ソーシャル・マーケティングとは、企業が社会的責任を果たすことによりその価値を高め、消費者の信頼を得て売上に寄与させていくという考え方のマーケティング手法です。アメリカ合衆国の経営学者フィリップ・コトラーによって1971年に提唱されました。
似たような概念としてCSR(Corporate Social Responsibility、訳は「企業の社会的責任」)があります。CSRの主な活動が、地球環境の保全やサスティナビリティ(持続可能性の維持)、地域社会への貢献などであることを考えると、CSRの活動はソーシャル・マーケティングの考え方を具体化したものといえます。
ソーシャル・マーケティングのメリット
ソーシャル・マーケティングやCSR活動は、その目的が社会全体の利益追求であり、企業にとってのメリットは無いようにも見えます。ただし、現代において自社の社会的責任を軽視する企業は、消費者はもちろん、他企業からも受け入れられることはありません。社会的責任を意識しないこと自体が、既にデメリットなのです。
その上でソーシャル・マーケティングのメリットを挙げるとすれば、以下のようになります。
・投資家への訴求効果
ソーシャル・マーケティングは、その活動が社会における企業の存在価値を上げていきます。投資家がその企業の持続可能性に確信を持てば、安定株主の確保や株価の安定につながります。
・競争力の強化
ソーシャル・マーケティングやCSR活動に積極的であることは、企業価値を高めます。自社の利益ばかり追求するのではなく、社会にもその利益を還元していこうとする姿勢が、消費者やステークホルダー(利害関係者)から評価されるのです。
参考記事
・企業価値を高めることが売上増にも直結する!ソーシャル・マーケティングの概要と事例をご紹介