ウェブサイトやアプリケーションの運営には欠かせない「パーミッション(Permission)」の設定を、正しく理解して活用している人は意外と少ないかもしれません。この記事では、パーミッションの基本的な仕組みから、業務での具体的な活用シーンなどを解説します。また、FTPソフトなどを用いる際に必要なパーミッション(Permission)の設定方法や注意点のほか、マーケティング用語としてのパーミッション(パーミッションマーケティング)や、インバウンド、バイラル、オプトインメールなどのパーミッションマーケティングに関連した用語についても解説します。
目次
Permission(パーミッション)とは
「Permission(パーミッション)」とは、「許諾」「許可」「免許」などを意味する英単語です。コンピューターやサーバーの世界でこの言葉を使用するときには、「アクセス権」を指すことがあります。
パーミッションは、例えば、UNIX系のOSのファイルシステム上で使われています。簡単にいえば、ファイルやディレクトリなどに設定する、ユーザーやユーザーグループごとのアクセス権限のことをいいます。
UNIXといえば、一般のビジネスパーソンが最も近しいところで接するのが、ホームページをアップロードするWebサーバーではないでしょうか。パーミッション設定は、そのサーバー上に上がっているファイルやディレクトリごとに設定されるものです。
なぜ、アクセス権が必要なのでしょうか。それは、Webサーバー上のファイルやディレクトリに、不特定多数の人にアクセスされることで勝手に消去されたり、書き換えられたりしないようにするためです。制限設定を行い、管理する必要があるのです。
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Permission(パーミッション)を業務で意識するシーンとは?
パーミッションの基本を説明しましたが、いまいちイメージがわかないという人も多いでしょう。そこで実際に、よくビジネスパーソンがパーミッションを業務で意識するシーンを見ていきましょう。
● CGIプログラムやPHPプログラムを設置するとき
● 「.htaccess」ファイルを設置する場合
CGIプログラムやPHPプログラムを設置するとき
ご存知の通り、ホームページを公開するためには、サーバーにアップロードしなければなりません。FTPソフトを用いて、HTMLファイルやCSSファイルをアップロードした経験のある人もいるのではないでしょうか。
そのサーバーにアップロードする作業のとき、パーミッションを設定する必要があるシーンが訪れます。通常の、HTMLファイルやCSSファイルのファイルをアップロードする際には、通常、パーミッションの設定は必要ありませんが、CGIやPHPといったプログラムをアップロードする際には、設定が求められます。
ここで、CGIとPHPについて、簡単に確認をしておきましょう。
● CGIとは
● PHPとは
CGIとは
CGIとは、「Common Gateway Interface」のことで、Web上で機能するプログラムの一種です。WebサーバーがWebブラウザからの要求に応じて、動的なプログラムを実行させるための仕組みです。例えば、ひと昔前の掲示版システムやブログなどはこのCGIを利用しているケースが多くありました。
CGIをWebサーバーに設置する際には、いくつかのCGIファイル等をアップロードする必要があります。ファイル数やファイルの種類はCGIプログラムによって異なりますが、CGIプログラム本体のファイルは「.cgi」という拡張子がついています。
PHPとは
PHPとは、Web上で動的なコンテンツを動かせるプログラミング言語です。動的とは、同じURLのページであっても、閲覧ユーザーの属性や時間帯などによって、表示される内容が変わるなど、動的に変化するコンテンツのことです。
PHPはHTMLと組み合わせて使うことができ、ブログなどは今、ほとんどこのPHPで書かれています。このPHPで書かれたファイルは、「.php」という拡張子がついています。
このCGIやPHPは、どちらもWebサーバー上で動くプログラムであることが分かると思います。これらをサーバーに設置する際には、パーミッションを設定する必要があります。
例えば、サーバー提供事業者から、「CGIファイルは、『755』か『705』のパーミッションに設定してください」という案内を受けたことがある方もいるでしょう。この数字が何を表すのかは後ほどご説明しますが、パーミッションは、このようなときによく設定します。
「.htaccess」ファイルを設置する場合
もう一つ、よくパーミッションを設定するシーンが、「.htaccessファイル」をサーバーに設置する場合です。
htaccessファイルとは、「Apache(アパッチ)」というソフトウェアを使用しているWebサーバーのファイルについて、ディレクトリ単位で設定を制御するためのファイルです。
よく利用するシーンは、ホームページ上にアップロードはしているものの、一部のユーザーにしか見せたくないページに対して、アクセス制限をかけるときなどです。アクセスした際に、ユーザーIDとパスワードの入力を求めるといった認証の仕組みを導入することなどが可能です。
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Permission(パーミッション)の基本的な仕組み
いざ、業務でパーミッションを設定するシーンが訪れた際には、ぜひパーミッションの基本的な仕組みを確認しておきましょう。
パーミッションは、「誰に対してアクセス権限を設定するのか?」と、「どのようなアクセス権限を与えるのか?」を設定します。
● 誰に対してアクセス権限を設定するのか
● どのようなアクセス権限を与えるのか?
● 9個の権限設定
誰に対してアクセス権限を設定するのか
まず、誰に対してアクセス権限を与えるのかを決めます。パーミッションは、「オーナー(Owner)」「グループメンバー(Group)」「その他の人(Other)」の3つの立場に対して、設定をすることができます。
「オーナー」とは、自分のことです。自分がアクセスできるのかできないのかを設定します。「グループメンバー」とは、同じサーバーを利用するユーザーのことです。
同じサーバーにアクセスできる同じ部署のチームメンバーや上長などがイメージされます。ただし、レンタルサーバーの場合、パーミッションのグループメンバーが、そのレンタルサーバーを利用しているユーザー全体となる場合があります。
グループメンバーの扱いはレンタルサーバーの設定によって異なります。「その他の人」とは、自分でもグループメンバーでもなく、まったく赤の他人、第三者ということになります。
どのようなアクセス権限を与えるのか?
続いて、この3つの立場それぞれに対して、どんなアクセス権限を与えるのかを決めます。アクセス権限は3つです。
読み取り権限:ファイルもしくはディレクトリを読み取りができる。
書き込み権限:ファイルもしくはディレクトリに書き込める
実行権限:ファイルもしくはディレクトリを実行できる
【文字列と数字の関係】
「読み」「書き」「実行」の3つの実行権は、英単語の頭文字をとって、以下の記号または数字で表されます。
例えば、「3つの立場の全員が読み取りでき、実行はできないという設定で、オーナーだけに書き込みが許されている」という場合、記号表記だと「rw-r-r-」、数字表記だと「644」となります。記号も数字も表記の際、「オーナー グループメンバー その他の人」の順で、左から順番に記号を一つ一つ並べて表記します。
9個の権限設定
パーミッションは、3つの立場ごとに、3つの権限を組み合わせることで設定を行います。
つまり権限設定を行うのは次の9個です。
1.「オーナー(Owner)」の「読み取り権限」
2.「オーナー(Owner)」の「書き込み権限」
3.「オーナー(Owner)」の「実行権限」
4.「グループメンバー(Group)」の「読み取り権限」
5.「グループメンバー(Group)」の「書き込み権限」
6.「グループメンバー(Group)」の「実行権限」
7.「その他の人(Other)」の「読み取り権限」
8.「その他の人(Other)」の「書き込み権限」
9.「その他の人(Other)」の「実行権限」
この9個の権限を組み合わせて、パーミッション設定を行っていきます。
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Permission(パーミッション)のよく使われる4つの種類
では、実際、どのように設定するのでしょうか。実は、主に使われるパーミッション設定は限られています。例えば、次の4つがよく使われます。
● 【644(rw-r-r-)】
● 【755(rwxr-xr-x)】
● 【666(rw-rw-rw-)】
● 【777(rwxrwxrwx)】
【644(rw-r-r-)】
全員が読み取りできますが、オーナーだけに書き込みが許されています。実行は3つの立場いずれも許されていません。
644が設定される際には、読み込むだけのファイル、例えば、HTMLや画像ファイル等が該当します。オーナーはHTMLファイルなどをサーバー上で書き換えることができるということです。
【755(rwxr-xr-x)】
オーナーは、読み取り、書き込み、実行すべての権限を設定できます。一方で、グループメンバーとその他の人は、書き込みだけは許されておらず、実行は可能です。
つまり、これは実行が必要なCGIファイルや、通常のディレクトリなどの設定です。CGIファイルの改変などは、オーナーしか行えません。
【666(rw-rw-rw-)】
3つの立場は、同じ権限が与えられています。読み取りと書き込みはいずれもOKで、実行だけができません。これは、多くの場合、CGIプログラムが実行させることで、書き込む先のファイルなどに設定されます。
例えば、掲示板等のCGIファイルでは、ユーザーがWebブラウザ上でテキスト入力して送信すると、掲示板にログとして残ります。そのログが保存されるファイルに設定することが多いのがこの666です。データ記録など読み書き可能になります。
【777(rwxrwxrwx)】
これも、3つの立場に同じ権限、しかもすべての権限が与えられています。777は、CGIファイルが格納されているディレクトリ自体に設定することが多いです。誰でも書き込みも実行もできるので、セキュリティ上は少々危険な設定です。
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Permission(パーミッション)の確認方法
では、実際にパーミッションを設定する際には、どうすればいいのでしょうか。まず、パーミッションを設定する前に、どのように確認するのかを知っておきましょう。
まず、パーミッションを確認したり、設定したりする方法には、大きく分けて2通りあります。一つが、FTPソフトを使用する方法で、もう一つは、コマンドを使用する方法です。
● FTPソフトでパーミッションを確認する方法
● コマンドでパーミッションを確認する方法
FTPソフトでパーミッションを確認する方法
FTPソフトとは、サーバーにファイルをアップロードしたり、サーバーにあるファイルをダウンロードしたりすることができる、ファイル転送用のソフトです。FTPサーバーにアクセスするためのソフトなので、FTPソフトと呼ばれています。
有名なものには、Windowsでは無料でシンプルな機能で使いやすい「FFFTP」があります。また、「WinSCP」も有名であり、その他、それぞれの機能に特化したものがいくつかあります。
例えば、FFFTPを使ってパーミッションを確認する方法を確認しておきましょう。まず、サーバーに接続して、接続先のサーバー画面を開きます。右側の窓に、ファイルリスト一覧が表示されるでしょう。
そのファイルリストでは各ファイルの「日付」や「サイズ」などを確認できますが、そのうち「属性」という項目があります。ここでパーミッション設定の値を確認できます。
もう一つ、確認方法があります。一つのファイルをクリックし、選択した状態になったら、右クリックをしてメニューを表示させます。そのメニューのうち、「属性変更」というメニューを選択します。すると、次のようなポップアップウィンドウが現れます。
「オーナー」「グループ」「その他」と分かれており、「呼出」「書込」「実行」という枠があり、それぞれチェックボックスにチェックが入れられるようになっています。ちなみに「呼出」は、先ほどご説明した中で、「読み取り権限」に該当します。
右下に「現在の属性」の欄があり、数字でパーミッション設定が確認できます。このように、ファイルごとに、パーミッションを簡単に確認することができます。
コマンドでパーミッションを確認する方法
コマンドでパーミッションを確認する方法もあります。コマンドとは、コンピューターに命令する文のことをいいます。初心者はなかなかむずかしいため、パーミッションの確認や設定を行う際には、FFFTPを使うと良いでしょう。
Permission(パーミッション)の設定方法
では、実際にFTPソフトを使って、パーミッションを設定してみましょう。パーミッションは、先ほどご紹介したFFFTPを用いて設定する方法をご紹介します。
まず、FFFTPを起動し、サーバーへアクセスします。その後、サーバー側の属性を変更したいファイルを選択し、右クリックします。表示されるメニューから「属性の変更」を選択します。
ポップアップウィンドウが開いたら、自分で設定してみましょう。チェックボックスにチェックを入れれば、権限を付与できます。
権限をなくしたいときには、チェックボックスを再度クリックすれば、権限が外れます。右下の数字を見ながら、必要な設定「755」や「666」などに設定していきましょう。
● CGIプログラムのパーミッション設定例
CGIプログラムのパーミッション設定例
ここで、よくあるCGIプログラム一式のパーミッション設定例を確認しておきましょう。例えば、掲示板のCGIプログラムでは、ディレクトリの中に次のファイルをアップロードするとします。
・AAA.cgi
・j-code.pl
・data(空ディレクトリ)
AAA.cgiがCGIプログラム本体です。j-code.plは日本語文字コードです。dataという空のディレクトリをつくり、ここにCGIプログラムがデータを格納していく仕組みになっています。
AAA.cgiとj-code.plをサーバーにアップロードし、dataというディレクトリを作成したら、その後、パーミッション設定を行っていきます。
それぞれ、次のように設定します。
・AAA.cgi→【755】
・j-code.pl→【644】
・data(空ディレクトリ)→【777】
これは、あくまで例ですが、一般的にCGI実行ファイルは755、データ格納ディレクトリは777、その他のファイルは644で設定することが多いです。
このように、パーミッション設定を行うときというのは、複数のファイルやディレクトリに対して同時に行うことが多くあります。
Permission(パーミッション)の注意点
パーミッションについて、ただ仕組みや設定方法を知っているだけでなく、何のためのアクセス権限を設定するのか、理解しておくことが重要です。
なぜなら、ビジネスパーソンがパーミッションを設定するシーンというのは、自分が所属する会社などの組織全体のセキュリティに関わることだからです。
「そんなことはサーバー管理者が行うべきでは?」と思われるかもしれませんが、サーバー管理者だけでなくユーザー自身でアクセス権限が容易に変更できるという事実から、よく理解しておかなければなりません。思わぬ操作ミスで、サイバー攻撃の対象となってしまうことがあるのです。
● パーミッションが設定されていなかったらどうなるか
● 書き込み・実行権限は慎重に設定する
● 事故の際、システムへの影響を最小限にするためでもある
パーミッションが設定されていなかったらどうなるか
もしパーミッションが適切な値に設定されていなかったら、悪意のある第三者に、ファイルの内容を不正に見られたり、書き換えられてしまったりする可能性が生まれます。
「その他の人(Other)」に対してアクセス権を与えることは、セキュリティの低下につながるため、パーミッション設定を誤ったり、怠ったりすると、セキュリティリスクに直結してしまいます。
セキュリティを高めるためには、「オーナー(Owner)」以外に不要なアクセス権限を与えないことです。もちろん、もともと不特定多数の人に公開する目的のHTMLファイルやCSSファイル、画像ファイル等であれば、一般的にデフォルト設定の「640」のままで問題ありません。
しかしパーミッションを変更すべき、CGIファイルやPHPファイル、データファイルなど、直接内容を閲覧されたり、変更されたりすると問題が生じるファイルの場合は、それぞれに必要なパーミッションを設定し、セキュリティを高めることが重要です。
書き込み・実行権限は慎重に設定する
基本的に、パーミッションを設定する際には、余分に書き込み権限や実行権限を与えることはありません。思わぬ事故につながります。
知識のある悪意のある第三者からは、大きな穴となって見えてしまい、いかようにもファイルを改ざん・実行できる状態になってしまうこともあります。
事故の際、システムへの影響を最小限にするためでもある
これまでご紹介したように、パーミッションはセキュリティを高めるために重要です。いってみれば、パーミッションを設定するということは、事故やサイバー攻撃を防止することにつながるということになります。
パーミッションを適切に設定しているということは、万が一、何か事故やサイバー攻撃の対象になってしまった際にも、システムへの影響を最小限にすることにつながります。
サーバー管理者ではなく、一ユーザーとして作業する際にも、全体への影響をよく考えてパーミッション設定を心がけるのをおすすめします。
関連記事:APIとは何か?いまさら聞けない基本的な意味を解説
パーミッション設定の不備によるサイト改ざん事例
パーミッション設定を誤ったことで、実際に悪意のある第三者によってサイトが改ざんされてしまった事例をご紹介します。
あるレンタルサーバー提供会社は、WordPressというブログなどで広く使われているCMS(コンテンツマネジメントシステム)を利用できるようにしています。そのWordPressを利用する際には、ユーザーが自らWordPressをインストールして、サーバー上に構築して運用する形になっています。
そのWordPressをサーバーにインストールする際に、さまざまなプログラムやファイルをサーバーにアップロードしますが、その際に、主に2つのファイルのパーミッション設定を誤っていたことが、攻撃者の標的となってしまいました。
WordPressを利用している複数のユーザーのWordPressの一部のファイルが攻撃者によって書き換えられてしまったことで、攻撃を受けたことが発覚しました。
調査の結果、いくつか攻撃者の侵入のルート、脆弱性が確認された中で、「wp-config.php」というWordPressを動作させるための定義やPHPコマンドなどが記載された重要なファイルのパーミッションが「644」だったことも原因の一つであったとわかりました。
「644」は、オーナーは読み取り権限と書き込み権限がありますが、グループメンバーとその他の人にも読み取り権限がある設定です。つまり、第三者にもファイルの中身を見ることができてしまうのです。これにより、この事例の攻撃者は設定情報を抜き出したのです。
wp-config.phpのパーミッションは「600」か「400」が推奨されています。「600」は、オーナーだけに読み取り権限と書き込み権限があり、グループメンバーとその他の人には、一切の権限を与えないものです。
「400」は、オーナーだけに読み取り権限だけがあり、グループメンバーとその他の人には、一切の権限を与えないものです。
このように、パーミッション設定の不備を悪用されたことが原因となったことが、攻撃を可能にしてしまったのです。
関連記事:Web3(Web3.0)とは?Web2(Web2.0)とは何かとあわせて解説
WordPressのパーミッション設定方法
WordPressは、ハッキングされやすいCMSといわれています。なぜなら、WordPressはオープンソースであるため、誰でも無料で使用でき、どのような仕組みなのか誰でも知ることができるためです。
また、オープンソースであることで、脆弱性が生まれやすいこと、世界中で多く利用されていることもハッカーの標的になりやすい大きな理由です。パーミッションの変更は、そのWordPressのセキュリティ対策の一つとなります。
先ほどご紹介したサイト改ざん事例のように、パーミッション設定を誤るだけで、多大な被害が生じ、組織の信頼を落としてしまうリスクがあります。
WordPressのファイルの中でも、パーミッション設定については、次のファイルとディレクトリを次の値に設定することが推奨されています。
・「.htaccess」→【606】か【604】
606は、オーナーとその他のユーザーにだけに読み取りと書き込み権限を与える設定です。グループメンバーには一切の権限を与えません。
WordPressでは、「.htaccess」ファイルが書き換えられてしまう事例が多発しているといわれているため、厳しめに設定する必要があります。
しかし、その他ユーザーに書き込み権限を与えている理由は、WordPressのパーマリンク設定へと影響を考慮する必要があるからとされています。パーマリンクは変更しない場合には、その他ユーザーには読み取りのみを許す「604」が推奨されています。
・「wp-config.php」→【600】か【400】
先述の通り、wp-config.phpは重要なファイルです。オーナーのみに読み取りと書き込みを許可しましょう。さらに安全なのは、オーナーにも書き込み権限を与えない「400」です。サーバーによっては設定できないこともありますので、その場合は「600」となります。
・その他のディレクトリ→【705】
その他のディレクトリは、基本的にオーナーにすべての権限を与え、グループメンバーには権限を与えず、その他のユーザーには読み取りと実行を許可します。
・その他のファイル→【604】
その他のファイルは、オーナーに読み取りと書き込みを許可し、グループメンバーには権限を与えず、その他のユーザーには読み取りのみを許可します。
パーミッション変更後に実施が推奨されているテスト
パーミッション変更を行った後は、サーバーの環境によって不具合が出る可能性があります。そのため、変更後はちょっとしたテストを行い、動作に不備がないか確認しておきましょう。
最低限、WordPress管理画面へログイン、記事の投稿や画像のアップロードが正常に行われるか、プラグインの追加と削除が正常に行われるか、WordPressテーマの変更が正常に行われるかをテストしましょう。
関連記事:【初心者におすすめ】WordPress(ワードプレス)でブログを始める方法を解説!
パーミッションマーケティングとは
パーミッションマーケティングとはユーザーの「許可=パーミッション」を事前に得た上で行うマーケティング手法です。
ユーザーの許可を事前に得てからマーケティング活動を行うためトラブルになることが少なく、ユーザーも気分を害することなくすんなりと相手のマーケティング活動を受け入れやすくなります。
代表的な例にユーザーの許可を得た上で配信するオプトインメールがあります。ですがメールの場合、相手の許可を受けてない無許可メールを送信する行為はすでに特定電子メール法で規制されているため、メールマーケティングを行いたい場合は否が応でも相手の許可を得る必要があります。
関連記事:インバウンドマーケティングの根幹!パーミッションマーケティングの意味と具体例をご紹介
パーミッションマーケティングの歴史
パーミッションマーケティングはインターネットの普及にともない、従来までのマスマーケティングとは一線を画す手法として発展してきました。以下ではパーミッションマーケティングの歴史について解説します。
● 元米国YAHOO!の副社長セス・ゴーディン氏が提唱
● 従来のマスマーケティングとは一線を画す概念
● マスマーケティングの欠陥から誕生
元米国YAHOO!の副社長セス・ゴーディン氏が提唱
パーミッションマーケティングは元米国YAHOO!の副社長であったセス・ゴーディン氏(Seth Godin)が1999年に出版した自身著書の『パーミションマーケティング(Permission Marketing)』の中で提唱したマーケティング手法です。
セス・ゴーディン氏はマーケティングの第一人者としても知られ、『パーミションマーケティング』の他にも『バイラルマーケティング』『トライブ 新しい”組織”の未来形』など、主にWebマーケティングやビジネスに関する書籍を出版しています。
従来のマスマーケティングとは一線を画す概念
「パーミッションマーケティング」は、従来のマスメディアを使った一方的ともいえる「マスマーケティング」や、無理やり顧客に情報を押し付ける「インタラプションマーケティング」などとは対をなす概念だとゴーディン氏は語っています。
インタラプションは「妨害」「中断」を意味する言葉で、「インタラプションマーケティング」とはテレビ番組やラジオ番組の間にCMを挟んだり、新聞や雑誌の記事の間に広告を差し込んだりするマーケティング手法のことを指します。その名の通り、物語を中断させて無理やり広告を見せるやり方です。
マスマーケティング全盛期はもとより、現在でも普通に行われているマーケティング手法ですが、顧客が求めていない情報を一方的に押し付けるだけで、インタラクティブが良しとされる現代にそぐわない時代遅れのマーケティング手法となっています。
従来までのマーケティング手法の欠陥から誕生
パーミッションマーケティングが見出された背景には、従来のマスマーケティングとインタラプションマーケティングに問題があったから、とゴーディン氏語っています。
ゴーディン氏は成功しているマーケティングの多くは「相手の同意を求めるキャンペーン」という共通事項に気づき、そこから相手の許可を得て行う「パーミッションマーケティング」の概念にたどり着きました。
以降、ゴーディン氏は相手の許可を得て行うパーミッションマーケティングを次世代のマーケティングと位置づけ、Webマーケティングを行う人たちに向けて強く推奨しています。
オプトインメールとは
オプトインとは英語で「Opt in」となり「選択」「参加」といった意味合いになります。いわゆる「事前に相手の許可を求める」ことで、相手の許可を得たうえで配信するメールを「オプトインメール」と言います。このオプトインメールを利用したマーケティングもパーミッションマーケティングに含まれます。
上項目「パーミッションマーケティングとは」でも解説した通り、無許可メールを送信する行為は特定電子メール法で規制されているため、メールマーケティングを行う場合はオプトインメールである必要があります。
パーミッションマーケティングの特徴・メリット
パーミッションマーケティングの特徴やメリットは以下が挙げられます。
● ユーザーの信頼が得られインタラクティブな関係を築ける
● 自社に対する不評が減少する
● コストが削減できるうえ高いCV率が確保できる
ユーザーの信頼が得られインタラクティブな関係を築ける
パーミッションマーケティングは相手の許可を得てから行うマーケティングです。「許可を得る」というフェーズを設けているだけでも、ユーザーの信頼が得られインタラクティブな関係を築けます。
「ここの企業はスパムみたいなことはやらないんだな」「客のことを考えてくれている」とユーザーから感じ取ってもらえます。こういった好印象を抱いてもらうことにより、商品やサービスにもいつしか興味をもってもらうことができるようになります。
自社に対する不評が減少する
許可してもらっているユーザー以外の人たちにはマーケティング活動を行わないことにより、余計なトラブルや不評が減少します。
やはりスパムのような宣伝を行っていれば、ユーザーは不快に思うようになり、自社にクレームを入れたり文句や悪評をSNSなどに投稿したりするようになっていきます。
そういった余計なトラブルや不評が起きにくいこともパーミッションマーケティングの特徴やメリットと言えます。
コストが削減できるうえ高いCV率が確保できる
パーミッションマーケティングを行って得られたリストは、ユーザーの感情を害することなく得られたリストです。
ゆえに商品やサービスの購入につながりやすい「ホットリード(今すぐ客)」であることが多いのも特徴やメリットのひとつです。そのため高いCV率が期待できるうえ、営業コストの削減にもつながります。
類似の「インバウンドマーケティング」とは
インバウンドマーケティングとは、オウンドメティアなどでユーザーに価値ある情報を提供し、自社及び自社商品やサービスに興味関心を抱いてもらうマーケティング手法です。
インバウンドは「外から中へ入る」という意味合いとなり、売り込むのではなくユーザーが自発的に購買行動を起こすことを目的としています。こちらから売り込みをかけていく「アウトバウンドマーケティング」とは対をなす概念となります。
関連する「バイラルマーケティング」とは
バイラルマーケティングは主に以下のようなマーケティング手法を指します。
“バイラルマーケティングとは、インターネットの情報拡散力を使って不特定多数の顧客やユーザーに情報を広めていくマーケティング手法を指します。”
引用:MarkeTRUNK 口コミで広がるバイラルマーケティング!そのメリットや実施のポイントとは?
(https://www.profuture.co.jp/mk/column/14663)
いわゆるユーザー同士の口コミや評判などを利用したマーケティング手法です。インフルエンサーを起用して意図的に口コミを発生させる「インフルエンサーマーケティング」やバズらせることを目的として話題を拡散させていく「バズマーケティング」などと似通っている部分があります。
しかしこれらのマーケティング手法と異なるところは、バイラルマーケティングは自分が良いと思った商品やサービスを親しい人にも伝えたいという心理が働いていることです。
前者の「インフルエンサーマーケティング」や「バズマーケティング」は、良くも悪くも単に拡散させることが目的です。
しかしバイラルマーケティングは自発的に良い情報伝えたい、相手にも得をしてもらいたいという親切心や共感に近い心理状態からくるバイラルのことなのです。
関連記事
・インフルエンサーの有名人活用手法をご紹介!BtoB領域でうまい活用方法とは!
・用語説明【バズ・マーケティング】
「One to One(ワントゥワン)マーケティング」とは
「One to One」は、日本語で「1対1」を意味し、「One to One(ワントゥワン)マーケティング」は個に対して行うマーケティング活動のことを指します。
ユーザーの購買行動や行動履歴などからニーズを汲み取り、一人ひとりの属性や趣味嗜好に合わせてマーケティングを実施します。
まとめ
パーミッションは、サーバー上のファイルやディレクトリに設定される、特定のユーザーやユーザーグループに与えられるアクセス権限を指します。この権限の設定には、「誰に対してアクセス権限を設定するのか?」と「どのようなアクセス権限を与えるのか?」の2つの要点があります。具体的には、「オーナー」「グループメンバー」「その他の人」という3つの立場に、「読み取り権限」「書き込み権限」「実行権限」という3つの権限を与えることができます。しかし、パーミッションが適切に設定されていない場合、ファイルの内容が悪意のある第三者に不正にアクセスされたり、書き換えられたりするリスクがありますので、注意が必要です。一方、マーケティングの文脈での「パーミッション」は「許可・許諾」を意味し、顧客の同意のもとに行われるマーケティングを「パーミッションマーケティング」と呼びます。このパーミッションマーケティングは、インバウンドマーケティングの一部として位置づけられ、従来のマスマーケティングとは異なる概念として捉えられています。
サーバーやウェブサイトの管理者は、このコンテンツを参考にして、適切なパーミッション設定を行い、セキュリティを強化する必要があります。また。マーケティング担当者や経営者は、顧客との関係を深化させる新しいマーケティング戦略を策定するために、このコンテンツを参考にしてみてください。