2021.11.26

「4C分析」が採用候補者からの応募を集めるカギ?母集団形成につなげる方法を解説!

読了まで約 6

■マーケティングで使われる4C分析とは何か?

■採用における4C分析とは何が違うのか?

■4C分析で得られるメリット

■4C分析の効果を高めるカスタマージャーニーマップ

■4C分析の活用方法とは?

4C分析とは?採用における4C分析との違い

少子高齢化によって労働人口が減少したことで、人材獲得競争は激化し、採用の難易度は年々高くなっている。
今までは、多くの求職者が企業へ自ら応募し、そのなかから企業が人材を選ぶ時代だったが、近年は、求職者側が働きたい企業を選ぶという時代になって久しい。
そのような状況のなかで、自社の主観で考えた自社の魅力をただ漠然と求人広告に書き連ねただけでは応募者を募ることは困難であり、ましてや自社が求める人材にマッチした人物が応募してくることは更にまれとなるだろう。

だからこそ、自社が採用したい人材像を明確に設定し、そのターゲットにとって応募や入社の意思決定に影響を及ぼす要素を把握したうえで、採用活動を行っていく必要があるのだ。
そのような状況を受けて、最近では、マーケティングの手法やノウハウを採用活動に取り入れることで、効果的かつ戦略的な採用を実現する「採用マーケティング」を行う企業が
増えている。

関連記事:採用マーケティングとは何か。必要とされる背景と考え方

その中でも、顧客を詳細に把握するために、マーケティング分野で使われているフレームワークが「4C分析」だ。
4C分析とは、「Customer Value(顧客にとっての価値)」「Cost(顧客の負担)」「Convenience(顧客にとっての利便性)」「Communication(顧客とのコミュニケーション)」の4つの頭文字を取った、顧客側の視点で戦略を考える際に用いられる代表的なフレームワークだ。
マーケティングにおいては、顧客が商品の購入やサービスの利用を検討する際に、その意思決定に大きな影響を与える4つのCについて論理的に分析を行うことで、顧客のニーズを顧客目線で捉えることができるのだ。

関連記事:4C分析とは何か?4C分析の意味や活用方法、知っておきたい5Cや4P分析との違いも解説

採用活動において4C分析を展開する場合には、「顧客」を「ターゲット人材」に置き換えるとよい。
たとえば、Customer Valueは「ターゲット人材が自社に入社することで得られるメリット」、Customer Costは、「ターゲット人材から見た自社に入社した場合のリスクや懸念点」、Convenienceは「自社への応募・日程調整・連絡のしやすさ」、Communicationは、「コミュニケーションが取りやすいか」となる。
これら4つの要素を分析することで、ターゲット人材に選ばれる会社となるための自社の魅力やアピールポイントを明確にすることが可能であるため、より効率的で有効な採用活動を展開していくことができるのだ。

4C分析で得られるメリット 効果を高めるには?

ターゲット人材にとって、自社の持つ要素のどこにプラスとマイナスがあるのかを把握することに役立つ4C分析であるが、4つのCを分析することで、採用活動において具体的にどのようなメリットがあるのだろうか。4つのCについてそれぞれ見ていこう。

「Customer Value」は、ターゲット人材が自社で働くことで得られる体験や経験など、ターゲット人材にとっての自社の魅力を考える際に役立つ。
仕事内容はもちろん、待遇や職場環境、ワークライフバランスはどうか、や、自己成長を期待できる職場であるか、一緒に働く仲間たちはどんな人たちか、実力に見合った昇進や昇給は期待できるか、業務を楽しみながら行えるか、など提供できる価値を広く捉えることで、新たな発見につながる。

「Customer Cost」は、ターゲット人材にとって、入社後に向けたリスクや懸念点を分析するのに役立つ。
ターゲット人材が持ちやすい不安として、「実はブラック企業なのかもしれない」「給与が上がらないかもしれない」「人間関係が悪いかもしれない」「上司が怖いかもしれない」「地方への転勤があるかもしれない」などがあげられる。
採用市場の状況と採用競合他社の状況を確認したうえで、自社の提供できる価値とコストが見合っているのか、また改善可能なことはないか、どのように改善するのかを検討していく必要があるだろう。
あらかじめ、懸念に思われそうなところが理解できていれば、採用プロセス内でどのようにそれを払拭してもらうのかを考えることもできるだろう。

「Convenience」は、ターゲット人材が自社に応募をしたり、選考を受けるにあたって、どの程度手間や時間を要するかを考えるのに役立つ。
必要書類や応募フォームの項目数、説明会や面接に向かうための時間や費用、面接の拘束時間、やりとりのスピードなどもConvenienceの重要な要素だ。
ターゲット人材が不便に感じるほど、自社へのイメージがよくないものとなり、採用成功が遠のいてしまう。
自社の選考にあたってどのような点が不便を感じさせてしまう可能性があるか把握ができていれば、競合他社に劣らないレベルを目指せるように工夫もできる。

「Communication」は、ターゲット人材が求めているコミュニケーション方法を分析するのに役立つ。
採用活動を進めるためには、まず、ターゲット人材に自社の存在を知ってもらう必要がある。
あらかじめ、ターゲット人材がどのようなコミュニケーションチャネルを利用しているかを把握することができれば、どの媒体に求人情報を発信すればターゲット人材に受け取ってもらいやすくなるのかがわかる。
また、選考中においてもターゲット人材に馴染みのあるツールでスピーディーにやり取りをすることができれば、コミュニケーションの取りやすさにつながる。
面接での質疑応答の時間や交流会の場を設けることもコミュニケーションにおける重要な要素であり、入社前にコミュニケーションがしっかりとれていれば、入社後のミスマッチを減らせるなどリスクを軽減することができるだろう。

このように4C分析は、採用戦略を進めていくにあたって、計画の詳細を詰めていくのに役立つフレームワークであるといえる。

また、4C分析は、カスタマージャーニーマップと組み合わせて考えると更に効果的となる。
カスタマージャーニーマップもマーケティングで使われるフレームワークの1つで、顧客が購買に至るプロセスを可視化した図式のことを指す。
採用においてカスタマージャーニーマップを活用することで、紙媒体やWebメディア、SNSなど情報発信の方法が多様化・複雑化している現代において、ターゲット人材がどのような媒体を利用し、どのような情報を手に入れたいと考えているのかを整理することができるのだ。

カスタマージャーニーマップを作成することで、ターゲット人材を理解し、確実に情報が届くようになれば、4C分析で洗い出した結果をより効果的に活用できることにつながるだろう。

4C分析の活用方法は?

4C分析の概要やメリットを通して、採用活動に有効なフレームワークであることはお分かりいただけただろう。
では、実際に採用活動おいてどのように活用すればよいのだろう。
4C分析の活用方法について見ていこう。

1. 現状で自社が考えているアピールポイントを分析する
採用市場は日々変化を遂げているため、求人内容の見直しや改善を定期的に行っていかないと、自社が考えている強みとターゲット人材が求める要素が乖離してしまっている可能性がある。
そこで、4C分析を活用することで、今の時代のターゲット人材が「応募する企業に何を求めているのか」を分析し、自社との間にギャップがないかを確認するのだ。
また、採用活動が成功した際には、なぜ自社が選ばれたのか、成功要因を分析することも重要だ。

2. 新しいアピールポイントを分析する
4C分析は、新たなアイディアを生み出すことに有効なフレームワークだ。
採用市場と同じく、企業も日々変化をしているはずであり、変化したタイミングで自社の新たな強みが生まれてくる可能性も高い。
そのため、4C分析を活用することで、新たな強みは採用ターゲットにとって魅力的に映るのか、を採用ターゲットの目線で検証することが必要だ。

3. 採用競合他社を分析する
4C分析によって、自社と採用ターゲットのニーズを合致させても、採用競合他社がそれを上回る価値を提供していたら、採用活動は成功しないだろう。
採用競合他社との競争に優位性を発揮させるために、4C分析を採用ターゲットだけでなく、採用競合他社との比較に活用すると良いだろう。
採用競合他社は採用活動の進捗を含め現在どのような状況にあるのか、ターゲット層からアピールポイントまで、詳しく分析することが重要だ。

4. メッセージを考える
採用活動を行う際に、ターゲット人材の心に響くメッセージを考えることは、重要な課題だ。
しかし、それを企業側だけの視点で考えてしまうと、心に響くどころか、自社の魅力やアピールポイントがターゲット人材に的確に伝わらない可能性がある。
そのため、4C分析を活用して、ターゲット人材の立場に立ったメッセージを分析すると良い。

まとめ

・少子高齢化によって労働人口が減少したことで、人材獲得競争は激化し、採用の難易度は年々高くなっている。そのような状況を受けて、最近では、マーケティングの手法やノウハウを採用活動に取り入れる「採用マーケティング」を行う企業が増えている。その中で使われるフレームワークの1つが「4C分析」だ。4C分析とは、「Customer Value(顧客にとっての価値)」「Cost(顧客の負担)」「Convenience(顧客にとっての利便性)」「Communication(顧客とのコミュニケーション)」の4つ頭文字を取った、顧客側の視点で戦略を考える際に用いられる代表的なフレームワークだ。マーケティングにおいては、顧客が商品の購入やサービスの利用を検討する際に、その意思決定に大きな影響を与える4つのCについて論理的に分析を行うことで、顧客のニーズを顧客目線で捉えることができる。

・マーケティングにおいて4C分析は、顧客が商品の購入やサービスの利用を検討する際に、その意思決定に大きな影響を与える4つのCについて論理的に分析を行うことで、顧客のニーズを顧客目線で捉えることに役立つ。採用活動において4C分析を展開する場合には、Customer Valueは「ターゲット人材が自社に入社することで得られるメリット」、Customer Costは、「ターゲット人材から見た自社に入社した場合のリスクや懸念点」、Convenienceは「自社への応募・日程調整・連絡のしやすさ」、Communicationは、「コミュニケーションが取りやすいか」と置き換える。これら4つの要素を分析することで、より効率的で有効な採用活動を展開していくことができるのだ。

・4つのCを分析することであげられるメリットは次のとおりだ。「Customer Value」は、ターゲット人材が自社で働くことで得られる体験や経験など、ターゲット人材にとっての自社の魅力を考える際に役立つ。「Customer Cost」は、ターゲット人材にとって、入社後に向けたリスクや懸念点を分析するのに役立つ。「Convenience」は、ターゲット人材が自社に応募をしたり、選考するにあたって、どの程度手間や時間を要するかを考えるのに役立つ。「Communication」は、ターゲット人材が求めているコミュニケーション方法を分析するのに役立つ。

・4C分析は、カスタマージャーニーマップと組み合わせて考えると更に効果的となる。カスタマージャーニーマップがマーケティング分野で使われる際には、顧客が購買に至るプロセスを可視化した図式のことを指す。採用においてカスタマージャーニーマップを活用することで、WEBメディアやSNSなど情報発信の方法が多様化・複雑化している現代において、ターゲット人材がどのような媒体を利用し、どのような情報を手に入れたいと考えているのかを整理することができるのだ。カスタマージャーニーマップを作成することで、ターゲット人材を理解し、確実に情報が届くようになれば、4C分析で洗い出した結果をより効果的に活用できることにつながるだろう。

・4C分析の活用方法については、1.現状で自社が考えているアピールポイントを分析する:今の時代のターゲット人材が「応募する企業に何を求めているのか」を分析し、自社が考えている強みとの間にギャップがないかを確認する→ 2.新しいアピールポイントを分析する:新たな強みは採用ターゲットにとって魅力的に映るのか、を採用ターゲットの目線で検証することができる→ 3.採用競合他社を分析する:採用競合他社との競争に優位性を発揮させるために、4C分析を採用ターゲットだけでなく、採用競合他社との比較に活用する→ 4.メッセージを考える:4C分析を活用して、ターゲット人材の心に響くメッセージを分析する。という流れとなる。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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