ビジネスシーンやIT分野では、プロセスという言葉がよく使われます。プロセス単体で使用するだけでなく、業務プロセスやプロセスレコードなど、他の言葉と組み合わせて使っているのを耳にする機会も多いでしょう。プロセスとは、物事の過程や手順を意味します。
本記事では、プロセスの意味や関連用語、業務プロセスの改善方法などを解説します。
目次
プロセスとは
プロセスとは、物事の過程や手順、方法のことで、簡単にいうと「目標を達成するまでの工程の進め方」を意味します。語源は、英語のprocessで、英語には令状や訴訟手続きといった意味も含まれます。また、プロセスの類語には「手順」や「工程」などが挙げられます。
手順とは、物事を進める順序・段取りを意味し、工程は、作業の進捗や工作の順番のことです。工程はプロセスと同じ意味で使われますが、手順はマニュアルという意味でも使われるケースがあります。
プロセスを使った例文は、以下の通りです。
・結果のみならずプロセスも重要である
・計画を達成するためにプロセスを踏む
・プロセスを無視したため事業が失敗した
「プロセスを踏む」という文章は、ある目的を達成するために決められた手順を行うことを意味し、ビジネスでよく使用されます。加えて、業務の過程を改善することを意味する「プロセスを見直す」といった文章もしばしば使われます。
一般的なビジネスシーン
一般的なビジネスシーンでは、業務フローや手続き、処理などの段階を意味する使い方をします。また、ビジネスシーンで使う言葉として「業務プロセス」「ビジネスプロセス」などがあります。
業務プロセスとは、受注から製造・販売までにおける全体的な業務の流れのことです。例えば、飲食店の業務は調理や接客を行うイメージがありますが、事務作業や経理も必要です。つまり、業務プロセスは、一連の業務や利益を出すまでの流れを表します。
なお、特定の業務に対する言葉ではなく、製造から販売など幅広い工程を対象とする用語です。そのため、業務プロセスは生産管理や営業、経営層などさまざまな組織で活用されます。
ビジネスプロセスは、企業で特定の目的・目標を達成するために行う活動のことです。業務プロセスと意味が類似していますが、利益を生み出す事業活動の流れを指すことが多くあります。
人事領域
人事領域での「プロセス」は、過程や手順などの一般的な意味のほかに「プロセス評価を導入する」「結果よりもプロセスを重視する」といった評価基準の一つとして使われるケースがあります。
プロセス評価とは、仕事への取り組み姿勢や進め方など、成果を生み出すプロセス(過程)に着目する評価方法です。プロセス評価を行うことで、成果を出せなかった社員の努力や行動を評価できます。具体的には、勤務態度や業務に対する姿勢を評価する情意評価や、潜在的な能力(判断力・企画力)や業務で発揮された能力を評価する能力評価などです。人材育成に重きを置いた評価方法といえるでしょう。
プロセス評価の項目は、業種や職種によって多少異なりますが、自己成熟性・誠実さ・ストレス耐性・自己理解・冷静さ・ビジネスマナーなどが挙げられます。
ちなみに、プロセス評価の手法の一つにコンピテンシー評価があります。コンピテンシーとは、優れた成績を創出する者に共通して見られる行動特性のことです。優秀な社員の行動特性や思考パターンに、個人がどの程度当てはまっているかを見て評価します。評価項目に具体的な行動が挙げられているため、評価する側にとって評価しやすいことがメリットです。
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IT分野でのプロセス
IT分野でのプロセスは、PCでプログラムを作動させる際、CPUが実行するひとまとまりの処理の単位を意味します。例えば、WordやExcelなどは、各アプリが1プロセスです。また、PCで各プロセスを同時に実行する状態をマルチプロセスといいます。
プロセスと一緒に使われる言葉にスレッドとタスクがあります。スレッドとは、一つのCPUが同時に実行可能なプログラムの最小単位です。スレッドは、一つのスレッドで一つのプログラムを実行する「シングルスレッド」と、複数のプログラムを並行して実行する「マルチスレッド」に分類されます。
一方、タスクとは、PCで処理を実行するための単一操作のことです。
なお、スレッドやプロセスの意味合いでタスクを使用するケースがあるため、タスクの意味を会話から読み取る必要があるでしょう。
プロセスの関連用語
プロセスの関連用語には、プロセス管理やプロセスアプローチ、プロセスマイニングなどが挙げられます。
ここでは、プロセスの関連用語を見てみましょう。
プロセス管理
プロセス管理とは、プロジェクトや業務を進める一連のプロセス(過程)を管理し、よりよい成果につなげるためのマネジメント方法です。プロセス管理をすべき業務には、決められた手順を繰り返し行う作業が挙げられます。いわゆるルーティンワークと呼ばれる定型業務です。ただし、製造業やデータ入力といった業務だけでなく、システム開発や営業職なども一連の流れが決まっているため該当します。つまり、一定の型に当てはまる仕事が、プロセス管理に適しているといえるでしょう。
また、複数の人物や部署が関わる業務も、プロセス管理に向いています。プロセス管理により役割分担が可能になるため、業務がスムーズに進むでしょう。
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プロセスアプローチ
ISO9001規格の中心となる概念に、プロセスアプローチが挙げられます。プロセスアプローチとは、サービスや製品の生産から提供までの流れを一つひとつ切り分け、プロセスとして管理することです。また、各プロセスでPDCAサイクルを回して効率化させると、業務の流れが円滑になります。
そもそもISO9001とは、サービスや製品の品質に関わるISO(国際標準化機構)が定める、品質マネジメントシステムの国際規格です。ISO9001の認証を取得すると、品質保証や品質管理が適切に行われていると評価され、国際的な信頼を得られます。つまり、サービスや製品の品質を継続的に改善するためにプロセスアプローチを実施することで、ISO9001で要求されているPDCAサイクルをスムーズに構築できるのです。
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プロセスマイニング
プロセスマイニングとは、業務で使うシステムのログ(イベントログ)を基に、ビジネスプロセスの可視化や分析を行う技術のことです。取得するログには、業務システム固有のイベントログや操作画面のキャプチャ、キーボードやマウスの操作ログなどがあり、ツールによって可視化できる項目が異なります。
また、プロセスマイニングには、4つのステップがあります。
1.デバイスのログを収集する
2.業務フロー・業務内容を可視化する
3.改善が必要な業務を挙げ、優先順位を決定する
4.継続してパフォーマンスを監視し、PCDAサイクルを回す
プロセスマイニングでは、業務の可視化や課題分析、効果測定が可能です。
つまり、イベントログを収集することで、業務を誰が・どのように作業しているかが見えるだけでなく、どのように改善が必要かを発見するのに役立ちます。
プロセスイノベーション
プロセスイノベーションとは、製品やサービスを提供するまでの生産工程(プロセス)において、生産効率を高めるために革新的な改善をすることです。
例えば、データを基に売上を予測して在庫を管理したり、職人の手作業で行っていた業務を機械化したりすることが、プロセスイノベーションに当てはまります。
また、プロセスイノベーションの代表例には、トヨタ生産方式(TPS)があります。この方式は、必要なものを必要な時に、必要な量だけ生産する効率的なシステムです。その結果、在庫を最小限に抑えられるため、無駄を省けます。
トヨタ生産方式により、トヨタは高品質かつ競争力のある製品をスピーディーに市場に提供できるのです。現在では、トヨタ生産方式が世界中の製造業のお手本とされています。
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プロセスレコード
プロセスレコードとは、看護師と患者のコミュニケーションを記録し、記録を振り返って考察・分析する学習方法です。看護実習で取り入れられている方法ですが、近年では介護士の実習にも活用されています。
看護の現場では、自身(看護師)と患者の会話をリアルタイムに客観視することは困難です。また、患者とうまくコミュニケーションが取れない場面も多々あるでしょう。
そこで、プロセスレコードを記録すると、患者の反応に対する自身の行動や感情を見つめ直せるため、看護のプロとして最適な対応方法を考えられます。
プロセスエコノミー
プロセスエコノミーとは、サービスや製品を生み出すプロセスを利用し、収益につなげる考え方です。プロセスエコノミーを活用することで、製品の差別化をはかれ、人々から共感を得たり認知されやすくなったりします。
ビジネス業界のみならず、ゲーム業界や音楽業界など、さまざまな業界で大きな利益を上げているのです。近年、クラウドファンディングや芸能人のオーディション番組などが注目を集めていますが、それらもプロセスエコノミーに該当します。
また、SNSを活用してクリエイターが顧客とやり取りをしながら作品を作ったり、新しくオープンする店舗が店づくりの過程を発信したりすることも、プロセスエコノミーの一つです。
このように拡大し続けるプロセスエコノミーですが、その背景にはSNSの普及といった情報発信技術が高まったことや、ストーリー性を求める人が多くなったことなどが挙げられます。
伝えたい情報が不特定多数のユーザーに届くため、新規顧客の獲得や多くの共感を得たい場合に有効な手段といえるでしょう。
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業務プロセスと業務フロー
業務プロセスは、業務フローよりも広い視点で見た業務の流れです。つまり、受注や製造など一つひとつの業務を詳細に書き起こした図が業務フロー、受注・製造・販売といった一連の流れを表したものが業務プロセスです。
業務プロセスと類似した言葉に「業務フロー」があります。業務フローとは、業務の流れや工程を図式化したものです。どのような流れで業務を遂行しているかを可視化することで、業務改善に役立ちます。
業務フローを作成する目的を以下にまとめました。
・業務の問題点・課題を把握しやすくする
・業務を可視化し、簡易化する
・担当者同士で各業務の相互理解を促す
業務フローの書き方はさまざまですが、主なものは以下の4種類です。
・JIS
JIS(日本工業規格)は、業務フローで使われる記号で最も一般的です。
記号の形が定められており、視覚的に把握しやすいため、誰が見ても業務プロセスを理解できるでしょう。
・DFD
DFD(データフロー図)は、システムのデータ全体の流れを表した図です。
主に、システムの設計段階や分析に使われます。
・アクティビティ図
アクティビティ図とは、統一モデリング言語(UML)の一種で、システム実行の一連の流れを表現する図のことです。業務フローにも使われることがあります。
・業務プロセスモデリング表記表(BPMN)
BPMNは、業務プロセスをワークフローとして表記するフローチャート手法です。
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業務プロセス改善の必要性
業務プロセス改善の目的には、業務効率化や生産性の向上、リスクマネジメントが挙げられます。
ここでは、業務プロセス改善の必要性を見てみましょう。
業務の効率化、生産性の向上を図るため
業務プロセスの改善は、業務効率化や生産性の向上が期待できます。例えば、今まで紙ベースで書類のやり取りや管理を行っていたものを電子化すると、承認作業や回覧の効率化や、記入漏れや誤記入などの人的ミスが削減可能です。また、電子データで書類を管理できると、書類の検索や情報抽出が容易になるうえ、管理工数が削減できるため効率化を目指せます。
業務プロセスを改善することで業務効率化が実現できれば、従業員はメインの業務に集中でき、組織全体の生産性向上につながります。
リスクマネジメントのため
業務プロセスの改善は、リスクマネジメントの面でも効果的です。非効率な業務は、問題や事故が発生するリスクが高くなるため、従業員のケガやサービス品質の低下につながります。そのような状況を防止する目的でも、業務プロセスの見直しは行われます。
また、業務プロセスの属人化は、業務フローが不明確になるため、作業効率の低下のみならず業務担当者の異動・退職時に引き継ぎが困難となる恐れがあるでしょう。
業務プロセスを改善し、マニュアル化することで他の従業員でも担当できるような業務フローを構築できれば、業務の属人化は防げるでしょう。
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業務プロセスを改善するには
続いて、業務プロセスの改善方法を紹介します。
改善作業に取り組むことで、企業の運営効率につながるため、改善方法を把握しましょう。
現状を洗い出す
初めに、業務フローや必要人数など業務の詳細情報を洗い出します。適切に可視化できていないと、改善点が明確にならないため、洗い出す作業は確実に行いましょう。
また、情報を洗い出す作業を行う中で、問題点が見つかりそうであったり違和感を覚えたりした部分があれば、書き出すことをおすすめします。なぜなら、後から気になる部分を再確認するよりも、作業中に気付けるポイントが多くあるためです。
現状を洗い出す作業は大切な工程であるため、詳細に見てみましょう。
洗い出しのポイントは、以下の通りです。
● 業務プロセスの詳細情報を整理する
業務プロセスは、書き出す前に詳細情報を整理しましょう。例えば、業務の流れ(提案から受注・輸送・アフターフォローまで)や担当する部門、仮説(考察)などを図にまとめることで、後にフローチャートに書き起こしやすくなります。フローチャートは、抽象的に表現する場合があるため、いきなり書き起こそうとすると大切なポイントを見落とす恐れがあります。そのため、初めに詳細情報を図やシートに整理することがおすすめです。
● ヒアリング対象の組織を設定する
業務プロセスを改善するために、全ての組織に業務の詳細を聞くことは困難なため、ヒアリングの対象となる組織を設定します。
企業によっては、第一管理部と第二管理部のように、同じ組織でも複数の部門に分かれているケースがあるでしょう。この場合は、全ての管理部にヒアリングを行うのではなく、第一管理部のみにヒアリングするというように、効率的に可視化を進めることがポイントです。
● 関連する組織と一緒にタスク化・プロジェクト化する
DX推進部門といった、複数部門をまたいで結成される横断的組織が自社に存在しない際のケースも確認しましょう。例えば、営業部門が生産性の改善を狙うためには、事務部門や経理部門のような関連する組織にも影響します。この場合は、関連組織も一緒にタスク化・プロジェクト化することがおすすめです。
一つの部門のみの視点で可視化すると、営業部門は効率が良いと考える点があっても、事務部門にとっては効率が悪い点が存在することもあります。その結果、組織間連携がうまくいかず、トラブルが生じる恐れがあります。そのため、タスク化・プロジェクト化を行う際は、関連組織を含めて検討することが重要です。
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課題を抽出し優先順位をつける
情報を可視化したら、業務プロセスを確認して課題がないかチェックしましょう。チェックする際は、課題の大小は問わず、全ての課題を洗い出すことが大切です。なぜなら、現在は小さな課題であっても、将来的に大きな課題に発展するリスクがゼロではないためです。企業の技術の発展度合いや世間の情勢により、課題の優先度は変動します。
課題を抽出したら、優先的に解決すべき課題を決めます。全ての課題をただちに解決することは困難なため、優先順位をつけて順番に解決することが大切です。
改善策を出し実行する
次に、優先順位の高い課題から改善策を決めます。その際、業務効率化やリスクマネジメントといった、業務プロセス改善の目的を意識すると決めやすいでしょう。例えば、業務効率化を目的とするなら、3M(ムリ・ムダ・ムラ)の削減を重視します。また、リスクマネジメントを目的とする場合は、ヒューマンエラーによる事故が発生しないよう対策を立てます。改善策を決めたら、実際に取り組みましょう。
効果測定、振り返りを行う
改善策の実行後、効果の有無を検証します。「どれくらい効果があったのか」「より効果を生み出すにはどうしたらよいか」など、さまざまな視点から効果を検証し、効果が得られなかった場合の改善策も特定します。その際、効果を数値化するとわかりやすいでしょう。
なお、改善作業ではPDCAサイクルを回すことが一般的です。PDCAサイクルとは、計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)の頭文字を取った用語で、業務改善や品質管理を行うためのフレームワークをいいます。
各用語の意味は、以下の通りです。
・計画(Plan):目的や目標を設定し、実行計画を立案します。
・実行(Do):計画を実行します。
・評価(Check):実行した内容を検証します。計画通りに実行できなかった時は、なぜうまくいかなかったのか分析を入念に行います。
・改善(Action):検証結果から、どのような改善点や対策を行うべきか検討します。
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効率的に業務プロセス改善を行うには
効率的に業務プロセス改善を行うには、BPRの視点を取り入れたり、ツールを活用したりすることが有効です。
ここでは、改善のポイントを紹介します。
BPRの視点を取り入れる
業務プロセス全体の改善を目指す際は、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の導入がおすすめです。BPRとは、既存の業務プロセス全体を根本的に見直し、再構築する手法です。全体的に見直すことで、生産性や効率性、品質の向上を図ります。
また、業務の流れをしっかり把握できるため、業務フローを可視化できます。どの業務プロセスがコストや時間を消費しているのか、わかりやすくなるでしょう。その結果、コスト削減にもつながります。
なお、BPRの代表的な手法は、以下の通りです。
・業務仕分け
BPRを取り入れるにあたり、業務仕分けは最初に行うべき作業といえるでしょう。
業務仕分けでは、部門間の連携や業務の流れを図に表し、業務フローを可視化します。そして、業務の重要性を考慮して優先順位をつけます。
その際、優先順位の低い業務はアウトソーシングを検討するとよいでしょう。
・ERP
ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略称で、経営の基本となる資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を有効活用する考え方のことです。
ERPシステム(統合基幹業務システム)を導入することで、各部署で管理するデータやシステムを一元管理できるようになり、意思決定が迅速に行えたり経営資源を効率化できたりします。
・BPO
BPOとは、Business Process Outsourcingの略称で、企業の業務プロセスを外部に委託するアウトソーシングの一種です。
コスト削減や業務の効率化を目指せるため、総務や人事、ヘルプデスクなどさまざまな業務領域で活用されています。
BPOのアウトソーシングは、長期的かつ継続的な委託となる場合が一般的です。その理由は、BPOは企業の課題解決を目的として外部委託するためです。業務プロセスを見直したり改善策を検討したりする必要があるため、委託期間が長期になります。
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ツールを活用する
効率的に業務プロセス改善を行うには、業務可視化ツールの導入がおすすめです。業務可視化ツールとは、従業員の動きを可視化して分析するツールです。業務フローをグラフ化したり、PCの操作ログを取得したりすることで、作業時間を明確化できます。その情報をもとに、問題点や業務の進め方を分析します。
また、業務可視化ツールを活用すると、業務の属人化の防止や効率的な業務プロセスの設計も可能になるため、企業全体の生産性アップが期待できるでしょう。
ただし、組織全体にツールの導入目的を説明しなければ、従業員が「監視されている」と感じる恐れがあります。そのため、導入の目的を周知し、全従業員に納得してもらうことが重要です。加えて、ツールの活用状況を共有すると、どのように効果が得られたのか従業員も把握できるため、ツール導入の協力を得られやすくなるでしょう。
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まとめ
プロセスとは、物事の過程や手順を意味し、目標を達成するための工程の進め方を表します。ビジネスシーンでは、「業務プロセス」や「ビジネスプロセス」という言葉が頻繁に使われます。業務プロセスを改善することは、業務効率化や企業全体の生産性向上につながるため、企業にとって有益です。また、リスクマネジメントにも効果的で、事故の防止やサービス品質の維持・向上につながります。BPRの視点を取り入れたり、ツールを活用したりして、業務プロセス改善に努めましょう。