キャッチコピーとは、消費者の心を掴むための宣伝文句である。採用活動を行う際にキャッチコピーを作成すれば、求職者の記憶に残りやすくなるのだ。この記事では、採用活動で使用するキャッチコピーの作成方法を紹介する。実例も併せてチェックしていこう。
目次
キャッチコピーとは?
キャッチコピーとは、消費者の心を掴むための標語である。採用活動でキャッチコピーを利用すれば、求職者の記憶に残りやすくなるだろう。ここでは、キャッチコピーの基礎知識について解説する。
キャッチコピーとは
キャッチコピーとは、宣伝文句のひとつであり、消費者の心を掴むために重要な標語である。消費者にアピールしたい商品やサービスを的確、かつ印象に残る短い言葉で表現することで、消費者の興味を沸かせることができるのだ。
そのため、キャッチコピーを作成することで、より自社の商品やサービスをアピールしやすくなるだろう。また、採用においてもキャッチコピーを作成することで、求職者に興味を持ってもらえるきっかけになるのだ。
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採用で重要な理由
キャッチコピーが、採用で重要な理由は以下のとおりである。
・ 求職者の記憶に残す
・ 他社との差別化につながる
・ 採用のミスマッチを防ぐ
キャッチコピーを作成すれば、求職者の記憶に残りやすくなるだろう。そもそもキャッチコピーには、「消費者の興味や関心を惹きつける」という役割がある。例えば、採用サイトのトップページに、求職者の心を惹きつけられるキャッチコピーを掲載していれば、求職者はサイト内をじっくり読み進め、情報が記憶に残りやすくなるだろう。
そのため記憶に残るキャッチコピーを作成していれば、一旦採用サイトを離れた後でも、再度訪問してくれる可能性も十分あり得るのだ。
キャッチコピーを作成することで、他社との差別化につながる。キャッチコピーは企業のパンフレットや採用媒体など、さまざまな場面で使用される重要な言葉だ。そのため、キャッチコピーを作成する際に、企業の特徴や風土といった「自社らしさ」が入っていれば、より差別化しやすくなるだろう。
つまり、キャッチコピーを作成すれば、他社との差別化を行うことができ、自社の採用ブランディングにもつながるのである。
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また、キャッチコピーを作成すれば、採用のミスマッチを防げる。キャッチコピーに企業の価値観を盛り込んでいれば、求職者にとって企業選びの参考になるだろう。そのため、企業の考え方に賛同する求職者が集まりやすくなり、入社後のミスマッチを防ぎやすくなるのである。
ミスマッチを防げれば、企業と求職者の両方にとって時間やコストの削減にもつながるだろう。つまり、キャッチコピーを作成することで、効率よく採用活動ができるのである。
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キャッチコピーを作成するポイント・手順は?
ここでは、キャッチコピーを作成する際のポイントや手順を紹介する。
作成時に意識すべきポイント
キャッチコピーを作成する際は、以下の3つのポイントを意識しよう。
・ 自社に合っているメッセージか
・ 印象に残る言葉か
・ 文字量が多過ぎないか
ここでは、キャッチコピーを作成する際に意識すべき3つのポイントを解説する。
自社に合っているメッセージか
キャッチコピーを作成する際は、自社に合っているメッセージかどうかを意識しよう。例えば、自社の企業理念やミッション、ビジョン、バリューなどを盛り込めば、自社に合ったキャッチコピーを作成できるだろう。つまり、求職者に「何を伝えるか」を明確にすることが大切である。
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また、自社に合ったメッセージを作成できれば、他社との差別化にもつながるのである。そのため、キャッチコピーを作成する際は、自社に合ったメッセージであるかどうかを確認しておくことは重要なポイントといえるだろう。
印象に残る言葉か
キャッチコピーを作成する際は、印象に残りやすい言葉を選ぼう。キャッチコピーに普通のことを盛り込んでも、相手の印象に残りにくい。自社の魅力や特徴、強みなどを把握したうえで、印象に残る言葉を選ぶことが重要である。
そのため、普段から印象に残りそうな言葉はピックアップしておくことが大切だ。キャッチコピーを作成するときに、良い言葉がすぐに浮かんでくる可能性は低いだろう。普段から使えそうな言葉を抽出しておき、その中から求職者に合った言葉を選ぶことでスムーズにキャッチコピーを作成できるのである。
文字量が多過ぎないか
キャッチコピーを作成する際は、短い文章で簡潔にまとめよう。基本的に人は、長文を瞬時に覚えられない。そのため、人が覚えやすいといわれている13文字程度にまとめるように心掛けるのがおすすめだ。
キャッチコピーを作成する際に、伝えたいことが溢れてしまい、長々と言葉をつなげてしまうと、それはもはやキャッチコピーではなく、自社の説明文となってしまう。短く簡潔にまとめることで、キャッチコピーの役割が果たせるといえるだろう。
また、短く簡潔なキャッチコピーを作成できれば、スマートフォンで自社サイトなどを閲覧した場合に読みやすくなるのも魅力のひとつである。
作成の手順
キャッチコピーを作成する手順は、以下のとおりである。
1. 採用候補者の特徴(ペルソナ)を設定する
2. 自社のアピールポイントをピックアップする
3. その中で最も伝えたいポイントを、キーワードとして抽出する
4. キーワードをベースに文章を組み立てる
ここからは、キャッチコピーの作成手順を確認しよう。
①採用候補者の特徴(ペルソナ)を設定する
まず、ペルソナを設定しよう。ペルソナとは、商品やサービスをアピールしたい人物像のことである。似た言葉にターゲットがあるが、ペルソナはターゲットよりも深く人物像を設定する。ペルソナを設定することで、ユーザーのニーズを満たしやすくなるのだ。
採用においても同様で、事前にペルソナを設定すれば、企業が求めている人材の心に突き刺さるキャッチコピーを作成できるのである。ペルソナを設定する際は、以下のような項目を決め、1人の人物像を仕上げていこう。
・ 年齢層
・ 性別
・ 居住地
・ 家族構成
・ 価値観
・ 趣味
・ 能力
・ 考え方
・ 仕事に対する姿勢
・ 学生生活の過ごし方
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②自社のアピールポイントをピックアップする
ペルソナの設定ができたら、自社のアピールポイントをピックアップしよう。キャッチコピーの作成は、自社の魅力を見つける作業から始めるのが一般的である。自社の魅力がわかれば、他社にはない自社の強みが明確になるため、差別化にもつながるのだ。
自社の魅力となる要素の一例は、以下のとおりである。
・ 業界の魅力
・ 仕事の魅力
・ オフィスの魅力
・ キャリアの魅力
・ 人や社風の魅力
また、自社の魅力を分析する際に、他社も同様な分析をすれば、より自社の魅力が明確になるだろう。他社の分析を行えば、「どこにアピールポイントがあるのか」「どのような求職者に集まってほしいのか」といった採用に関する重要な項目も明らかになるのだ。
その際、3C分析を行うのがおすすめである。3C分析とは、Customer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(競合)の3つのCからなる言葉のことで、マーケティングに重要な分析方法のことだ。3C分析を行うことで、3つの視点から市場を把握できるだろう。
関連記事:マーケティングで使える「3C分析」とは?意味や採用にも活用できる方法をわかりやすく解説!
③その中で最も伝えたいポイントを、キーワードとして抽出する
先ほど抽出した自社のアピールポイントの中から、特に伝えたいポイントをキーワードとして選ぼう。すべてのアピールポイントを詰め込んでしまうと、キャッチコピーではなくなるほか、何を伝えたいのかぼやけてしまう。
そのため、アピールポイントの中から、よりペルソナに響くポイントを抽出しておくことが重要なのだ。
④キーワードをベースに文章を組み立てる
キーワードが決まったら、キャッチコピーを作成していこう。先述したとおり、キャッチコピーを作成する際は、印象に残る言葉を使用するのも重要なポイントである。
また、一般的にひらがなや漢字で表現する言葉をカタカナやローマ字で表記すると、印象に残りやすい傾向がある。例えば、「好きを仕事に」と表現するよりも、「スキを仕事に」「SUKIを仕事に」と表現するだけで印象に残りやすくなる。
つまり、自社のアピールポイントだけではなく、印象に残りやすい言葉選びと表現方法を工夫することで、求職者の心に響くキャッチコピーは作成できるのだ。
キャッチコピー7選!
ここでは、キャッチコピーの実例を7つ紹介する。
ソニーミュージックグループ
ソニーミュージックグループのキャッチコピーは、「世界のスキを、うめ尽くせ。想いが未来を切り拓く」だ。
「スキ」には、「隙」と「好き」の2つの意味が込められている。世界にはまだまだ隙が隠されており、そこを好きで埋め尽くすとの想いが込められた一文だ。好きなことを仕事にしようとの想いが感じられるだろう。
参照元:ソニーミュージックグループ新卒採用2022 | ソニーミュージックグループ公式
楽天グループ株式会社
楽天グループ株式会社のキャッチコピーは、「Drive EMPOWERMENT」である。
インターネットを通じて、社会や人に活力を与えたいとの思いが込められたキャッチコピーだ。誰でも利用できるインターネットを活用することで、誰もが公平にチャンスを掴めるとも読み取れるだろう。
参照元:新卒採用| 楽天グループ株式会社
株式会社バンダイ
株式会社バンダイのキャッチコピーは、「夢・クリエイション 夢をカタチに。ワクワクする未来を一緒に創ろう!」だ。
株式会社バンダイに入社すれば、夢を実現できるかもしれないと感じさせるキャッチコピーである。ワクワクしながら、仕事をやりたい人が集まりやすいだろう。
参照元:新卒採用 | 株式会社バンダイ / 株式会社BANDAI SPIRITS 採用情報
キリンホールディングス株式会社
キリンホールディングス株式会社のキャッチコピーは、「よろこびがつなぐ世界へ」だ。
よろこびが人と人をつなげていき、世界をもつなげるといった思いが感じられるキャッチコピーとなっている。
参照元:KIRIN RECRUIT 2023|キリンホールディングス株式会社
株式会社良品計画
株式会社良品計画のキャッチコピーは、「感じ良い暮らしと社会の実現 挑戦の原動力は、『社会や人の役に立つ』」だ。
人々の暮らしをより良くするために、奮闘していることが伝わるキャッチコピーである。採用においても、社会や人のために仕事をしたいと考えている人を求めているのが感じられるだろう。
参照元:株式会社良品計画|新卒採用
本田技研工業株式会社
本田技研工業株式会社のキャッチコピーは、「どうなるかじゃない、どうするかだ」である。
たった16文字の中に、やる気をみなぎらせる力を持つキャッチコピーだ。「人任せではなく、自分で変えていく」との思いを感じ取れるだろう。
株式会社ニトリホールディングス
株式会社ニトリホールディングスのキャッチコピーは、「君の夢は、君を創る」である。
自分の持つ夢が、将来の自分を創るとの思いを感じられるキャッチコピーだ。夢があることで、より良い自分になれることを表現しているともいえるだろう。また、夢を持つことで社会貢献にもつながると考えられる。
参照元:「君の夢は、君を創る。」株式会社ニトリ 新卒採用サイト
まとめ
キャッチコピーとは、消費者の心を掴むための標語である。採用活動でキャッチコピーを利用すれば、求職者の記憶に残りやすくなるだろう。
キャッチコピーは企業のパンフレットや採用媒体など、さまざまな場面で使用される重要な言葉だ。そのため、キャッチコピーを作成する際に、企業の特徴や風土といった「自社らしさ」が入っていれば、他社と差別化しやすくなるだろう。
また、キャッチコピーに企業の価値観を盛り込んでいれば、求職者にとって企業選びの参考になる。企業の考え方に賛同する求職者が集まりやすくなり、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながる。
紹介した作成手順や実例を参考に、自社のアピールポイントをキャッチコピーとして表現したい。