2021.11.24

マーケティングで使える「3C分析」とは?意味や採用にも活用できる方法をわかりやすく解説!

読了まで約 6

■マーケティングで使われる3C分析とは何か?

■採用における3C分析とは何が違うのか?

■3C分析で得られる効果やメリット

■3C分析を活用する際に検討するべきポイント

■3C分析の進行手順

3C分析とは?採用における3C分析との違い

少子高齢化による労働人口の減少に伴い、採用競争が激化している現在、自社のニーズにマッチした人材を採用するためにも、採用活動において各社の工夫が必要不可欠であることは言うまでもない。
そのような状況を受けて、最近では、マーケティングの手法やノウハウを採用活動に取り入れることで、効果的かつ戦略的な採用を実現する「採用マーケティング」を行う企業が増えている。

関連記事:採用マーケティングの取り組み。成功につながる採用戦略の立て方

その中でも、採用活動に取り入れやすく、効果的なフレームワークの1つとして、「3C分析」がある。
そもそも、3C分析とは、分析する3つの視点である「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」それぞれの頭文字をとった、マーケティングにおける基本的なフレームワークだ。

具体的には、
Customer(市場・顧客):市場や顧客のニーズは何か
Competitor(競合):競合他社がどのような価値を提供して、どれくらいの成果をあげているか
Company(自社):市場や顧客、競合他社の状況から、自社の強みをどう活かすか

3つのCをこのような視点で分析していく。
自社や自社商品、サービスを取り巻く外部環境(市場・顧客・競合)と内部環境(自社)の分析を行うことで、事業の成功要因を導き、事業成功を目指すマーケティング方法として用いられている。

採用マーケティングでは3C分析を展開する場合においては、Customerは「採用したい人材」、Competitorは「採用したい人材が興味を持ちそうな競合他社」、Companyは「自社の魅力、強み・弱み」と置き換える。
自社を取り巻く環境や立ち位置を客観的に分析していくことで、採用競合に対してどの部分で差別化を図れるかなどを検討することができる。
また、自社の魅力がわかることで、採用したい人材へ効果的なアプローチが可能になるため、効率的な採用活動を行うことができるようになるだろう。

関連記事:
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3C分析で得られる効果やメリット

マーケティングにおいて、事業の成功要因を導き出すことで進行方向を定めることに効果的な3C分析であるが、採用活動においてはどのような効果があるのだろうか。

まず、3C分析はとてもシンプルな、基本的なフレームワークであり、外部の力を借りたり、大掛かりな導入計画を立てなくとも、自社の採用担当者だけで行うことができるという点があげられる。
つまり、3C分析を自社で上手く活用することができれば、外部委託やコンサルタントなどに時間やコストを割くことなく、採用活動全体の生産性や効果を高めることができる。

次に3C分析のメリットをマーケティングと採用の両面から対比してみよう。

1. 顧客(採用したい人材)のニーズを理解できる
マーケティングでは、3C分析を行うことで顧客のニーズを理解できれば、「どのような情報発信をすれば自社に対する顧客の信頼感は高まるのか」を客観的に把握が可能になる。
すると、顧客のニーズに合った情報発信を送ることができるようになったり、新たに打ち出す企画をどのように行うべきなのかがわかりやすくなったりする。

採用活動においては、採用したい人材のニーズを理解することで、自社のアピールするべきポイントが見えてくる。
例えば、ターゲット人材が求めているのは、高い給与よりも心理的安全性の高さ、だということがわかれば、募集広告や面談の際に伝える内容も変わってくるだろう。

関連記事:チームのパフォーマンスを高める上で重要な心理的安全性(Psychological Safety)を解説

2. 競合他社との差別化を図れる
競合他社の状況を入念に調査することで、他社と比べて自社が差別化できる部分はどこなのかを理解しやすくなる。

マーケティングでは、ライバル企業がどのような戦略で商品やサービスの開発をしているのかを分析できれば、自社でどのような戦略を打ち出し、それを上回る商品やサービスを生み出すことができるのか導き出しやすくなる。

採用活動においては、採用競合企業の求人広告や採用サイト、募集要項をチェックすることで、自社とどのように違うのか、採用したい人材に自社の魅力や強みをより伝えるためにはどのようなメッセージを盛り込めばいいのか、が見えてくるだろう。

関連記事:ウェブ広告を活用した採用活動のポイントとは?採用マーケティングにおいての活用方法

3. 自社の強み・弱みを把握できる
3C分析を行うことによって、自社の強みと弱みを客観的に把握することができる。
マーケティングでは、自社の商品やサービスを分析することで、自社がどの部分において秀でていて、どの部分に課題があるのかが見えてくる。
自社の強みや弱みを把握することで、顧客に対してどの部分をアピールしていくことが有効なのかが明確になるため、戦略を立てやすくなる。

採用活動においては、欲しい人材にとって、自社のどこが魅力的に映っているか、が把握できればどの部分をアピールしていけばいいかがわかりやすくなる。
その際に重要なのは、自社が思う自社の強み・弱みではなく、求職者側からの視点で、自社の強みと弱みを考えることだ。

3C分析の活用方法、進行手順は?

3C分析のメリットがわかったところで、採用における3C分析の実際の活用方法や手順を見ていこう。
まず、3つの視点でそれぞれ検討するべきポイントは次のとおりだ。

<市場環境>
・現在の採用市場における求職者はどれくらいいるのか
・求職者が企業を選ぶ基準はどうなっているか
・転職や離職をする際の条件やタイミングはどのようなものか

<競合環境>
・採用市場で競合となる企業はどこか
・競合他社はどのような採用手法を用いているか
・競合他社はどのようなポイントをアピールしているか

<自社環境>
・採用市場における自社の強み・弱みはどこか
・自社の業務の魅力は何か
・第三者から見た自社のイメージはどうか
・自社独自の商品やサービスはあるか

それぞれのポイントを掘り下げていくことで、どこを改善するべきなのかを明確にすることができる。
しかし、改善点を洗い出すだけでは不十分であるため、改善するためには何をするべきなのかを考えることが大切だ。

次に3C分析の手順を見ていこう。
1. 採用ターゲットを明確に設定する
まず始めに行うべきことは、自社が求める人材像を明確にすることだ。
ターゲット人材を明確にせずに、誰でも歓迎といった採用活動を行ってしまうと、求める人材像から大きく外れてしまっている人材にも莫大な時間やコストをかけることになりかねない。本当に自分を必要としてくれている企業で働きたいと思っている優秀な人材の目に魅力的に映らないといった可能性がある。
自社の方向性や企業理念などともマッチし、どのようなスキルや価値観を持つ人材を採用したいのか、選考基準を明確に設定する必要があるのだ。

また、分析を行うにあたっては、ターゲット視点から考えることが必要であるため、採用ターゲットをより具体的にした「ペルソナ設定」を行うことも有効だ。
年齢や性別、スキルといった基本情報だけでなく、ライフスタイルや価値観といった人物像や行動特性まで考えて、1人の人物としてターゲット像を明確にすることで、ターゲットから見た競合他社や自社を分析しやすくなる。

関連記事:採用マーケティングで重要な「ペルソナ」とは?その設計方法や具体例を解説

2. 採用市場における競合をリサーチする
ターゲット設定が終わったら、採用市場における競合を確認する。
採用競合と自社を比べることで、競合他社の採用動向やどの部分をアピールポイントとしているのか、またそれに対する自社の強みや自社が進むべき方向性が明確となる。
ここでも大切なことは、採用したいターゲット人材の視点で、競合他社の分析をすることだ。

競合他社の情報収集をするには、面接や面談の際、応募者に「他にどんな企業を受けているのか」「なぜその企業の選考を受けたのか」を聞いたり、ライバル企業のホームぺージや募集要項、採用サイトなど他社が開示している情報を確認する方法がある。

特に、インターネット上で開示されている情報は、すぐに見ることができるため、他社の採用コンテンツやイベント情報などを定期的に確認し、他社が行っていて自社が行っていないことはないか、をチェックすることも有効だろう。

3. 採用目標を明確にする
自社が人材採用に力を入れて取り組む理由を考える。
単純に人手不足だからなのか、若手社員の育成のために人材が必要だからなのか、など採用活動を成功させるためには、その理由をはっきりとさせ、目的に合った行動をしなければならない。

そのため、採用活動のゴールを明確にし、「いつまでに・どんな人材を・何人採用するか・そのために何をするか」といったような目標を設定する必要がある。

まとめ

・採用競争が激化している現在、マーケティングの手法やノウハウを採用活動に取り入れることで、効果的かつ戦略的な採用を実現する「採用マーケティング」を行う企業が増えている。その中でも採用活動に取り入れやすく、効果的なフレームワークの1つとして、「3C分析」がある。3C分析とは、「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の頭文字をとった、マーケティングにおける基本的なフレームワークだ。自社や自社商品、サービスを取り巻く外部環境と内部環境の分析を行うことで、事業の成功要因を導き、事業成功を目指すマーケティング方法として用いられている。

・採用マーケティングで3C分析を展開する場合には、Customerは「採用したい人材」、Competitorは「採用したい人材が興味を持ちそうな競合他社」、Companyは「自社の魅力、強み・弱み」と置き換える。採用活動に3C分析を取り入れて、自社の立ち位置を客観的に分析していくことで、採用競合との差別化を図れる部分が検討しやすくなったり、自社の強みや魅力を理解し、効率的な採用活動を行うことができる。

・採用活動で3C分析を行うとすれば、まず、そのメリットとしてあげられることは、3C分析はとてもシンプルなフレームワークであることから、自社の採用担当者だけで導入することができるという点だろう。そのため、3C分析を上手く活用できれば、外部委託やコンサルタントなどに時間やコストを割くことなく、採用活動全体の生産性や効果を高めることができる。

・3C分析のメリットをマーケティングと採用の両面から対比してみると以下のようにまとめられる。1.顧客(採用したい人材)のニーズを理解できる:マーケティングにおいては、顧客のニーズに合った情報発信を送ることができるようになる。採用では、自社のアピールするべきポイントが見えてくる。2.競合他社との差別化を図れる:マーケティングでは、他社を上回る商品やサービスの生み出し方が導き出しやすくなる。採用では、他社にはない自社の魅力の伝え方がわかりやすくなる。3.自社の強み・弱みを把握できる:マーケティングでは、顧客に対しての有効なアピールが明確になり、戦略を立てやすくなる。採用では、採用したい人材にとって自社のどこが魅力的に映っているかがわかりやすくなる。

・採用活動において3C分析を活用する際に、それぞれ検討するべきポイントは次のとおりだ。<市場環境>採用市場における求職者の数、求職者の企業の選定基準、転職や離職をする際の条件やタイミング<競合環境>採用市場での競合企業、競合他社の採用手法、競合他社のアピールポイント<自社環境>自社の強み・弱み、業務の魅力、第三者から見た自社のイメージ、自社独自の商品やサービス。それぞれのポイントを掘り下げていくことで、どこを改善するべきなのかを明確にし、改善するためには何をするべきなのかを考えることが大切だ。

・3C分析の手順は以下の通りだ。1.採用ターゲットを明確に設定する:自社の方向性や理念などともマッチし、どのようなスキルや価値観を持つ人材を採用したいのか、選考基準を明確に設定する。2.採用市場における競合をリサーチする:採用競合と自社を比べることで、競合他社の採用動向やどの部分をアピールポイントとしているのか、またそれに対する自社の強みや自社が進むべき方向性が明確となる。3.採用目標を明確にする:採用活動のゴールを明確にし、「いつまでに・どんな人材を・何人採用するか・そのために何をするか」といった目標を設定する。

監修者

古宮 大志

古宮 大志

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長
大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、マーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。
また、事業領域の主軸となっている人事関連の情報やトレンドの知見を有し、ご支援している顧客のマーケティング活動を推進する上で人事分野の情報のアップデートに邁進している。

執筆者

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『MarkeTRUNK』編集部

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