント】
●インターンシップ参加者の7-8割は複数社のインターンシップに参加
インターンシップに参加した経験のある学生だけに参加した社数を聞いたところ、2社以上のインターンシップに参加した学生の割合が、文系で77%、理系でも68%に達しました。中には「7社以上」という学生も文系で14%、理系でも6%もいます。従来の1週間や2週間といったタイプではなく、セミナーまがいの1Day型が増えたことで、それだけの社数のインターンシップに参加が可能となっています。
[図1:インターンシップ参加社数]
●インターンシップ参加者の1割は志望度下がる
企業側がインターンシップを実施する目的は、業界理解、企業理解、仕事理解を深めることで、自社への志望度を高めてもらうことにあります。インターンシップ参加者に、参加してみてその企業への志望度に変化があったかを聞いてみたところ、文系、理系ともに7割の学生は「(志望度が)上がった」と答えているものの、2割の学生は「変わらない」、そして1割の学生は「(志望度が)下がった」と回答しています。ミスマッチ防止の観点からは、「自分には合わない」と感じる学生もいて当たり前で、早く気づくことができたことを考えれば、それは意味があるとも言えます。ただし、インターンシップの内容や対応がまずくて「下がった」のであれば、企業としては問題です。
[図2:インターンシップ参加後の志望度の変化]
●参加者の8割近くが正式応募
インターンシップに参加した企業に最終的に応募したかを聞いたところ、文系、理系ともに8割近くが応募しています。2016年と比べると10ポイントほどのアップ。このポイントのアップは、インターンシップを実施する企業が増え、単位認定型の授業としてのインターンシップではなく、採用を視野に入れた自由応募型のインターンシップに参加する学生が増えたためです。自由応募型のインターンシップでは、セミナーに近い1Day型が増え、就労体験型と比べて受け入れ人数も多く、それがポイントを大きく底上げしています。
[図3:インターンシップ先への正式応募]
●インターンシップ参加者の4割以上が参加した企業から内定を取得
インターンシップと採用がどの程度結びついているかの一つの指標として、インターンシップ先企業に応募した学生の採用内定率があります。「内定が出た」とする学生が文系、理系ともに4割を超え、「選考前」や「選考中」の企業もあることを考えると、理系においては5割に達する可能性もあります。これらのデータを見れば、学生はインターンシップに参加せざるをえなくなるでしょう。
※複数のインターンシップに参加して応募した場合、最も選考が進んだものについて回答。
[図4:インターンシップ先に応募した結果]
●6割以上がインターンシップ事前選考で落選経験あり
インターンシップの参加枠は、職場での就業体験型の場合、少ない場合にはわずか数名ということもあります。受け入れ人数の多い1Day型のインターンシップでも応募学生を青天井で全員受け入れることはできず、結果、「エントリーシート」「適性検査」「面接」等で参加者を絞り込むことになります。学生に、インターンシップに参加するための事前選考で落選したことがあるかを聞いたところ、文系、理系ともに6割以上の学生が落選を経験しています。人気企業のインターンシップともなれば、定員に対して何十倍~何百倍の応募が集まるわけで、落選を経験することはある意味当たり前とも言えます。複数のインターンシップに応募して、一度も「落選したことがない」という学生の方が貴重だと言えます。
[図5:インターンシップ事前選考での落選経験]
●落選で志望度が後退した学生は3割以上
インターンシップの事前選考で落選した経験のある学生に志望度の変化を聞いたところ、最も多かったのは「変わらない」で、文系で58%、理系では65%に上ります。中には、それだけ多くの学生が関心を寄せている企業であるとして、「(かえって志望度が)上がった」という学生も数%ほどいますが、残りの3割から4割近い学生は「(志望度が)下がった」と回答しています。インターンシップの選考ですら合格しないのであれば、本選考で合格することなど不可能だと思ってしまうのではないでしょうか。あるいは、事前選考、合否連絡の一連の企業の対応の中で、学生から見た場合に志望度が下がるようなことがあったのかもしれません。いずれにしても、インターンシップ合格者だけが本選考の対象者でない限り、この落選者のうち志望度が下がってしまう学生の割合が3割から4割近くあることは、企業からすれば目を背けられない注目すべき事実です。
[図6:インターンシップ事前選考落ち企業への志望度の変化]
●事前選考落選で4割以上の学生が応募取りやめ
インターンシップの事前選考で落選した学生が本選考に応募したかを確認したところ、文系、理系ともに4割を超える学生が「応募していない(する予定はない)」と回答しています。これは前項の志望度が下がった学生の割合を超えています。すでに他の企業から内定を取得したとか、他に選考が進んだ企業があったからという学生もいるでしょうが、これだけの割合の学生が応募を取りやめたという事実は重大です。インターンシップは、参加者の志望度向上には大いに役立つことはわかっていますが、事前選考で落選した学生のケアを怠ると、かえって応募者を減らしてしまうリスクがあることを認識すべきです。インターンシップ参加者へ向けたフォローに気が行ってしまいがちですが、それよりも事前選考で不合格にしてまった学生をどうケアして、本番に正式応募してもらうかをもっと真剣に考える必要があります。
[図7:インターンシップ事前選考落ち企業への応募]
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■調査概要
調査主体:HR総研(ProFuture株式会社)
調査協力:『楽天みん就』
調査対象:2018年卒業予定の就活生(学部生、院生)
調査方法:webアンケート
調査期間:2017年6月19日~6月26日
有効回答:2,513名(文系 1,566名、理系 947名)