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コンテンツマーケティングとは
オウンドメディアなどで情報発信を行っていても、なかなか採用したいターゲットからの反応がない場合や、これからオウンドメディアを立ち上げる際に、知っておいたほうがいいマーケティングの手法としてコンテンツマーケティングがある。
コンテンツマーケティングとは、商品・サービスの販売においては、顧客の情報収集、比較検討、購買、共有・拡散の各段階において企業が有用な情報を発信し、購買やファンとしての定着へとつなげていくことである。
つまり、オウンドメディアを利用したコンテンツマーケティングでは、商品・サービスの特徴、機能といった商品情報から価格、取扱店舗などの販売情報、ユーザーの声、開発者の思い、さらには、その商品・サービスによりどのように暮らしが豊かになるかなど、さまざまなコンテンツについて、上記のどの段階に向けたものかを意識してバランス良く発信していくことが重要となる。
これを採用マーケティングに置き換えて採用ターゲットからの反応を増やすのが採用コンテンツマーケティングの考え方だ。
コンテンツマーケティングの考え方を採用に当てはめてみると、読者にとって価値のあるコンテンツを制作し、その発信を通して「採用における潜在的な求職志望層や、内定承諾者へのリーチ、最終的には自社に入社し、エンゲージメントの高い人材として働いてもらうこと」を目指すということになる。
つまり、「求職活動はしているけど自社を候補と見なしていない」層や「内定は得たけれど、他社と迷っている」層に向けて価値のあるコンテンツを発信することで、「この会社に入社したい!」と思わせ、しかも自社に対する愛着心や仕事へのモチベーションの高い人材を獲得するためのアプローチだ。
さらに、「ファンとして定着させる」という面では、求職者のみならず、自社社員やその家族もターゲットとしてとらえることができる。
自社の社会貢献をより深く知ってもらったり、あまり知られていない自社の意外な魅力を伝えたりするコンテンツを発信することで全社的なエンゲージメントを高めることも可能となる。
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コンテンツの価値をバランス良く活かす
コンテンツには「資産性の高さ」「拡散性の高さ」「コンバージョンへの近さ」という3つの価値がある。
このそれぞれの価値と役割を見極め、自社の目的に応じてバランス良く制作、発信することが重要だ。
まず、資産性の高いコンテンツとは、求職者が知りたいデータが網羅されているなど情報そのものとして有益であり、保存されたり何度も参照されたりするコンテンツを指す。
具体的には社内制度の紹介やキャリアパス、人員構成(男女比・年齢構成)などがこれにあたる。
ストーリー性や面白さはないためSNSで積極的にシェアされたりするような内容ではないが、内容やキーワードを工夫することで、SEOによって検索で上位に表示されるようなコンテンツとすることも可能だ。
これに対して、拡散性の高いコンテンツとは、SNSなどで拡散されやすい、いわゆる「バズる」コンテンツを指す。
一般的に「バズる」といえば、とにかくインパクトのあるネタを盛り込んだり、話題性を追ったりしがちだが、これは採用においては諸刃の剣となりかねない。
一つ間違えば、忌避される要因ともなるからだ。
むしろ、多くの人に関心のある世の中の出来事について自社の見解を述べたり、ある事柄について今までにない新しい視点や切り口を提供したり、共感できる悩みや困りごとを提示して読者と共に考えるなど、人の心に訴えかける方が、シェアされやすく拡散力も高いコンテンツに育ちやすい。
次に、コンバージョンとは、読者がそのコンテンツをきっかけに何かしらの行動を起こすことを指す。
一般的にマーケティングでは購買にあたるが、採用を目的としたメディアの場合は、読者である採用ターゲットが自社に応募すること、内定に受諾することなどがこれにあたる。
ただ単に拡散して認知してもらうコンテンツだけでは、「この企業で働きたい」との動機付けは提供できない。
拡散はされないけれど、働き方や職場環境がよく見えるコンテンツ、会社の意思決定システムや評価制度などが十分に理解できるコンテンツなど「コンバージョンに近い」という価値を持ったコンテンツを効果的に織り交ぜることが採用コンテンツマーケティングの成否を分けることになる。
採用コンテンツマーケティングで発信すべき8つのポイント
採用を目的としたコンテンツマーケティングで発信するべきポイントとして代表的なものには次の8つがある。
1.採用メッセージ
創業者・経営者などトップが発信する企業理念やポリシー、人事担当者や先輩社員からの語りかけなどは志望の動機付けに有効なコンテンツとなる。
2.募集職種
募集している職種や業務内容などを具体的に分かりやすく発信することで資産性を高めることができる。
3.事業内容・提供サービス
何を売り、何をしている会社なのかをわかりやすく伝える。事業分野によっては特色や強みをしっかりと伝えるだけでコンバージョンにつながる可能性もある。
4.社員紹介
社員紹介は工夫次第で拡散性もコンバージョンへの近さも追求できるコンテンツとなる。
ターゲットとコンテンツの役割を精査し、もっとも親和性の高い社員を選択することが大切。
また、動画や音声など駆使できるメディアの柔軟性も高い。
5.社内の様子
オフィスや現場の写真、各種社内イベントの紹介などは実際に自分が働いている姿を想像しやすくなるため、動機付けに有効なコンテンツとなる。
6.キャリアパス
仕事環境や社員に好感を持っても、昇進制度やキャリアプランが明確でないと入社へのモチベーションは低下する。
キャリアの具体的な選択肢、社員が実際に辿ってきたキャリアパス、研修制度、取得できる資格など、もらさず掲載しておきたい。
7.社内制度・働き方
休日と勤務時間、福利厚生制度などは志望動機を左右する傾向にある。
独立したコンテンツを設けるのはもちろん、社員紹介や社内の様子を紹介する際に実例を提示しながら発信するなどしっかりと印象付けておきたい。
8.選考ステップ
「応募したら自分はどう行動し、会社とどのように関わっていくのか」を具体的に提示するのが選考ステップ。
選考ステップをできるだけ具体的に、明確に提示することで、「選考ステップがよくわからなくて不安なので応募しなかった」という事態を回避し、コンバージョンへと繋げることができる。
まとめ
・採用コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値のあるコンテンツを制作し、その発信を通して、採用における潜在的な求職志望層や、内定承諾者へのリーチ、最終的には自社に入社し、エンゲージメントの高い人材として働いてもらうこと。
・求職者のみならず、自社社員やその家族もターゲットとし、自社の魅力を伝えるコンテンツを発信することで全社的なエンゲージメントを高めることもできる。
・コンテンツには「資産性の高さ」「拡散性の高さ」「コンバージョンへの近さ」という3つの価値があり、それぞれの価値と役割を見極め、目的に応じてバランス良く発信することが重要。
・資産性の高いコンテンツとは、求職者が知りたいデータなど情報そのものとして有益であり、保存されたり何度も参照されたりするコンテンツである。
・拡散性の高いコンテンツとは、SNSなどで拡散されやすいコンテンツであり、人の心に訴えかけるような共感できるコンテンツが効果的である。
・採用におけるコンバージョンとは、読者である採用ターゲットが自社に応募すること、内定に受諾することなどで、コンバージョンに近いコンテンツを効果的に配置することが重要である。