携帯・スマホユーザーであればユーザーとして一度は受け取ったことのあるメルマガ。メルマガはマーケティング方法の一つとして知られていますが、いざ配信する側になると対応方法に窮することも。メルマガの定義からメリット、配信方法まで網羅的に解説します。
目次
メルマガとは
メルマガはメールマガジンの略で、自社の製品やサービスに関する情報をEメールで発信するマーケティング手段です。顧客やユーザーとの関係性構築を目的とし、登録を行った購読希望者に対して送信します。また、メルマガでは発信側が知らせたい情報だけを好きなタイミングで配信することが可能です。配信者主導のマーケティング方法と言えるでしょう。
メルマガ普及の背景
メルマガは日本でのITバブル時が起きた、1999年に一般層に普及したと言われています。元々はPC向けにテキストのみを入力したものでしたが、技術の進歩に伴い携帯電話への送信も可能となりました。後にHTMLメールも登場。今日ではデザイン・レイアウトなども豊富なバリエーションの中から選択が可能です。
メルマガ配信の主な目的
マーケティング手法の一種であるメルマガですが、適した状況で用いることで効果を発揮します。配信を検討する前に目的の整理をしてみましょう。
情報提供
メルマガの主たる目的はユーザーに対して商品やサービスの継続利用を促すことです。提供する情報は、自社の商品やサービスの紹介が主ですが、天気予報などユーザーに効果的な情報を提供することで、継続利用を促すケースもあります。また、自治体や防災・防犯情報など災害時の情報提供に利用されることもあります。
ユーザーの送客
配信者からユーザーにダイレクトに送信が可能なメルマガ。好きなタイミングで、登録者に伝えたいことを自由に伝達できます。また、回数の制限がないのもメルマガの利点。一度に限らず、メルマガを定期的に送信することで、リピーターの獲得にも繋がります。
購買意欲の促進
自社商品のセール情報や人気商品入荷、新サービス導入のお知らせを送ることで、自社ページなどへの誘導が可能。最終的には商品購入やサービスの利用を促します。また、売上アップを目的にした内容だけでなく、自社関連のユーザーに有益な情報を流すことも。接触の機会や親近感を生み出し、将来的な購買への種まきとなります。
メルマガの種類
メルマガ配信では主に2種類の形式から任意で選択して行います。それぞれの種類の特性をまず理解し選択しましょう。
テキスト
テキストメールとは、普段お仕事やご友人・ご家族と使用するメール同様の形式です。文字・数字・記号のみを使用して作成します。
メリット
・データ容量をおさえられる
・難しい知識がなくても簡単に配信できる
テキストメールでは文字・数字・記号のみしか使用しないため、送信時のデータ容量をおさえられます。また、普段使いのメールと同様の形式であるため、専門的な知識不要で手軽に作成できます。
デメリット
・画像の挿入などができず、デザイン性に乏しくなる
・メルマガの開封率を測れない
テキストの場合、画像の挿入もできないため、デザイン性に乏しくなるというデメリットが挙げられます。また、開封率も計測できないという懸念も。開封率については以下で詳しく解説します。
HTML
HTMLメールとは、主にwebページの作成時に使用する文字列で構成されたメルマガです。テキストメールとは異なるメリット、デメリットがあります。
メリット
・文字フォント、色の変更や画像挿入が可能でデザイン性に富んでいる
・メールの開封率を計測できる
HTMLメールでは、文字色やフォントの変更、画像挿入が可能なので、デザイン性に富んだメルマガになります。また、テキストメールとは異なり開封率も測定可能です。
デメリット
・作成に専門知識が必要
・文字化けなどが起こることがある
HTMLメールの場合、作成にHTMLに関する専門知識が求められます。また、ユーザーによっては文字化けや、受信自体ができないケースも起こり得ます。
メルマガの開封率とは?
開封率=実際に開封された件数÷配信数×100
開封率とはメルマガの受信者数に対して、実際にメールを開封した人数の割合を指します。
開封率は上記の計算式で測定できます。開封率を測るにはHTML形式のメールで送る必要があります。計測をする前提で送るのであればあらかじめ設定しましょう。
関連記事:メルマガの開封率とは?数字から見るKPI設定方法について
お役立ち資料:これだけはおさえたい! メルマガの開封率・クリック率をあげる3つのポイント ~タイトル・テキストメール構成編~
メルマガを配信するメリット
・コスト削減
・ダイレクトでユーザーにアプローチできる
・ユーザー層に合わせた情報を発信できる
メルマガは広く用いられているマーケティング手法であることからわかるように、メリットも多大です。多くの業界でプラスに働く魅力をご紹介します。
コスト削減
メルマガを利用することで、コスト削減を図れます。Eメールを利用するため、配送料がかかりません。はがきなどのDMと比較した場合、送信件数が多くなるほど、1件あたりのコストを削減できます。
ダイレクトでユーザーにアプローチできる
メルマガは、配信者がダイレクトでユーザーにアプローチできる方法です。一方Webページなどは、基本的にユーザーのアクセス待つ受け身の方法です。メルマガでは、能動的なアプローチが可能。販促やブランディング、ユーザーに親近感を与えることができます。
ユーザー層に合わせた情報を発信できる
不特定多数が訪れるwebページと比較して、メルマガではユーザー層に合わせた情報の発信が可能です。登録の際に年齢・性別などの読者情報やニーズを入力してもらうことで、ユーザー層に合った情報の提供が可能。セグメントメールと呼ばれるシステムです。
関連記事:メルマガ(メールマガジン)とは?メルマガのメリットについて
メルマガの配信方法
・配信システムを使う
・Excel・Outlookの併用
・Googleツールの利用
・BCCで送る
配信システムを使う
メール配信システムを使用すれば、簡単にメルマガ配信を行うことができます。専門技術や知識も必要ありません。配信ツール次第では、細かい設定や開封率の分析も可能です。
関連記事:メール配信システムおすすめ15選を徹底比較します!機能・料金から選び方を解説!
Excel・Outlookの併用
Excel・Outlookの併用でもメルマガ配信が可能です。Excel送付先を作成後、HTMLに情報を反映しOutlookで送信します。ただし、多少の知識を有しますので、人によって難易度が高い場合も。
Googleツールの利用
Googleツールの利用でもメルマガ配信ができます。スプレッドシートで配信先をリスト化し、ドキュメントで内容を作成。Gmailで送信します。この方法では1日の送信数の上限があります。
BCCで送る
メールのBCC欄に送信先のメールアドレスを直接入力し配信を行う方法もあります。しかし、他の方法より個人情報漏洩のリスクが高いのであまりおすすめできません。
メルマガ作成時のポイント
・コンテンツのクオリティ
・ユーザー目線を意識する
・行動喚起を盛り込む
メルマガは配信者からすると導入しやすく便利な反面、ユーザーからすると「うっとうしい」「しつこい」などという印象を与えてしまうおともあります。正しくマーケティングとして機能するようポイントを意識しながら作成をしましょう。
コンテンツのクオリティ
メルマガにおいてコンテンツのクオリティは非常に重要な要素です。ユーザーにとって有益な情報を送ることはもちろんですが、読みやすさも意識しましょう。読みにくいメルマガだと内容を最後まで読んでもらえない可能性が高くなります。
ユーザー目線を意識する
メルマガではユーザー目線を意識することも重要です。配信者主導で送信できるからこそユーザー目線を意識して、親近感を持ってもらう必要があります。ユーザーが親近感を持ってくれれば、将来的な購買やサービスの利用に繋がりやすくなります。
行動喚起を盛り込む
メルマガの内容には必ず、行動喚起を盛り込みましょう。メルマガの文中に遷移先リンクを盛り込むのは有効な手段です。ただ盛り込むのではなく、文章の流れが通るように適切な場所にリンクを設置することで、クリック率も上昇します。
関連記事:メールマガジンの作り方とは?配信から開封率の向上ポイントまで、メルマガを徹底解説
メルマガ配信の注意点
メルマガを配信する際には注意すべき法律が2つあります。トラブルが起きないようにあらかじめおさえておきましょう。
特定電子メール法
・同意を得た(登録した)ユーザーに送信する
・本文に送信者の氏名や名称、メールアドレスなどを明記する
・送信者情報の虚偽は厳禁
・受信拒否ユーザーへは配信を行わない
・受信拒否の方法を明記する
特定電子メール法とは、迷惑メールの規制に関する法律です。主に上記のようなルールがあるため遵守してください。なお、違反すると「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」、「行為者に対して罰則、3,000万円以下の罰金)」が処せられます。
個人情報保護法
メルマガ配信の際に使用する、ユーザーの氏名とメールアドレスは個人情報に該当します。個人情報の取り扱いとセキュリティには細心の注意を払いましょう。
関連記事:勝手に送りつけてはいませんか?メルマガ配信で注意したいオプトイン・オプトアウトとは?
メルマガ配信による成約事例
・楽天市場
楽天市場は日本最大級のオンラインショッピングモールで多種多様な商品を取り扱っています。楽天市場のメルマガはユーザーの購買履歴や閲覧履歴に基づいてパーソナライズされた商品情報やセール情報を提供しています。またポイントキャンペーンや限定クーポンの配信も行っておりユーザーの購買意欲を高め、リピーターを増やすことに成功しています。
・Amazon
Amazonはオンラインショッピングモール内でのユーザーの購買履歴や閲覧履歴に基づいてパーソナライズされた商品を紹介するメールを送信しています。このメールによって顧客の購買意欲が上がり再購入率が向上しています。
メルマガの内容を顧客のニーズや関心に合わせてパーソナライズすることの重要性を示しています。適切なタイミングで有益な情報や特典を提供することで顧客のAmazonに対するエンゲージメントを高め成約に結びつけることができます。
・リクルート
リクルートは就職・転職サイト「リクナビ」や「リクナビNEXT」等を運営しておりユーザーの職種や業界に合わせた求人情報を提供するメルマガを配信しています。求職者のニーズに応じたパーソナライズドな情報を提供することで高いエンゲージメントを維持し求人情報の閲覧数や応募数の増加につなげています。
まとめ:メルマガについて正しく把握することで効果的なマーケティングが可能に
メルマガは配信者がユーザーに直接アプローチできる貴重なマーケティング方法です。種類や目的、メリットを正しく把握することで最大限活用できるでしょう。また、個人情報を扱う以上、細心の注意を払う必要があることも肝に銘じておきましょう。