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CS(カスタマーサティスファクション)とは?顧客満足度向上のための施策や具体例

2024.9.10
読了まで約 5

「CS」と聞いて言葉の意味をすぐに説明できる方は少ないのではないでしょうか。

顧客満足度を意味する「CS(カスタマーサティスファクション)」は、購入・利用した商品やサービスに、顧客がどの程度満足したかを数値化したものとして指すことが多いです。

一方で「CS(カスタマーサクセス)」は、顧客の成功のための取組みといった意味を持ちます。顧客満足度を向上させる上でカスタマーサクセスの概念は外せないため、両者の違いとメリットを理解することが大切です。

今回はカスタマーサティスファクションの具体的な分析方法から、さらに顧客満足度を向上させる取り組みであるカスタマ―サクセスの概念や施策までを解説していきます。

CS(カスタマーサティスファクション)とは?

CSにはCustomer Satisfaction(カスタマーサティスファクション)の略称とCustomer Success(カスタマーサクセス)の略称の場合があります。

Customer Satisfaction(カスタマーサティスファクション)には「顧客満足度」という意味があり、企業が提供するサービスや商品によって顧客がどの程度満足したかを数値化したものです。

一方のCustomer Success(カスタマーサクセス)は、顧客の成功を能動的にサポートしていく姿勢や、そのために行う活動、工程、あるいは職種を指します。
マーケティングインサイドセールスといったポジションが置かれているのと同様に、チームとして役割分担している企業も増えています。

両者は顧客満足度を数値化したものか、顧客の成功をサポートすることで顧客満足度を高めるための企業側の活動か、といった違いがあり意味は異なります。
しかし、両者に共通しているのは「顧客満足度を高める」という点です。

関連記事:カスタマーサクセスとは何か?類似するようで異なるカスタマーサポートと比較して解説

顧客満足度がなぜ重要視されるのか

そもそも、「顧客満足度」がなぜ重要視され始めたのでしょうか。
従来の製品開発では、「生産性」や「効率主義」が重視されてきました。時代の流れとともに、製品やサービス品質の評価には口コミ等の「顧客視点」が重視され始め、消費者である顧客の意向を考慮すべきという意識が強くなったのです。

顧客満足度が向上することで、「リピーターの増加」や「企業ブランディング」といった売り上げ増加につながるメリットがあると考えられます。

リピーターの増加

顧客満足度の向上によって、リピーターの増加が期待できます。
例えば何か商品を購入したとき、期待以上の効果があれば商品に対する満足度が上がり、不満が多いと満足度は下がります。
この記事を読んでいる皆さんも、お気に入りのお店が1つはあると思います。良いサービスを提供するお店には何度も足を運びたくなりませんか?

顧客満足度が高いほどリピートにつながり、更なる消費が見込めます。
リピート回数が増えると、顧客1人当たりが生涯にわたってもたらす企業の売上向上につながります。これを「生涯顧客価値(LTV)」と表しますが、顧客満足度の向上はLTVの向上にも影響します。

企業ブランディング

顧客満足度の高さはブランドイメージにも繋がります。既存顧客の多いお店に対して良い印象を持つ方も多いでしょう。
近年では、製品の機能やサービス品質の差別化が難しくなっていることから、顧客満足度を向上させる動きは顧客に対するアピールになり、競合他社との差別化においても有意にはたらきます。その結果、企業の業績向上や利益率の向上に直結すると言えます。

顧客満足度を測る指標となるCustomer Satisfaction(カスタマーサティスファクション)

CS(カスタマーサティスファクション)は、企業が提供するサービスや商品によって「顧客がどの程度満足したか(顧客満足度)」を測る指標や概念を表します。

CSを知るには実績評価の把握は欠かせません。Webでの分析やアンケート調査、直接顧客の声を聞くなどあらゆる方法があります。「おそらく…だろう」といった曖昧な判断では、正確なCS分析はできません。場合によっては、調査会社や行政が公表している統計データを用いたり、市場規模の推移や商品への支出を追うような評価方法も必要です。

CSの数値をもとに、自社製品やサービスの価値を定期的に評価し改善を進めることができれば、売上増加や新規顧客の開拓など、マーケティングにおいて好循環を生み出すことができます。

Web上の動向分析

Web上では、多数のユーザーが日々あらゆるキーワードを検索していますが、これを知ることで顧客の潜在ニーズを把握することが可能です。
自社製品やサービスを取り扱っている企業であれば、自社サイトや製品ページ、料金ページ等におけるアクセス数を解析することで、顧客の求めている情報を類推することができます。
近年ではSNSマーケティングの1つとして、SNS上のユーザーの声の収集分析を行う、ソーシャルリスニングや、口コミサイトもユーザーの情報源として幅広く活用されています。こういったWeb上の情報から顧客の潜在ニーズを分析することが重要です。

関連記事:企業が取り組むSNSマーケティングとは?SNSマーケティングを強化する企業が増加(株式会社タナベ経営調べ)

アンケート調査

アンケートの方法には以下のような媒体があります。

・アンケート用紙記入
・メールでアンケートフォームの送信
・SNS
・スマホアプリ

例えばこれらの方法で、商品やサービスの満足度を10段階などの数値で選択してもらいます。
アンケート調査は実績評価の把握のため、顧客の声に向き合うためにも非常に重要です。
調査の結果を踏まえて、実際の商品やサービスに反映させていくことがCS向上のカギとなります。顧客自身も気づいていない潜在的なニーズをくみ取ることもできるので、活用していきましょう。

関連記事:アンケートとは?マーケティングにおけるアンケートの意味合いも解説!

実際の顧客にヒアリングをする

現状の課題や顧客のニーズを直接ヒアリングします。
電話調査やオンラインツール、対面でのインタビューといった方法があります。

直接声を聞くことは温度感や緊急性など、よりリアルな評価を把握することができます。
直接声を聞くことの課題としては、発言や悩みからニーズを類推する必要があり、顧客はすべての意見を忠実に伝えられるとは限らない点です。

さらにアンケートと比較して人的リソースを割く必要がありますが、アンケートよりも自由度の高い回答を得られるメリットもあります。

顧客満足度向上のためにはCustomer Success(カスタマーサクセス)を強化する必要がある

Customer Success(カスタマーサクセス)を直訳すると「顧客の成功」という意味ですが、ビジネスにおいては「顧客の成功体験にコミットするチームや組織、役割、取り組み」を指します。

顧客が「この商品・サービスを利用してよかった」という成功体験を得られるために、企業が積極的にサポートしようとする取り組みのことです。

顧客満足度を向上させるためには、まず自社の商品やサービスについてカスタマーサクセスを強化する方法を考えるべきです。
では、カスタマーサクセスの視点から顧客満足度を向上させるには何が大切でしょうか?

それは顧客が購入した自社商品に対して抱くであろう疑問や不安を、事前に予測し対応することです。
ユーザーの潜在的な悩みに対して、企業側から能動的にアプローチし解決策を出しておくことで顧客満足度の向上が期待できます。
商品を売って終わりではなく、「売った商品をどのように使ってもらうか?」といった先回りのフォローに視点を置けば、おのずと受け身な対応ではなく能動的に、顧客の成功に向けたアクションを起こすことができます。

似たような言葉に「カスタマーサポート」がありますが、これは顧客の不満に対してサポートをするという受動的な役割を担っており、カスタマーサクセスは顧客の成功のために能動的に、効率的に動く役割を担っています。
「顧客がメリットを得ることができる」、そして「自社製品やサービスを通して顧客が成功すること」こそがカスタマーサクセスの根本的な考え方です。

カスタマーサクセスが注目される背景

近年では、サブスクリプションモデルなどのビジネスが主流となっています。初期費用が少なく、必要な期間だけ利用できるサービスの形です。かつては売り切りで永続的に使用できたパソコンソフトも、現在では月額利用料を支払って使用するサービスが浸透してきました。

関連記事:サブスクリプションの意味を解説します!いまさら聞けないモデルや代表的なサービスをご紹介!

モノを「所有」していた時代から「利用」する時代へと変化した流れの中で、企業は商品やサービスを継続的に使い続けてもらうための施策が必要になりました。継続率の向上のために顧客満足度を高めていく必要性が上がっているのです。

カスタマーサクセスを行うメリット

①顧客ロイヤルティを高め、LTV最大化に繋げられる

顧客ロイヤルティとは、顧客が企業ブランドや商品・サービスに対して信頼や愛着を抱くことを指します。顧客ロイヤリティを高めることで継続的な商品購入やサービス利用が期待できます。

同じメーカーで音楽機器を揃えるなどのこだわりをもっている方も多いと思います。
顧客ロイヤルティを高めることは、競合他社よりも自社サービスを選択してもらえる可能性が高くなります。さらに友人への紹介やSNSでのシェアも期待でき、カスタマーサクセスの施策はLTV(顧客生涯価値)の向上にもつながるでしょう。

関連記事:顧客ロイヤルティを意識したマーケティング戦略のポイント

②サービスの改善・新規サービスの開拓

カスタマーサクセスは顧客との接点が多く、多岐にわたるフィードバックを得られます。
顧客のニーズを知ることができれば、それをもとに商品やサービスの改善を図ることができます。
潜在的なニーズを知ることで新たなサービスを開拓することにもつながります。

まとめ

今回はCSという言葉について、「カスタマーサティスファクション」「カスタマーサクセス」という2つの意味についてご紹介しました。
どちらも顧客満足度向上のための施策として欠かせない要素です。顧客満足度の向上、顧客の成功に繋がる施策を行うことは、企業にとってもリピーターの増加、ブランディングといった売り上げ増加につながるメリットを得ることができます。
しかし、CSの施策はすぐに結果が出るわけではありません。
顧客一人ひとりが満足体験を繰り返すことが、顧客満足度の向上や企業ブランド価値の向上にもつながり、好循環が期待できます。顧客のニーズを吸い上げて、日々製品やサービスの改善に努めましょう。

関連記事:新一万円札の顔・渋沢栄一とマーケティングの祖父ドラッカーの言葉【歴史の偉人に学ぶマーケティング 連載第2回】

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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