あなたは「CTA」という言葉を知っていますか?Webサイトを運営していたり、インターネット広告を出したりする際に重要な1つの指針になるのがCTAです。
しかし、CTAという言葉を聞いたことはあるけど、言葉の意味やなぜ重要なのかを理解していないという人も多いでしょう。CTAはWebマーケティングを行うなら確実に知っておくべき言葉で、より効果の高いマーケティングを実施していくにはCTAを上手に活用していかなければなりません。
そこで、この記事ではCTAとは何か、そしてなぜ重要なのか、どのように活用すればいいのかについて解説します。
目次
CTA(コールトゥアクション)とは?
CTA(コールトゥアクション)とは「Call to Action」の略で、行動喚起と呼ばれています。
サイトや広告を運用しているのは、お客様に商品を購入してもらったり、無料モニターなどに登録してもらったりといったように何か目的があるはずです。
CTAとは、運用したサイト・広告で、定めた目的通りにお客様を行動させるための方法のことを指します。代表的なものが、LPで商品の説明をして興味を持ってもらい、そのまま商品を購入してもらうためにボタンを配置しているケースです。
● CTAの重要性
● CTAとしてよく使われる例
CTAの重要性
CTAはお客様を何か行動させるための施策であるため、事実上、広告やサイト運用の効果を高める鍵を握っています。そのため、まずCTAの質を高めることが、成し遂げたい目的達成のための大きな足がかりになります。
また、CTAはWebサイトを訪問したユーザーの離脱を防ぐ際にも重要です。例えば、化粧品に興味があり、サイトを見ていた時に興味を持って、商品を買いたいと考えていたとしましょう。その際に、購入ボタンや詳しい情報が記載されているWebサイトのURLなどのCTAが複雑で一目で分からないものだと、興味を持ってくれていたとしてもユーザーは離脱してしまいます。
一方、一目で分かるようなイラストや分かりやすい部分に登録ボタンや購入ボタンなどのCTAが設けてあると、ユーザーは行動に移しやすくなります。このように、CTAは興味を持ってくれたユーザーを離脱させずにスムーズに行動させる際に重要となります。
CTAとしてよく使われる例
CTAとしてよく使われている例が、先ほど紹介した商品購入のボタンです。他にも会員登録、お問い合わせ、メルマガ登録、定期購読、カスタマーサービスなどに促す目的で使われています。そして、CTAはページをパッと見て認識できなければ意味がないため、以下の5つの場所に設置されているケースが多いです。
● Webページのヘッダー・フッダー
● Webページのサイドバー
● 見出しや本文の途中や直後
● コンテンツとコンテンツの間
● ページが変わるときのポップアップ
これらの場所に関しては、目的や何を説明するのかとの相性によって使い分けることになるので覚えておきましょう。
CTAの効果的な活用方法
ここからは効果的なCTAの活用方法について解説します。活用方法を知っているかどうかで効果が表れるのに数か月から数年ほど違いが出てくることもあるので、しっかり理解して活用しましょう。
● ユーザーに起こしてほしい行動を明確にする
● 選択肢はできるだけ減らす
● リンク先をイメージさせる工夫
● 緊急性を持たせる
● 視覚に対して効果的にアピールする工夫
● ユーザーの心理的ハードルを下げる
ユーザーに起こしてほしい行動を明確にする
ユーザーに起こしてほしい行動を明確にすることは非常に大切です。どのような行動を起こしてほしいかが伝わらなければ、せっかく興味を持ってくれていてもユーザーはアクションを起こすことができません。
例えば、商品購入のCTAだと、ただ文字で「詳細は以下をクリック」とするよりも、文字やイラスト、配置を上手く設定して「↓↓詳細は以下をクリック↓↓」のように工夫すると良いでしょう。他にもテキストの色を変えて強調するなど、目につきやすく、具体的にどう行動するのかを分かりやすくすることを意識しましょう。
選択肢はできるだけ減らす
CTAの質を高めるためには、選択肢をできるだけ減らすことも重要です。興味を持ったものの、CTAの選択肢が多すぎるとせっかく高まった行動意欲の熱を冷めさせてしまいかねません。
実際に人の行動心理学上の傾向として、選択肢が多すぎるとその中から1つを選択することを避けようとする「決定回避の法則」があります。確かに、選択肢をいくつも用意すると興味を持ってくれやすくなるケースもありますが、結果的にユーザーが行動しないケースも多いです。そのため、行動してほしい選択肢を厳選して用意することが非常に大切になります。
リンク先をイメージさせる工夫
リンク先をイメージさせるようなイラストや、分かりやすい言葉を使う工夫もCTAの質を高めることに関わってきます。
例えば、メルマガ登録のCTAで長々と「定期配信を受け取るのはこちらから(無料)」とするよりも、簡潔に「メルマガ登録はこちら(無料)」としてみましょう。簡潔にわかりやすく説明することで、相手に内容がより伝わりやすくなります。
他にも、記事の本文で答えや結論を出さずに「○○に関する記事はこちら」と紹介すると、ユーザーの「知りたい」という感情を利用でき、他の記事のアクセス数が増えることがあります。
このようにリンク先がどのようなページなのか、何ができるのか、を明確にしてイメージさせると、結果的に行動してくれる可能性が高まります。
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緊急性を持たせる
CTAを高めるために緊急性を持たせることも効果的です。人は緊急性を煽られると「今手に入れないと損する」という気持ちになります。
人は得をすることよりも損をすることを回避しようとする「損失回避の法則」が働くので、この法則を上手に使うとユーザーは行動に移しやすくなるでしょう。
逆に、緊急性を持たせなければ「今はいいか」と感じるようになり、結果的に購入には至らないといったケースが多いです。そのため、緊急性を持たせることにより「今買わなければならない理由」を提示して行動を促しましょう。
視覚に対して効果的にアピールする工夫
視覚に対して効果的にアピールする工夫も非常に重要です。サイトや広告を見ている人は文章を全て読んでいるわけではありません。
読んでいたとしても要所だけを読んでおり、ほとんどはイラストやページの雰囲気から判断していることが多いです。そのため、いかに視覚に訴えかけるような工夫をするかでアクセス数やCTAの効果も変わってきます。典型的な例として、重要な言葉や文章だけに太文字や色を付けるといった工夫が挙げられます。
他にも、暖色系や寒色系の色を使うといった簡単な工夫でもユーザーにイメージをさせられるので、一度ちょっとした工夫をしてみましょう。
ユーザーの心理的ハードルを下げる
ユーザーの心理的なハードルを下げることもCTAを高めるために必要です。例えば、ユーザーに行動を起こさせる際に手順が10個もあれば、いくらユーザーが興味を持って行動の意欲が高くても、冷めてしまうことが予測されます。
また、人間は新しいことやリスクが無いように感じるものにも警戒心や不信感を抱きやすいため、いかに心理的ハードルを下げるかが非常に大切です。そのため、多くのCTAとして行っているのが「たった1分でできる!」や「会員登録不要!」といった簡単にできるという言葉を付け足すことです。
このようにユーザーの行動の熱量を下げさせないように、いかに手軽にできるのかを伝えて心理的なハードルを下げさせましょう。
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CTAの注意点
CTAを向上させる方法ばかりを意識しているだけでは、いずれ失敗してしまいます。それは、CTAには注意するべき点があるからです。
● 設置した後はデータを確認する
● 改善・工夫を怠らない
● 数を増やしすぎない
設置した後はデータを確認する
CTAを設置した後は、結果はどうだったのかデータを確認しましょう。ページ作成の際に設置した場所はあくまで仮想のもので、実際にアクセスされたのか、効果があったのかはデータで確認しなければ分かりません。
データの確認を怠ると、どれだけ良い場所に設置できていても日々のアクセス数は変化に対応できずに徐々に数値が落ちて来ます。また、データを確認することで、「何がいけなかったのか」「何が上手くいったのか」など成功と失敗のノウハウが溜まり、後々の大きな財産となります。
改善・工夫を怠らない
CTAの質を高めるために、最も重要であるのが改善と工夫を怠らないことです。既に多人数にアクションを起こさせているWebサイトや広告ですら、さらにより良いものを作るために日々改善しています。一度作ったページをそのまま放っておいて、何も手を付けないことは避けるべきです。
商品・サービスによっては、季節やタイミングによってアクセス数が変わってくることもありますので、その変化に対応するために改善と工夫は必ず行わなければなりません。地道な工夫と改善が、競合他社との大きな差別化にもなることを理解しておきましょう。
数を増やしすぎない
CTAのボタンを増やしすぎるのも良くありません。なぜなら、CTAボタンが多ければ情報取集目的のユーザーからするとストレスとなり、逆に離脱されてしまうリスクが高まるからです。
また、CTAボタンを増やしすぎるとそれだけユーザーの行動も分散することにも繋がるので、結果的に成果を得られず、参考になるデータも取得できなくなってしまう恐れがあります。そのため、誘導先の優先順位を考えてCTAのボタンの数を決めていきましょう。
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・WEBサイトの改善に役立てるヒートマップの活用方法
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CTAの作成方法
効果的なCTAボタンを作成するには、以下の構成要素に工夫を凝らします。
● CTAのデザイン
● CTAのテキスト
CTAのデザイン
CTAのデザインは非常に重要で、ひと目でボタンであることが分かるようにデザインします。ボタンであることが分からなかったり、リンクが貼られていない状態と認識されたりした場合はクリックされず、「CV=コンバージョン」に繋がりづらくなります。
仮に他の複数ページに渡って同様の状態である場合、Webサイト全体の「CVR=コンバージョンレート」低下にも繋がる可能性があります。そういったことを防ぐためにも、CTAのデザインに関しては以下の要素に工夫を凝らします。
● CTAの色
● CTAのサイズ
● CTAの形状
CTAの色
CTAの色は、背景とは対照的の目立つ色にすることが好ましいと言えます。例えば、注意を引く色と言われているのが赤や黃、オレンジといった暖色系ですが、Webページの背景に暖色系が使われている場合には目立たなくなってしまいますので、対照的な青や紫といった寒色系にします。通常のWebページであれば背景は白ですので、そのまま暖色系を使用します。
CTAのサイズ
CTAのサイズは、基本的には大きい方が目立つため好ましいと言えます。大きすぎるのもユーザビリティの観点からあまりよくありませんが、Webページの構成に合わせて背景に溶け込ませると、ボタンとして認識されづらくなりクリック率の低下にも繋がります。CTAの場合は目立たせる必要がありますので、逆に背景に溶け込ませないように大きめのサイズにします。
CTAの形状
ボタンの形状には様々ありますが、基本的にはシンプルでクラシックなイメージがある長方形です。ボタンとして認識されやすく、デザイン的にもWebページと一体感があります。
場合によっては円形や正方形、角丸などの方がデザイン的にしっくりくる場合もありますが、あまりに凝ったデザインやボタンと分からないようなデザインは避けるべきです。また、ホバーエフェクト(オンマウスで変化)などを取り入れて動的なボタンにすることもおすすめです。
CTAのテキスト
CTAボタンのテキストに関しては、以下の2つの要素に工夫を凝らしていきます。
● ラベリング
● マイクロコピー
ラベリング
ラベリングとは、いわゆるボタン内のテキストを指します。ボタンラベルとも呼ばれ、当該ボタンをクリックすることによって、その後どうなるのかを簡潔に表記します。例えば「会員登録はこちらから」「資料のダウンロードはこちら」「こちらより登録してログイン」といった簡潔で分かりやすく誘導しやすいキャッチフレーズを入れると効果的です。
マイクロコピー
マイクロコピーとは、ボタンの周辺に配置される短いテキスト文章のことを指します。当該ボタンをクリックすることによって、ユーザーはどのようなメリットが得られるのか、またはどういった目的が達成できるのかを端的に示します。
例えば、「会員登録せずにすぐ無料ダウンロードできます!」「お代は不要!全部無料で差し上げます!」「1分で簡単登録できます!」とった具合に、ユーザーへのメリットや目的達成などを端的に分かりやすく伝えます。
また、ユーザーの心理的不安を払拭してあげるような文言を入れることでも、クリック率の向上が期待できます。
例えば、「登録解除はいつでもできます」「1週間以内であれば返品可能」「こちらのサンプルお代は発生いたしません」といった、ユーザーに想定外のトラブルが起こらないことを明示するような文言が非常に効果的です。
CTAの改善方法
CTAを改善するには以下の施策を行います。
● 選択肢を減らす
● 行動喚起を明確に示す
● 心理的不安を払拭させる
選択肢を減らす
CTAを改善させるには、Webサイト内に記載されている選択肢を減らすのも一つの方法です。選択肢が多いとユーザーが迷う原因にもなります。例えば、心理学ではマジカルナンバー7という理論があり、人間が短期記憶で覚えられる数は7個までという研究結果もあります。
あまりに多い選択肢では、ユーザーが迷った挙げ句に一つも「CV=コンバージョン」に結び付かないということもあります。こういったことから、選択肢は本当にCVに結び付かせたい案件だけに絞るようにします。
行動喚起を明確に示す
当該Webページにおいて、ユーザーに「何をしてもらいたいか」を明確に示すことで、ユーザーはそのような行動を取ってくれる可能性が高くなります。当該Webページで説明の不十分なボタンが一つだけ置かれていても、ユーザーは何をどうしたらよいのか分かりません。
「このボタンは何のボタンなのか」「これをクリックするとどうなるのか」「遷移先では何が起こるのか」といったことが全く分からないため、クリックされるには至らない可能性が高くなります。
こういったことを改善するために、ユーザーにクリックさせるべきボタン付近には、行動喚起を明確に示すマイクロコピーを配置するようにします。
心理的不安を払拭させる
ユーザーの心理的不安を払拭させることでもCTAの改善に繋がる可能性があります。例えば「当該ボタンは安全ですよ」と示してあげることで、ユーザーの心理的不安を払拭してあげます。
しかしながら、ただ単に「安全です」と記載したところでユーザーは「何が安全なのか」「本当に安全なのか」が分かりません。そこで、「7日間無料でお試しができます」「無料登録!会費は一切かかりません!」「ダウンロードは無料です!」といった具体的な内容が分かるように施策を行い、心理的不安を払拭してあげます。
関連記事:CTA設計・見直しでコンバージョン率を改善する方法
CTAの事例
CTAはすでに多くの企業が実践しており、その効果が確認されています。
● Amazon
● Netflix
● ドミノピザ
Amazon
Amazonでは、ECサイト内に様々なCTAを配置しています。例えば、購入ボタンに関しては、ラベリングを分かりやすくして「カートに入れる」「今すぐ買う」という2種類の黄色いボタンを配置し購入を促しています。
また、ボタン付近には「ベストセラー」「◯日にお届け」「無料配送」「10%OFF」といった、その商品の詳細を伝えるマイクロコピーが多数表示されています。これによって、その商品が「どのくらい人気なのか」「いつ届くのか」「配送料はかかるのか」「割引はあるのか」といったことがひと目で分かるようになっています。
つまり、顧客がWebサイト内を色々詮索しなくても、購入を即断できる状態となっているのです。Amazonでは商品ページの至るところにこのようなCTAの仕掛けがあり、こういった配慮がユーザビリティの向上に繋がっています。
Netflix
NetflixのWebサイトにアクセスすると、非常にシンプルな構成でメールアドレスの入力欄と「今すぐ始める」の赤色ボタンがまず目に入ります。
こういったCTAを意識したボタンに加え、ボタン付近には「いつでもキャンセルOK」「まもなくご視聴いただけます」「メンバーシップを開始、または再開してください」といった、不安を払拭して誘導を促すマイクロコピーが配置されています。非常に印象的で登録しやすいCTAとなっています。
ドミノピザ
ドミノピザのWebサイトにアクセスすると、まず目に入るのが画面上部に設置された「配達注文」と「お持ち帰り予約」のボタンです。
顧客がWebサイト内で迷うことなく、すぐに購入に至るようにまずは「注文」と「予約」のボタンが分かりやすく色分けされ、適切な大きさで配置されています。
また、各広告のすぐ下には赤色で目立つ「詳しくはこちら」と表記されたボタンで、分かりやすく個別ページへ誘導しています。広告の大きさに応じて、ボタンの大きさも適切に変えている点にも注目です。
まとめ
CTAは、広告やサイトを運営する際に非常に重要になる指標です。実際にCTAを基準として広告ページやサイトを設計して、運用している人も多いです。
しかし、どれほど質の高い広告やサイトを作ってもいずれはCTAやアクセス数が落ちてくるので改善や工夫を怠らないことが重要となります。地道に努力した分だけ効果が出るだけでなく、あなた自身にもノウハウが溜まり、あなたの市場価値が高まりますので、効果的なCTAを模索してみてください。