日本マーケティング協会は、日本国内でマーケティングを普及させるために発足された公益社団法人です。英語名である「Japan Marketing Association」の頭文字を取って「JMA」とも呼ばれます。
公益社団法人であるため、日本マーケティング協会自体は営利を目的とした団体ではありません。日本の企業経営の近代化と産業の発展を理念として、マーケティングの理論や技法を研究し、教育や普及を行っています。
日本マーケティング協会が定めるマーケティングの定義
日本マーケティング協会ではマーケティングを以下のように定義づけています。
マーケティングとは、企業および他の組織1)がグローバルな視野2)に立ち、顧客3)との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動4)である。
日本マーケティング協会 1990年
1)教育・医療・行政などの機関、団体などを含む。
2)国内外の社会、文化、自然環境の重視。
3)一般消費者、取引先、関係する機関・個人、および地域住民を含む。
4)組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動をいう。
大学教授や経営者からなる「マーケティング定義委員会」による活発な議論の末、上記のような定義が作られました。要点は以下のようになります。
・営利・非営利問わず、あらゆる組織がマーケティングを活用して発展することができる
・国際化が進み、日本国内だけでなく海外にも目を向ける必要がある
・一方で、日本国内で大切にされてきた「相互信頼」を重視して顧客満足度の向上を目指す
・不公正な取引を業界から廃絶し、社会全体をより良いものにしていく
また、マーケティングは市場調査や宣伝といった特定の活動を示すのではなく、市場を創造するためのありとあらゆる活動、たとえば製造や輸送、保管といった過程も含まれるという意味合いで、「総合的活動」と定義されています。
参考記事
・日本マーケティング協会とは? ~協会が定めるマーケティングの定義について
・コロナ禍の今、役に立つマーケティングとはなにか?その基礎と最新事情