パワーポイントなどのスライドにまとめられた資料のことをebook(イーブック)と言い、導入している企業が多く、導入している企業のなかにはebook(イーブック)による売上の増加が見られています。自社でもebook(イーブック)を取り入れて、効率的な販促を行いたいと考えているものの、そもそもebook(イーブック)が何なのかや、どのように作れば良いか分からない企業が多く見られます。
本記事では、ebook(イーブック)の意味や概要、作成する際のポイントなどについて網羅的に解説します。ebook(イーブック)の作成を検討している企業の担当者は、ぜひ参考にしてください。
目次
ebook(イーブック)とは?マーケティングにおける意味
ebook(イーブック)とは、パワーポイントなどのスライドにまとめられた資料のことです。ホワイトペーパーなどと異なり、HTMLや画像ファイルによって表示されるため、ユーザーはダウンロードの必要性がないことが特徴です。
その一方で、ebook(イーブック)ではそのような専門性以上に、情報の分かりやすさが重視されるため、比較的広い範囲のユーザーの情報収集手段となり得ます。ターゲットにとって有益な情報や、自社独自の調査結果、その他ノウハウ集などがebook(イーブック)の内容の代表例であり、お役立ち情報のような内容であることが多いです。
これらの情報をWebサイトに訪れたユーザーに提供することで、リードジェネレーション(リード獲得)することがebook(イーブック)の主な目的です。お問い合わせや資料請求に比べて、ebook(イーブック)のダウンロードは顧客にとって行動ハードルが低く感じられます。そのため、Webサイトからebook(イーブック)のダウンロードを可能にすることで、より多くのリードを獲得することが期待できます。
マーケティングにおけるebook(イーブック)の意味
マーケティングにおけるebook(イーブック)の意味は「商品やサービスの魅力を簡単かつ完結に紹介できるコンテンツ」となります。つまり本来ebook(イーブック)はデジタル端末において書籍を読むために開発された媒体ですが、これをマーケティングに活用することで最適な情報伝達手段として効率よくユーザーへ情報を提供することができるのです。
ebook(イーブック)の便利な特徴として挙げられるのがアクセスのし易さと持ち運びやすさです。ノートPCをはじめスマホやタブレットで読むことができるebook(イーブック)は、どれだけ情報量が多くなっても荷物となるのはデジタル端末ひとつ分のみです。物理的スペースをほとんど取らず、いつでもどこでも手軽に情報を閲覧できるため紙媒体よりもebook(イーブック)を選択するユーザーは増加傾向にあります。
こういった市場背景から、今後もebook(イーブック)をマーケティングに活用する動きは拡大していくことが期待されています。
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ebook(イーブック)のメリット
ebook(イーブック)のメリットは以下のとおりです。
● 無料であること
● ターゲットが幅広いこと
● 障壁が低いこと
それぞれ順番に解説します。
無料であること
ebook(イーブック)は、基本的には無料で配布する資料です。そのため、まだお金を出してサービスを利用するつもりがないユーザーのリードも獲得できます。
ターゲットが幅広いこと
ebook(イーブック)は資料請求やお問い合わせに比べて、幅広いターゲットを対象にできます。なぜなら、ebook(イーブック)は無料でダウンロードできるうえに、自社サービスに興味が無いユーザーも、情報収集の観点からダウンロードする可能性があるからです。
顕在顧客だけではなく、潜在顧客にリーチできるうえにebook(イーブック)を通じて顧客教育ができる点はebook(イーブック)の強みであると言えるでしょう。
障壁が低いこと
ebook(イーブック)はホワイトペーパーよりも、比較的作成に対する障壁が低いです。ホワイトペーパーでは、適切な方法で収集したデータを基にした分析結果などを盛り込む必要があります。
その一方で、ebook(イーブック)の目的は内容をより分かりやすく伝えることであるため、専門的な内容を多く盛り込む必要がありません。そのため、ホワイトペーパーや資料請求用の資料を作るよりも、簡単かつ短期間で企画から作成まで行えるでしょう。
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ebook(イーブック)と他の資料との違い
ebook(イーブック)と他の資料との違いについて解説します。
● ebook(イーブック)の目的とは
● 紙媒体との違い
● PDFとの違い
● ホワイトペーパーとの違い
ebook(イーブック)の目的とは
企業のマーケティング施策を考えるにあたって、目的の明確化が重要であるように、ebook(イーブック)を作成する際も、目的の明確化が大切です。ebook(イーブック)の目的を決める際は、企業のマーケティング施策全体の目的と切り分けて、個別の目的を策定しましょう。
たとえば、企業のマーケティング施策全体の目的には、「売上の向上」や「リード獲得件数の増加」などが挙げられます。一方で、ebook(イーブック)の目的としては以下のようなものが望ましいでしょう。
● 有益な情報を提供することによる、潜在顧客からの信頼性の獲得
● 自社商品やサービスが、顧客が抱える問題解決につながることを提示
● 競合他社との比較を行い、自社の優位性を示す
なお、ebook(イーブック)の目的が決定したら、企業全体のマーケティング施策に繋がるかを必ず確認しましょう。
紙媒体との違い
紙媒体は実物を手にすることができ、ブルーライトなど有害な可視光線も発しないため読むことに集中できます。視認性が高く信頼性も高いことが特徴として挙げられます。ですがデメリットとしては、保管するためには物理的なスペースが必要となり、情報の掲載量にも上限があります。
また手作業によるコンテンツ作成は効率も悪く多くのリソースが必要となります。一方のebook(イーブック)は媒体を保管する物理的スペースは必要なく、コンテンツの作成はソフトをうまく活用することで半自動化できる作業も多くあります。
PDFとの違い
概要PDFでは、ユーザーは中身を見るためにデバイスにPDFをダウンロードする必要があります。多くの情報が詰め込まれたPDFの場合、ファイルサイズが大きくなってしまうため、ダウンロードに時間がかかってしまいます。そのため、PDFをダウンロードし、開くまでの手間によってユーザーは資料を見る意欲を失ってしまう恐れがあるのです。
しかしebook(イーブック)の場合は、HTMLや画像ファイルによって構成されているため、Webページが表示されると同時に、閲覧が可能です。Webページのユーザーを待たせることがなく、概要PDFと比べるとインターネット通信状況の影響を受けにくいため、機会損失を防げるでしょう。
ebook(イーブック)はPDFにはできない「横断検索」ができる
PDFもebook(イーブック)も一つのファイル内の全文を検索する「全文検索機能」が利用できます。この機能があることによって、ファイル内のお目当ての内容を探し出すことができます。基本的にPDFはこの機能が有効なのは一つのファイル内に限られます。
ですがebook(イーブック)では、複数のebook(イーブック)に対してこの全文検索機能が利用できます。この機能を「横断検索機能」と言います。この横断検索機能により非常に多くの情報の中から探している内容を見つけ出せるため、PDFよりも格段に使い勝手がよい媒体であると言えます。
ホワイトペーパーとの違い
先述したとおり、ホワイトペーパーは専門的なテーマを扱い、調査データなどを用いてまとめた資料のことです。そもそも、ホワイトペーパーは元来、公的機関の年次報告書のことでした。それが転じて、企業のダウンロードコンテンツとしても利用されているため、非常にかしこまった形式で専門的・技術的な内容が記述されています。
しかし、ebook(イーブック)では、かしこまった形式で記述する必要はありません。詳細のデータや分析結果を基にまとめられたホワイトペーパーとは異なり、図表やイラストなどによって分かり安くまとめることが求められます。そのため、幅広いターゲットに対して情報を提供でき、同じ業界のユーザー以外にも自社のアピールを行えます。
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マーケティングでebook(イーブック)を活用するメリット
マーケティングでebook(イーブック)を活用するメリットとしては以下が挙げられます。
● 集客(リード獲得)
● コンテンツマーケティングの1つとしてメルマガ配信を行う
● 有益性を高めてSNSなどのプロモーションに
集客(リード獲得)
ebook(イーブック)をマーケティングでうまく活用すると効率よく集客(リード獲得)を行えます。いわゆるコンテンツマーケティングと言われる手法で自社の持つ有益な情報を提供する代わりにメールアドレスや個人名などのユーザー情報を教えてもらう仕組みです。
メルマガ登録と同じ仕組みですが媒体だけが違うものとなります。個人情報を提供してまでebook(イーブック)を読みたいユーザーは同分野に関して非常に興味関心が高いと考えられます。こういったことから思わぬ「ホットリード=今すぐ客」を獲得できる可能性もあります。
コンテンツマーケティングの1つとしてメルマガ配信を行う
ebook(イーブック)という媒体をコンテンツマーケティングの1つとしてメルマガ配信することで多くのユーザーに拡散することができます。すでにメルマガ登録している濃いターゲット層へのアプローチ手段として効率よくebook(イーブック)に誘導することができます。
有益性を高めてSNSなどのプロモーションに
ebook(イーブック)の有益性を高められればSNSなどに投稿しプロモーション活動に活かすことができます。SNSにおいて自社ebook(イーブック)に興味を持ってもらえれば、ユーザーが自発的に拡散してくれる可能性も高まりブランドの認知度向上にもつながります。このようにSNSをうまく活用することでコストをかけずに効率よくプロモーション活動を行えます。
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ebook(イーブック)を作成する際のポイント
ebook(イーブック)作成する際のポイントは以下のとおりです。
● 集客の1つとしてebook(イーブック)を捉える
● ebook(イーブック)を再利用する方法を検討する
● 様々なテーマのebook(イーブック)を作成して反応を見る
それぞれ順番に解説します。
集客の1つとしてebook(イーブック)を捉える
当然ながら、ebook(イーブック)は集客手段の1つにすぎません。そのため、ebook(イーブック)をどのようにダウンロードしてもらえるかを考え、最も多くのユーザーにebook(イーブック)を見てもらえるような施策を打つ必要があります。
また、ebook(イーブック)をWebページ上のどこに設置するのかも吟味しましょう。ebook(イーブック)のダウンロードリンクを置く位置や周りのテキストによって、ダウンロード率は大きく異なります。ebook(イーブック)の作成時には、どのような位置・文脈でebook(イーブック)のダウンロードリンクを設置するのかを考えながら作成しましょう。
ebook(イーブック)を再利用する方法を検討する
ebook(イーブック)は、そのまま別の目的や業務の際に再利用できます。たとえば、商品・サービスの詳細を記載しているebook(イーブック)であれば、カスタマーサポートの参照先として利用したり、内容をそのままパンフレットに転用したりできるでしょう。
ebook(イーブック)で記載した内容を深掘りすることで、メールマガジンやブログに活用し、より顧客へ濃い情報を届けることも可能です。販促に必要な資料やコンテンツに再利用できるebook(イーブック)を作ることで、販促にかかる手間を大幅にカットできます。
ちなみに、既存のプレゼン資料やパンフレットなどをebook(イーブック)として再利用することも可能です。ebook(イーブック)の企画に困った場合や、できるだけ手間を省いて作りたい場合は既存資料を踏襲する形で作成するのも良いでしょう。
様々なテーマのebook(イーブック)を作成して反応を見る
ebook(イーブック)は、顧客にとって有益なものでなければ効果がありません。その一方で、実際にebook(イーブック)を出してみないと、その内容を顧客が求めているのかが分からないのも事実です。そのため、ebook(イーブック)を作成する際は、複数のテーマのebook(イーブック)を作成し、顧客の反応を比較しましょう。
ダウンロード数や、問い合わせ数が多いテーマほど、ユーザーが求めているジャンルであることが分かります。ユーザーが求めているジャンルが分かれば、よりユーザーに強い訴求ができるebook(イーブック)を作成できるでしょう。
ebook(イーブック)が1つだけでは、ユーザーがどのテーマに対して興味関心を示しているのかが分かりません。必ず複数のテーマでebook(イーブック)を作成し、ユーザーのニーズに合った情報を提供するように心掛けましょう。
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ebook(イーブック)に有用なテーマ
ebook(イーブック)に有用なテーマは次のとおりです。
● 自社と競合他社の違いをまとめたebook(イーブック)
● 自社商品やサービスに合わせた「今日からできる〇〇をまとめた」ebook(イーブック)
それぞれ順番に解説します。
自社と競合他社の違いをまとめたebook(イーブック)
ebook(イーブック)の企画として、代表的なテーマは自社と競合他社との違いをまとめたものです。比較検討段階の顧客にとって、最も気になるのはそれぞれの商品やサービス間における違いや、今見ている商品やサービスの優位性です。
これらをebook(イーブック)としてまとめることで、顧客ニーズに沿った情報を提供できるのみならず、自社の優位性のアピールができるため、より購入につながる可能性が高くなります。比較検討段階の顧客を、購入まで持っていきたい場合、自社と競合他社の違いをまとめたebook(イーブック)は非常に有用です。
自社商品やサービスに合わせた「今日からできる〇〇をまとめた」ebook(イーブック)
自社商品やサービスによって「今日からできること」をまとめたebookは、顧客に購入後の未来を見せられるため非常に有効です。顧客は商品の購入後にできることが明確になると、その商品の購入に対して前向きになりやすいです。
商品やサービスを購入してから、すぐにできることをまとめることで、商品やサービス購入後の未来を連想し、その便利さや有効性を感じるようになります。また、商品・サービスの購入後は、そのebook(イーブック)が取扱説明書やカスタマーサポートの役目を果たしてくれるため、アフターサポートに必要な手間や人員もカットできるでしょう。
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ebook(イーブック)の作り方
ebook(イーブック)は主に以下の手順で作成していきます。
● 作成する目的の決定
● コンテンツ決め
● 構成案の作成
● グラフィックの挿入
● 魅力的な表紙とタイトルをつける
● CTAの設定
作成する目的の決定
まずebook(イーブック)を作成するためには「作成する目的」を決定します。例えば「メルマガ配信するためのユーザーを獲得するため」「自社の商品やサービスの概要を伝えるため」「ブランディング戦略においてユーザーのブランディングを行うため」など「作成する目的」を明確にしておきます。
「リスト取りとブランディングの両方ができればいい」といった曖昧な目的にならないように注意します。
コンテンツ決め
目的が決定したら「コンテンツ決め」を行います。コンテンツの内容は非常に重要で、ここを明確にしておかないと作成過程において軸が振れ出し、どういったターゲットに向けて発信するコンテンツなのかが分からなくなってきます。
ターゲットが定まっていないコンテンツは誰にも響かないコンテンツとなり、作るだけ労力の無駄になりかねません。そうならないためにも発信するコンテンツを明確に定めておきます。
構成案の作成
構成案は目次をはじめebook(イーブック)全体の構成を考えていきます。ユーザーに内容がわかりやすくかつ読みやすいように見出しや内容を配置し関連するテーマや情報をまとめていきます。ebook(イーブック)も基本的にはWebサイトのページ作成手順と同じですので、読みやすいWebページを想定しながら作成していきます。
グラフィックの挿入
ebook(イーブック)を執筆していくと同時にグラフィックなどのビジュアル要素を追加していきます。読者を飽きさせないための手段として視覚的要素は非常に重要なポイントとなります。文章のみのコンテンツよりも見た目が華やかになりコンテンツとしての質も高くなります。
またebook(イーブック)には動画を配置することもできますので、特に読者に注目してもらいたい情報などがある場合は動画として提供することも有効な手段です。
魅力的な表紙とタイトルをつける
コンテンツが完成したら表紙を作成しタイトルをつけます。表紙とタイトルは非常に重要でユーザーはこれら表紙やタイトルを見てそのebook(イーブック)を読むか否かを決定します。その入口となる表紙やタイトルはユーザーの興味関心を引けるよう工夫して作成をします。
また意識すべき点として、表紙やタイトルはコンテンツ作成後に決定するようにします。表紙とタイトルを最初に決定してしまうと、その後作成するコンテンツが表紙やタイトルに縛られてしまい、内容を柔軟に変更していくことができなくなってしまいます。
こういったことから、コンテンツをすべて作成し終えたあと内容を鑑みて表紙やタイトルを作成します。
CTAの設定
ebook(イーブック)がほぼ完成したらコンテンツに「CTA=Call to Action」を配置していきます。CTAとは行動喚起といった意味合いとなり、ユーザーに行動を起こしてもらうことです。いわゆる「資料を請求する」「ソフトをダウンロードする」「商品を無料で手に入れる」などのボタンのことを指します。
CTAがないebook(イーブック)はただの情報提供となってしまいますので、なるべくユーザーに行動を起こしてもらえるようにCTAを適度に配置していきます。
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まとめ
本記事では、ebook(イーブック)の概要や目的、作成する際のポイントについて解説しました。ebook(イーブック)を有効活用すれば、これまでに取りこぼしていた顧客のリストを収集できるほか、検討段階の顧客を購入までつなげられます。
さらに、ebook(イーブック)の作成には専門的な知識も必要なく、既存のパンフレットや資料の内容を再利用するだけでも作成できるため、非常に作成における障壁が低いことも強みです。ぜひ本記事を参考に、ebook(イーブック)の作成を検討してください。