2015年(平成27年)、女性が活躍しやすい社会を目指して「女性活躍推進法」が設立された。しかし、多くの企業では女性管理職の割合が少なく、政府が掲げる目標値に達していないのが現状だ。今回は、女性管理職を増やす取り組みや企業の成功事例について解説する。
目次
女性活躍推進法とは
女性活躍推進法は、女性が活躍しやすい社会の実現を目指して成立された法律だ。正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」で、一般的には「女性活躍推進法」と略して呼ばれている。
女性活躍推進法は、2015年(平成27年)8月28日に国会で成立し、2016年(平成28年)4月1日に施行された。女性活躍推進法の施行により、数値目標を盛り込んだ行動計画の策定や女性活躍に関する情報の公表などが事業主に義務付けられている。
2022年(令和4年)7月8日には、日本の男女間賃金格差の現状を踏まえた制度改正がおこなわれた。制度改正により、常時雇用する労働者が301人以上の事業主を対象として、「男女の賃金の差異」の情報公表が義務化されている。
参考:厚生労働省「女性活躍推進法の省令・告示を改正しました」
関連記事:クオータ制とは?メリットや日本の課題を分かりやすく
女性活躍推進法が制定された社会的な背景
女性活躍推進法が制定された社会的な背景には、以下のことが考えられる。
● 女性の就業率の上昇
● 多様性や働き方改革の推進
● 少子高齢化による労働人口の減少
男女共同参画局の調査結果によると、生産年齢人口における女性の就業率は、2005年(平成17年)以降すべての都道府県別で上昇していることが報告された。女性の就業率が上昇した理由には、女性が働くことに対する意識が社会全体で変化していることが挙げられる。結婚や出産を経ても、引き続き会社で働きたいと考える女性が増えているのだ。
ライフステージが変化しても継続して働きたいと考える女性が増えている一方で、仕事との両立が難しいという理由で離職する女性社員は少なくない。日本国内において、育児や介護などの理由で働きたくても働けないと悩む女性は、約300万人いるといわれている。女性に活躍してもらうには、多様で柔軟な働き方の選択肢を増やすことが必要なのだ。
女性活躍推進法が制定された背景には、少子高齢化による労働人口の減少も考えられる。日本では少子高齢化が進んでおり、今以上に労働人口は減少していくことが予測されているのだ。労働人口が減少するなか、日本の労働生産性を高めるには女性の労働を促し、性別を問わず職場で能力を発揮できる環境整備が求められている。
参考:男女共同参画局:「I-特-3図 都道府県別 女性の就業率(15~64歳)の推移」
関連記事
・テレワークとは?課題や調査から見る多様化が進む働き方を解説
・EX(従業員体験)向上の重要性とは?企業が実施している具体的な施策
女性管理職はなぜ少ないのか
女性管理職が少ない理由には、以下のことが挙げられる。
● ライフステージの変化で継続就業が難しい
● 育休取得者は人事評価が低くなりやすい
第1子出産前後に女性が働き続ける割合は、これまで4割前後を推移してきたが、内閣府男女共同参画局が2018年(平成30年)時点で5割以上に上昇したことを報告した。出産や育児などとライフステージが変化しても、就業継続を希望する女性が増えているのだ。
しかし、ライフステージの変化に対応せず、働き続けられる環境が整備されていない企業が多いのが実情である。仕事とプライベートの両立を諦め、働きたくても離職に追い込まれる女性も多いのだ。離職を選択する女性が管理職候補者であることも多いため、仕事とプライベートの両立の難しさが女性管理職の増えない要因として考えられている。
また、日本は年功序列や終身雇用制が定着しており、勤続年数が長い社員ほど人事評価が高くなる傾向がある。育児介護休業法では「育児休業を理由に不当な扱いをしてはいけない」と記されているものの、実態は育児休業取得期間を人事評価に含めてしまう企業が多い。育児休業を取得すると自身の評価が低くなり、管理職登用の機会を失う場合があるのだ。
参考
・内閣府男女共同参画局「第1子出産前後の女性の継続就業率」及び 出産・育児と女性の就業状況について」
・e-Gov「育児介護休業法 第十条」
女性活躍推進法制定における企業の義務とは
女性活躍推進法で義務化されている取り組みは、以下のとおりである。
労働者数が301人以上の事業主の場合 |
● 現状把握、課題分析をおこなう ● 行動計画に数値目標として2項目以上を記載する ● 行動計画の社内周知・外部公表をおこなう ● 都道府県労働局に届け出る ● 3項目以上の情報公表をおこなう |
労働者数が101人以上で300人以下の事業主の場合 |
● 現状把握、課題分析をおこなう ● 行動計画に1つ以上の数値目標を記載する ● 行動計画の社内周知・外部公表をおこなう ● 都道府県労働局に届け出る ● 1項目以上の情報公表をおこなう |
労働者数が100人以下の事業主の場合 |
努力義務 |
労働者数により、行動計画に記載すべき数値目標の数や公表する情報の項目数などが変わるため、その点には注意が必要だ。
以下で、企業がおこなうべき取り組みの流れを詳しくチェックしよう。
1.現状把握と課題分析
行動計画策定の重要な作業といわれるのが、女性活躍に関する現状把握と課題分析だ。必須で状況把握が求められる「基礎項目」は、以下の5つである。
● 採用者に占める女性の比率
● 平均勤続年数の男女比
● 月別の平均残業時間数
● 管理職に占める女性の割合
● 男女の賃金の差異(常時雇用する労働者が301人以上の事業主の場合に限り)
把握した情報をもとに課題分析をおこない、課題があると判断した事項に関しては、必要に応じて「選択項目」を活用して原因の分析を深める。
2.行動計画の策定・社内周知・外部公表
状況把握・課題分析の結果を勘案し、行動計画を策定する。行動計画には、以下の情報を記載することが必要だ。
● 計画期間
● 実施時期
● 数値目標
● 取り組み内容
行動計画は、社内に周知しつつ外部に公表する。社内周知の方法には、企業内ネットワークへの掲載や電子メールでの送付などが挙げられる。外部公表は、女性の活躍状況に関する情報を集約した「女性の活躍推進企業データベース」や自社サイトへの掲載などがある。
3.行動計画書を都道府県労働局に届出
行動計画を策定したならば、策定の日からおおむね3ヵ月以内に、「一般事業主行動計画策定・変更届」を管轄の都道府県労働局に届け出なければならない。
提出方法は、郵送か持参、電子申請から選べる。一般事業主行動計画策定・変更届は、「一般事業主行動計画の策定・届出等について」からダウンロード可能だ。
4.情報公開
最後は、女性の活躍に関する情報公表だ。情報公開により、優秀な人材の確保や競争力の強化につながる効果が期待できる。
企業が情報公開するべき項目は、以下のとおりである。
労働者数が301人以上の事業主の場合 |
3項目以上の公表が必要である |
労働者数が101人以上300人以下の事業主の場合 |
1項目以上の公表が必要である |
情報公表は「女性の活躍推進企業データベース」でおこなう。
参考
・厚生労働省「女性活躍推進法に基づく一般事業主 行動計画策定かんたんガイド =令和4年(2022年)4月1日義務化 対応版=」
・厚生労働省「女性活躍推進法に基づく 一般事業主行動計画を 策定しましょう!」
平均的な女性管理職の比率・割合は現状14.8%、目標は30%
日本政府は、2030年代には管理職の性別に偏りがない社会の実現を目指している。その通過点として、2020年代には女性管理職に占める割合が30%程度となるよう目標設定し、女性活躍推進法に関するさまざまな取り組みを進めているのだ。
従来に比べると女性の社会進出は増えているが、女性管理職が占める割合は全体の14.8%である。日本政府が掲げる30%程度の数値目標は、2023年(令和5年)時点で達成できていないのだ。また、世界に目を向けると諸外国の推進速度は速く、日本は遅れていることがわかる。
国名 | 女性管理職の割合 |
アメリカ | 40.7 |
スウェーデン | 40.2 |
イギリス | 36.8 |
フランス | 34.6 |
ドイツ | 29.4 |
日本 | 14.8 |
参考:厚生労働省「第5次男女共同参画基本計画」
女性活躍推進法に関連した各種認定制度
女性活躍推進法に関連した各種認定制度には、以下のようなものが挙げられる。
● えるぼし認定
● くるみん認定
● なでしこ銘柄
● ユースエール認定制度
● 過去の制度・アワード
それぞれの概要についてチェックしよう。
えるぼし認定
えるぼし認定とは、女性活躍の取組状況が優良な企業を認定する制度のことだ。女性活躍推進法に基づき、一定の基準を満たした企業は厚生労働大臣から「えるぼし認定」を受けられる。より高い水準の要件を満たした企業には、「プラチナえるぼし認定」が与えられるのだ。
えるぼし認定やプラチナえるぼし認定を受けた企業は、認定マークを商品や広告などに記載できる。認定マークをうまく活用すれば、女性の活躍が進む企業として、イメージ向上や優秀な人材確保につなげられるメリットがある。2023年(令和5年)5月末時点において、えるぼし認定・プラチナえるぼし認定を受けた企業はともに40社である。
えるぼし認定・プラチナえるぼし認定に関する詳細は、以下のページでチェックしよう。
関連記事:えるぼし認定で得られる企業のメリットとは?基準やマーク、プラチナ、くるみんとの違いも解説
参考
・厚生労働省「女性活躍推進法への取組状況(一般事業主行動計画策定届出・「えるぼし」「プラチナえるぼし」認定状況)」
・厚生労働省「女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」
・厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)」
くるみん認定
くるみん認定とは、子育てサポートの取組状況が優良な企業を認定する制度のことだ。次世代育成支援対策推進法に基づき、一定の基準を満たした企業は「くるみん認定」を受けられる。より高い水準の要件を満たした企業には、「プラチナくるみん認定」が与えられるのだ。
加えて、2022年(令和4年)4月1日より、「トライくるみん認定」が新たに創設されている。これらの認定を受けると、子育てサポート企業であることを社内外にアピールでき、人材定着や業務効率化の推進が期待できるのだ。2023年(令和5年)5月末時点において、くるみん認定は4,156社 プラチナくるみん認定は552社、トライくるみん認定された企業は1社である。
参考
・厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて」
・厚生労働省「くるみん認定、プラチナくるみん認定及びトライくるみん認定企業名都道府県別一覧」
なでしこ銘柄
なでしこ銘柄とは、女性活躍推進に優れた上場企業を選定する制度のことだ。2012年(平成24年)より、経済産業省と東京証券取引所の共同で実施されている。なでしこ銘柄を受けると市場からの評価が上がり、投資先として選ばれやすいメリットがあるのだ。また、女性活躍推進に関する取り組みをおこなう企業として、ブランディング効果も期待できる。
なでしこ銘柄は、東京証券取引所の上場会社全体に実施する女性活躍度調査の回答結果をもとに、独自基準を満たした企業から選ばれるのが特徴だ。2022年(令和4年)には17社が選定されている。なでしこ銘柄の選定ポイントでは、女性活躍の取り組みの多寡だけでなく、経営戦略との連動性が重要視される。
参考:経済産業省「女性活躍に優れた上場企業を選定「なでしこ銘柄」」
ユースエール認定制度
ユースエール認定制度とは、女性を含む若者の採用や育成に積極的で雇用管理状況が優良な企業を、厚生労働大臣が認定する制度のことだ。認定を受けた企業は、認定マークを商品や広告などに使用できる。また、企業イメージの向上により、若い女性からの応募が増えたり優秀な人材を確保できたりするなど、さまざまな効果が期待できるのだ。
ユースエール認定制度は、認定基準をすべて満たす中小企業であれば認定を受けられる。中小企業とは、常時雇用する労働者が300人以下の事業主のことだ。2022年(令和4年)10月3日時点において、770社がユースエール認定を受けている。
参考:安全衛生優良企業マーク推進機構「ユースエール認定企業一覧」
過去の制度・アワード
女性活躍推進法に関連した過去の制度やアワードには、以下のものが挙げられる。
● イクメン企業アワード
● 均等・両立推進企業表彰
● 新・ダイバーシティ経営企業100選
● 100選プライム
それぞれの特徴をチェックしよう。
イクメン企業アワード
イクメン企業アワードは、企業における育児と仕事の両立支援、男性の育児休業の取得を促進するために厚生労働省が実施した取り組みだ。男性の育児と仕事の両立を促進するための職場環境の整備や、活動などを積極的におこなう企業を表彰している。
均等・両立推進企業表彰
均等・両立推進企業表彰は、性別を問わず職業生活の全期間を通じて能力を発揮できる職場環境の整備を促すことを目的にした取り組みだ。女性社員の能力発揮を促進する取り組みや、仕事と育児・介護との両立支援を積極的におこなう企業を表彰している。
新・ダイバーシティ経営企業100選
新・ダイバーシティ経営企業100選は、女性を含む多様な人材の能力を発揮できるダイバーシティ経営の推進を目的とした取り組みだ。ダイバーシティ経営に積極的に取り組む企業を表彰している。2012年(平成24年)に開始してから282社が選定された。
100選プライム
100選プライムは、多くの企業にダイバーシティの取組の輪を広げることを目的とした取り組みだ。「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれた企業を対象に、「ダイバーシティ2.0 行動ガイドライン」の項目を実践する企業を表彰している。
残念ながら、これらの制度やアワードはすべて終了している。しかし、女性活躍を推進するために、今後も女性活躍推進法に関連した新たな取り組みが始まる可能性があるだろう。
参考
・厚生労働省「イクメン企業アワード」
・厚生労働省「均等・両立推進企業表彰」
・経済産業省「新・ダイバーシティ経営企業100選、100選プライム」
関連記事:コンティンジェンシー理論とは?VUCA時代・多様性に適したリーダーシップの在り方
女性管理職を増やすメリット・デメリット
女性管理職を増やすメリットには、次のようなものが挙げられる。
● 認定制度に応募できる
● 公共調達に有利である
● 助成金支給を受けられる
● 投資対象の可能性が広がる
● 離職率の低下につながる
● 優秀な人材確保が期待できる
それぞれの項目を詳しくチェックしよう。
認定制度に応募できる
女性管理職が増えれば、認定制度に応募できるメリットがある。たとえば、えるぼし認定の場合、認定基準の項目に管理職比率があるのだ。認定制度に応募して一定の要件を満たせば認定を受けられ、認定マークを商品や広告などに掲載できる。女性の活躍を推進する企業として社内外にアピールできるため、企業のイメージ向上や人材確保が期待できるのだ。
公共調達に有利である
女性管理職が増えてえるぼし認定を受けた場合、公共調達で有利になるメリットがある。公共調達とは、政府が民間から物やサービスを購入することだ。通常、政府は業務発注を民間企業に入札という形で募集をかけ、名乗り出た業者の中から1社を選ぶ。えるぼし認定を受けた企業は加点評価されるため、業者を選ぶときに優遇されるのだ。
助成金の支給を受けられる
女性管理職が増えると、両立支援等助成金の支給を受けられるのもメリットだ。両立支援等助成金は、仕事と家庭の両立支援や女性の活躍推進に取り組む企業を支援するための助成金である。両立支援等助成金には、出生時両立支援や育児休業等支援、介護離職防止支援など5つのコースがあるのが特徴だ。助成金が支給されると、実施にかかる費用を抑えられる。
参考:厚生労働省「事業主の方への給付金のご案内」
投資対象の可能性が広がる
女性管理職が増えてえるぼし認定された企業は、日本政策金融公庫による低金利融資を受けられるメリットがある。日本政策金融公庫は、非正規雇用の処遇改善や多様な人材の活用促進などに取り組む中小企業を支援する「働き方改革推進支援資金」を実施している。融資を受けるには一定の基準を満たす必要はあるが、投資対象の可能性を広げられるだろう。
参考:日本政府金融公庫「働き方改革推進支援資金」
離職率の低下につながる
女性管理職を増やして社外に公表すれば、離職率の低下につながる効果が期待できるだろう。女性が活躍できる企業であることを社外にアピールすることで、企業のイメージ向上が図れる。企業のイメージが高くなると社員の企業に対する信頼度が増し、人材の定着率を上げられるのだ。女性の従業員に長く働いてもらえる職場環境を実現できるだろう。
優秀な人材確保が期待できる
日本企業における女性管理職は、政府が目標とする数値に達していないのが現状だ。このような状況下で、女性管理職を増やす取り組みを積極的におこなえば、競合他社との差別化を図れる。働きやすい環境を求める女性の目に留まり、応募につながる場合もあるだろう。自社への応募者が増えることにより、優秀な人材の確保が期待できるのだ。
一方、女性管理職を増やすデメリットには、男性に比べると管理職を希望する女性が少ないことが挙げられる。あるアンケート調査によると、将来的に管理職に就きたいと考える女性は少ない傾向にあり、管理職への志望度が低いのが現状だ。
主な理由は、「責任が重くなる」「残業時間が増える」「自分に向いていない」などが多い。また、「家庭との両立が不安」「給与が上がらない」といった女性の声も見られる。女性管理職を増やすには、考慮すべき点が多いことを理解する必要があるだろう。
関連記事:エンゲージメントとは?従業員の定着率をあげるためにできるエンゲージメント向上の施策
女性管理職を増やす取り組みを行なった企業の事例
女性管理職を増やす取り組みを積極的におこなう、以下の企業について紹介する。
● 亀田製菓株式会社
● 株式会社スーパーホテル
● ロジスティックスオペレーションサービス株式会社
● DHLジャパン株式会社
● 株式会社トマト銀行
● 株式会社丸井グループ
● 塩野義製薬株式会社
それぞれの成功事例を詳しくチェックしよう。
亀田製菓株式会社
設立当初から女性従業員数の比率は高いが、女性管理職の登用が進んでいないという課題を抱えていた。このような状況下で女性管理職を増やすべく、ライフイベントを迎えた女性が活躍できる環境整備を進めている。その結果、女性管理職比率が年々増加しているのだ。
正式名称 | 亀田製菓株式会社 |
事業内容 | 菓子の製造販売事業 |
所在地 | 新潟県新潟市 |
女性管理職比率 | ● 2017年(平成29年)10.5% ● 2018年(平成30年)9.9% ● 2019年(令和元年)14.5% |
認定マーク | ● えるぼし認定(認定段階3) ● くるみん認定(2018年度) |
主な取り組み内容 | ● 子どもが3歳の年度末まで6時間勤務可能 ● 産前休暇前・育児休業復帰前面談の実施 ● 配偶者出産特別休暇(有給)を3日付与 |
参考:厚生労働省「亀田製菓株式会社 (製造業)」
株式会社スーパーホテル
女性管理職が増えた理由は、半年に1回の筆記試験と面接で働きぶりを評価する「スター制度」の導入だ。評価結果によりステップアップでき、上昇志向のある女性が増加している。
正式名称 | 株式会社スーパーホテル |
事業内容 | ホテルチェーンの展開・土地有効活用のコンサルティング |
所在地 | 大阪府大阪市西区 |
女性管理職比率 | 19.6% ※業界平均の女性管理職率は10% |
認定マーク | えるぼし認定(認定段階3) |
主な取り組み内容 | ● 独自の評価システム「スター制度」の導入 ● 女性が活躍できる職域の拡大 ● 産休・育休制度、時短勤務制度などを充実 |
参考:厚生労働省「株式会社スーパーホテル (宿泊業、飲食サービス業)」
ロジスティックスオペレーションサービス株式会社
女性管理職を増やすために、産休・育休後復帰の支援や休みやすい環境整備などの取り組みを実施する企業だ。女性管理職比率の数値目標を設定し、社内の意識改革にも努めている。
正式名称 | ロジスティックスオペレーションサービス株式会社 |
事業内容 | ● 倉庫業 ● 利用運送事業 ● 労働者派遣事業 ● 有料職業紹介事業 ● 貨物取扱業 ● フロントオフィス支援事業 ● バックオフィス支援事業 |
所在地 | 東京都品川区 |
女性管理職比率 | ● 係長クラス 31% ● 課長以上 13% |
認定マーク | えるぼし認定(認定段階3) |
主な取り組み内容 | ● 産休・育休後復帰のサポート ● 休みやすい環境づくりへの取り組み ● 女性管理職比率の数値目標を設定 |
参考:厚生労働省「ロジスティックスオペレーションサービス株式会社 (運輸業、郵便業)」
DHLジャパン株式会社
女性従業員の昇進への不安を払拭し、キャリア意欲を向上するための取り組みを実施した結果、女性の職域拡大・管理職比率の増加に成功している。
正式名称 | DHLジャパン株式会社 |
事業内容 | 国際エクスプレス業 |
所在地 | 東京都品川区 |
女性管理職比率 | 2016年(平成28年)11.6% ※目標数値は20% |
認定マーク | くるみん認定・均等 両立推進企業表彰 |
主な取り組み内容 | ● キャリア意欲を向上するための取り組みを実施 ● 女性採用や女性職域拡大の実施 |
参考:厚生労働省「DHLジャパン株式会社 (運輸業、郵便業)」
株式会社トマト銀行
女性社員のキャリア形成や活躍推進のため、育児休業からの早期復職支援や復職後の支援に注力している企業だ。結果的に女性社員の平均勤続年数が飛躍的に伸長し、女性の役席者登用が進んでいる。
正式名称 | 株式会社トマト銀行 |
事業内容 | 金融業(銀行業) |
所在地 | 岡山県岡山市 |
女性管理職比率 | ● 支店長代理・係長 22.2% ● 管理職・支店長代理・係長 15.2% ※2018年(平成30年)11月末時点 |
認定マーク | プラチナくるみん認定 均等・両立推進企業表彰 |
主な取り組み内容 | ● 育児短時間勤務制度の導入 ● 子どもが1歳になる誕生月の月初までに復職した場合、翌月から子どもが3歳になる前月までの間育児支援給付金の支給 ● 毎年5月に育児短時間勤務者研修を実施 |
参考:厚生労働省「株式会社トマト銀行 (金融業、保険業)」
株式会社丸井グループ
女性社員を対象にした「階層別共有会」の開催や、28歳の全女性社員を対象にした「キャリアデザイン・プログラム」などを積極的に実施する企業だ。こうした取り組みの結果、女性管理職が増加している。
正式名称 | 株式会社丸井グループ |
事業内容 | 小売業 |
所在地 | 東京都中野区 |
女性管理職比率 | 【係長クラス】 ● 2016年(平成28年)10.7% ● 2018年(平成30年)16.7% 【課長クラス】 ● 2016年(平成28年)9.6% ● 2018年(平成30年)12.1% 【部長クラス】 ● 2016年(平成28年)5.6% ● 2018年(平成30年)8.4% |
認定マーク | ● くるみん認定 ● プラチナくるみん認定 ● えるぼし(認定段階3) ● 均等・両立推進企業表彰 ● イクメン企業アワード ● ダイバーシティ経営企業100選 ● 新・ダイバーシティ経営企業100選 ● 100選プライム |
主な取り組み内容 | ● 女性活躍の取組の進捗状況を測る「女性イキイキ指数」の導入 ● 半年ごとに自身の今後のキャリアや成長を考える「お仕事フォーラム」を開催 ● 今後の成長につなげるための「キャリアデザイン・プログラム」研修を実施 |
参考:厚生労働省「株式会社丸井グループ (卸売業、小売業)」
塩野義製薬株式会社
従業員による自律的な活動を通じて、職種ごとに特有の課題を抽出して取り組みを実施する企業だ。こうした取り組みの結果、女性の定着が進み、女性管理職が増加している。
正式名称 | 塩野義製薬株式会社 |
事業内容 | 医薬品 臨床検査薬や機器などの製造・販売 |
所在地 | 大阪府大阪市 |
女性管理職比率 | 【係長クラス】 ● 2014年(平成26年)17.6% ● 2016年(平成28年)21.0% 【課長クラス】 ● 2014年(平成26年)5.9% ● 2016年(平成28年)8.5% |
認定マーク | ● くるみん認定 ● 均等・両立推進企業表彰 ● ダイバーシティ経営企業100選 ● 新・ダイバーシティ経営企業100選 |
主な取り組み内容 | ● 仕事と育児の両立支援 ● 女性活躍推進 ● 女性職域拡大 ● 女性管理職登用 |
参考:厚生労働省「塩野義製薬株式会社 (製造業)」
まとめ:女性活躍推進のため女性管理職の比率向上を目指そう
女性が活躍しやすい社会を目指した女性活躍推進法が設立されたものの、多くの企業では女性管理職の割合がいまだ少ないのが実情だ。
しかし、日本政府は、企業における女性管理職の割合が30%程度となるように目標設定しており、今後も取り組みを進めるのは間違いない。女性管理職を増やす取り組みを実施した企業事例を参考に、比率の向上を目指してみてはいかがだろうか。