日常生活やビジネスの場において、インターネットを使って検索をしない日はないと言っても過言ではありません。このインターネット検索に欠かせないのが「ブラウザ」です。しかし、ブラウザの意味や概要が分からないという人もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、ブラウザの意味や役割、種類などについて解説します。また、ブラウザと一緒に出てくることの多いCookieやキャッシュに関しても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ブラウザとは?
まずは、ブラウザの概要から解説します。ブラウザとは、ホームページやWebサイトを閲覧する際に使われるソフトウェアのことです。
「Webブラウザ」という言葉もありますが、Webブラウザとブラウザは同義語です。ブラウザは「browser」と英語で表現されますが、語源は「browse」です。つまり、ブラウザには「ざっと見る」「拾い読み」などの意味があります。
ブラウザの代表例としては、Google Chrome、Safari、Firefoxなどが挙げられます。それぞれのブラウザによって特徴が異なり、Google ChromeはGoogleが提供している各ツールとの連携性に優れており、SafariはiPhoneでおなじみのAppleが開発したブラウザであるため、Android端末のスマホやタブレットなどでは利用できません。
したがって、日常生活やビジネスシーンなど、自身の状況・使用しているツールに合わせたブラウザを使うことが大切です。
またブラウザにはブックマーク機能が備わっており、頻繁に利用するWebサイトや自分のお気に入りのWebページ、動画やダウンロードのURLなどを登録しておくことで、毎回入力しなくてもワンクリックでアクセスできるようになります。
ブラウザの役割
ここまで、ブラウザの概要を解説してきました。ブラウザには、主に2つの役割があります。
● Webページを表示する
● 各サービスをブラウザ上で利用する
Webページを表示する
ブラウザは、Webサイトのソースコードを瞬時に読み込み、Webページを表示する役割を担っています。Webサイトやホームページは、HTMLやCSS、JavaScriptなど、多数のプログラミング言語にて構成されています。
これらをプログラミング知識のない人が読んだとしても、何が書いてあるのかは全く分かりません。しかし、ブラウザは一般の人でもWebページとして認識できるように、プログラミング言語をWebページに変換するという役割を持っているのです。
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また、ブラウザでWebページとして表示した後、ユーザー自身で画面の拡大や縮小をすることもできます。スマートフォンを例にすると、指の間を狭めたり、広げたりすることで簡単に拡大や縮小することが可能です。
日常的に見ているニュースサイトやその他のサイトなどを、ショートカットアイコンとしてホーム画面に追加できるのもブラウザの機能の1つです。
このように、ブラウザはWebページの表示に留まらず、Webページを表示した後にも多彩な機能が搭載されています。
各サービスをブラウザ上で利用する
上述したように、ブラウザではWebサイトを”Webページ”として表示させることが可能です。くわえて、各種サービスをブラウザ上で利用することもできます。
たとえば、YouTubeなどの動画サービスや、ブラウザ上でダウンロードすることで楽しめるゲームアプリなどが挙げられます。
特に、ゲームアプリなどはインストールをすると端末の容量を消費してしまいますが、ブラウザ上で遊べるゲームアプリであれば、端末の容量を消費することもありません。
他にも、労務管理システムや勤怠管理システムなど、ブラウザがあれば手軽に利用できるサービスも増えてきています。
このように、ブラウザは各サービスのプラットフォームとしての役割も担っています。効果的にブラウザを活用することで、業務効率化につなげられるなど日常生活で時短を図ることも可能になるでしょう。
Webブラウザの種類
ブラウザ(Webブラウザ)とひとくちに言っても、様々な種類のWebブラウザが存在します。例としては下記が挙げられます。
● Google Chrome
● Firefox
● Opera
● Safari
● Microsoft Edge
● 番外編:Internet Explorer(IE)
ここでは、それぞれのWebブラウザの特徴を簡単に解説します。
Google Chrome
Google Chromeは、世界で最もシェア率の高いWebブラウザです。Androidの端末ではGoogle Chromeが標準で搭載されており、世界ではiPhoneよりもAndroid端末のシェア率のほうが高いことから、Google Chromeが広く利用されています。
Googleアカウントを作成した上でGoogle Chromeを使えば、GoogleカレンダーやGmailなどと連携できるため、普段からGoogleサービスを利用しているという人や、複数のツールを一括で使いたいという人におすすめです。また、Google以外のサービスであっても、Google Chromeに対応しているケースがほとんどです。
またGoogle Chromeは、各種アドオンを利用して、無料で機能を拡張することもできます。広告ブロッカーやスクリーンショットの編集、翻訳機能など、便利な機能をWebブラウザに実装できます。
さらに、エンジニアのためのデベロッパー向けアドオンも充実しており、これらを利用すれば効率的に作業を進められます。主なアドオンとしては以下のものがあります。
● 一般ユーザー向けGoogle Chromeアドオン
● デベロッパー向けGoogle Chromeアドオン
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一般ユーザー向けGoogle Chromeアドオン
一般ユーザー向けアドオンとしては、たとえば以下のようなものがあります。
● uBlock Origin:広告ブロック
● Awesome Screenshot:スクリーンショットの取得と編集
● Google翻訳:海外サイトの翻訳
uBlock Origin:広告ブロック
uBlock Originは、Webサイトに表示される数々の広告をブロックしてくれるブラウザ拡張機能です。アフィリエイトやアドセンス収益が目的のWebサイトで効果を発揮してくれます。
広告が少なくなるばかりでなく、ページの表示速度も早くなり、ユーザビリティ向上にも貢献します。
広告ブロッカーはメモリ使用量が多いものもありますが、uBlock Originのメモリ消費量はそこまで多くないため、他のアプリケーション動作がもたつくこともありません。
関連記事:広告ブロックとは?PCやスマホでGoogle Chromeの広告をブロックする方法を解説
Awesome Screenshot:スクリーンショットの取得と編集
Awesome Screenshotは、PC画面のスクリーンショットを簡単に取得して編集できるブラウザ拡張機能です。他の画像ソフトを使用することなく、取得したスクリーンショットをそのままGoogle Chrome上で編集できます。
画像サイズの調整やトリミング、図形やテキストの挿入、ペンツールの使用やぼかしの適用など、簡単な画像編集ならスクリーンショット取得からワンストップで行えます。
またAwesome Screenshotは、動画のキャプチャ機能も備えています。時間無制限で動画キャプチャを行う場合は有料となりますが、5分までであれば無料でできます(2023年10月時点)。
Google翻訳:海外サイトの翻訳
Google翻訳は、海外サイトから情報源を取得するときにとても重宝するブラウザ拡張機能です。
以前よりGoogleの翻訳サイトは提供されていますが、こちらのアドオンを実装すれば、Google翻訳サイトに移動しなくても、現在表示されている海外サイトのページ全体をクリックするのみで翻訳できます。
翻訳後はメニューバーから「原文」と「翻訳」を切り替えることもでき、メイン言語以外の言語も表示させられます。
デベロッパー向けGoogle Chromeアドオン
デベロッパー向けアドオンとしては、たとえば以下のようなものがあります。
● Web Maker:リアルタイムコード確認
● HTMLエラーチェッカー:HTMLのエラーチェック
● Lighthouse:Webサイトパフォーマンス測定
Web Maker:リアルタイムコード確認
Web Makerは、自分で記述したコードを、リアルタイムで結果が確認できるライブコーディングアドオンです。
現時点で記述しているコードが実際に動作するのか、またどのような挙動をするのかなどを確認しながら作業を進められます。ファイルにコードを記述して保存し、Google Chromeに表示させることでチェックが簡単にできます。
HTMLエラーチェッカー:HTMLのエラーチェック
HTMLエラーチェッカーは、コーディングのミスを自動で発見してくれるアドオンです。HTMLの開始タグ、終了タグの過不足を検出してくれます。
フロントエンドを手掛けるフロントエンジニアは慣れてくると、閉じタグの記述を忘れるなどのうっかりミスも犯しがちです。こういった細かいミスを発見する用途で利用します。
Lighthouse:Webサイトパフォーマンス測定
Lighthouseは、作成したWebサイトのパフォーマンスやアクセシビリティ、PWA(Progressive Web Apps)対応状況など5つの項目についてチェックできるアドオンです。
拡張機能に新しく「SEO」の項目が追加されたことから、内部SEOについてもチェックが可能となりました。
Lighthouseを実装すれば、検索エンジン上位表示に必要なこれら5項目が可視化され、常にベストなパフォーマンスを維持できるWebサイトを制作することができるでしょう。
Firefox
Firefoxは、狐と炎のモチーフが特徴的なWebブラウザで、Mozilla Foundationが開発・提供しています。Firefoxはオープンソース型のWebブラウザであり、ユーザーが任意でカスタマイズすることが可能です。
しかし、上述したGoogle Chromeにも幅広いアドオン機能が搭載されているので、カスタマイズの手間を考えればGoogle Chromeのほうが初心者でも利用しやすいと言えます。
Opera
Operaは、パソコン、スマートフォンとの同期ができるWebブラウザです。iPhoneでは「Opera Mini」という名前で利用されています。
Operaの特徴は、データを圧縮できる機能が搭載されていることです。したがって、データ通信量を抑えてインターネットを利用したいという人におすすめです。
Safari
Safariは、iPhoneやMacなど、Apple製品に標準で搭載されているWebブラウザです。日本ではiPhoneなどのApple製品のシェア率が高いため、日常的にSafariを利用しているという人も多く存在します。SafariはiOS端末との連携がしやすいため、それらを利用している人におすすめのWebブラウザです。
Microsoft Edge
Microsoft Edgeは、Internet Explorer(IE)に代わってWindows10から標準搭載された新しいWebブラウザです。HTML5に対応しており、IEよりも軽快かつ高速なWebブラウザとなっています。
さらに新機能も多数搭載されており、Webページ上に手書きのメモができる「Webノート」や、音声アシスタント「Cortana」との連携機能、「お気に入り」「履歴」、「リーディングリスト」などの一元管理機能も利用できます。
このように非常に便利なMicrosoft Edgeですが、今までのInternet Explorer(IE)との違いとして、さらに以下のような点も挙げられます。
● 全体的なデザインの違い
● ブラウザの設定画面の違い
● 印刷画面の違い
● 右クリック表示メニューの違い
全体的なデザインの違い
全体的に立体感を強調していたInternet Explorer(IE)のアイコンやボタンといったパーツ類は、Microsoft Edgeではフラットなデザインで統一されています。
Internet Explorer(IE)のデザインは、立体的にすることでWebサイトに高級感を醸し出してはいたものの、重たくもっさりとした感じもありました。ですがMicrosoft Edgeでは、これらをフラットにしたことで、軽い感じのWebサイトとなり軽快感が増しました。
ブラウザの設定画面の違い
Internet Explorer(IE)では、右上の歯車アイコンから設定を一つずつ行っていましたが、Microsoft Edgeでは、設定ボタンから項目が一覧で表示されます。これによりボタン操作の工程が大幅に削減されました。
印刷画面の違い
Microsoft Edgeの印刷画面では、ひとつの画面で印刷設定画面と印刷プレビューが表示されます。これにより印刷プレビューを確認しながら印刷設定を行えるため、向きをうっかり間違えるなどのミスすることなく印刷ができるようになりました。
右クリック表示メニューの違い
Internet Explorer(IE)では、右クリックすると多くの不要なメニューが表示され、表示項目の用途がわからないなど困惑の原因ともなっていました。
しかしMicrosoft Edgeでは、これらの不要なメニュー表示がなくなり、2つから4つ程度の項目にまで抑えられています。
使い勝手の面においても非常にシンプルで、ユーザビリティが考慮されたUI(User Interface)へと生まれ変わりました。
番外編:Internet Explorer(IE)
Internet Explorer(IE)はMicrosoftが開発したWebブラウザで、かつてはWindowsOSを搭載したPCに標準でバンドルされていました。2000年から2005年頃にかけては9割超の市場占有率を誇り、事実上「標準のWebブラウザ」とされていました。
しかし、2013年にリリースされたバージョン11を最後に開発が打ち切られ、後続Webブラウザとして「Microsoft Edge」が新しく登場しました。
Windows10にはMicrosoft Edgeの最初のバージョンとInternet Explorer11の両方がバンドルされていましたが、2022年6月16日をもってInternet Explorerのサポートは終了となっています。
以降は入手や導入が公式にはできず、セキュリティプログラムや修正プログラムなども提供されなくなるため、リスク面から早急に利用を停止して、Microsoft Edgeなどの現行Webブラウザへ移行することが推奨されています。
Internet Explorer(IE)でしか閲覧できないWebサイトはどうするのか
Internet Explorer(IE)は、単体のWebブラウザとしての提供は終了するものの、Microsoft Edgeのコンポーネントとして、現在もサービスが提供されています。
Microsoft Edgeには「IEモード」が搭載されており、これを利用することでInternet Explorerでしか表示されないレガシーサイトも閲覧できるようになります。
ただし、このIEモードも2029年までのサポートと予定されており、レガシーサイト運営者は徐々に現行のWebブラウザに対応したWebサイトを構築していく必要があります。
タブブラウザとは
ここまで、代表的なWebブラウザについて解説してきました。一方で、タブブラウザという言葉を過去に聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
タブブラウザとは、1つのブラウザの中で、複数のWebページ(タブ)を開ける機能を持ったブラウザのことです。
タブブラウザが登場する以前では、1つのウィンドウ(タブ)で1つのWebページを表示するしか方法がありませんでした。そのため、現代と比較すると圧倒的に非効率だったと言えます。
しかし、現代の主要Webブラウザはすべてタブブラウザ化されているため、効率的にインターネット検索などを行えるようになっています。
ブラウザのCookieとは
ブラウザとCookieは、切っても切り離せない関係です。Cookieとは、端末内のWebブラウザに保存される情報のことです。ここでは、Cookieについて解説をします。
● Cookieが使われている場面
● 自動で名前や住所を入力する
● カート機能
Cookieが使われている場面
Cookieは、様々な場面で使われています。Cookieが使われることで、万が一IDやパスワードを忘れてしまってもログインができたりします。
Cookieが使われている代表的な場面である、「自動で名前や住所を入力する」「カート機能」の2つを詳細に解説します。
自動で名前や住所を入力する
ログイン画面や入力フォームなどで、自動で名前や住所が入力された経験はないでしょうか。それらにはCookieが関係しています。
Cookieが、以前入力した名前や住所の情報を記憶しているため、同様のケースにおいて自動で入力しているのです。
これにより、万が一パスワードなどを忘れてしまってもログインできたり、入力フォームの手間を省けたりするメリットがあります。
カート機能
Amazonや楽天などの、カート機能が搭載されているWebページでもCookieは機能します。たとえば、前日に枕をカートに入れたものの、その日は購入しなかったとします。
しかし、翌日に改めてショッピングサイトを閲覧した場合でも、Cookieが有効になっていればカートの中に枕は残っています。
これらは、カート機能とCookieが連携しているためです。特に、まとめ買いをしたい場合や、今欲しいと思ったものをセールの日に購入したい場合などに有用でしょう。
キャッシュとは
先ほどはCookieについて解説をしました。しかし、キャッシュとCookieの違いが分からない人もいるのではないでしょうか。
キャッシュとは、Webページの画像やテキストの情報を保存してくれる機能のことです。Cookieとの違いは、Cookieは保存した後に自動で入力してくれる機能であることに対して、キャッシュはWebページの読み込み速度を早くしてくれる機能であるという点が挙げられます。
なお、Cookieとキャッシュは削除することも可能です。利用しているWebブラウザには、必ずCookieとキャッシュを削除できる機能が搭載されているため、情報を残したくない場合は削除を検討すると良いでしょう。
関連記事:トラッキングのマーケティングにおける使われ方とは?活用の方法とデバイス側での設定を解説
まとめ
本記事では、ブラウザについて解説をしてきました。ブラウザは、インターネットを介してWebサイトを閲覧する際のソフトウェアのことです。
ブラウザはWebブラウザとも呼ばれ、Google ChromeやSafariなどが代表例として挙げられます。また、WebブラウザのCookieなども効果的に使うことで、日々の業務効率化や日常生活にも役立ちます。
まずは、自身が使いやすいWebブラウザを見極めることから始めてみてはいかがでしょうか。