ダッシュボード(dashboard)とは、「計器盤」を意味する英単語のことです。IT業界では、様々なデータを収集し、それらのデータを概要として表示する機能や、ソフトウェアのことをダッシュボードと呼びます。ダッシュボードに決まった形はないものの、グラフや表を用いて、集計値を分かりやすく表示するケースが多いです。
ダッシュボードの役割
ダッシュボードは、複数のデータを収集し、概要としてデータを可視化できるようにします。次に打つべき施策を考えることに役立てたり、競合調査の結果を可視化したり、今までの施策が適切であったかなどを確認する役割を持っています。さらに、異なる業務を遂行している複数のプロジェクトメンバーがいる場合でも、ダッシュボードを見ることで共通認識を持てるようにする役割もあります。これにより、プロジェクトでの意思決定が早くなったり、現状などを可視化できるため、目標を達成する意識を高めたりできます。
経営ダッシュボードとは
経営ダッシュボードとは、特定の企業内で集められる細かなデータやビッグデータを収集し、経営に必要な情報や本質的なデータを抽出するダッシュボードのことです。一般的なダッシュボードが、企業内外も含めて複数のデータを抽出することに対して、経営ダッシュボードは、あくまで特定の企業内の情報のみを抽出します。また、特定の企業内の情報の中でも、経営に必要な情報のみを抽出するのが経営ダッシュボードです。経営ダッシュボードは、マネジメントダッシュボードと呼ばれたり、企業ダッシュボードとも呼ばれたりします。
経営ダッシュボードで重要なこと
経営ダッシュボードは、適切な使い方を知らなければ、かえって経営状況を悪化させる危険性もあります。なぜなら、経営ダッシュボードは経営の改善を目的として使われることが多いため、抽出するデータを間違えたりレイアウトを間違えたりすると、本質的ではないデータを重要視してしまう可能性があるためです。
経営ダッシュボードを使ううえで重要なことは、以下の3点です。
・ 抽出するデータや企業内で重要なデータを決める
・ レイアウトを設計する
・ 連動するデータを決める
まずは、企業内で特に改善したいデータや抽出したいデータを決めていきます。この際、そもそもどのようなデータを改善すれば良いのか分からない場合は、あらゆるデータを抽出して経営ダッシュボードに取り込んでいきます。
次に、レイアウトを設計します。よりデータを分かりやすく可視化できるように、表やグラフなど、自社の状況に合わせてレイアウトを設計していきましょう。
最後に、連動するデータを決めていきます。たとえば、過去10年分の予算(A)と、実際に消化された予算(B)というAとBの指標を連動させるなどを決めていくということです。データを連動させることで利便性が高まったり、生産性が向上したりします。また、特定の担当者の過去のデータも売上と連動させることで、担当者が売上に対してどの程度の貢献をしているのかも判断しやすくなります。
デジタルダッシュボードとは
デジタルダッシュボード(digital dashboard)とは、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの1つです。BIツールは、会社の経営状況や財務状況を可視化し、会社の意思決定を支援する役割を持っています。デジタルダッシュボードは、経営状況を監視することも可能であり、必要に応じて人件費の削減に活用できたり、双方向であらゆるデータを集約することにより、部門間でのコミュニケーションコストを削減したりできます。
参考記事
・ダッシュボード(dashboard)とは?主な機能紹介とダッシュボード5選
・データドリブンの意味とは?データ分析の基礎知識と重要性、データドリブンマーケティングを解説