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Weibo(微博・ウェイボー)とは?中国版Xの基本

2024.11.15
読了まで約 7

近年、中国市場を視野に入れたマーケティングが活発化しています。その活動の一つとしてSNSが利用されるようになりました。しかし、中国では他国で普及しているほとんどのSNSの利用が禁止されています。その代わりに、中国で普及しているSNSが「Weibo(微博・ウェイボー)」です。そのため、中国のマーケティングにおいて、Weiboの運用はかかせません。
本記事では、Weiboの特徴や効果的なプロモーションについて詳しく解説します。

関連記事:SNSとは?種類や特徴、使い方と注意点を簡単にまとめ

Weibo(微博・ウェイボー)とは

Weiboとは、中国で最も普及しているSNSです。台湾・香港など、主に中国語圏の国でも多くのユーザーを保有しています。中国では、X(旧Twitter)・Instagram・Facebook・YouTube・LINEの利用は禁止されています。
また、中国の新聞社やテレビ局を含むメディアの報道は、報道する内容を事前に申請したうえで、政府の許可を取らなければなりません。政府はネット検閲を実施して、海外メディアの情報が記載されたWebサイトやSNSへのアクセスを制限しています。そのため、X(旧Twitter)と類似した機能を備えつつ、中国の政府が常に監視のできるWeiboが普及しているのです。

数字でみるWeibo(微博・ウェイボー)

Weiboでは、膨大な数のユーザーを抱えてSNSを運営しています。ここからは、具体的なWeiboのユーザー数を見ていきましょう。

ユーザー数8億人以上

Weiboは、およそ8億人以上のユーザーを抱えており、企業公式アカウントを開設している店舗や企業は140万社以上です。中国を中心に、インバウンド対策やグローバル展開したマーケティングにはかかせません。

参照:越境ECにおける海外マーケティング方法・中国版Twitter 【Weibo(微博/ウェイボー)】

関連記事:インバウンドとは?アウトバウンドとの違いについても解説!

月間アクティブユーザー数(MAU)6億人以上

Weiboの月間アクティブユーザー数は、およそ6億人以上を占めています。アクティブユーザーとは、アプリの利用頻度やアクセス数の多いユーザーです。
2023年12月末時点での月間アクティブユーザー数は、前年同期と比較して約1,100万人増加し「5億9,800万人」と発表されました。アクティブユーザーの増加は、企業のPR効果、そして利益の向上が期待できます。

参照:中国SNS大手「微博(Weibo)」、23年は純利益4倍の大増益 MAU約6億人へ

WeChat(微信・ウィーチャット)との違い

「WeChat(ウィーチャット)」とは、中国で普及しているチャットアプリです。特定の相手とコミュニケーションを取るために利用されています。ここでは、WeiboとWeChatの違いをご紹介しましょう。

中国版X(Twitter)と中国版LINE

いずれも「情報発信・コミュニケーション・情報交換」を行うツールとはいえ、用途が異なります。例えると、Weiboは「X(旧Twitter)」、WeChatは「LINE」と類似性の高いツールです。
Weiboは、広範なオーディエンスに向けて情報を発信し、自分から発信した情報だけでなく他のユーザーが発信した情報の閲覧もできます。WeChatでは、特定の相手へチャットや通話を行うため、限定した人に情報が発信される仕組みです。

拡散性とクローズド

Weiboは、不特定多数に向けた情報発信を行うため、拡散性が高いツールです。一方で、WeChatは、特定の相手に限定して情報を発信するため、クローズドな環境での情報交換が行われます。中国市場に向けたマーケティングを実施する場合、WeiboとWeChatにおける、用途の違いを事前に理解することが重要です。

多数へのリーチとO2Oマーケティング

中国のマーケティングでは、WeiboとWeChatを使い分けることが大切です。Weiboのアカウントが認証されると「フィード広告・イベントツール・アドネットワーク・ファンコネクト広告」が利用できます。これにより、フォロワーだけでなく、広いユーザー層に向けてキャンペーン情報を発信できます。企業の情報が閲覧される回数が多いほど、企業の認知向上に役立ちます。
WeChatでアカウントを認証すると「モーメンツ広告・公式アカウント広告・ミニプログラム広告」が利用可能です。モーメンツ機能はタイムラインでの情報配信、公式アカウント広告は動画やバナーでの情報配信、ミニプログラム広告はアクティブユーザーへの情報提供に役立ちます。企業の公式アカウントを使って、登録ユーザーとチャットしたりクーポンを配布したりすることで、ユーザーをオフライン店舗への誘導が期待できます。

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O2Oとは?「ユニクロ」の成功事例やOMO、オムニチャネルとの違いもあわせて解説
WeChat(微信)とは?中国の生活インフラでもあるアプリを解説

Weibo(微博・ウェイボー)の特徴

SNSで中国最大の利用者数WeChatに続き、第2位のWeiboの魅力は「情報拡散力の高さ」でしょう。ここでは、Weiboの特徴を詳しくご紹介します。

X(Twitter)とFacebookをあわせたような使用感

Weiboは、日本におけるX(Twitter)やFacebookに類似性の高いツールになっています。主な違いは、投稿の文字数や画像数、ハッシュタグの使い方です。2016年以降、Weiboでは140文字を超える投稿が可能になりました。しかし、超えた部分は「展開全文」をクリックしないと表示されません。そのため、ユーザーの関心を得るには冒頭の140文字が重要です。
また、Weiboでは18枚まで画像を投稿できますが、画像のみの投稿はできず、必ず1文字以上のテキストが必要です。

情報収集が効率的にできる

Weiboのタイムラインは、フォローしたアカウントの投稿だけを表示します。そのため、利用ユーザーは興味関心のある情報を効率的に収集できるのです。プラットフォームの検索やフォロー状況に合わせて広告が表示されるため、マーケティングに役立ちます。

若年層や高所得者へのリーチ力と情報拡散力が高い

Weiboのユーザーは、男女比率が5:5とバランスが良く、消費意欲が高い17~33歳のユーザーが8割を占めています。大卒以上かつ高所得者のユーザーが7割を超えており、北京・長江デルタ・珠江デルタなどの経済が発展したエリアのユーザーの多くは購買意欲が高い傾向です。一般的なネットユーザーと比較して、インターネットを利用した購買活動は積極的といえます。

企業やブランドが積極的に活用している

Weiboでは、個人アカウントや個人認証アカウントだけでなく、企業公式アカウントの開設が可能です。中国に向けたマーケティングのために、多くの企業が公式アカウントを開設しています。Weiboの公式アカウントを運用している企業やブランドの例は、以下の通りです。

● 全日本空輸(ANA)
航空機・キャビンアテンダントのメッセージを動画で投稿することで認知度を高めています。

● ユニクロ
フォロワーとのコミュニケーションを重視した運用でファンを獲得し、大きく売上を伸ばしました。

● セブンイレブン
おすすめの商品紹介・割引キャンペーンの告知を継続的に高い頻度で投稿した結果、大きな利益につながっています。

インフルエンサー(KOL:Key Opinion Leader)マーケティングと相性が良い

Weiboの利用ユーザーは、一般人だけではありません。インバウンド・グローバル展開・越境ECなどを目的に、さまざまな企業や著名人もアカウントを開設しています。X(旧Twitter)同様に、フォローや投稿機能があることから、情報拡散力の高いインフルエンサーを起用すれば、効果的なインフルエンサーマーケティングが可能です。

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Weibo(微博・ウェイボー)でのプロモーション例

アカウントの認証を行うと、プロモーションに役立つ広告配信・分析機能の利用が可能です。ここでは、Weiboを活用しているプロモーション例をご紹介しましょう。

地方自治体

中国から日本に訪れた人に向けて、各都道府県の観光協会や経済・貿易促進協会を含む地方自治体も、Weiboでプロモーションを行っています。Weiboでアカウントを運用している地方自治体は、以下の通りです。

● 青森県
Weiboで「青森县观光局」を運用しており、ねぶた祭・青森弁ラップなどのユニークな動画を投稿しています。青森空港では、中国の奥凱(オーケー)航空の定期便が運航していた実績があり、観光客の増加につながりました。

● 北海道
Weiboで「北海道_北国魅力」を運用しており、札幌雪まつり・グルメ・自然をアピールする情報が主な投稿です。雪国のゲレンデは、上質なパウダースノーで滑走抵抗が少なく、スノーボードやスキーのウィンタースポーツに適しています。観光客の中には、ウィンタースポーツを目的に日本へ訪れている方も多い傾向です。
また、中国では、2008年公開の中国映画「非誠勿擾」が大ヒットしました。映画を見た多くの中国人観光客は、舞台となった北海道を訪れています。

● 福島県
Weiboで「日本福岛县政府官方网」を運用しており、東日本大震災が起こる少し前に開設されたアカウントです。震災後は、福島県上海事務所が震災や原発事故の状況を投稿していました。現在では、復興していく状況を投稿するメディアとして運用しています。

● 岐阜県
岐阜県は、Weiboで「日本岐阜县旅游官方网」を運用しており、飛騨牛・白川郷をはじめ、岐阜県の魅力をアピールした画像や投稿が人気です。
岐阜県の投稿は、中国人に役立つ情報と認められ、2011年にWeiboの運営会社「新浪公司」から「協力パートナー賞」を受賞しました。

● 山梨県
Weiboで「富士之国山梨」を運用しており、富士山・名産品・観光スポットといった情報を投稿しています。キャンペーンとして、名産物や名産品のプレゼント企画が人気です。

量販店

中国人観光客は、目当ての商品をリサーチしたうえで、購入することが多い傾向です。中国人に人気の量販店は、Weiboで企業公式アカウントを開設しています。Weiboでアカウントを運用している量販店は、以下の通りです。

● マツモトキヨシ
マツモトキヨシの公式アカウントでは、商品紹介の投稿だけでなく、キャンペーン企画を実施しています。ハッシュタグを記載した投稿で、より多くのユーザーからの認知度を高めました。

● ドン・キホーテ
ドン・キホーテの公式アカウントでは、取り扱い商品やセール商品をユニークに紹介しています。Weiboの最新トレンドに合わせた投稿を常に行い、数多くのフォロワー獲得に成功しました。

● 株式会社エディオン
家電量販店のエディオンは、インバウンドの重要拠点でもある秋葉原に店舗を構えています。顧客獲得のため、中国向けにWeiboとWeChatの公式アカウントを持ち、情報を発信しています。購入後のアフターフォローにも使用されているところが特徴的です。

日本の著名人

X(旧Twitter)やInstagram以外に、Weiboのアカウントを所持している日本の著名人が増えています。ダイレクトメッセージや有料配信を通して、ファンとコミュニケーションを取っています。アカウントを開設している日本の著名人の例は、以下の通りです。

● 福原愛
● 福山雅治
● 佐藤健
● 古川雄輝
● 浜崎あゆみ
● 乃木坂46
● 片寄涼太
● 羽生结弦

Weibo(微博・ウェイボー)の広告例

Weiboは、その発信力の高さから、さまざまな広告にも利用されています。最後に、Weiboの広告例をご紹介しましょう。

検索キーワード

検索キーワードを用いると「リスティング広告」が利用できます。リスティング広告とは、検索キーワードに関連する広告をユーザーに合わせて表示する機能で、情報の拡散力が高まります。

関連記事:リスティング広告の基礎知識を解説。メリットや特徴とは?

フィード

フィードを用いて、タイムライン上にユーザー属性に合わせた広告の表示が可能です。Weiboでは、ユーザーの年齢・性別・地域・趣味のデータを蓄積しており、企業が設定しているターゲットだけに絞って広告が表示されます。

トレンドハッシュタグ

投稿にトレンドハッシュタグを取り入れれば、プロモーション活動に役立ちます。トレンドハッシュタグとは、流行のワードを用いて構成されたタグです。ハッシュタグをクリックするだけで、同じテーマの投稿が表示されます。

関連記事:ハッシュタグの意味とは!付け方や活用シーンを徹底解説

インフルエンサー広告(KOL広告)

インフルエンサー広告(KOL広告)は、商品紹介や公式アカウント投稿の拡散でプロモーション活動を行います。KOLとは、販売促進に大きな影響力を持つ人物のことです。
KOL広告の特性として、KOLがフォロワーに直接メッセージを届け、ブランド認知度を短期間で向上できます。また、KOL広告は自然で親しみやすく、受け入れやすいことからブランドへの好感度を高める効果が期待できます。

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まとめ

Weiboは、中国近辺にとどまらず中国語圏のアジアや欧米といった、幅広いユーザーが利用しているSNSツールです。マーケティングにおいて、グローバル展開を視野に入れている多くの企業は、Weiboで企業の公式アカウントを開設しています。
また、Weiboのユーザーは、17~33歳が8割を占めており、購買意欲の高い若年層が多い傾向です。多くの企業がWeiboを通して、世界に向けたプロモーションで効率的なマーケティング活動を行っています。
近年、企業やブランドだけでなく、地方自治体や日本の著名人のWeiboアカウントの開設も増えました。Weiboの仕様は、X(旧Twitter)と類似しており、認証済みアカウントであれば、プロモーションに役立つ機能を利用可能です。マーケティングで大きな利益を得るためにも、広告・分析機能を有効活用しましょう。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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