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CPAとは?意味や設定方法、改善策を解説

2024.7.22
読了まで約 18

Web広告にはリスティング広告やディスプレイ広告、SNS広告など様々な種類がある一方、選択肢が多いためにどのような広告が自社にとって効果的なのか分からず悩んでいる方は数多くいると思います。

CPAは、広告の効果測定における指標です。1件のコンバージョン(例:サービスの資料請求など)を獲得するために、いくらかかったのかを「広告費用÷コンバージョン件数」で求めることができます。

そこで、今回はWeb広告の費用対効果を測る上で重要な、CPA(コンバージョン単価)の重要性や改善策を解説します。

目次

CPAとは

CPAとは、Cost Per Acquisitionの頭文字を取ったもので、広告の効果を測定するための指標です。具体的には、1件のコンバージョン(例:サービスの資料請求、メールマガジンの登録、ネットショッピングでの購買など)を獲得するために、いくらかかったのかを示しています。

そのため、CPAは重要度が非常に高い指標とも言えます。裏を返せば、広告を展開し利益を上げるためには、CPAを理解しなくてはなりません。

CPAの計算方法

CPAは、以下の計算によって求めることができます。

CPA=広告費用÷コンバージョン件数

CPAは、コンバージョン1件あたりの広告費用を明らかにするものなので、式は広告費用全体をコンバージョン件数で割ったものになります。企業はコストをかけて広告を展開することになりますが、お金をかけてもコンバージョンが得られなければCPAは高くなります。例として、以下の表を確認してみましょう。

表:CPAの計算方法

この場合、広告A、B共に獲得したコンバージョンは5件ずつですが、広告に投じた費用が異なり、CPAの面では広告Aの方が成果を上げていると言えます。

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マーケティングにおけるCPAの重要性

CPAの重要性について以下の2項目を解説します。

● CPAが必要な理由
● CPAを考える際のポイント

CPAが必要な理由

Web広告運用において、CPAが必要な理由として挙げられるのが「費用対効果を知る」ためです。どのくらいの顧客単価で見込み顧客を獲得できたのかを判断できなければ、無駄に費用がかかってしまいます。そのため、広告費用を抑えながらCV発生につなげるために、CPAは非常に重要な指標の一つとなっています。

CPAの数値が低ければ、費用を抑えつつCV(コンバージョン)につながったことになります。逆にCPAの数値が高ければ、CV発生までに多くの費用がかかったことになります。Web広告の運用においては、成果を定期的にチェックしつつ、予算額を常に見直していく必要があるのです。

CPAを考える際のポイント

CPAを考える目的は、広告の費用対効果を確認することです。CPAの値が低ければ、企業にとって少ない広告費でたくさんのコンバージョンを獲得できているということになります。

ただし、ここで注意しなければいけないのが、CPAの数値が全てではないということです。CPAが変動する背景には何があるのか、その原因を突き止めなければ、計画的な広告の展開は難しくなってしまうのです。

また、CPAの値を下げようとするために広告費用を減らしてしまうと、コンバージョンが減る恐れもあります。すると、結果的に利益が下がる可能性もゼロではないことを念頭に置いておきましょう。

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CPAの具体例

以下でCPAの具体例について解説します。

■具体例1:A広告
例えば、広告費10万円かけてA広告を出稿し5CVを獲得した場合のCPAは以下になります。

10万円÷5CV=2万円(CPA)

上記の計算からCPAは2万円となります。

■具体例2:B広告
例えば、広告費50万円かけてB広告を出稿し40CVを獲得した場合のCPAは以下になります。

50万円÷40CV=12,500円(CPA)

上記の計算からCPAは12,500円となります。

これらを比較すると以下のようになります。

具体例1:A広告 CPA=2万円 10万円の広告費で5CV獲得
具体例2:B広告 CPA=12,500円 50万円の広告費で40CV獲得

上記の比較より、広告Aの場合は広告費10万円で5CVを獲得し、一見B広告に比べてコストが抑えられているように見えます。一方B広告の場合は広告費50万円もかけていますが、40CVを獲得することに成功しています。

これらのCPAを計算するとA広告は2万円、B広告は12,500円という数値になります。このことから、1人当たりにかかった広告費はB広告の方が安くなり、実際にはB広告の方が戦略的にコスト効率は良かったことが分かります。

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マーケティングでCPAを活用するメリット

マーケティングでCPAを活用するメリットとしては以下が挙げられます。

● 費用対効果を確認できる
● 必要とする広告費が把握できる
● 複数の広告の効果を比較し評価できる

費用対効果を確認できる

CPAは費用対効果を確認できる指標としても活用ができます。CPAは1件のCV発生にかかった広告費用のことですので、CPAを参考にすることによりかかった広告費用が妥当なのかが判別できます。

CPAの値が高い広告はそれだけ1件のCV発生に多くの広告費をかけたことになります。逆に、CPAの値が低い広告はそれだけ1件のCV発生に少ない広告費で済んだことになります。CPAのこういった可視化された値を一つの指標として参考にするだけで、その広告に対する費用対効果が妥当なものなのかを判別できるのです。

必要とする広告費が把握できる

CPAは必要とする広告費の大まかな金額を割り出せるメリットもあります。例えばCPAの値が4万円で、この金額から5件のCVが発生した場合の広告費は約20万円となります。

このように「CPA×CV数」で計算を行えば、かかった大まかな広告費を割り出すことができます。複数広告を運用している場合は、CPAの低い値とCPAの高い値から平均値を割り出すことで、一律の広告費の目安とできます。

複数の広告の効果を比較し評価できる

複数広告の運用を行っている場合は、各々のCPAの値を見比べることで広告効果の大まかな良し悪しを確認できます。CPAは「CV発生にかかった広告費」ですので、これらの値を見比べるだけで複数の広告に優劣を付けられます。例えばCPAが8万で5CV発生の場合の広告費は40万円となります。

一方、CPAが4万で5CV発生の場合の広告費は20万円となります。前者は5CVを獲得するために40万円の広告費をかけていますが、後者は同条件において半分の20万円で済んでいます。このようにCPAの値から複数の広告を見比べて比較し評価ができます。

関連記事:クリエイティブの意味は?バナー広告など効果的な広告運用のポイント

CPAの設定方法

CPAの設定方法について、以下の2つの指標を解説します。

● 限界CPA
● 目標CPA

限界CPA

限界CPAは、1件のCV発生までにかけられる費用の上限額のことです。つまり、CPAに対して「広告費を上限これだけかけられる」という限界ラインとなります。限界CPAは以下の計算式で算出できます。

限界CPA=商品やサービスの単価-原価-経費

例えば、商品やサービスの単価が1,000円として、原価が300円、経費が100円の場合、限界CPAは600円となります。広告費はこの600円という範囲内で捻出する必要がありますが、限界CPA目一杯を広告費に充ててしまうと利益が出ないため、あくまで上限値として捉える必要があります。

限界CPAが分かれば施策継続の判断もできる

CPAにおける金額が限界CPAより低ければ黒字となり、高ければ赤字となります。つまり、限界CPAを明確にすることにより、現在の施策を継続できるか、改善もしくは撤退するか、という判断ができるようになるのです。

目標CPA

目標CPAは、1件のCV発生までに費用をどれくらいまでかけるのか、という目標額のことです。割り出した限界CPAの金額を基に、目標CPAを設定していきます。目標CPAは以下の計算式で算出できます。

目標CPA=限界CPA-目標利益額(確保したい利益額)

例えば、限界CPAが600円で目標利益額が400円だとすれば、目標CPAは200円となります。つまり、広告費にかけられる金額は200円以内と判断できます。

目標CPAを設定する際の注意点

注意点として、戦略なしにむやみに広告費枠を小さく設定しすぎないようにする必要があります。少しでも利益を確保したいがために、目標利益額を大きく設定すれば広告費は小さくなりますが、ユーザーの広告流入も減少し、ひいてはCVも減少する悪循環となってしまうことがあります。

広告費を極限まで小さく設定した結果、利益が出なくなったという本末転倒な結果にならないように、しっかりとした戦略を基に目標CPAを設定する必要があります。

ビジネスモデル別のCPA算出方法

CPAの算出は主に以下のビジネスモデル別に分けて行います。

● リピート性の高い商品
● リピート性の低い商品
● 利益が出ない場合

リピート性の高い商品

リピート性の高い商品とは、食品や化粧品、日用品などユーザーが何度もリピートし、繰り返し購入する商品を指します。こういった場合の限界CPAは以下の計算式で算出できます。

(平均顧客単価-平均原価)×平均購入回数=限界CPA

例えば、平均顧客単価が1,000円で平均原価が300円として平均購入回数が10回の場合、限界CPAは7,000円となり1人あたりにつき7,000円の広告費が限界値となります。

この導き出された限界CPAからさらに目標CPAを算出したい場合は以下となります。

限界CPA-確保したい利益=目標CPA

もしくは

限界CPA×(100%-目標利益率)=目標CPA

リピート性の低い商品

リピート性の低い商品とは、家や車、仏具など、ほぼ一回限りの買い切り商品で何度も繰り返し購入しない商品を指します。こういった場合の限界CPAは以下の計算式で算出できます。

顧客(売上)-原価=限界CPA

この導き出された限界CPAからさらに目標CPAを算出したい場合は以下となります。

限界CPA-確保したい利益=目標CPA

もしくは

限界CPA×(100%-目標利益率)=目標CPA

利益が出ない場合

利益が出ない場合とは、主に広告を集客手段のためだけに利用する場合です。リード獲得のための資料の請求、お試し無料体験、サンプルの送付など、利益を考慮していない場合の限界CPAの算出方法が以下となります。

顧客(売上)単価×利益率×成約率=限界CPA

もしくは

(顧客単価-原価-経費)×成約率=限界CPA

この導き出された限界CPAからさらに目標CPAを算出したい場合は以下となります。

限界CPA-確保したい利益=目標CPA

もしくは

限界CPA×(100%-目標利益率)=目標CPA

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CPA以外の主な指標と計算式

広告の費用対効果を明確にすることは、非常に難しいと言われています。広告の役割は大きく情報伝達、欲望創出、購買への説得と3つに分かれますが、特に情報伝達は費用対効果を目視などで確認することが困難になります。

その商品やサービスを知っている、ということに対しては調査の方法が限られてくるからです。例えば、街灯でのインタビューや調査会社が行う無作為のアンケート調査でのみ、そういった情報が得られます。

ただし、欲望創出や購買への説得の結果、顧客が実際に商品やサービスの購入に至った場合であれば、広告の効果を測ることができるのです。それが「ROAS」、「ROI」、「CPA」などです。CPAと似た用語があり、ここではそれらの違いについて説明します。

CPO

CPOとはCost Per Orderの略で、注文1件当たりにかかる費用を表す指標です。CPOは以下の式によって求めることができます。

CPO=広告費÷(商品やサービスなどの)受注件数

例えば、1,000万円の広告費を投じて広告を展開したとします。実際の受注件数が1,000件だった場合、CPOは1万円になります。低いCPOは、受注1件あたりの広告費が安いことを意味するので、企業にとってはCPOが低ければ低いほうが良いというケースもあります。

CPOは、商品やサービスの受注1件当たりの広告費を示す指標です。一方でCPAはコンバージョンを対象にしているため、必ずしも商品やサービスの受注はCPAの対象に含まれません。つまり、CPOとCPAは1件あたりの広告費を示す対象が異なるので注意が必要です。

CPC

CPCとはCost Per Clickの略で、クリック1回にかかる費用を表す指標です。ユーザーがブログやWebページに掲載されている広告をクリックして、広告主のページにアクセスした場合、企業は広告のクリックに対して費用を支払うことになります。

この1クリックをしてもらうのに、いくらの費用がかかったのかを表すのがCPCです。CPCは以下の式によって求めることができます。

CPC=広告費÷獲得したクリック数

例えば、広告費が10万円で獲得したクリックが1,000件だった場合、CPCは100となります。これはクリック1件あたりに100円がかかったということです。

CPAは顧客を獲得するための単価であり、CPAが発生するには実際の購買や申し込みが必要です。一方のCPCは、あくまでもクリックを対象としており、間違えてクリックした場合などもCPCに含まれます。そのため、必ずしも購買行動が伴うわけではないことには注意しましょう。

CTR

CTRはClick Through Rateの略称で、広告などがクリックされる割合を指します。CTRは以下の式によって求めることができます。

CTR=クリック数÷表示回数×100(%)

例えば、販促URLが記載された1万件のメールを顧客に送信し、うち100件のユーザーがURLをクリックすれば、それはクリック率1%ということになります。

CVR

CVRとはConversion Rateの略で、「Webサイトにアクセスがあった数のうち、商品やサービスなどの購入にいたった割合」を示す指標です。CVRは以下の式によって求めることができます。

CVR=(コンバージョン数÷Webサイトへのアクセス数)×100(%)

Webサイトのアクセス数を示す指標として、PV(ページビュー)数とUU(ユニークユーザー)数がありますので、自社のWebサイトではどちらを重視しているのかを見極めながら、臨機応変に使い分けてください。

ROI

ROIはReturn On Investmentの略称で、投資利益率または投資収益率のことを指します。投資対象からどのくらいの利益、または収益が得られたのかを表す指標となります。

ROIの数値が高ければ、投資対象から効率的に利益または収益を得られていることになり、投資は効果的だったと判断できます。逆に数値が低ければ効果的な投資には至っていないと判断できます。ROIは以下の式によって求めることができます。

ROI=利益(売上-売上原価-投資額)÷投資額×100(%)

いわゆる利益は粗利のことであり、売上から売上原価などを差し引き手元に残った利益です。そして投資額は経費、もしくはかかったコストなどを指します。利益(粗利)が投資額より少ない場合、ROIが100%を下回ってしまうことになり、当該ビジネスは赤字を出す可能性が高いことを示します。

ROAS

ROASとは、Return On Advertising Spendの略であり、広告費用の回収率を表す指標です。ROASは以下の式によって求めることができます。

ROAS=売上÷コスト×100(%)

例えば、売り上げが100万円、広告にかけるコストが50万円だった場合、ROASは200%になります。これは、広告費1円あたりで2円の売り上げがあったということになります。

LTV

LTVとはLife Time Valueの略称で、顧客1人がサービスを使い続ける期間で生み出す利益のことを指します。これには、複数の算出式があります。年間の利益から年間の総顧客数を割って算出する式や、年間での1人当たりの平均売上額に、年間での平均購入頻度をかける式もあります。当てはめやすい数字で算出し、LTVが判明すると限界CPOも明確化されるため、まずはLTVの算出から始めてください。

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CPAを評価する方法

CPAの良し悪しを評価、判断する方法としては以下が挙げられます。

● 目標CPAと比較する
● CPAの相場と比較する
● LTVと比較する

目標CPAと比較する

あらかじめ自社で設定した目標CPAと現状のCPAを比較することでCPAの良し悪しを把握できます。現状のCPAが目標CPAを上回っていればCV獲得に対して低コストを実現できていると言えます。逆に現状のCPAが目標CPAを下回っていればCV獲得に対して高コストとなっていると言えます。

つまり現状のCPAが目標CPAを上回っている場合は、施策はそのままに広告費を増やすことでさらなるCVの獲得が見込めます。逆に現状のCPAが目標CPAを下回っている場合は、そのまま施策を継続すると赤字になる可能性が高いため内容を見直すか、一旦広告の出稿を停止して戦略を練り直す必要があります。

CPAの相場と比較する

米国カリフォルニア州に本社を置くLocaliQというインターネット広告代理店がGoogle広告における業界別CPAの相場を公表しています。

参考:WordStream By LocaliQ Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]

2024年4月時点でのCPA相場は、例えばGoogle広告ではBtoB業界が116.13米ドル、GDN(Googleディスプレイネットワーク)では130.36米ドルとなっています。またEC分野では、Google広告が45.27米ドル、GDNが65.80米ドルとなっています。こういった業界におけるCPAの相場と自社の現状におけるCPAを比較することで、CPAの良し悪しを把握できます。

LTVと比較する

CPAを「LTV=顧客生涯価値」と比較することでCPAの良し悪しを把握できます。LTVとは「Life Time Value」の略で、1人の顧客が生涯にわたってどれだけの利益を自社にもたらしてくれるかを表す指標です。このLTVの値をCPAが上回っていた場合、高コストになっていることが予測できますので施策の見直しが必要と判断できます。

CPAを改善する視点

CPAを改善していくためには、以下の2つの視点から考察していきます。

● CPCを下げる
● CVRを上げる

CPCを下げる

CPCは「Cost Per Click」の略称で、クリック単価のことです。Web広告が一回クリックされるたびにかかるコストで「広告費用÷クリック数」で算出されます。

GoogleやYahoo!などのリスティング広告においては、ビッグキーワードともなれば1クリック数百円から数千円ほどに及ぶこともあります。CPA改善におけるCPCを下げる施策は、非常に重要かつシビアな課題となります。

CVRを上げる

CVRは「Conversion Rate」の略称で、CV(コンバージョン)率を指します。Webサイト内でCVに至ったユーザーの割合がどの程度かを示す指標となり「CV数÷クリック数」で算出されます。

広告からのユーザー流入数がいくら多くても、遷移先であるランディングページでCVにつながらなければ、広告費用を回収できずCPA改善には至りません。ランディングページ内において、ユーザーがCVに至るよう導線をしっかり整備し、ページ内の質を高めていく必要があります。

CPCを下げる施策

CPAを改善するという目的において、CPCを下げるには以下の施策を行っていきます。CPCを改善するには、主に出稿する広告内容を見直していきます。

● キーワードを見直す
● 広告文を見直す
● 広告画像を見直す
● ランディングページを見直す

キーワードを見直す

CPCを下げるために効果的なのが、キーワードを見直すことです。リスティング広告では、ビッグキーワードの値段が高い場合が多く、CPCも高くなりがちです。ターゲットを絞り込み、2語から3語程度を組み合わせた複合キーワードにすると、CPCを下げることができます。

広告文を見直す

出稿している広告文は、ユーザーがクリックしたくなるような内容かどうかを確認します。広告のクリック率が上がれば品質スコアも高くなり、CPCを抑えながら検索結果の上位表示を達成できるようになります。

また、広告文の内容が遷移先であるランディングページとしっかり関連しているか、広告文の中にキーワードが入っているかも確認します。これらの要素は品質スコアに影響するため、広告内容とランディングページをしっかりと紐付けるようにします。

広告画像を見直す

出稿している広告の画像は、ターゲットの気を引く画像なのかを確認します。せっかく広告を出稿してもユーザーが興味を示さずクリックされなければ、品質スコアが上がらずCPCは下がりません。ユーザーが思わずクリックしたくなるような、クリエイティブなデザインになるよう工夫しましょう。

ランディングページを見直す

しっかりとユーザーのことが考えられたランディングページ構成となっているか確認します。出稿されている広告から遷移先であるランディングページへユーザーを誘導することができても、ランディングページの利便性が悪ければ、ユーザーがページを離脱する可能性が高くなります。

リスティング広告ではランディンページの利便性や広告の関連性も品質スコアを決定する重要な要素となっており、CPCの改善に影響が出てくる可能性があります。ランディングページにおけるユーザーの利便性を向上させ品質スコアを上げれば、CPCを抑えつつ検索結果の上位表示を達成することが可能となります。

関連記事:CTR(クリック率)とは!広告でもよく使われる意味を解説

CVRを上げる施策

CPAを改善するという目的において、CVRを上げるには以下の施策を行っていきます。CVRの改善は、主に遷移先であるランディングページの見直しを行っていきます。

● ファーストビューを意識する
● 重い画像は使用しない
● ユーザーが求めている情報を提供する
● CV発生までの導線を意識してページ構成を最適化

ファーストビューを意識する

ファーストビューとはランディングページが表示されてから、ユーザーの目に入る最初の領域のことです。ファーストビューは、ユーザーがその後ページ内を閲覧するかどうかを判断する最初の情報となり、CVに至るまでの最初の関門となる部分です。

キーワードや広告内容とファーストビューをしっかり紐付けし、ユーザーが最初の段階で離脱しないように、ぱっと見で必要最低限の情報をここで与えてあげる必要があります。

重い画像は使用しない

ランディングページ内では、重い画像を使用しないこともCVRを上げる上で重要な施策となります。インターネットにおける「3秒ルール」というものがあり、3秒以内にページが表示されない場合、ユーザーはページを閉じてしまう可能性が高くなります。UXやユーザビリティの観点からも、重い画像を使用しないことがCVRを上げる一つのコツとなります。

ユーザーが求めている情報を提供する

ピンポイントでユーザーが求めている情報を提供することも、UXやユーザビリティの改善につながり、ひいてはCVRが上がることにつながります。ユーザーが求めている情報を整理し、読みやすい状態で配置していれば、ユーザーは違和感なく読み進めることができます。すると、サイト滞在時間も大幅に伸び、CVに至る可能性も高くなります。

CVまでの導線を意識してページ構成を最適化

ランディングページでは、ストーリーテリングを活用したページ構成がCVRを上げる重要な要素となります。ストーリーテリングとは、相手に伝えたい事柄を物語風な演出を交えながら印象付けていく技法で、セールスライティングにおける記事執筆の際によく用いられます。

最後まで文章をユーザーに読んでもらうためには、途中でページを離脱しないように、ストーリーを意識したページ構成にすると効果的です。ランディングページにおいては、このストーリーテリングの効果を活用し、CVまでの導線を組み立てることが非常に重要な施策となります。

関連記事:コンバージョンレート(CVR)とは!マーケ担当なら知っておきたい計算方法や改善方法!

CPAを改善するそのほかの方法

CPAを改善するそのほかの方法についてもいくつか施策が行なえます。それが以下の項目となります。

● ターゲットを見直す
● 入札単価を下げる
● 効果が出ていない広告の配信をやめる
● 広告媒体を見直す
● フォーム最適化(EFO)を行う

ターゲットを見直す

CPAを改善する方法として、まずはターゲットの見直しを行います。CPAが高いにも関わらずCV発生率が著しく低い場合はターゲットがずれている可能性があります。CPAが高いということは、広告自体はクリックされているものの当該商品やサービスを前にして、離脱されてしまっていることが考えられます。

つまり、広告に表示されていた内容に興味や関心はあったが、実際の商品やサービスは思っていたものと違っていたと捉えられます。それは値段であったり機能であったり様々な要因が考えられますが、そういった場合は商品やサービスの内容に、より近いターゲットに変更することで改善される場合があります。

入札単価を下げる

CVの発生率が低いにも関わらず、CPAが下がらない場合は入札単価を下げるのも一つの手段です。しかしながら、入札単価を下げれば単純に広告費用は抑えられますが、同時に表示回数や掲載順位の低下という問題も発生します。

一度下がってしまった順位は回復するまでに時間もかかり、また元に戻るかどうかもわかりません。そのため、入札単価を下げるときは慎重に行い、一度に大幅ダウンさせず徐々に下げていくようにします。

効果が出ていない広告の配信をやめる

効果が出ていない広告に見切りを付けて配信をやめることで、CPAを改善させることも考えます。その場合、追加で新しい広告を出稿することも同時に行います。広告の出稿量が少なくなると「CVR=コンバージョンレート」やクリック率の低下につながることもあります。

効果が出ていない広告は、上項目「ターゲットを見直す」でも解説した通り、ターゲットがずれている可能性が高いため、Webサイトのコンテンツ内容に見合ったターゲットに見直すことで改善が期待できます。

広告媒体を見直す

ターゲットの見直しや入札単価を下げるなど、一通りCPA改善のための施策を行ったにも関わらず、目立った改善が見られない場合は広告媒体を見直すことも視野に入れます。例えば、リスティング広告とSNS広告ではリーチできるターゲットが変わってきます。

リスティング広告ではキーワードから流入してくるターゲットに限定されますが、SNS広告では「同年代」「似通った趣味」などのセグメンテーションで表示されます。同様に、マス広告と交通広告ではその広告を目にする属性も異なるように、広告媒体を見直すことでCPAが改善される場合もあります。

フォーム最適化(EFO)を行う

CPAはフォーム最適化(EFO)を行うことでも改善が期待できます。例えば、フォームの入力途中でそのWebページを離脱してしまうユーザーが多い場合は、明らかにフォームへの入力作業が困難であることが伺い知れます。

あまりにも入力項目が多かったり、また入力途中でエラーが頻発したり、更には送信ボタンをクリックしたにも関わらず送信されなかったりと、ユーザビリティの悪いフォームはそれだけで離脱率が高まります。

すると、CV発生には至らずクリック率だけが高くなっていきますので、CPAは必然的に高くなります。こういったことから、フォーム最適化(EFO)を行うことで改善される場合もあります。

関連記事:BtoBサイトにおける最適なEFOとは?

CPAの改善にも関係する「品質スコア」とは

CPAの改善にも関係する「品質スコア」について以下解説します。

● 品質スコアとは
● 品質スコアの確認方法
● 品質スコアを決める3つの要素
● 品質スコアを上げるメリット

品質スコアとは

「品質スコア」とは、リスティング広告のGoogle広告で導入されている広告の品質を評価する値のことです。同じくリスティング広告のYahoo広告では「品質インデックス」と命名されていますが、同じ内容の指標となっています。

品質スコアは1から10までの10段階で広告が評価され、「キーワードとの関連性はあるか」「検索意図はマッチしているか」「LP(ランディングページ)としっかり紐づいているか」といった項目が審査されます。

品質スコアが高ければ、それだけユーザーとマッチしている広告と判断され、GoogleやYahooに優遇されます。すると上位表示がしやすくなり「CPC=クリック単価」も競合より安くなっていきます。

品質スコアの確認方法

Google広告の品質スコアは以下の手順で確認できます。

1. Google広告にアクセスしログインします。
2. 管理画面からキャンペーンをクリックします。
3. セクションメニューより「オーディエンス、キーワード、コンテンツ」のプルダウンをクリックします。
4. 「検索キーワード」をクリックします。
5. 表の右上「表示項目」アイコンをクリックします。
6. [キーワードの表示項目を変更] 欄で、[品質スコア]にチェックを入れます。
7. 適用をクリックして品質スコアを表示させます。

品質スコアを決める3つの要素

品質スコアは以下の要素により決定されています。

● キーワードやLP(ランディングページ)との関連性はあるか
● 推定クリック率はあるか
● LP(ランディングページ)に利便性はあるか

キーワードやLP(ランディングページ)との関連性はあるか

出稿した広告が指定したキーワードやLPに対して、関連性はどのぐらいあるかは審査対象となります。あまりにもキーワードやLPとかけ離れていると判断された場合は、品質スコアが低くなります。主に基準として管理画面には「平均より上」「平均値」「平均より下」で関連性の高さが表示されます。

推定クリック率はあるか

推定クリック率とは、対象広告においてどのぐらいクリックされるかという割合を予測した数値のことです。過去の運営履歴から広告表示回数やクリック数などから算出され、この数値が高いほど推定クリック率は良くなり、品質スコアもそれに伴って高くなる可能性があります。

LP(ランディングページ)に利便性はあるか

CVの発生場所であるLPにおいてユーザーに利便性はあるか、といったことも審査対象となります。移動ページであるLPにキーワードに沿ったコンテンツがしっかりとあるか、またわかりやすいレイアウトになっているかどうか、といったことが品質スコアの評価対象に反映されます。

品質スコアを上げるメリット

品質スコアを上げると以下のメリットがあります。

● クリック単価が下がる
● 広告の掲載順位が上がる

クリック単価が下がる

上項目「品質スコアとは」でも解説した通り、品質スコアが上がるとGoogleやYahooに優遇され「CPC=クリック単価」も競合より安くなっていきます。例えば、同じキーワードでも品質スコアが低いユーザーは1クリック当たり5円払わなければ出稿できない案件を、品質スコアの高いユーザーは1円で出稿できます。

広告の掲載順位が上がる

こちらも上項目「品質スコアとは」で解説した通り、品質スコアが上がると同じキーワードでも競合より上位表示できる可能性が高くなります。高い金額を払ってまで上位表示を狙うより、お金をかけずに少しでも品質スコアを上げることを考えたほうが、結果的に楽に上位表示ができるようになります。

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CPAを改善する際の注意点

CPAを下げることだけに注力すると、CVが減少する可能性が高くなります。そのため、CPAを改善する際には、以下の項目に注意する必要があります。

● CPAはあくまで指標の一つとして捉えるようにする
● 他の指標も参考にする
● CPAが多少悪化しても下げる即断をしない
● CPAは必ずしも低ければ良いという訳ではない

CPAはあくまで指標の一つとして捉えるようにする

上述「目標CPAを設定する際の注意点」の項目でも解説した通り、広告費を低く設定すればCPAは低くなります。しかしその結果、広告からの流入ユーザーも減少し、本来得られるはずのCVまで減少してしまうことがあります。広告費を低く設定する場合は、CVとの兼ね合いを考慮する必要があります。

他の指標も参考にする

CPAは、ユーザーがCVに至る直前の効果を測定した指標でしかありません。つまり、ユーザーがどういった経緯を辿り、どのような要素が決め手となってCVに至ったか、までは測定できないのです。そのため、CPAは他の指標も参考にしながら、段階的に下げていくという意識が必要となります。

CPAが多少悪化しても下げる即断をしない

広告からの流入ユーザーがしっかりとCVに至っていれば、CPAが多少悪化しても広告戦略自体は成功していることがあります。こういった場合はCPAをむやみに下げず、複数の指標との数値を見比べながら、他の原因を改善した方がよい結果になる場合もあります。

CPAは必ずしも低ければ良いという訳ではない

CPAは必ずしも低ければ良いという訳ではありません。確かにCPAを低くすればそれだけコストを下げられるため、基本的には低いに越したことはありません。ですが、他の要素を鑑みずただ単にCPAを下げてしまうと、広告が表示されなくなりCV数や売上、アクセス数なども同時に減少してしまうリスクが発生します。

つまりCPAを下げなければ、本来のCV数や売上をしっかり確保できていたにも関わらず、CPAを下げたことにより本来得られていたはずのCVや売上までも得られなくなる可能性があるのです。こういったことから、戦略を立てずただ単にCPAを下げるだけの行為はおすすめできません。

CPAが指標に適した場合と適さない場合

CPAは広告のコストパフォーマンスをはかる指標として有効ですが、指標に適した場合と適さない場合があります。

● CPAが指標に適した場合
● CPAが指標に適さない場合

CPAが指標に適した場合

CPAが指標に適した場合とは「CVの価値が一定」であるときです。つまり単一の商品やサービスのみを扱っており、キャンペーンやセールなどの価格変動もない場合に有効です。こういったときは、対1CVについての広告費が把握しやすく目標設定も容易に行えます。

CPAが指標に適さない場合

CPAが指標に適さない場合とは「CVの価値が異なる」ときです。つまり複数の商品やサービスを扱っており単価もそれぞれ異なるときは、CPAは適さないと言えます。このようなケースの場合、顧客による複数商品やサービスの購入などもあり、対1CVについての広告費が把握しづらくなります。

つまり正確なCPAが算出できず目標設定も行いづらくなるのです。こういった場合は、広告費からどれだけの売上が発生したかをはかる「ROAS」などの指標の方が向いていると言えます。

CPAを改善した成功事例

CPAを改善した成功事例として以下があります。

● 目標コンバージョン単価導入で成功
● ECサイトのCPA削減で成功
● 旅行サイトのCPA削減で成功

目標コンバージョン単価導入で成功

目標コンバージョン単価を導入したことでCPAが改善した成功事例もあります。目標コンバージョン単価とは、Google広告の自動入札機能で設定した予算内で効率的にCVを獲得できるシステムです。これを利用したことで、CV獲得数を限られた予算内で最大化することに成功しました。

ECサイトのCPA削減で成功

広告戦略を再構築しECサイトのCPAを削減したことで、獲得CV数を下げることなくコスト削減に成功した事例もあります。広告費を減らし一部を地方CM強化に回すことで新規ユーザーの獲得に成功し、売上が150%アップしました。

このようにただ単にCPAを下げるのではなく、期待値の高い媒体及び戦略へコストを回すことで、今まで以上の売上を確保できた事例となっています。

旅行サイトのCPA削減で成功

旅行業務を行うある企業では、自社旅行サイトの広告運用パフォーマンスを見直すことでCPAの削減に成功した事例があります。リスティング広告出稿において従来よりもキーワードの網羅性を高め、競合の少ないロングテールキーワードを積極的に採用することでCPAを下げることに成功しました。

いわゆる競合の多いレッドオーシャンキーワードを捨て、競合の少ないブルーオーシャンキーワードを積極採用したことにより、CPAを前年比で70%削減できCV数は3倍以上に伸ばせました。こちらも上項目「ECサイトのCPA削減で成功」同様に、ただ単にCPAを下げるのではなく競合を避けたロングテールキーワードからのアクセスに着目したことが奏功した結果となっています。

CPA改善に役立つツール

CPAを改善するためには、ユーザーの行動パターンを把握し、可視化することが重要です。以下はCPA改善に役立つツールとして利用されています。

● ヒートマップ
● Googleオプティマイズ
● チャットボット

ヒートマップ

ヒートマップは、Webサイト内におけるユーザーの行動を可視化できるツールです。ページ内のどこがよく読まれているか、どのあたりのクリック率が高いか、どこでページを離脱したかなど、色の濃淡で確認できます。ランディングページ内におけるコンテンツの改善などに適しています。

Googleオプティマイズ

GoogleオプティマイズはA/Bテストが無料で行えるツールです。広告出稿においてABテストは非常に重要であり、CPA改善はもとよりCVRを上げるためにも行う必要があります。簡単なテストであれば外部企業に依頼することなく、Googleオプティマイズでスピーディに行うことができます。

関連記事:ABテストとは?4つの種類とやり方、仕組みをわかりやすく解説

チャットボット

チャットボットはチャットボットを合わせた造語です。ユーザーの質問に対し、自動で応答ができるシステムです。

ランディングページなどにチャットボットを設置しておけば、ページ内で不足している情報を補ってくれる役割を果たします。こうすることで情報不足によるユーザーのページ離脱を防ぎ、CVにつながる可能性が期待できるようになります。

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まとめ

WEBサイト運営を担当されている方は、様々なマーケティング手法を取り入れながら、より効果のある広告を制作しようと頭を悩ませているかと思います。

コンバージョン単価とも呼ばれるCPAは、「広告費用÷コンバージョン数」で求められる、広告運営上で欠かせない重要な指標の一つです。CPAが低ければ低いほど、広告の効果が高く利益も高くなります。

しかし、CPAを下げることに固執して広告にかかる予算を抑え過ぎるとコンバージョン数が減り、結果的に利益が減少してしまうことも考えられます。CPAを正しく評価した上で、広告を運営することが大切になってくるのです。

具体的な目標は数字を設定することから始まるため、CPAとCPOは重要な指標です。広告出稿を持続させるためにも、CPAとCPOは明確に算出しておくべき指標のため、マーケティング戦略にお悩みの方は試してみてはいかがでしょうか。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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