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DeepLとは?高精度翻訳サービスと話題!Google翻訳との違いも解説

2024.9.5
読了まで約 7

外国語の文章で書かれたWebサイトの内容を理解したり、外国人とのコミュニケーションを円滑にしようと思ったりした際に、信頼性の高い翻訳サービスは頼もしいツールとなります。

たとえば、GoogleChromeを使っている人は「Google翻訳」というツールが備わっているため、外国語のWebサイトをすぐに翻訳できます。しかし、翻訳結果が不自然な文章となっている場合も 多々あります。

そんなときに、非常に高精度な翻訳サービスである「DeepL」を使うと、より自然な翻訳処理をしてくれてとても便利です。本記事では、高精度翻訳サービスDeepLの詳細と、Google翻訳との違いについて解説します。Google翻訳などの翻訳ツールに不満がある人は、本記事を参考にしてDeepLも使ってみてください。

DeepL(ディープエル)とは?

DeepL(ディープエル)とは、ドイツに拠点を置く「DeepL」社が開発した、機械翻訳エンジンのことを言います。機械翻訳エンジンと言えば「Google翻訳」や、Microsoftが提供している「Bing翻訳」がポピュラーで、DeepLについてはあまり聞いたことがない人もいるかもしれません。

DeepL社は、GoogleやMicrosoftのような大手IT企業ではなく、規模の小さいベンチャー企業です。しかしながらDeepLの翻訳技術の精度は、Google翻訳やBing翻訳を凌ぐと言われています。

DeepLの概要

それでは、DeepLのことについて詳しく解説していきます。まずはツールの概要について見ていきましょう。

2020年から日本でもスタート

DeepLは日本でも利用できるツールですが、日本で利用できるようになったのは、2020年からです。DeepL自体は2017年8月に発表されましたが、他の機械翻訳エンジンと比べて、「流暢で自然な文章へ翻訳してくれる」と話題になりました。発表当初は日本語対応しておらず、2020年3月より日本語対応となりました。

翻訳手法

DeepLの翻訳手法については、詳しい情報は公開されていませんが、「ディープラーニング」と言われる技術が使われています。

Google翻訳などにも、このディープラーニングは使われていますが、DeepLには「畳み込み
ニューラルネットワーク(CNN)」と呼ばれる、Google翻訳よりも複雑な処理が可能な手法が用いられています。そのため、DeepLはGoogle翻訳よりも自然な翻訳を可能にしています。

翻訳できる言語

2024年8月時点で、DeepLは以下30の言語と、800以上の組み合わせに対応しています。

●アラビア語
● イタリア語
● インドネシア語
● ウクライナ語
● エストニア語
● オランダ語
● ギリシャ語
● スウェーデン語
● スペイン語
● スロバキア語
● スロベニア語
● チェコ語
● デンマーク語
● ドイツ語
● トルコ語
● ノルウェー語(ブークモール)
● ハンガリー語
● フィンランド語
● フランス語
● ブルガリア語
● ポーランド語
● ポルトガル語
● ラトビア語
● リトアニア語
● ルーマニア語
● ロシア語
● 英語
● 韓国語
● 中国語(繁体字・簡体字)
● 日本語

(出典:DeepL―「DeepL Proの対応言語」

英語については、翻訳しようとしている原文の言語により、アメリカ英語なのかイギリス英語なのかを選ぶことも可能です。

関連記事:Yandex(ヤンデックス)とは!ロシアでGoogleと同じくらい人気の検索エンジンを解説!

DeepLの料金プラン

DeepLには、無料プランと有料プランがあります。無料プランでも翻訳サービスとして高精度の翻訳をしてくれますが、無料プランと有料プランでは、機能に違いがあります。

無料プランでできること

無料プランは、有料プランと比べて、下記のような制限があります。

● 翻訳できるテキストの文字数は1,500文字まで
● ファイルの翻訳は1ヶ月に3つまで
● ファイルのアップロードは5MBまで
● 用語集は1個作成できるが、登録は10ペアまで

長文を翻訳しないのであれば、無料プランでも十分な機能があります。もし、1,500文字を超えるような長い文章を翻訳したい場合は、有料プランのほうが便利です。

有料プランでできること

DeepLの有料プラン(DeepL Pro)には、以下の3つの有料プランがあります。

● Starter(1,150円)
● Advanced(3,750円)
● Ultimate(7,500円)
(※金額はユーザー1名あたりの年払いにおける月額換算額) 有料プランでは共通して下記の機能が使えます。
● 文字数制限なし
● チーム管理
● ファイルの編集
● 用語集で5,000ペアまで設定

そして、有料プランごとの機能には、下記の違いがあります。

  Starter Advanced Ultimate
シングルサインオン   35名以上 35名以上
1名がアップロードできるファイル数 5ファイル/月 20ファイル/月 100ファイル/月
用語集の数 1個 2,000個 2,000個

翻訳支援ツール
(CAT)への取り込み

× 0 0

個人〜チームで利用するのであればStarter、ビジネスで利用するのであればAdvanbedや
Ultimateで使うと、ストレスなく使えます。

DeepLを利用するメリット

文章を翻訳したい人にとって、DeepLには以下の大きなメリットがあります。

● 翻訳精度が世界トップクラス
● コストも低い
● 必要なときにいつでも翻訳できるそれぞれ順番に解説します。

翻訳精度が世界トップクラス

DeepLの翻訳は、世界トップクラスと言われています。 DeepL社では、Google、Amazon、Microsoftの各社翻訳ツールと並べて「ブラインドテスト」を実施しています。

その中で、どのような翻訳結果に対しても、DeepLが翻訳した結果が最も良いという結果になりました。

また、ある企業では社内のメール本文をDeepL、Google、Amazon、Microsoftのそれぞれの翻訳サービスで翻訳させたところ、DeepLの翻訳結果が最も自然で過不足のない内容で訳されたという結果になりました。

さまざまな翻訳ツールが存在しますが、DeepLは世界トップクラスの精度を持つ翻訳サービスであると言えるでしょう。

コストも低い

DeepL Proのコストは、提供されるサービスや利用プランによっても異なりますが、一般的には比較的低価格です。DeepLのように、サブスクリプション形式で提供している翻訳サービスはいくつかあります。

DeepLのAdvancedプランと、サブスクリプション形式で提供している他の翻訳サービスのコストを比較してみると下記のようになります。

  プラン 月額料金
DeepL Advanced 3,750円
ヤラクゼン カンパニープラン スターター3 9,900円
Smartcat Starter 14,167円(99ドル)

(2024年9月5日現在)

DeepLは、サブスクリプション形式で提供されている翻訳サービスの中では、機能の割にはコストパフォーマンスのよいサービスです。

必要なときにいつでも翻訳できる

DeepLは、下記のタイプのサービスを提供しています。

● ブラウザ版
● Google Chrome拡張機能
● ソフトウェア版(Windows)
● スマホアプリ版(Android / iOS)

そのため、必要なときにいつでも手軽に翻訳できます。パソコンで作業をしているときはもちろん、外出先でもスマホ用のアプリを利用して翻訳が可能です。

さまざまな場面で使うことができる

DeepLは、その高い翻訳精度と自然な表現力により、ビジネスや学術的な研究で広く利用されています。以下に具体的な使用例をいくつか挙げます。

グローバルに展開する企業では、異なる言語を話すパートナーや顧客とのコミュニケーションが必要となります。DeepLは、メールや報告書、プレゼンテーション資料などの翻訳を迅速かつ正確に行うためのツールとして利用されています。また、企業が製品やサービスを海外市場に展開する際、マニュアルやガイドを現地の言語に翻訳する必要があります。DeepLは、そのような技術的な文書の翻訳にも適しています。企業のカスタマーサポートチームでは、さまざまな言語での問い合わせに対応する必要があります。DeepLは、顧客からの問い合わせを理解し、適切な回答を作成するためのツールとして利用されます。

マーケティングでも利用できます。企業は、自社のウェブサイトやマーケティング資料を複数の言語に翻訳することで、より広範な顧客にアピールすることができます。DeepLは、その自然な表現力により、原文のニュアンスを保ったまま翻訳することが可能です。

学術目的でも使用することが可能です。学者や研究者は、自分の専門分野の最新の研究を追いかけるために、さまざまな言語の論文や報告書を読む必要があります。DeepLは、これらの文書を理解するための有用なツールとなります。

DeepLを使う際の注意点は?

DeepLは高精度な翻訳サービスですが、使う際は下記の点に注意する必要があります。

● 主語を明確にする
● 翻訳結果を信頼しすぎない

日本語の場合は、主語を省略しても意味が通じることが多いですが、多くの外国語では、主語を省略すると、意味が変わってくることがあります。そのため、翻訳したい原文には、主語を付け加えて使う必要があるでしょう。

また、DeepLの精度が高いとはいえ、翻訳結果を信頼しすぎるのは禁物です。なぜなら、下記のような点については、まだ人間レベルほど正確ではないからです。

● 文脈の理解
● 皮肉やジョークの理解
● 読む人への配慮をした翻訳
● 過不足のない翻訳

上記については、まだまだ人間のように判断できません。そのため、翻訳した結果は必ず人の手を交えた確認が必要です。

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DeepLの使い方は?

前述のように、DeepLには注意点もありますが、使い方次第で便利に使えます。ポイントは、「DeepLにとって分かりやすい原文にする」ことです。そのためには、下記のポイントを押さえて原文を作成することをおすすめします。

● ひらがなを漢字に変換
● 正式名称は略語を使わずそのまま書く
● 専門用語は初めから英語で書いておく

● 日本語を補完する
● 不要な改行を減らす

漢字で表記できるものは、漢字で書いたほうが言葉の意味が確定されるので、できるだけ漢字で書くようにしましょう。

略語が存在する名詞については、略語を書くと誤訳の原因になるため、正式名称で書いたほうが正しい翻訳結果が得られます。また、あまり意識しないかもしれませんが、日本語は外国語と比べて、言葉を省略しても文脈上意味が通じる場合が多いです。

そのため、原文には主語や主語に対する目的語などを補完すると、より精度の高い翻訳結果となります。

文章で使われる改行についても翻訳結果に影響します。改行が入ると、その部分で文章が区切られていると判断されてしまうので、不自然な翻訳結果になりやすいです。上記のポイントを押さえて原文を作ってDeepLを使うことにより、より意図した内容に近い翻訳結果が得られます。

関連記事:AI(人工知能)とは?意味や定義をわかりやすく解説

まとめ

DeepLは、AIとディープラーニングを活用した翻訳ツールで、その精度はGoogle翻訳やAmazon、Microsoftなどの他の翻訳ツールを凌駕しています。これは、DeepLが大量のテキストデータを学習し、文脈を理解する能力によるものです。その結果、DeepLは自然で人間らしい翻訳を提供し、その精度は世界トップクラスと評価されています。

この優れた翻訳精度は、個人利用者からビジネスのプロフェッショナルまで、幅広いユーザーに高く評価されています。特に、グローバルにビジネスを展開する企業や、異なる言語の文献を扱う学者などにとって、DeepLは強力なツールとなっています。また、リアルタイムでの翻訳機能は、異なる言語を話す人々とのコミュニケーションをスムーズにし、文化や言語の壁を越える手助けをしています。

しかし、どんなに優れた翻訳ツールであっても、完全な翻訳は難しいのが現実です。言語は、文化、歴史、社会的背景など、多くの要素が絡み合って構成されています。そのため、翻訳は文字の置き換えだけでなく、その背後にある意味やニュアンスを理解し、適切に表現することが求められます。DeepLはその多くをカバーしていますが、全てを完璧に翻訳することは難しいのが現状です。

そのため、DeepLを使用する際は、その翻訳結果を鵜呑みにせず、必要に応じて自身で確認し、修正や微調整を行うことが重要です。特に、ビジネスや学術的な研究など、高度な精度が求められる場面では、専門的な知識を持つ人間が最終的なチェックを行うことが望ましいです。

DeepLは、その高い翻訳精度と利便性により、私たちのコミュニケーションを大きく助けてくれます。しかし、その一方で、私たち自身が言語とその文脈を理解し、適切に使いこなす能力も依然として重要です。DeepLは素晴らしいツールですが、それはあくまでツールであり、使うかどうかという最終的な判断は私たち自身が行うべきです。これは、テクノロジーが進化し、AIが私たちの生活に深く浸透していく現代において、特に重要な視点です。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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