2022.6.9

採用フローとは?作る目的・方法、流れを解説!【採用フロー図の例付き】

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採用フローとは、企業が人材の採用に至るまでの一連の流れを指す言葉である。今回は採用フローとはなにか、目的やメリット、作る方法などを紹介する。採用広報や企業説明会、書類選考など、採用フローで必要となる主な要素も解説しているため、併せてチェックしよう。

採用フローとは?

採用フローとは、企業が人材の採用に至るまでの一連の流れをまとめたものである。採用活動のなかには、求人情報の掲載や学校へ求人票を提出するなどで企業の認知度を高める「広報活動」と、求める人物像にあう人材を探し採用する「選考活動」がある。このような、求人情報の公開から採用が終了するまでの、すべての流れのことを採用フローと呼ぶのだ。

関連記事:採用広報とは?取り組む目的、ポイントを解説

採用フローを作る目的・メリット

採用フローを作る目的は、選考の流れを把握し、進捗管理や採用活動を効率的におこなえるようにするためである。採用フローを作るメリットは、以下のとおりだ。

・採用担当者だけではなく関係者が全員採用プロセスを正しく把握できる
・採用活動で関係各所と連携を取りやすくなる
・課題分析がしやすく、今後の改善に向けた対策がおこないやすい
・採用者の質にバラつきが生まれにくい
・募集職種や採用ターゲットごとに適した採用フローが理解できるようになる

このような複数のメリットがあるため、採用フローを作成してから採用活動をおこなうことをおすすめする。

採用フローを作る方法、流れ

採用フローを作る方法や流れは以下のとおりである。

・ まずは採用したい人物像(ペルソナ)を設計する
・ 採用計画を考える
・ 採用フローに必要な要素を洗い出す

企業における採用活動では、採用する人材が新卒での採用なのか中途での採用なのかによって、採用に至るまでの流れが異なるものだ。採用フローを作る際には、まずは採用したい人物像であるペルソナを設計したうえで、対象にあわせた採用計画を考えることが重要である。

それでは、採用フローを作る流れについて、それぞれのポイントごとに詳しくチェックしていこう。

画像:採用フローを作る方法、流れ

採用したい人物像(ペルソナ)を設計する

まずは採用したい人物像であるペルソナの設計からおこなう。そもそもペルソナとは主にマーケティングや営業部門で用いられる概念のひとつであり、企業のプロダクトやサービスの効率的な販売などを目的として使われてきたものである。

採用活動でもペルソナを作る手法を用いて自社の求める人材像を明確化し、焦点を絞った的確な施策をおこなうことにより、効果的な採用計画を立てられるようになる。

採用したい人物像がはっきりしていないと、母集団や内定者数の達成を目的として採用活動をおこなってしまい、内定辞退者や早期離職者が発生しやすくなってしまう。自社の課題解決に適した人物像を見立ててペルソナを設定すると、今後の企業活動に役立つ人材を獲得しやすくなるのである。

関連記事:採用マーケティングで重要な「ペルソナ」とは?その設計方法や具体例を解説

採用計画を考える

自社の課題解決に適したペルソナを設定して、採用したい人物像がはっきりしたならば、ペルソナに適した採用計画を考えていこう。採用計画とは、採用活動をおこなう際の指針であり、企業の事業計画をもとに具体的な採用プロセスを設計していくものである。

採用計画を考える際は事業計画と採用の方向性が合致していないと、企業の目標達成に向けた人材を確保しづらくなってしまう。また、その場しのぎの採用活動では採用後のミスマッチに繋がってしまうため、採用計画をしっかりと立てる必要があるのだ。採用計画がしっかりとしていれば、もしもなにか課題があった場合でも原因を突き止めやすく、解決に向けて改善しやすくなるのである。

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採用フローに必要な要素を洗い出す

はっきりとした採用計画を立てられたならば、必要な要素を洗い出し、求める人物像や採用計画に適した採用フローを設計していく。採用人数や採用スケジュール、採用予算、社内の協力体制などを確認しつつ、採用フローを決定していこう。

採用フローで必要となる主な要素の詳細は後述する。新卒の場合の一般的な採用フローは、以下のとおりである。

画像:新卒における採用フロー例

また、中途の人材を求める場合の一般的な採用フローは、以下のとおりだ。

画像:中途における採用フロー

採用フローは企業ごとに異なるものである。企業によっては個人面接とグループ面接をそれぞれおこなったり、面接を数度に分けて実施したり、適性試験やグループワークをしたりと、各々の会社にあった方法をとっている。

採用フローで必要な主な要素

採用フローで必要となる主な要素は、以下のとおりである。

・ 採用広報・プレエントリーの開始(募集活動)
・ 企業説明会の実施
・ 適性検査・書類選考
・ 本選考~内定出し
・ 内定者フォロー

採用活動において必要となるそれぞれの工程ごとに、ポイントとなるものが異なる。また、採用フローの分析を蓄積していけば、より募集職種や採用ターゲットにあった有効な採用フローができるようになるだろう。もしも今まで思い通りの結果につながっていないのであれば、採用フローを見直す必要がある。

ここでは、新卒採用の場合の採用フローで必要となる主な要素ごとに、ポイントをチェックしていこう。

画像:採用フローで必要な主な要素

採用広報・プレエントリーの開始(募集活動)

採用計画を立てたら、採用広報やプレエントリーを開始し、母集団の形成に向けた募集活動をおこなっていく。主な募集方法には、自社採用サイトへの情報公開や求人サイトでの募集、自社サイトや採用に特化したオウンドメディア、Webメディア、SNSなどを活用した広報活動、インターンシップなどがある。

学生へ広報をおこなってエントリー(応募)を受付する方法は、インターネット上で実施するケースが多い。もちろん、応募者からコンタクトを取ったりエントリーしたりできる状態にしておく必要がある。

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企業説明会の実施

企業説明会の実施は、エントリー(応募)をしてくれた学生に向けておこなうケースが一般的である。また、自社開催の説明会以外にも、多くの企業が集まる合同説明会や就活セミナーに出展して企業説明会をおこなう企業も多い。

企業説明会は、企業に訪問する形式で実施するものだけではなく、インターネットで視聴する形式のWebセミナーもある。どちらも企業自体や社風のPRができる場であり、学生が企業理解を深めて志望動機を形成し、本エントリーしてもらうという目的でおこなっているものだ。

企業によっては、企業説明会と筆記試験やグループディスカッションなどの選考を同日に実施して、スピーディーに選考を進めていくケースもある。

適性検査・書類選考

書類選考は履歴書やエントリーシート、成績証明書などをもとにおこなっていく。近年では、企業説明会などの際にあわせて提出してもらうほかに、オンライン上で提出できるようにしているケースも増加している。また、ツールを活用して動画で自己PRや志望動機などを話し、提出する企業もある。

さらに適性をチェックするために、適性検査や筆記試験を実施するケースが多い。筆記試験を実施する場合には、一般常識や時事問題などが出題されている。開催場所は試験会場やテストセンターが多かったが、近年では適性検査や筆記試験もオンラインでの受験に対応した企業が増加傾向にあり、自宅からでも受験できるようになった。

本選考~内定出し

書類選考や筆記試験、適性検査などの試験を通過した学生に対して面接を実施し、合格者に内定を出していく。面接試験は個人面接だけではなく、グループ面接やグループディスカッションの形式でおこなわれるケースがある。企業によって面接の回数は異なるものの、自社の採用したい人物像に沿うかどうかを確認するために2~3回は実施していることが多い。

新卒採用の場合様々なルールがあるため、内定通知は4年生の10月におこなえるようになるが、多くの企業で内々定通知という形で学生に伝えている。

内定者フォロー

内定を出してからも、内定辞退を防止するためのフォローが重要だ。近年のコロナ禍の社会情勢では、内定者フォローは自社への志望度を高めつつ内定者の不安を解消するためにも必要である。

学生側から見ても、内定者フォローは重要視されている。選考フローのオンライン化が急激に広まっている関係もあり、企業とのミスマッチを懸念する学生が多く、フォローしてもらいたいと考えられているようだ。実際に、内定を承諾してからまったく音沙汰がないことを不安視する学生もいる。

一方で、内定者フォローが頻繁すぎたり他社選考の早期辞退を促されたりした場合にも不満の声が挙げられているため、フォローの仕方にも注意が必要だ。

関連記事:内定者フォローのポイントとは?コロナ禍でもオンラインで内定者との接点を強める方法

まとめ

採用フローとは、企業が人材の採用に至るまでの一連の流れをまとめたものである。採用フローを作ることで、選考の流れを把握し、進捗管理や採用活動を効率的におこなえるようになる。

採用フローを作るメリットは、以下のとおりだ。

・採用担当者だけではなく関係者が全員採用プロセスを正しく把握できる
・採用活動で関係各所と連携を取りやすくなる
・課題分析がしやすく、今後の改善に向けた対策がおこないやすい
・採用者の質にバラつきが生まれにくい
・募集職種や採用ターゲットごとに適した採用フローが理解できるようになる

採用フローを作る流れは、まず採用したい人物像(ペルソナ)を設計することからはじめ、採用計画を考え、採用フローに必要な要素を洗い出して決定する。採用計画を考える際は、事業計画をもとに具体的な採用プロセスを設計していこう。

新卒の場合の一般的な採用フローは、以下のとおりである。

採用計画の立案→募集活動開始→会社説明会の実施→書類選考→筆記試験→面接→内定→入社

内定を出してからも内定者フォローなどの注意が必要な点があるため、採用フローに必要な要素ごとのポイントを理解し、実際の業務に役立てていこう。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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