アバター（avatar）とは、化身や権化などの意味を持つ英単語のことです。アバターの語源は、ヒンドゥー教で神の化身を表す（avataara）です。IT業界では、アバターは発信者や事業主の化身として、画面上に登場するキャラクターに対して使われることが多い言葉です。
アバターが使われるケースとして多いのは、主にオンラインゲームやVR空間などが挙げられます。発信者が顔出しをしたくなかったり、キャラクターにファンを付けたりすることを目的として、アイコンや自作のキャラクター画像、3Dモデルを利用してアバター化しています。さらに、発信者の発言に合わせて動きのあるアバターも存在します。たとえば、発信者が「ありがとう」という言葉を発したら、アバターもそれに合わせて口や体を動かします。
また、アバターは権化という意味が含まれているものの、発信者の姿形をそのまま表すケースは多くありません。一般的には、漫画風のキャラクターデザインやイラスト調が用いられるケースが多く、発信者の属人性を排除する傾向にあります。ただし、発信者は自身が作成したキャラクターになりきらないといけないため、年齢や性別、趣味や性格などを発信者がキャラクターに合わせます。
さらに、アバターは人間の形をしなければいけないわけではありません。ロボットや動物をアバターに設定しているケースも多く、特定の漫画やアニメに出てくるキャラクターをアバターに設定するユーザーも多いです。そして、その漫画やアニメのキャラクターの服装や髪型を自分好みにカスタマイズする発信者も存在します。現代では、3DでのCG「3DCG」などの技術も日々向上しています。そのため、立体モデルを使用したアバターもインターネット上で多く見かけるようになりました。
アバターの効果として注目されているのは、視聴者や消費者からのクレームが減少することです。発信者としての属人性を排除しているため、企業側はあえてキャラクターや動物のアバターを設定することがあります。実際に、ショッピングサイト（ECサイト）やチャットサービス、SNSなどでアバターを設定する企業も多く見られます。
また、ケースによって当然異なるものの、企業側がアバターを使用することで、商品の購入率やサービスの申し込み率が高まるケースもあります。現状の申し込み率の改善を図りたい場合は、アバターを使用してみるのも1つの選択肢と言えるかもしれません。
アバターの着せ替え機能を用意しているオンラインゲームも存在する
オンラインゲームでは、プロフィールでアバターを設定できるものも増えています。プロフィールでアバターを設定する場合、大半の初期状態は「シャツとズボン」のみのケースが一般的です。そこで、オンラインゲームを進める中で、特定のミッションやステージをクリアすることで、アバターの着せ替えが増えていくという機能を搭載しているゲームも存在します。
これにより、オンラインゲームを利用するユーザーの中で「より攻略したい」という感情が生まれます。イベントに参加するだけで着せ替えアイテムをもらえるなど、オンラインゲーム初心者の方でも取り組みやすい仕組みを採用する一方で、課金しなければ獲得できない着せ替えアイテムを販売しているオンラインゲームもあります。つまり、企業側はアバターシステムを採用して、マネタイズする機会を増やしていると言えます。
参考記事
・VRの基礎知識とビジネスシーンにおける活用事例のご紹介
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