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PPM分析とは? マーケティングにおけるフレームワークを解説

2024.10.1
読了まで約 10

PPM分析(プロダクトポートフォリオマネジメント分析)は、市場成長率と市場占有率(マーケットシェア)の2軸からなる座標に、自社の事業・製品・サービスを分類し、経営資源の投資配分を判断するための方法です。この手法を用いることで、自社や競合他社の立ち位置を確認し、効果的な戦略を練ることができます。

本記事では、PPM分析の詳細な方法や、「花形」「金のなる木」などの各象限の意味、この分析手法のメリットとデメリット、さらに企業の具体的な活用事例などについて、分かりやすく解説していきます。マーケティング戦略を立てる上で重要なこのフレームワークを、ぜひ理解し活用してください。

PPM分析とは?

PPM分析(プロダクトポートフォリオマネジメント分析)は、企業が事業や製品、サービスの戦略的位置づけを評価し、経営資源の最適な配分を決定するための強力なツールです。この手法は、1970年代にボストン・コンサルティング・グループによって開発され、以来多くの企業で活用されてきました。

PPM分析の核心は、「市場成長率」と「市場占有率(マーケットシェア)」という2つの重要な指標を用いて、企業の各事業単位や製品ラインを評価することにあります。これにより、企業は自社の事業ポートフォリオを俯瞰的に把握し、戦略的な意思決定を行うための客観的な基準を得ることができます。

具体的には、PPM分析では以下の4つのカテゴリーに事業や製品を分類します。

● 花形(Star):高成長・高シェア
● 金のなる木(Cash Cow):低成長・高シェア
● 問題児(Problem Child):高成長・低シェア
● 負け犬(Dog):低成長・低シェア

この分類により、企業は各事業や製品の現状と将来性を明確に把握し、投資や撤退などの戦略的判断を下すことができます。例えば、「問題児」に分類される事業に対しては、シェア拡大のための積極的な投資を検討したり、「負け犬」に分類される事業については、撤退や売却を考慮したりすることが可能となります。

PPM分析の最大の利点は、複雑な事業環境を単純化し、視覚的に表現できることです。これにより、経営陣は迅速かつ効果的な意思決定を行うことができます。また、競合他社との相対的な位置づけも把握できるため、競争戦略の立案にも有効です。

ただし、PPM分析にも限界があることを認識しておく必要があります。この分析は主に財務指標に基づいているため、技術革新やブランド価値など、定量化が困難な要素を十分に反映できない場合があります。そのため、PPM分析は他の分析ツールと組み合わせて使用することが推奨されます。

結論として、PPM分析は企業の戦略立案プロセスにおいて重要な役割を果たす手法であり、適切に活用することで、企業の持続的な成長と競争力の強化に貢献することができます。

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PPM分析ポジション4つ

PPM分析における4つのポジションは、企業の製品やサービスの市場における位置づけを表す重要な指標です。これらのポジションは、市場成長率と相対的市場シェアという2つの軸に基づいて決定されます。各ポジションは、その特性に応じて独特な名称が付けられており、それぞれ「花形(Star)」「金のなる木(Cash Cow)」「問題児(Problem Child)」「負け犬(Dog)」と呼ばれています。

これら4つのポジションは、企業が自社の製品やサービスのポートフォリオを評価し、戦略的な意思決定を行う上で非常に有用なツールとなります。各ポジションには固有の特徴があり、それに応じた戦略的アプローチが必要となります。

企業は、この分析を通じて自社の製品やサービスがどのポジションに位置しているかを把握し、それぞれに適した資源配分や戦略立案を行うことができます。例えば、「花形」製品には更なる成長のための投資が必要かもしれませんし、「金のなる木」からは安定した収益を得ることができるでしょう。

一方で、「問題児」には潜在的な成長の可能性があるため、慎重な評価と戦略的な投資が求められます。「負け犬」に分類される製品やサービスについては、市場からの撤退や事業の再構築を検討する必要があるかもしれません。

このように、PPM分析の4つのポジションを理解し活用することで、企業は効果的な経営資源の配分と戦略的な事業運営を行うことができるのです。

花形(Star)

花形は、市場成長率および市場占有率(マーケットシェア)ともに高く、まさに「花形」と呼べる事業です。

市場占有率(マーケットシェア)が高いために利益を出しやすいものの、市場成長率が高いために競争が激しい状態となっています。

市場での競争に打ち勝つためには、積極的な投資を継続することが望まれます。

例えばIT関連企業におけるソフトウェアやアプリケーションの開発、サブスクリプション方式における音楽やゲームの配信事業などが花形として挙げられます。

こういった事業は、投資することを躊躇した途端に競合他社にマーケットシェアを奪われ、それまでの優位から一転して立場が逆転する可能性もあります。

マーケットシェアを維持し、競合他社に抜かれないためにも継続的かつ積極的な投資が必要不可欠です。このような投資は、新製品の開発や既存製品の改良、マーケティング活動の強化などに向けられることが多く、企業の成長戦略において重要な役割を果たします。

関連記事:サブスクリプションビジネスとは? 市場規模やメリット、成功のポイントも徹底解説

金のなる木(Cash Cow)

金のなる木は、市場成長率が低く新規参入も少なくなっているために競争は穏やかになっていて、積極的な投資は必要とされません。

その一方で市場占有率(マーケットシェア)が高く、安定した利益が出しやすい状態です。

したがって金のなる木に分類される事業から得られる利益は、その事業へ再投資するのとともに、花形や問題児の事業に振り分けていくことが必要とされるでしょう。

例えば鉄道や航空、電気、ガスといったインフラ関連事業などが、金のなる木に該当します。

新規参入企業も限られており、一度利益を発生させる仕組みを構築すれば、あとは同様の作業を行うだけで利益が発生します。

事業運営に伴う利益余剰金は、鉄道事業であればホームの改修、航空事業であればターミナルの増改築などに充当できます。

また電力会社やガス会社なども、設備投資や株主配当金、異なる方面への事業展開に充てることができます。

問題児(Problem Child)

問題児は、市場成長率が高く、競争が激しく、積極的な投資が必要とされる一方、市場占有率(マーケットシェア)が低いために利益が出しにくい状態です。

ただし、市場占有率(マーケットシェア)を高められれば、将来的に花形や金のなる木になる可能性があるといえます。

したがって問題児に分類される事業に対しては、他の事業によって得られた余剰の資金を積極的に振り分けていくことが重要です。

例えばSaaSやネット証券、AIなどの関連事業が問題児に該当します。こういった事業は市場が急拡大しながらも自社シェア率を伸ばしづらい特徴があります。

2021年から2022年における業界別成長ランキングは以下のようになっています。

  • 1位:SaaS…成長率22.6%
  • 2位:ネット証券…成長率19.3%
  • 3位:AI…成長率18.4%

出典:業界動向サーチ 業界別成長ランキング

ですが、こういった業界はマーケットシェアを獲得できれば花形へと成長させられる可能性があります。

関連記事:SaaSとは!読み方や意味、基本的な概念を解説!

負け犬(Dog)

負け犬は、市場成長率が低いために投資は必要とされない代わり、市場占有率(マーケットシェア)が低いために利益も出ない状態です。

事業の成長が見込めないため、事業を整理し、それによって余剰となった資金を花形や問題児の事業に分配していくことが、経営判断として適切な場合があります。

例えば出版業界や製造業界、観光業界などが負け犬に該当します。特に出版業界は顕著でデジタル書籍の普及により紙媒体によるマーケットシェアは年々減少の一途を辿っています。

参考資料:公益社団法人 全国出版協会 出版科学研究所 日本の出版販売額

製造業界においては年々AIやロボットなどを導入する企業が増えており、製造工程の自動化に伴う人員削減が進んでいます。

また観光業なども新型コロナをきっかけに市場規模が縮小しました。インバウンド観光客が戻ってきてはいるものの、新型コロナ前の状態には回復しておらず、主要旅行会社の取り扱い額も近年縮小の傾向にあります。

参考資料:観光庁 主要旅行会社取扱額の推移

また少子高齢化に伴う日本人の旅行客減少も顕著で、こういった要因から成長が見込めない業界となってきているのです。

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メリットとデメリット

PPM分析には、経営判断に役立つメリットがある一方で、いくつかの限界も存在します。この手法の活用においては、そのメリットを最大限に活かしつつ、デメリットを補完するアプローチが重要です。

PPM分析の主なメリットは、自社の各事業および競合他社との市場における立ち位置を明確に把握できることです。これにより、経営資源の効果的な配分や、事業戦略の優先順位付けが容易になります。結果として、事業の強化、維持、あるいは撤退などの意思決定をより的確に行うことができます。

一方で、PPM分析にはいくつかのデメリットも存在します。主に財務指標のみを用いる分析手法であるため、事業の多面的な側面を十分に反映できない可能性があります。例えば、生産面での経験曲線効果や、各事業間のシナジー効果などは考慮されません。また、新規事業の立ち上げなど、過去の実績がない領域の評価には適していません。

これらの特性から、PPM分析に基づく戦略立案では、イノベーションの創出や新たな市場開拓といった面で制限が生じる可能性があります。したがって、PPM分析を活用する際は、その長所を活かしつつ、他の分析手法と組み合わせるなど、総合的な視点で事業評価を行うことが望ましいでしょう。

PPM分析のメリット

PPM分析のメリットは、自社の各事業の立ち位置、および自社の事業の競合他社との立ち位置を確認できることです。

この分析手法を用いることで、企業は自社のビジネスポートフォリオを明確に可視化することができます。各事業や製品の市場での位置づけが把握しやすくなり、経営陣が戦略的な意思決定を行う際の有効な指標となります。

それにより、経営資源の投資配分について優先順位をつけることが可能となり、事業の強化や維持・撤退などの経営判断がしやすくなります。例えば、「花形」事業にはさらなる成長のための投資を行い、「問題児」事業は「花形」への移行を目指して戦略を立てるなど、効果的な資源配分を行うことができます。

また、PPM分析は比較的シンプルな枠組みであるため、経営層だけでなく、社内の様々な部門の従業員にも理解しやすく、組織全体で事業戦略の方向性を共有するツールとしても活用できます。

PPM分析のデメリット

PPM分析のデメリットは、限られた財務指標のみを使用して分析を行うため、事業のさまざまな側面を十分に考慮できない点です。例えば、生産面での経験曲線効果や各事業間のシナジー効果などが分析に含まれません。また、財務指標に重点を置くため、新規事業の立ち上げなどの評価には適していません。

このような特性から、PPM分析を基にしたビジネス戦略では、革新的なアイデアや市場を変革するようなイノベーションを生み出しにくい傾向があります。企業が破壊的イノベーションを起こすことは、自社の市場シェア獲得だけでなく、産業全体の技術革新力向上にも貢献する可能性があります。

さらに、PPM分析は静的な視点で事業を評価するため、急速に変化する市場環境や技術革新のスピードに対応しきれない場合があります。そのため、PPM分析の結果のみに依存せず、他の分析手法と組み合わせて総合的に判断することが重要です。

関連記事:イノベーションとは?意味や種類、事例を簡単に

PPM分析のやり方

PPM分析の分析方法について見ていきましょう。分析方法は下記の4つのステップで行います。

 

PPM分析を効果的に行うには、適切な手順を踏むことが重要です。以下では、PPM分析を実施するための4つの主要なステップについて解説します。

1. 市場成長率を算出する
2. 市場占有率(マーケットシェア)を算出する
3. 自社の事業の立ち位置を確認する
4. 競合他社と自社の立ち位置を確認する

これらのステップを順番に実行することで、自社の事業ポートフォリオを客観的に評価し、戦略的な意思決定を行うための基盤を構築することができます。各ステップの詳細については、以降で詳しく説明していきます。

PPM分析を通じて得られる洞察は、経営資源の最適な配分や、事業戦略の立案に大きく貢献します。特に、複数の事業や製品ラインを持つ企業にとっては、この分析手法が非常に有用となります。

市場成長率を算出する

市場成長率は、本年度の市場規模を昨年度の市場規模で割ることにより算出できます。

市場成長率 = 本年度の市場規模 / 昨年度の市場規模

市場規模のデータについては、公的機関やシンクタンクが発表している統計データを利用することができます。

もし市場規模のデータが入手できない場合には、自社の売上高を市場占有率(マーケットシェア)で割ることにより推定(フェルミ推定)することもできます。

市場占有率(マーケットシェア)を算出する

市場占有率(マーケットシェア)は、売上高を市場規模で割ることにより算出できます。

市場占有率(マーケットシェア) = 売上高 / 市場規模

ここで重要なのは、市場占有率(マーケットシェア)については自社のものだけでなく、競合他社のものも算出することです。

競合他社の売上高は、一部上場企業であれば有価証券報告書から拾うことができます。また、業界ごとの市場占有率(マーケットシェア)が公開されているサイトも存在します。これらの情報源を活用することで、より正確な分析が可能となります。

自社の事業の立ち位置を確認する

市場成長率と市場占有率(マーケットシェア)を算出したら、まず自社の各事業についてPPM分析の座標に表示します。これにより、自社の事業の立ち位置が視覚的に確認できます。

具体的には、縦軸に市場成長率、横軸に市場占有率(マーケットシェア)をとり、4つの象限に分けた図を作成します。そして、各事業をその数値に応じて適切な位置にプロットしていきます。

この作業を通じて、自社の事業ポートフォリオの全体像が明確になります。どの事業が「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」のどこに位置しているかが一目瞭然となり、経営資源の配分や今後の戦略立案に役立つ重要な情報が得られます。

競合他社と自社の立ち位置を確認する

次に事業ごとに、自社と競合他社とをPPM分析の座標に表示します。それにより、競合他社と自社との市場における立ち位置を確認することができます。

この比較分析によって、自社の強みや弱み、さらには市場での競争力を視覚的に把握することが可能となります。例えば、ある事業分野で自社が「問題児」に位置しているのに対し、競合他社が「花形」に位置している場合、その差を埋めるための戦略立案が必要となるでしょう。

逆に、自社が「金のなる木」に位置し、競合他社が「負け犬」に位置している場合は、その優位性を維持・強化する施策を検討することが重要です。このように、競合他社との相対的な位置関係を把握することで、より効果的な経営戦略の立案が可能となります。

企業のPPM分析例

以下では第三者目線から、実際企業をPPM分析した場合の事例を解説します。実際に自社のPPM分析をする際、参考にしてください。

これらの事例は、企業がどのように自社の製品やサービスを評価し、経営資源の配分を決定しているかを示しています。PPM分析を通じて、各企業は市場における自社の位置づけを明確にし、戦略的な意思決定を行っています。

具体的な分析例を見ることで、PPM分析の実践的な適用方法や、その結果に基づく経営判断のプロセスをより深く理解することができます。これらの事例は、自社のPPM分析を行う際の参考となるだけでなく、他社の戦略を理解する上でも有用な情報となります。

花王のPPM分析事例

流通科学大学ではPPM分析から花王の経営戦略及び競争戦略を分析しています。花王の2012年における製品状態をPPM分析で表すと以下のようになります。

花形:
「住居・家具用洗剤」「石鹸」「入浴剤」「シャンプー・ボディシャンプー」「メイクアップ製品」

金のなる木:
「粉末衣料合成洗剤」「制汗剤」「ヘアケア」「スキンケア製品」

問題児:
「軽度失禁用品」「ベビー用おむつ」「ハンドソープ」「歯磨き」「生理用品」「液体衣料用洗剤」

負け犬:
「台所洗剤」「男性用化粧品」「大人用紙おむつ」

この製品状態から住居・家具用洗剤は市場シェアの5割を占めていることが分かり、競合他社に対して競争優位の状態を保っていると分析されています。

一方の負け犬では、男性用化粧品の場合、市場シェアの15%程度しか占めていないことが分析結果として出ています。

こういった製品状態をPPM分析することにより、どこに経営資源を費やせばよいかが分かるのです。

参考資料:流通科学大学 PPM分析を通じた花王の経営戦略と競争戦略研究

ユニクロのPPM分析事例

1994年、ユニクロはフリースの販売で大ヒットを記録し、これが「金のなる木」としての地位を確立しました。この成功による潤沢な資金をもとに、2002年秋に新たな挑戦として「SKIP」という事業を立ち上げました。これは生鮮野菜の生産から販売まで一貫して手がける新規事業でした。

当時の責任者である柚木氏は、「ユニクロが保有しているノウハウで勝機がある」と判断し、初年度の売上目標を16億円と見込んでいました。しかしながら、事業開始後の現実は厳しく、予想に反して売上は伸び悩みました。結果として、わずか1年半で事業撤退を余儀なくされ、PPM分析では「負け犬」に分類される結果となってしまいました。

この失敗から得た教訓を活かし、ユニクロは経営資源の投入先を見直しました。自社の強みを最大限に生かせる分野として、海外展開の強化や、新たな低価格アパレル事業「GU」の立ち上げなどに注力しました。この戦略の転換が功を奏し、特に「GU」は見事に「金のなる木」へと成長し、グループ全体の黒字化に大きく貢献する成功を収めました。

このユニクロの事例は、PPM分析を活用した経営判断の重要性を示しています。市場の動向や自社の強みを適切に分析し、迅速に戦略を修正する柔軟性が、長期的な企業成長につながることを教えてくれています。

有名芸能事務所のPPM分析事例

アイドルや有名人などもPPM分析によって立ち位置を把握できます。例えば以下のように分類ができます。

花形:
グループとして、あるいは個人として勢いがあり、売り込むことで利益が発生する状態です。知名度は「金のなる木」に分類されているタレントよりは認知されておらず、競合が多いため出演枠を奪い合っている状態です。成長率に伸び代がある分、競争は激化します。

金のなる木:
本人たちのキャラクターがすでに国民によって認知されており、知名度を上げるための活動を行う必要がない状態です。個人のブランディングもできているため「その人でなければだめ」と業界が求めている場合が多く、新規参入は少ない状態です。テレビやラジオなど、各メディアに安定して出演しており、高い収益を上げています。

問題児:
新人や若手タレントで、将来性はあるものの、まだ知名度が低く、収益性も低い状態です。事務所としては育成に力を入れ、花形へと成長させることを目指します。

負け犬:
かつては人気があったものの、現在は需要が低下し、メディアへの露出も減少している状態です。事務所としては、イメージチェンジや新たな活動分野の開拓など、再起の機会を探ることになります。

このようにPPM分析を行うことで、芸能事務所は所属タレントの現状を把握し、効果的なマネジメント戦略を立てることができます。例えば、「花形」タレントにはさらなる露出機会を提供し、「問題児」には重点的に育成プログラムを実施するなど、リソースの最適な配分が可能となります。

役立つフレームワーク

PPM分析のほかに、基本戦略を設定する際に役に立つフレームワークをご紹介します。

SWOT分析

SWOT分析とは、「スウォット分析」と読むビジネスフレームワークの一つです。もともと米国で戦略を立てるツールとして使われていたもので、スタンフォード大学で確立したといわれます。

SWOTとは、「Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)」の頭文字を取ったものです。

SWOT分析の詳細は下記のページにて解説していますので、参考にしてください。

関連記事
SWOT分析とは?やり方や事例、注意点をわかりやすく解説
SWOT分析とは?やり方や分析例を図とテンプレート付きで簡単に

3C分析

3C分析とは、マーケティング戦略を講じる際に指針となる分析方法です。

3C分析の詳細は下記のページにて解説していますので、参考にしてください。

関連記事:3C分析とは?やり方や手順、テンプレートも紹介

PEST分析

PEST分析とは、マーケティングの立案でよく利用されるメソッドです。「自社が業界のなかでどのような方向性を見据えるべきか」という、中期的な方針を検討するのに役立つと考えられています。

PEST分析の詳細は下記のページにて解説していますので、参考にしてください。

関連記事:PEST分析とは?戦略に活かす分析のやり方や具体例を解説

PPM分析まとめ

PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)分析とは「市場成長率」と「市場占有率(マーケットシェア)」の2軸からなる座標上で、事業や製品、サービスを分類することにより、経営資源の投資配分を判断するための手法です。

PPM分析では自社事業を「花形(Star)」「金のなる木(Cash Cow)」「問題児(Problem Child)」「負け犬(Dog)」の4つのポジションに分類し、自社の事業の将来性を把握するとともに、競合企業との売上の格差を可視化することができます。

PPM分析のメリットは、自社の各事業の立ち位置、および自社の事業の競合他社との立ち位置を確認できることです。デメリットは、限られた財務指標のみを使用して分析を行うため、事業のさまざまな側面を汲み尽くしていないことです。

それぞれの特徴をよく把握した上でPPM分析をマーケティング戦略に取り入れましょう。

PPM分析を実施する際は下記のテンプレートをぜひご活用ください。エクセルなどでも分析はできますが、下記のテンプレートを印刷すれば手書きでプロダクトを書き込むこともできて便利です。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

マーケトランク編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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