SNSを使った新たなマーケティング手法として、ミームを取り入れたいと考えていませんか。最近話題のミームは投稿をバズらせたいとき、口コミで消費者からの注目を集めたいときなどに活用できます。話題になっているミームやミームマーケティング手法を知っておけば、初めてでも多くの人の興味を引きつけられるでしょう。
この記事では、ミームの意味や流行している猫ミームについてくわしく解説します。ミームマーケティングの手法や、大手企業が活用中の参考にできるミームも紹介するので、興味がある方はぜひ参考にしてください。
目次
ミーム(meme)とは
SNSやインターネットでミーム(meme、以下ミームと呼びます)という言葉を目にすることが多いけれど、内容がよくわからないとお困りの方もいるでしょう。ここでは、ミームの概念や日本におけるミームの特徴を解説します。
概念
ミームとは、1976年にリチャード・ドーギンス氏が提唱した概念です。ドーギンス氏の著書『利己的な遺伝子』には、自らのコピーを増やすことを優先させる遺伝子について書かれており、遺伝子を子孫に受け継いでいくことをミームと表現しています。
本記事で登場するミームとは、gene(遺伝子)とmimeme(模範的)を組み合わせた造語です。生物が遺伝によって情報を伝えていくように、同じ画像や動画をさまざまな人に広げていく一連の流れをミームと呼ぶようになりました。
インターネットミーム、ネットミーム
インターネットミーム・ネットミームは、ウェブサイト・掲示板・SNSなどのインターネットを中心に、ネタ的に画像・動画・文章が拡散していくことを意味します。ミームに使う画像や動画は何でもいいわけではありません。ユーザーにとって面白いコンテンツほど広がりやすくなるため、皮肉やジョークを交えたものも数多く存在のも事実です。。
拡散されていく画像・動画・文章は、コピーされたうえで広がっていくため、多くの人に同じ情報を伝える効果が期待できるのが特徴です。
日本での特徴
日本におけるインターネットミームの特徴は、以下の通りです。
● 漫画やアニメ由来のネタが多い
● 個人が編集したMAD(英語で、馬鹿げた・狂っているの意味を持つmadが語源)動画が流行することもある
● 昔のミームネタが再燃する
● インパクトのある音楽動画はバズりやすい
日本は魅力的な漫画やアニメが多いことから、漫画・アニメのセリフを基にミームネタが作られる傾向にあります。ミームでよく見かけるネタのセリフを見てみましょう。
● 君のような勘のいいガキは嫌いだよ(鋼の錬金術師)
● 黒歴史(∀ガンダム)
● ただし〇〇テメーはダメだ(ボボボーボ・ボーボボ)
いずれかのセリフをインターネット上で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。セリフのみ投稿する人もいる一方で、セリフを加えたオリジナル画像を投稿する人もいるため、さまざまな形で漫画やアニメ由来のミームが存在します。
既存の映像の画像や音声を編集するMAD動画が流行しやすいことも、日本のミームの特徴です。既存映像に面白味を加えたり、インパクトのある動画にしたりすることができるため、閲覧者も十分に楽しめるでしょう。
日本では、過去に流行ったミームネタが突然再燃する傾向にあります。古いネタとして、有名な歌人である与謝野晶子の詩句のもじりや、吉野家での出来事を記載した吉野家コピペなどが該当します。
覚えやすい曲調やインパクトのある歌詞、思わず真似したくなるようなダンスが含まれる音楽動画も人気です。YouTubeやニコニコ動画に投稿されている「歌ってみた動画」が人気を博し、SNSを通じて幅広く拡散されているのも、こうした理由があります。
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猫ミームとは
日本では、猫の画像・動画を使った猫ミームもバズりやすくなっています。
ここでは、猫ミームについてくわしく解説します。
SNSで話題
猫ミームは、SNSの『TikTok』をきっかけに幅広く周知されるようになったミームの一種です。日常で起こった面白い出来事を、猫の画像や動画を利用して面白く表現するもので、『YouTubeショート』や『X(旧Twitter)』でも人気を集めています。
猫ミームの特徴は、子どもから大人まで、幅広い世代に愛される点にあります。かわいい猫を見られるだけでなく、セリフやストーリーに合わせた猫のコミカルな動きや表情は、誰でも楽しめ点が魅力です。
猫ミームは作ることもできる
猫ミームは見るだけでなく、作ることも可能です。猫を飼っている方は、日頃から愛猫の様子を撮影した写真や動画など、豊富な素材を持っているのではないでしょうか。映像編集ソフトを使えば簡単に編集することが可能です。
猫ミームを作成する際には、まずは編集ソフトのマニュアルを熟読し、使いこなせるようになりましょう。操作方法を覚えたらストーリーを考え、それに合わせた猫のポーズ・動き・表情を用意し、動画を作成します。
例えば、日常的な会話を表現するときは猫が少し口を開けている画像・動画、怒られているシーンを表現するときは猫パンチをしている動画、うれしさや楽しさを表現するときはダンスをしているようなコミカルな動画を選びましょう。
細部までしっかり調整すれば、自分だけのオリジナル猫ミームが作れます。SNSでバズる可能性もありますから、たくさんの人に見てほしい方は一度投稿してみるのもいいかもしれません。
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ミームの関連用語
ミームという言葉を検索すると、気になる関連用語がいくつかヒットします。なかにはミームの危険性を感じさせる言葉出てきますから、ミームを始める前には注意点をチェックしておきましょう。ここでは、ミームの関連用語で気になる3つの言葉を紹介します。
ミーム汚染
ミーム汚染とは、ミーム画像・動画の影響により元ネタへの認識が本来の意味とは異なることを意味します。本来は感動的なシーンであるにもかかわらず、編集によって面白味のあるミーム画像・動画にされてしまうと、ミームの面白い印象ばかりが強く残ってしまうこともあるでしょう。元ネタである作品を見ても、ミームのネタを思い出してしまい、感動が失われてしまうのです。
例えば、漫画『ONE PIECE」に出てくるニコ・ロビンが泣きながら「生きたい」と叫ぶシーンを元にしたミーム動画があります。本来は主人公のルフィがニコ・ロビンの本当の「生きたい」という気持ちを聞き出す感動的な場面ですが、セリフを「生きたい」から「働きたくない」に変えられることで、大きく印象が変わり、面白い動画になってしまうのです。
ミーム画像を見たあとに原作を見ると、感動的な印象が薄れてしまうため、原作そのものを純粋に楽しみにくくなります。こうした事象が、ミーム汚染です。
ミーム株
ミーム株とは、インターネットで強い注目を集め、一時的にある銘柄の株価が急騰することを指します。短期間で一気に買い注文が発生するため、株価は急騰しますが、急騰が長く続くかはわかりません。なかには暴落する株もありますから、よく検討して購入しないと、リスクが大きいものとなります。
ミーム株には電子製品を製造するカナダ企業の『Blackberry Limited』、電気自動車を販売するアメリカ企業の『Tesla,Inc.』などがあります。ここでは、ミーム株の始まりとなったアメリカの『GameStop』という株の銘柄を例として紹介しましょう。
『GameStop』は、1984年にアメリカで設立されたコンピューターゲームの小売店です。2020年には、業績悪化のうわさがささやかれ始め、数多くの株主が株を売りに出されました。窮地に陥る『GameStop』を救ったのは、同年8月にアメリカの大手掲示板『Rabbit」に投稿されたある動画です。
動画の内容は、ゲームストップのビジネスモデルの説明と、数多くの株が売りに出されているというもので、動画公開後、Rabbitユーザーは結託して、ゲームストップの株を購入するよう呼びかけました。結果的に株は急騰し、動画公開前に売りに出した株主は損を、公開後に購入した株主は利益を得るという結果になったのです。
『GameStop』はミーム株の成功例ですが、すべてのミーム株が成功するとは限りません。必ず成功すると言い切れないことから、高いリスクを負う必要もあるため、購入時には慎重に検討することが重要です。
ミームコイン
ミームコインとは、インターネットミームやジョーク、風刺的なユーモアに基づいて開発された仮想通貨です。面白味のあるものを仮想通貨と組み合わせたミームコインはエンターテイメント性が高く、場合によっては価格が大きく上昇します。
ミームコインの開発には独自の技術が必要なく、公開のハードルも低いため、数多くの種類が誕生しています。代表的なミームコインにはどのような特徴があるのかを見てみましょう。
ミームコイン名 | 特徴 |
Doge(ドージコイン) | 2013年にリリースされた、柴犬モチーフのミームコイン。リリース以降、一部のコミュニティから指示を受けていたが、2021年にTeslaのイーロン・マスク氏が何度も話題に取り上げたことで価格が急騰した。 |
SHIB(通称柴犬コイン、Shiba Inu Token,SHIB) | ドージコインのパロディとして2020年にリリースされたミームコイン。ドージコインに比べると価値や人気は劣るが、日本円で直接購入できるメリットがある。 |
MONA(モナコイン) | 2013年にリリースされた、猫キャラクターをモチーフにした「モナー」の名前に由来したミームコイン。「2ちゃんねる(現5ちゃんねる)」から生まれたコインで、国内の仮想通貨取引所から購入が可能。 |
Pepe(ペペコイン) | 2023年にリリースされた、カエルのキャラクターをモチーフにしたミームコイン。インパクトの強いPepe the Frogをモチーフにしており、世界最大級の仮想通貨取引所であるバイナンスが取り扱っていることで注目を集めている。 |
ミームコインは、種類によっては海外から購入する必要がある点と、価格変動が大きい点に注意しなければなりません。柴犬コインやモナコインは日本円で直接購入できますが、ドージコインやペペコインは海外の取引所から購入する必要があります。
日本の国内取引所の口座を開設し、ビットコインを送金する必要があるため、手間がかかると考えておきましょう。
また、ミームコインはSNSやインフルエンサー、著名人の影響で大きく価値が変わる点にも注意が必要です。イーロン・マスクが取り上げたDogeコインや、犬つながりでプラスに影響を受けた柴犬コインのように、世界的な著名人が取り上げたことで価格が急騰するミームコインもあります。
話題になるほど価格が高くなるものの、忘れられていくと価値が下がるため、価値の変動を見極めたうえで購入しなければなりません。
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流行りのミーム一覧(日本)
インターネットミームにはさまざまなものがあるため、インターネット掲示板やSNSなどで見かけたことがある人も多いでしょう。ここでは、日本で流行っているインターネットミームを紹介します。
アニメや漫画発
日本の代表的なサブカルチャーであるアニメや漫画のセリフから、インターネットミームが誕生しています。
● だが断る(ジョジョの奇妙な冒険)
● あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!(ジョジョの奇妙な冒険)
● てめーは俺を怒らせた(ジョジョの奇妙な冒険)
● 何…だと…?(BLEACH)
● お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな(少女ファイト)
数多くのミームが誕生している作品もある一方で、1つのセリフが強く話題を呼んだ作品もあります。汎用性が低くても、かっこよくて使ってみたいセリフがインターネットミームとして取り上げられることもあるようです。
セリフ以外にも、画像のインターネットミームが誕生しています。インターネットでよく見かける画像のミームを見てみましょう。
● 宇宙猫
● 5000兆円欲しい!
「宇宙猫」は、驚いているような表情の猫の背景に宇宙が広がる画像です。数多くのユーザーが背景と猫のギャップに魅了され、2014年ごろに大人気となりました。
「5000兆円欲しい!」は、絵師であるケー・スワベが『X』と『pixiv』に投稿した画像をきっかけに人気を博したものです。大きな願望と美しすぎるフォント、カラーリングのシュールさに面白さを感じたユーザーが拡散し、大きな話題を呼びました。
インパクトのある音楽や歌詞を含む動画にも、インターネットミームがいくつもあります。流行した動画には、以下のようなものがあります。
● ゴルファンタジスタ構文(2023年4月22日発売のデュエル・マスターズのカードバック「双竜戦記」のCMから誕生)
● パモさん構文(実況者のジャック・オ・蘭たんがYoutubeに投稿した『ポケットモンスター バイオレット』実況シリーズから誕生)
● 強風オールバック(日本のボカロプロデューサーゆこぴによる楽曲)
● INTERNET YAMERO(エレクトロニック・ミュージック・プロデューサーであるAiobahnが作曲・編曲し、オタクライターであるにゃるらによる作詞、歌手であるKOTKOによる楽曲)
『YouTube』や『ニコニコ動画』への投稿をきっかけにバズり、SNSで急速に拡散された動画も多くあります。それぞれが音楽・歌詞・セリフ・アニメーションのいずれかにインパクトを持つため、見かけたことがない方は、一度視聴してみてはいかがでしょうか。
古いミームの再来
過去に流行したミームが、数年後に拡散されて話題を呼ぶこともあります。古いミームの再来でもっともわかりやすいのが、2001年に流行った吉野家コピペです。
吉野家コピペは個人のホームページにアップされた文章で、吉野家に頻繁に行く筆者が、牛丼値引きキャンペーンや、普段あまり吉野家に来店しない客の注文の仕方に怒る内容となっています。いつも行く吉野家がキャンペーンのせいで大混雑しており、座れなかったことに不満を感じた点が、この動画の背景にありました。
このミームは個人のホームページに2001年にアップされたものです。それが2ちゃんねる(現5ちゃんねる)などの掲示板に貼り付けられて大きな話題を呼んだことで記憶している人も多いのではないでしょうか。この吉野家コピペが、話題になった年から17年後となる2018年、ソフトバンクのキャンペーンをきっかけに、再度バズることとなったのです。
2018年2月、ソフトバンクは、ソフトバンクユーザーなら牛丼が無料というキャンペーンを実施しました。キャンペーンの影響で吉野家には客が殺到し、以前流行した吉野家コピペの内容を改変したものがSNSで拡散されたのです。
人物
画像や動画などのコンテンツだけでなく、人物がミーム化することもあります。「ひき肉」や「塩ふりおじさん」は、ミーム化した代表的な人物だといえるでしょう。
「ひき肉」は中学生YouTuberグループ『ちょんまげ小僧』」のメンバーの1人です。動画冒頭であいさつをする際、裏声交じりの声・独特なイントネーション・両手を広げて思い切り頭を下げるポーズが話題を呼び「ひき肉です」というあいさつのセリフが人気となりました。
「塩ふりおじさん」は、お肉に塩をふりかける様子がセクシーだと世界中で話題になった人物です。塩ふりおじさんの正体は、トルコのステーキチェーン店に勤めるヌスレット・ギョクチェ氏で、欧米や日本のメディアにも出演しています。
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ミームマーケティングとは
インターネットミームはさまざまな人の目に触れることから、ミームを活用したミームマーケティングも展開されています。ミームマーケティングとは何か、どのように行うかをくわしく解説しましょう。
人気のあるミームを活用した新しい手法
ミームマーケティングとは、人気のあるミームを活用したマーケティング手法で、多くの企業から注目を集めています。人気のあるミームを用いて自社製品・サービスをアピールすることで、数多くの興味を引きつけられます。人の目に触れる機会を増やすことで、ブランドや製品を周知することが狙いです。
コンテンツの見極めが重要
人気のあるミームを活用する際は、コンプライアンスへの配慮が必要となります。使用するコンテンツは慎重に選びましょう。人気のあるミームのなかには、風刺や度の過ぎたジョークが含まれているものも存在します。社会規範・企業倫理に反するようなコンテンツはコンプライアンス違反とみなされる恐れがあるので、注意が必要です。
コンプライアンスに違反するような投稿をすると、悪い意味で注目を集めます。企業への信頼が失われるおそれもあるため、法律違反やパワハラ、セクハラなどの問題に影響のないミームを選びましょう。
著作権など法的な問題に注意する
人気のミームを活用する際には、投稿主に使用許可を得ることも大切です。個人が作成した画像や動画を無許可で使うと、著作権侵害になる恐れがあります。自社ブランドの認知を高められても、著作権の問題で訴えられてしまっては意味がないため、必ず事前に確認しておきましょう。
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ミームマーケティングのメリット
ミームマーケティングは人気のあるミームを使うことで、自社ブランドや製品・サービスの認知度を高められるメリットがあります。そのほかにも、企業にとってうれしいメリットがいくつかあるため、ここで解説しましょう。
UGCが生まれることで拡散効果が期待できる
ミームマーケティングによってUGC(User Generated Contents)が生まれると、さらなる拡散効果が期待できます。UGCとは、消費者であるユーザーが作成するコンテンツのことです。消費者であるユーザーが撮影した製品・サービスの写真は閲覧回数が多い傾向にあるため、ミームマーケティングにとって大きなメリットとなるのです。
低コストに抑えることができる
ミームマーケティングは低コストで行うことができるため、企業は支出を抑えながら製品・サービスをPRできるメリットがあります。通常、製品・サービスを宣伝する際はテレビや雑誌などのメディア媒体のほか、街中にある看板などを使うのが一般的です。こうした手法は多くの人の目に触れるメリットはあるものの、宣伝費用が高くなるため、予算によっては慎重にならざるを得ず、躊躇してしまうかもしれません。
ミームマーケティングは人気ミームに製品・サービスを組み合わせるだけなので、画像・動画の編集ソフト購入費用のみでスタートできます。SNSは無料で利用できるものが多いため、低コストで自社製品を売り出せるでしょう。
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ミームマーケティングの例
ミームマーケティングの代表格として、SNS「TikTok」を通じて売れた、TikTok売れと呼ばれるものがあります。TikTokはエンターテイメント性の高いショート動画が数多く投稿されるSNSです。若者が多く利用するTikTokを通じてミームマーケティングを行うことで、製品を幅広く周知でき、ときにはバズることもあります。大手企業がTikTok売れに成功した例もあるので、ここで紹介しましょう。
大塚製薬『ファイブミニ」
大塚製薬の『ファイブミニ」は、TikTokをきっかけに若い世代に周知され、販売数を伸ばしています。ファイブミニは食物繊維やビタミンCなどが含まれるトクホの飲料です。30~50代をメインターゲットにしていましたが、TikTokの投稿によって10~20代にも周知され、人気を集めています。
TikTok売れによってコンビニでの販売数がこれまでの2倍になり、その売り上げは長く続いているといいます。一過性の人気に留めないためにも、大塚製薬では、TikTokを活用したプロモーションやキャンペーンを継続するようです。
カネボウ化粧品『ケイト』
カネボウ化粧品のブランド『ケイト」から発売されたリップモンスターも、TikTok売れの代表的な商品となっています。リップモンスターが発売されたころ、世間ではコロナウイルス感染症が流行していた時期です。
マスクの着用が当たり前だったコロナ禍において、リップは売れないといわれていました。しかし、マスクをつけていてもメイクを楽しみたいというユーザーも多いことから、カネボウ化粧品は、マスクのなかでも色落ちしにくいリップモンスターを発売します。
マスクをつけていても落ちにくいだけでなく、色の名前に「ラスボス」や「欲望の塊」などの、聞いただけでは色合いがわからないような興味を引きつけるネーミングも施しています。マスクをつけなければならない時期だからこそ使ってほしいリップを周知するために、カネボウ化粧品はSNSを通じた宣伝を実行しました。デジタル上でのバズりを狙い、TikTokで人気のクリエイターにリップモンスターの宣伝を依頼して、数多くのユーザーの興味を引きつけることに成功したのです。その結果、発売10カ月で累計出荷本数240万本を記録する大人気商品となりました。
まとめ
ミームとは、SNSや掲示板などのインターネット上でコンテンツが広がっていくカルチャーのことです。日本ではサブカルチャーに由来したコンテンツがミーム化しやすく、現在も拡散され続けています。
ミームを活用したマーケティングは、多くのオンライン企業が注目している新たな手法です。法的な側面に留意しながら活用するミームコンテンツを慎重に選べば、多くの人の目に触れながら広がっていくため、製品・サービスの認知度を高められるでしょう。
大手企業がSNSを使ってミームに成功している事例もあるため、ミームマーケティングを検討している方は、事例を参考にしたうえで実践してみてください。