インスタやX(Twitter)などのSNSには「いいね」ボタンが設置されています。「いいね」とは、どのような意味や役割を持つ機能なのでしょうか。
この記事ではInstagram(インスタ)とX(Twitter)を例に、どのような場面で「いいね」を利用するのか、「いいね」の使い方などについて紹介します。また、企業がSNSを活用する際の注意点についても併せて解説します。
目次
SNSの「いいね」とは
SNSの「いいね」は、投稿内容に共感したことを示すシンプルな機能ですが、その意味合いは多様です。単なる「共感」だけでなく、以下のような意味合いで利用されることもあります。
• 共感の表明:投稿内容に賛同する意思を示す「いいね」
• 閲覧の証明:投稿を見たことを相手に伝える意図を持つ「いいね」。ネガティブな投稿に対して用いられることが多い
• ブックマークの代替:興味のある投稿を後で見返すために「いいね」を利用
X(Twitter)においては、ブックマーク機能があるものの、「いいね」しか使わない人も少なくありません。
現代のSNSにおける「いいね」は、その名称とは裏腹に、多目的で柔軟な機能として利用されています。
「いいね」とSNSのアルゴリズムの関係
「いいね」は、主にユーザー個人が共感の気持ちや、投稿を見たことを示す機能として使われているだけでなく、SNSのアルゴリズムにも大きな影響を与えています。このあたりの事情はSNSの運用に詳しいマーケター以外にはあまり知られていないかもしれません。
「いいね」がアルゴリズムに与える影響
SNSを利用中、フォローしていないアカウントの投稿がおすすめ枠のタイムラインなどに表示されることがあります。これは、SNSが独自のアルゴリズムによって、ユーザーが興味を持ちそうな内容を選んで表示するためです。SNSのアルゴリズムとは、どんな投稿を表示すればユーザーが満足を得られるかを判断するためのルールのようなものです。「いいね」をより多く集めた投稿は、多くのユーザーにおすすめとして表示される可能性が高くなります。
「いいね周り」「いいね返し」とは
「いいね周り」とは、X(Twitter)やインスタで投稿を始めたばかりの人やフォロワーを増やしたい人が、誰かの投稿に「いいね」を押し、「いいね返し」やフォローされること(リフォロー・フォロバ)を期待する行為のことです。
X(Twitter)やインスタでは「いいね」を押された投稿者がその相手を確認できるため、フォロワー以外から「いいね」を受け取ると、相手のアカウントを訪れ、お礼の代わりに「いいね返し」をしてくれる可能性があります。
「いいね周り」は新規のフォロワーを増やしたい場合に行うことが多い行為ですが、注意点もあります。それは、やみくもに「いいね」を押すと、プラットフォーマー(運営)からスパム行為として判断されるリスクがあることです。また、全く関係のないジャンルのアカウントに「いいね」を返してもらっても、効果的な関係構築に結びつかず、フォロワー獲得につながらない可能性もあります。
「いいね周り」をする際には、ターゲットを絞ったうえで「いいね」を押すようにしましょう。
インスタの「いいね」
ここからは、インスタの「いいね」について詳しく解説をしていきます。
エンゲージメントのひとつ
インスタの「いいね」は、通常のフィード投稿だけでなく、ストーリーズやリール、インスタライブなどにもできるリアクションです。
エンゲージメントとはSNSでユーザーが投稿に対して示す反応全般のことで、エンゲージメントが高いほど多くのユーザーから関心を持たれた投稿と捉えることができます。
関連記事:エンゲージメントとは?マーケティングにおける意味合いを徹底解説
「いいね」が多い投稿をたくさん増やせば増やすほど、アカウント自体がユーザーから好意的に受け止められる可能性が高くなります。
関連記事:【2024年版】インスタグラム(Instagram)は見るだけで使える!アカウント不要で閲覧する方法を解説
「いいね」のやり方
フィード投稿に対する「いいね」は、投稿の左下にあるハートマークをタップするだけで完了します。また、投稿の画像部分をダブルタップしても「いいね」ができます。
ストーリーズやインスタライブの「いいね」も、右下のハートマークをタップすれば簡単に「いいね」を送れます。
リールの場合は、右端に表示されるハートマークのタップまたは画面のダブルタップで「いいね」ができます。
「いいね」の確認
自分がもらった「いいね」は、ホーム画面から確認ができます。ホーム画面の右上にあるハートマークをタップすると、表示されるお知らせの画面に「いいね」をしたアカウントが表示されています。
また、自分がした「いいね」は、プロフィール画面の右上にある「設定とアクティビティ」のアイコンをタップし、「アクティビティ」の中からハートマークの「いいね」をタップすると、自分が「いいね」した投稿を確認できます。
「いいね」を非表示にするには
自分の投稿の「いいね」を非表示にするためには、既存の投稿を開き、右上の3点リーダ(…)ーのマークをタップします。表示されるメニューの中から“「いいね!」数を非表示”の箇所をタップすると「いいね」の数が表示されなくなります。
新規投稿をする際には、投稿前に詳細設定をタップし、「この投稿のいいね!数を非表示にする」をオンにすることで「いいね」を非表示にできます。
自分の投稿ではなく、他の人の投稿の「いいね」数を非表示にしたい場合は、プロフィール画面の右上にある「設定とアクティビティ」のアイコンをタップし、「表示されるコンテンツ」から「いいね!数とシェア数」を選択し、「いいね!数とシェア数を非表示にする」をオンにします。
X(Twitter)の「いいね」
続いて、X(Twitter)の「いいね」機能について説明します。
出典:ツイートにいいねする方法(Xヘルプセンター)
投稿者への共感や好意のアクション
X(Twitter)の「いいね」は、ツイートを見て共感した、投稿内容に好意を抱いた、などのほかに、知り合いに既読したことを示す、ブックマークする、といったリアクションとしても行います。X(Twitter)の「いいね」もアルゴリズムに影響を与えていて、「いいね」が多数集まったツイートは、おすすめやトレンドなどに表示されやすくなります。また「いいね」の多いツイートは、話題のツイートの検索結果でも上位に表示されやすい傾向にあります。
「いいね」のやり方
X(Twitter)では、該当ツイートの下に表示されているハートマークをタップすることで「いいね」ができます。「いいね」をするとハートマークは赤色に変化します。
また、ハロウィンの時期はハートマークがかぼちゃのマークになるなど、シーズンごとにマークが変化することもあります。
「いいね」の確認
自分のツイートの「いいね」を確認したい場合は、該当のツイートを開き、詳細を表示します。下にある「ポストのエンゲージメントを表示」をタップし「いいね」を選択すると、そのツイートに「いいね」をしたアカウントのリストが表示されます。
「いいね」の非公開とは
2024年6月にX(Twitter)では「いいね」を非公開化しました。「いいね」を非公開にした理由は、プライバシー保護を目的としていると説明されています。
この変更に伴い、自分が「いいね」したポストをほかのユーザーに見られることがなくなり、他のユーザーの「いいね」が誰につけられたのかを確認することができなくなりました。
なお、通知の項目で自分のポストに誰が「いいね」をしてくれたかはわかります。また、自分がした「いいね」については、プロフィールにある「いいね」のタブから確認ができます。
<見られる・見られない「いいね」の違い>
●見られる:自分がした「いいね」、自分のポストについた「いいね」を誰がしたのか
●見られない:他人がした「いいね」、他人のポストについた「いいね」を誰がしたか
企業アカウントでの「いいね」注意点
インスタやX(Twitter)などのSNSを運用し、マーケティング活動に生かしている企業も少なくありません。企業アカウントの場合も「いいね」が増えると投稿への注目が集まり、提供している商品やサービスの認知度アップにつながる可能性があります。なお、企業のSNSアカウントで「いいね」の機能を活用する際には、次のような点に注意が必要です。
運用方針を決めておく
インスタやX(Twitter)などのSNSアカウントは無料で開設できるものがほとんどです。「いいね」や「コメント」の機能をうまく活用すれば、顧客との良好な関係を築くこともでき、SNSマーケティングに取り組む企業は多いでしょう。
その一方で、企業アカウントが安易に「いいね」をすると、炎上が発生する恐れがあるため、安全な運用をするには注意が必要です。
企業アカウントの運用を開始するにあたっては、SNSの運用目的や遵守事項、運用体制など、運用方針を明確に定めることが大切です。投稿内容についても、どのような内容のものをどの程度の頻度で投稿するのかの企画を立てる必要もあるでしょう。また「いいね」や「コメント」がついた場合に、どのようなリアクションを取るべきかも設定します。
諸々のリスクを考慮し、運用は一人の担当者に任せるのではなく、複数人で投稿内容などのチェック体制を築くことをおすすめします。
企業SNS運用のベース作りについては、下記の資料がおすすめです。
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企業のブランドイメージを損なわない
SNSの投稿内容は、企業のブランドイメージに直結します。万が一、企業のイメージダウンにつながるような投稿をした場合、SNSが炎上し、企業に大きな批判が寄せられる可能性があります。
企業アカウントを運用する際、投稿内容に十分注意しなければならないのは常識ですが、注意点は投稿内容だけではありません。「いいね」機能の利用が炎上を招くケースもあるのです。
ある大手インナーウェアメーカーでは、企業アカウントで女性を蔑視するような表現のツイートに「いいね」をしていたことが発覚し、大きな騒動を招きました。同社は謝罪のコメントを発表し、社員教育を徹底するとともに、当面の間SNSの運用を停止すると説明をするに至りました。
企業のSNSアカウントは、個人のアカウントとは大きく異なります。「いいね」ボタンを1つ押す行為が企業のブランドイメージの失墜につながるリスクもあるのです。企業アカウントを運用する際には、担当者個人の考えに従って「いいね」を押すのではなく、会社として定めた運用方針に則り、健全かつ適切な運用を行うことが大切です。
SNSなどの炎上リスク対策については、下記などを参考にしてください。
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まとめ
インスタやX(Twitter)には、投稿内容に共感を示す「いいね」機能があります。「いいね」はアルゴリズムに影響を与えるものです。そのため、「いいね」を多く集めた投稿ほど、多くの人の目に留まりやすくなります。
SNSの影響力が日に日に増していく現代では、多くの企業がブランディングや認知度向上を目的に、SNSを活用したマーケティングを実施しています。そんな中、企業アカウントを巡る炎上も度々発生しています。企業アカウントを運用する際には、運用方針を明確に定め、どのような投稿をすべきか、どのような投稿に「いいね」を押すべきか、企業としてのルールを徹底することが大切です。