・コロナ対策でオンライン化が加速する中、注目を浴びているウェビナーとは?
・採用活動にもウェビナーの活用が浸透。
・ウェビナーでセミナーや説明会の参加者数が増加するわけ。
・ウェビナー説明会にすることで回避できるリスクとは?
・ウェビナーにはメリットも多いがデメリットもある。
・ウェビナーのデメリットを解消するポイントは?
日本で今後ウェビナーが浸透していく理由とは?
企業の採用活動において、数年前から、セミナーや会社説明会、さらには面接までをオンラインで開催する例が徐々に増加する傾向にあったが、今年に入ってからの新型コロナウイルスへの感染対策として、さらにオンラインを採用活動に活用する流れは加速している。
なかでもウェビナーは新しいオンラインツールとして導入する企業が増えると予想される。
ウェビナーとは「ウェブ(web)」と「セミナー(Seminar)」を組み合わせてできた造語で、セミナーの動画をインターネット上で配信することからこう呼ばれる。
企業の講演会や製品紹介、そして学術集会や研究会、会議などさまざまな用途に用いられているが、採用活動においては地域を限定せずに、全国規模で手軽に人材を集めることができるので、説明会やセミナーをウェビナーで配信するという使い方が一般的だ。
いままで一部から注目を集めてはいたが、日本ではウェビナーはあまり浸透していなかった。
しかし、発祥の地であるアメリカにおける普及率は非常に高く、いまやごく一般的なオンラインツールとして浸透している。
これはアメリカの国土が広大であり、クライアント先に行くにも大掛かりな移動が必要となるため、遠隔地を結んでコミュニケーションが可能なウェビナーへのニーズが高かったことと、すでにネットワークインフラが整っていたことが背景にある。
しかし、収束の気配を見せない新型コロナへの対応を迫られているニューノーマル時代の日本では、リモートワーク全般へのニーズの高まりを背景に、タブレットやスマートフォンの普及で誰もがインターネットにアクセスできる環境が整ったことや、動画の制作・配信に関するツールが飛躍的に発達してきたという技術的な裏付けもあって、今後ウェビナーを活用する企業が急増していくとみられているのだ。
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ウェビナーを採用活動に導入するメリットとは?
ではウェビナーを採用活動に導入するメリットにはどのようなものがあるだろう。
・参加者増加と歩止まり向上が見込める
ウェビナーは、通信環境が整っていればどこからでも視聴が可能なため、リアルでは遠くて足を運べなかった地方の人材の参加も可能となり、広範囲から多くの参加者を集めることができる。
対象地域も日本のみならず世界中を相手にできるため、海外在住の高付加価値人材にもリーチすることが可能だ。
求職者にとっても交通費や移動時間を費やすことなく気軽に参加できるため、企業と求職者の双方にメリットがある。
また、リアルな会場で行う場合は会場の規模によって収容人数に限りがあるが、ウェビナーでは上限を柔軟に変更することができる。
さらに、天候に左右されずに開催できるため、歩止まりの向上も見込める。
開催当日に雨となり説明会へのドタキャンが多数出るという心配もなく、交通機関の遅延などによる影響も受けることはほとんどない。
・コストと手間が大幅に削減できる
リアルでのセミナーは会場をレンタルしたり、受付や誘導、設営、片付けなどにスタッフを配置したり、資料を作成し配布するなどといったコストと手間が必ず発生していた。
しかし、ウェビナーであれば会場の用意が必要ないうえ、資料はPDFなどのデータにして配布したり、ツール上で共有したりできるため、人件費、印刷費用も含めて大幅なコストカットが期待できる。
しかも会場をレンタルする場合は希望する日程で予約できないという事態もありうるが、ウェビナーであれば希望の日程で会場を押さえるために奔走する、という苦労もしなくてよいことになる。
また、会社に対する印象として、リアルであれば会場に見合ったある程度の人数を確保しないと格好がつかない、という恐れもあるが、ウェビナーであれば参加者が集まらなかった場合でもイメージダウンというリスクは回避できる。
・詳細な情報を伝えやすい
ウェビナーは動画配信がベースとなるため、メールマガジンやWebサイトよりも圧倒的に情報量が多く、理解しやすい表現手段である。
動画をベースにしつつ、ツール上で資料を参加者と共有したり、ホワイトボードなどに図や表を描いて見せたりと、理解を促すためのさまざまな工夫をこりこむこともできる。
こうした工夫次第では、リアルのセミナーと比較しても、同レベルかそれ以上に理解しやすく詳細な情報を伝達することも可能だ。
例えば、ウェビナーでの会社説明の際、実際に社員が働いている職場の動画を流しながら画面のテロップとナレーションで仕事内容を説明するなど、受講者に見やすい形で表示しながら説明すれば、リアルな会社説明会より受講者の理解度をアップさせることも可能となる。
・双方向のコミュニケーションが可能
普通、リアルで対面した方がコミュニケーションを取りやすいと考えがちだが、ウェビナーでは、直接会わなくても講師の顔を見せ、声を伝えることができるため、リアルなセミナー同様に参加者に親近感を与えやすく、信頼も得やすい。
しかも、リアルタイム配信のウェビナーであれば、運営者はチャットなどを利用して参加者とコミュニケーションをとることができる。
1対多で一方的になりがちな従来のセミナーでは、ともすれば参加者一人一人の反応は見落としがちだったが、ウェビナーなら参加者の反応をリアルタイムで知ることができ、かつその内容はデータとして残すことが可能だ。
これは今後のウェビナー運営や採用活動の改善に生かすことができる貴重な資産となる。
参加者の側も、皆が見ている会場で手をあげて質問するよりはチャットの方が気軽に質問できるため、質疑応答も活発になる。
さらに、オンデマンドでの配信なら、運営者は受講者が動画全体の何%まで視聴したかを示す再生率を取得することで、そのコンテンツに対する興味の度合いを測ることも可能だ。
採用活動にウェビナーを導入する際のポイント
前述の通り、ウェビナーには多くのメリットがあるが、デメリットがないわけではない。
運営側、参加者側の双方にデメリットがあるので対応策とともに押さえておきたい。
・運営側にとってのデメリット
1.運営にはある程度のスキルが必要である
ウェビナーは、動画の撮影や編集、配信ツールの操作などに関するある程度の知識やスキルがないと運営できない。
社内にこうしたスキルを持った適任者がいない場合、外部からスタッフを確保するか、専門の企業に運営を依頼するなどを検討しておく必要がある。
2.安定したネットワーク環境と設備が必要
自社でウェビナーを運営する場合、回線速度や容量など、安定したネットワーク環境が整っていないと配信トラブルのリスクが生じる。
特にリアルタイムでのウェビナー配信には、余裕のあるネットワーク環境が不可欠だ。
動画の再生や音声、テロップなど、どこか一つの要素でも不備があると、参加者途中で視聴をやめてしまいかねない。
自社のネットワーク環境を精査して、必要十分な準備をしておきたい。
また、ネットワーク環境だけでなくカメラ、マイク、照明などの機材を揃えておく必要もある。どちらも配信前にテストを繰り返し行うなど、入念にチェックしておく必要がある。
・参加者側にとってのデメリット
1.インターネット環境がないと受講できない
世界中のどこからでも参加できるのがウェビナーのよさだが、インターネット環境が整っていなければ参加できない。
また、通信回線の速度が遅い、データ容量が小さいなど十分に環境が整っていない場合には、参加できたとしても快適に視聴できない場合もある。
こうしたことを避けるために運営側はできるだけ動画の容量を小さくするか時間を短くする。
説明はPDFや音声のみなど軽いデータに置き換える、などの工夫が必要だ。
2.オンデマンドでは質問ができない
オンデマンド配信のウェビナーの場合は、リアルタイム配信のようにチャットなどでコミュニケーションを取ることができないので、疑問や気になることがあっても、その場では運営側に参加者の意見が届くことはない。
運営側は別に質問窓口を設ける、メールでアンケートを実施するなど参加者の質問や疑問を吸い上げる施策が必要だ。
まとめ
・ウェビナーとは「ウェブ(web)」と「セミナー(Seminar)」を組み合わせてできた造語で、新しいオンラインツールとして導入する企業が増えると予想されている。
・ウェビナーは、地域を限定せずに、全国規模で手軽に人材を集めることができるので、採用活動においては説明会やセミナーをウェビナーで配信するという使い方が一般的。
・ウェビナーを採用活動に導入するメリットは、主に参加者増加と歩止まり向上が見込めること、コストと手間が大幅に削減できること、詳細な情報を伝えやすいこと、双方向のコミュニケーションが可能なこと。
・ともすれば参加者一人一人の反応を見落としがちだった従来のセミナーとはことなり、ウェビナーなら参加者の反応をリアルタイムで知ることができ、かつその内容はデータとして残すことが可能。
・ウェビナーを運営する側にとってのデメリットは、ある程度のスキルが必要なこと、
安定したネットワーク環境と設備が必要なこと。
・参加者側にとってのデメリットは、インターネット環境がなかったり、十分な環境がなかったりすると受講できないこと、オンデマンドでは質問したり意見をいったりすることができないこと。