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マスマーケティングとは? メリットやデメリット、活用事例について解説します!

2024.9.18
読了まで約 3

第二次世界大戦後の大量生産、大量販売の時代には、マーケティングに「個々の顧客の嗜好」という概念はありませんでした。テレビを中心としたマスメディアが発達し、世の中のマーケティングは生産者主導でマス(大衆)に向けたものが一般的だったのです(マーケティング1.0)。

それが今や顧客中心のマーケティング(マーケティング2.0)を経て、価値主導(人間中心)のマーケティングから自己実現のマーケティング(マーケティング4.0)へと進化しています。

今回はマーケティング発展の基礎となった、マスマーケティングについて考えていきましょう。

マスマーケティングとは?

マスマーケティングの「マス(mass)」とは、「はっきりとした形を持たない集まり」や「一般大衆」という意味があります。「マスコミ(mass communication:大衆伝達)」や「マスメディア(mass media:大衆媒体)」での使われ方も、同様に大衆に向けたものという意味で使われています。このようなmassの意味からもわかるように、マスマーケティングとは対象とする顧客のセグメント(特定のグループ分け)を行わずに、すべての顧客を対象とした画一的なマーケティング活動を行うことを指します。

マスマーケティング全盛の時代は、1900年初頭からオイルショックによるインフレが世界を直撃した1970年代までといわれます。それまでの企業(生産者)目線で行われていたマーケティングでは物の売れない時代となり、その視点を企業から顧客へと移さねばならなくなったのです。マスマーケティングの対義語としては、ニッチマーケティング、セグメントマーケティング、One to Oneマーケティングなどがあります。

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具体的なマスマーケティングの方法と、メリットとデメリット

マスマーケティングは、不特定多数の顧客(ターゲット)に対して同じマーケティング方法を行い、その特徴は大量生産、大量販売を前提とした大量プロモーションであることが一般的です。プロモーションは、近年はインターネットの台頭で注目度は下がりつつありますが、マスコミ四媒体と呼ばれるテレビやラジオのCM、新聞や雑誌の広告が中心となります。

●マスマーケティングのメリット
扱う製品がマスマーケティングに向いている製品であれば、大量生産によるコストダウン、流通や販売チャネルの統一による効率化などが見込めます。また、販売チャネルの統一が見込めるのであれば、広告媒体も絞り込めます。マスマーケティングは、生産から販売まですべてのコストを押さえ込むことができ、大きな利益とシェアの確保が期待できるマーケティング方法なのです。実際には一挙に生産、販売、広告を行える、大きな予算を持つトップ企業(マーケットリーダー)が実施することの多いマーケティングともいえるため、その手法は投網による漁にも例えられます。

●マスマーケティングのデメリット
近年は顧客嗜好の細分化が進み、マーケティングの主流はセグメントされた顧客を対象とする方向に移っています。マスマーケティングのデメリットは、セグメントされた顧客には有効でないこと、幅広い顧客に受け入れられる商品やサービス(食料品や日用品が多い)でないと扱えないこと、テレビを観ない、新聞を読まない世代が増えてきており、マスメディアの活用が難しくなってきていることなどが挙げられます。

マスマーケティングの活用事例

顧客志向の変化から現在ではなかなか実施の難しいマスマーケティングですが、活用事例としてはコカ・コーラ社のマスマーケティングが有名です。もともとは、1923年にコカ・コーラ社の社長に就任したロバート・ウッドラフが率いたキャンペーンで「いつでも・どこでも・だれにでも(Anytime, Anywhere, Anybody)」をコカ・コーラのキャッチフレーズとしたことが始まりです。

マスマーケティングの対象となった商品は「コカ・コーラ」のみ。この商品をアピールするために大量のプロモーション(テレビ・ラジオのCM、雑誌・新聞広告、街中の看板、スポーツイベントのスポンサー等)が投入されました。また、「いつでも・どこでも・だれにでも」を象徴するのが、街中のどこにでもある赤い自動販売機です。日本の場合は屋外に、欧米の場合は屋内に大量に設置されています。このようなマスマーケティングの実施より、コカ・コーラが清涼飲料水のトップシェアを獲得したことはご存じのとおりです。

現在ではコカ・コーラ社もセグメントマーケティングを導入し、ダイエット志向の「コカコーラ・ゼロ」、スポーツ飲料の「アクエリアス」、健康志向の「爽健美茶」など、顧客の嗜好に合わせた商品を販売していますが、コカ・コーラの市場投入時に実施したマスマーケティングは、マーケットリーダーが成功させた「マスマーケティングのお手本」ともいえる事例でしょう。

まとめ

◆マスマーケティングとは、対象とする顧客のセグメントを行わず、すべての顧客を対象とした画一的なマーケティング活動を行うことをいう。

◆マスマーケティングのメリットは、扱う製品がマスマーケティングに向いている製品であれば、生産から販売まですべてのコストを押さえ込むことができ、大きな利益とシェアの確保が期待できることである

◆マスマーケティングのデメリットは、扱える商品が限定されること、顧客嗜好の細分化が進みマーケティングの主流ではなくなってきていること、テレビを観ない、新聞を読まない世代が増えマスメディアの活用が難しくなってきていることである

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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