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インプレッション(impression)とは?意味や類似用語との違い、増やす方法

2024.8.20
読了まで約 8

インプレッション(impression)とは、記事コンテンツやリスティング広告などのメディア・広告が表示された回数のことです。しかし、インプレッションと混合しやすいページビュー(PV)やリーチといった用語も存在するため、それぞれの意味を正しく理解できている方は少ないのではないでしょうか。

そこで本記事では、インプレッションの意味やその他のWeb用語の違い、インプレッションを意識するべき媒体について解説をします。また、インプレッションを増やす方法についても解説しますので、Webからユーザーを集客するためにもぜひ参考にしてください。

インプレッションとは

まずは、インプレッションの概要からご説明します。上述したように、インプレッションとはメディアや広告が表示された回数のことを指し、impと略語で表記されることもあります。

また、インプレッションはメディアや広告に限らず、SNSの利用においても使われる表現です。Twitterを例にすると、自身のつぶやいたツイートがユーザーに10,000回見られた場合、これは10,000インプレッションとなります。

なお、ツイートがクリックされたかどうか、何人のユーザーに見られたかどうかはインプレッションの総数とは関係ありません。つまり、ユーザーが1人だとしても、10,000回表示されれば、それは10,000インプレッションとして計算されます。

インプレッションが重要な理由

インプレッションが重要な理由としては以下が挙げられます。

● ユーザーを流入させるための玄関口
● 分析の大元となる値
● 広告費がインプレッション数で決定されるサービスもある
● 複数のチャネルにおける広告閲覧数を把握する上で重要

ユーザーを流入させるための玄関口

そもそもインプレッションが発生しないということは、広告自体が表示されていないことになり、Webサイトがユーザーに知られていないことと同義です。ユーザーに見つけてもらえなければ、ターゲットにしているユーザーがWebサイトに来訪してくることもありません。そしてWebサイトに来訪がなければ、商品やサービスも売れることはありません。

インプレッションとは言わば、ユーザーをWebサイトに呼び込むための玄関口に当たる部分です。つまり、このインプレッションをいかに上手くコントロールできるか否かが、Webサイトにユーザーを呼び込めるかどうかの鍵を握っているのです。

そのような意味合いからも、インプレッションは非常に重要なフェーズと言われているのです。

分析の大元となる値

インプレッションの数値は、Webサイト上において「CV=コンバージョン」獲得のための分析を行う、言わば大元となる数値になります。

CV獲得のための施策を行うにあたり、重要な指標となるのが「クリック率(CTR)」と「CV率(CVR)」になります。このクリック率を割り出す計算式が「クリック数÷インプレッション数」となります。

更にCV率を求める計算式が「CV数÷セッション数(サイト訪問数)×100」となります。いずれの数値を割り出すにしても、インプレッションがなければ導き出せないことが分かります。

このようにインプレッション数は言わばCV獲得のための施策において、分析の大元となる重要な値なのです。

広告費がインプレッション数で決定されるサービスもある

広告の出稿を継続できるか否か、判断材料の要ともなる「広告費」ですが、広告費の課金をインプレッション数に応じて課金しているサービスもあります。

基本的には広告が1000回表示されるごとに費用が発生する課金形式となり、この課金形式を「CPM単価」と言います。CPMは「Cost Per Mille」の略で、インプレッション単価とも呼ばれます。

広告主はこういったキャンペーンコストを把握し、できる限りコスト削減につとめるべくインプレッションをどれだけ発生させたか、またコストをできる限り抑える必要があるかを知る必要があります。

複数のチャネルにおける広告閲覧数を把握する上で重要

インプレッション数を見れば、いくつかあるどのチャネルが最もユーザーへリーチできているかを簡単に把握できます。そして、広告閲覧数の多いチャネルに対してA/Bテストを実施するなどすれば、更に高い成果を期待できる広告パターンを見つけることができます。

こういった常にインプレッションを改善する施策を講じることにより、クリック率やCV率の改善、向上にも繋がるのです。

インプレッションと類似用語との違い

先ほど、インプレッションの意味についてご説明しました。ここからは、インプレッションと混合しやすいWeb用語との違いを解説します。

● ページビュー(PV)
● クリック率(CTR)
● 成約率(CVR)
● リーチ
● エンゲージメント

ページビュー(PV)

ページビュー(PV)とは、特定の記事コンテンツや広告の中身が「何回見られたか」を表す指標のことです。

例えば、記事コンテンツの検索結果でのインプレッションが10,000回、実際に記事コンテンツの中身まで到達した回数が1,000回の場合、これは1,000ページビューとなります。つまり、インプレッションとページビュー数は必ずしも比例するわけではないことを理解しておきましょう。

クリック率(CTR)

クリック率(CTR)とは言葉の通り、インプレッションに対して何回クリックされたかを表す言葉のことです。

例えば、インプレッションが10,000回、そのうち3,000回クリックされた場合、クリック率は30%となります。上記を見て分かる通り、インプレッションはユーザーの目に触れただけですが、クリック率はメディアや広告に対して、ユーザーが実際に到達する数字になります。

したがって、広告等を打つ際は必ずクリック率も意識するようにしましょう。

関連記事:CTR(クリック率)とは!広告でもよく使われる意味を解説

成約率(CVR)

成約率(CVR)とは、お問い合わせや購入数などが成約する確率のことです。例えば、ユーザーに購入してほしいAという商品があったとします。

まず、10,000人のユーザーがAの商品ページを1,000回クリックした場合、この時点では「CTR」が10%です。次に、クリックした1,000人のユーザーの中で、100人のユーザーが商品Aを購入したとします。このケースでは、CVRが10%ということになります。

つまり、CVRは特定のページや商品に対して、何人のユーザーが何回クリックして、そこからいくつ商品が売れたのかによって導かれる数字ということです。

関連記事:コンバージョンやCVRが伸び悩んだ時こそ、基本に立ち返ろう

リーチ

リーチとは、メディアや広告が表示されたユーザー数のことです。これに対して、インプレッションはユーザー数ではなく、シンプルな表示回数になります。例えば、1人のユーザーが検索結果で広告が2回表示されたと仮定し、そのうちの1回広告をクリックしたとしたら、リーチ1、インプレッション2、ページビューは1になるということです。

エンゲージメント

エンゲージメントとは、メディアや広告に対して、ユーザーが実際に起こしたアクションの総数を指します。アクションとは、クリックや画像の保存などの行動が挙げられます。例えば、Twitterであれば投稿に対しての反応、いいねやリツイート、引用リツイートなどが挙げられます。

仮に10人のユーザーがそれぞれ、いいねやリツイート・フォローを3回ずつ行ったとしたら、エンゲージメントの総数は30となります。加えて、1つのツイートに対して行われたアクションの割合を「エンゲージメント率」と言います。なお、エンゲージメント率は各SNSによって算出方法が異なります。

例えば、Twitterでは「エンゲージメントの総数÷インプレッションの合計数×100」で求められます。また、Twitterに限らず、エンゲージメント率という言葉は全てのSNSやメディア・広告に対して共通で使用されます。

つまり、エンゲージメントこそユーザーが何らかのアクションを起こした指標となるため、常にエンゲージメント率の改善を図ることが成功の鍵と言えます。

関連記事:インフルエンサー(Influencer)の意味・定義を解説!マーケティングにおける活用方法とは

インプレッションの集計方法

ここまで、インプレッションの概要について解説をしました。インプレッション=表示回数という認識に誤りはありませんが、実はインプレッションの数え方に関しては、各媒体によって少々異なります。

例えば、リスティング広告や自然検索結果の場合は、広告が一部でも表示されればインプレッションとして数えられます。しかし、Facebook等においては、広告の全体が表示されて初めてインプレッションとなります。したがって、適切にインプレッションを計測できるように、各媒体の数え方に関しても理解を深めるようにしましょう。

インプレッションを意識すべき媒体

ここまで、インプレッションの概要や、その他の言葉との違いを解説しました。ここからは、インプレッションを意識するべき3つの媒体についてご説明します。

● インターネット広告
● SNS広告
● 自然検索結果

インターネット広告

まずは、インターネット広告です。インターネット広告とは、リスティング広告などの検索連動型広告や、ディスプレイ広告などのコンテンツ連動型広告の総称のことです。

例えば、リスティング広告であれば広告の品質や予算を上げ、検索結果の上位の枠を取ることがインプレッションを増やすコツとなります。次に、ディスプレイ広告であれば、上述した広告の品質スコアを上げることを前提に、動画広告やバナー、画像広告など最適な方法で出稿することが重要です。

関連記事:リスティング広告とは何か?ディスプレイ広告との違いや運用するときの注意点も解説

SNS広告

次に、SNS広告においてもインプレッションが大切です。まず、広告をクリックしてもらうためには、前提として広告を1人でも多くのユーザーに見てもらう必要があります。そのために重要なのがインプレッションです。

SNS広告でインプレッションを増やすには、広告の予算を増やすこと、ターゲット選定を適切に行うことが必要です。例えば、女性のシミ消し用品を販売しているにも関わらず、ターゲティングを誤って20代男性などにしてしまうと、当然ながらインプレッションを稼ぐことはできません。

自然検索結果

最後に、自然検索結果においてもインプレッションは重要です。自然検索結果とは、GoogleやYahoo等の検索エンジンで、リスティングやGoogleマップの下に表示されるコンテンツのことを指します。

つまり、自然検索結果でインプレッションを増やすためには、SEOに注力することが必要です。競合以上にコンテンツに厚みを持たし、ユーザーの悩みを解決することで検索順位が上がる仕組みとなっています。

検索上位を獲得するには時間を要しますが、インプレッションを増やすために、SEO施策も検討しましょう。

インプレッションを増やす方法

ここからは、インプレッションを増やす3つの具体的な方法をご説明します。

● 広告予算を増やす
● キーワードを見直す
● 入札単価を調整する
● 広告やLPの品質を上げる
● ターゲティングを変更する

広告予算を増やす

まずは、現在出稿している広告の予算を増やしましょう。全ての広告に共通するわけではありませんが、多くの広告アカウントは、1インプレッションに対して予算を設定しているケースが多くなっています。

例えば、1インプレッションの単価が20円、月額の広告予算が20万円の場合、月に10,000回のインプレッションを獲得できることになります。また、インプレッション単価が今後も同様だと仮定すると、広告予算を増やせば、獲得できるインプレッションも増えることに繋がります。したがって、余裕があるようであれば、まずは広告予算を増やすことを検討しましょう。

キーワードを見直す

次に、出稿しているキーワード選定を見直しましょう。例えば、リスティング広告の場合、競合と同じキーワードを出稿していると、広告予算の高いほうが上位の枠を獲得できる仕組みになっています。つまり、競合以上に予算を確保できないようであれば、競合と差別化したキーワードで出稿することが必要です。

あくまで市場によりますが、予算の多い競合が出稿していないキーワードでもコンバージョン(CV)を獲得できるケースは多いため、予算が少ないうちはそれらのキーワードで優先的に出稿しましょう。

入札単価を調整する

そして、キーワードごとの入札単価を調整することが重要です。

多くの広告アカウントは、全体の月額予算を設定しているケースは多いですが、それぞれの個別キーワードごとに予算を設定しているケースは少ないです。しかし、競合の多いキーワードは広告予算が高くなる傾向にあり、1クリックあたり1,000円を超えるキーワードもあります。

仮に広告予算を月額10万円に設定している場合、それらのキーワードで出稿してしまうと、結果100回しかクリックされません。そこで重要なのが、キーワードごとに入札単価を調整することです。上限のクリック単価を設定することで、競合の強いキーワードで出稿してもそれ以上に広告が出稿されることはないため、予算を圧迫されることなくインプレッションを稼げます。

例えば、競合が強いキーワードの月額予算を50,000円に設定しておき、それら以外のキーワードの全体予算を50,000円に設定すれば、キーワードの競合の強さに関係なく、安定したインプレッションを獲得できるでしょう。

広告やLPの品質を上げる

広告やLPの品質を上げる施策は、広告ランクを上げるうえで必要です。広告ランクが上がれば、それだけ上位表示される可能性も高くなりインプレッション増加にも繋がります。

● 広告の品質
● LPの品質

広告の品質

広告の品質を決定づける一つの基準とされているのが「関連性」です。設定キーワードと広告の内容がしっかりと関連しているかが、広告ランクを上げる一つの基準となります。

広告の品質を高めるメリットとして他にも挙げられることは、入札単価を下げても競合より上位表示される可能性が高くなることです。するとコストを抑えつつインプレッションやクリック率も上げられるようになります。

LPの品質

LPの品質に関しても基本は「関連性」です。設定キーワードや広告内容とLPの内容がしっかりと関連しているかが、広告ランクを上げることに繋がります。その上で、ユーザビリティを高めるファーストビューの改善、UI(ユーザーインターフェイス)の向上、Webサイト軽量化などの施策を講じていきます。

ターゲティングを変更する

インプレッションが伸びない要因の一つとして挙げられるのが、そもそも「ターゲットが違う」か、もしくは「ターゲットが定まっていない」ことです。

最初の段階でターゲティングを間違ってしまうと、その後ターゲットに向けていくら広告を配信しても、的外れとなってしまいターゲットが興味を示しません。また、ターゲットがしっかり定まっていない場合も同様に、誰に向けた広告なのかがわからない広告は、誰にも刺さらない広告となります。

こういった場合は「ターゲットを変更する」か、もしくは「ターゲットをしっかり定める」ことで、インプレッション増加を期待できるようになります。

関連記事:Web広告とは何か?代表的なWeb広告の仕組みと特徴を解説!

インプレッションを増やす際の注意点

インプレッションを増やす際には以下の点に注意が必要です。

● クリック単価が上がる可能性を留意する
● 適切なインプレッションかを見極める
● 必要であれば配信時間や配信対象エリアを絞る

クリック単価が上がる可能性を留意する

インプレッションを増加させるためには入札単価を上げればよいのですが、その場合クリック単価も上がってしまう可能性があります。

基本的に競合よりも高いクリック単価となったときにその競合より上位に表示されるため、システム的にそのようになることを把握した上でインプレッションの増加を試みていく必要があります。

適切なインプレッションかを見極める

インプレッションは単に増加させればよいというものではありません。そのインプレッションがターゲットとしているユーザーのインプレッションなのか、ターゲットとは関連性の薄いインプレッションなのかを見極める必要があります。

関連性の薄いインプレッションばかりの場合、特に課金形式がCPM単価であればコストだけがかかり、仮にLPに呼び込めたとしてもCVは期待できません。広告費用が回収できず撤退を余儀なくされることになります。CVにつなげる観点からも、量より質のインプレッションでなければならないのです。

必要であれば配信時間や配信対象エリアを絞る

上述で解説した通り「インプレッションは単に増加させればよいというものではない」ということにも繋がるのですが、自社が提供する商品やサービスに応じて配信時間や配信対象エリアを絞る必要もあります。

例えば、自社で提供している商品がサラリーマンに向けた商品であるならば、日中に広告を配信していても閲覧される可能性は低くなります。また、地域限定でサービスを提供している場合、地域外のエリアに住んでいるユーザーをLPに呼び込んでもCVには繋がりません。

こういった観点から、自社が提供する商品やサービスに応じて配信時間や配信対象エリアを絞る必要があります。

まとめ

本記事では、インプレッションの概要やその他の言葉との違い、インプレッションの数え方等を解説しました。

インプレッションは見られた回数のことであり、多くのユーザーに自身の広告やメディアが表示されているかを表す重要な指標です。また、インプレッションはクリック率や成約率に繋がる指標でもあるため、まずは安定したインプレッションを獲得しなければなりません。

そのためにも、まずは本記事の内容を参考に、インプレッションを増やすための準備を始めてみてはいかがでしょうか。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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