EC市場は、個人事業主の参入増加などを背景に、急速な拡大を続けています。こうした状況下において、企業のオンラインストア運営における効率化は、重要な経営課題に一つと言えるでしょう。
数あるECプラットフォームの中でも「Shopify」(ショッピファイ)はその多機能性と柔軟性から、多くの企業に支持されています。しかし、アカウントへのログインや、ストア管理に課題を感じている担当者も少なくありません。
本稿では、Shopifyのログインプロセスを最適化し、業務効率を向上させるための具体的な方法を解説します。管理画面のカスタマイズから、ソーシャルログインの導入、複数アカウントの効率的な管理、そしてセキュリティ設定の強化まで、Shopifyを最大限に活用するための実践的なノウハウを提供します。
目次
Shopify(ショッピファイ)の基本情報
Shopify(ショッピファイ)は、月額利用型のECプラットフォームであり、システムやデザイン、マーケティングなどの専門的な知識がなくても、誰でも簡単にオンラインストアを開設・運営できる点が特徴です。
ECサイトの構築に必要な機能や、デザインテンプレート、サーバー環境、決済機能などが一体で提供されており、効率的なストア運営ができます。
また、Shopifyアプリストアを通じて、8000種類以上のアプリから自社のビジネスニーズに合せた機能やデザインを自由に追加できる拡張性の高さも魅力です。
Shopifyはカナダ発のプラットフォームであり、世界175ヶ国以上で数百万のオンラインストアに利用されています。グローバルな販売展開を視野に入れる企業にとっても、Shopifyは有力な選択肢となるでしょう。
関連記事:Shopify(ショッピファイ)とは?料金プランや手数料・事例など、概要を解説します!
ShopifyログインURLと管理画面へのアクセス方法
Shopifyへのログイン方法と、ログイン後の管理画面へのアクセスについて解説します。
参考:Shopifyヘルプセンター Shopifyにログイン
ShopifyのログインURL
Shopifyへのログインは、PCの場合はウェブブラウザから、スマホやタブレット端末の場合はShopifyアプリを通じて行います。
ウェブブラウザでログインする場合は、以下のURLにアクセスします。
ログイン画面でメールアドレスとパスワードを入力すると、管理画面にアクセスできます。二段階認証を設定している場合は、設定した認証方法にしたがって認証コードを入力する必要があります。
過去に同じデバイスを使ってログインしたことがある場合、ログインページにストア名が表示されることがあります。その際は、ストアを選択するだけでログインできるため、メールアドレスの入力は不要です。
マーチャント向けとパートナー向けの違い
Shopifyのユーザーは、大きく分けてマーチャントとパートナーの2種類に分けられます。
・マーチャント: Shopifyでオンラインストアを運営する事業者
・パートナー: Shopifyと提携し、ストア構築やアプリ開発などのサービスを提供する企業または個人
パートナーの種類は、ストア構築やアプリ開発などさまざまです。ストアやShopifyパートナーのアカウントにログインすることで、マーチャントとパートナーの管理画面に移動できます。
マーチャントとパートナーでは、ログインページが異なります。マーチャントはこちらのページ、パートナーはこちらのページを開き、メールアドレスとパスワードを入力しましょう。
ログイン後、個人アカウントに紐づくストアの中から、管理したいストアを選択します。
複数ストアを運営している場合のログイン方法
Shopifyアプリを使用すると、スマートフォンやタブレットで複数のストアアカウントにログインし、ストアを切り替えて管理できます。ただし、PCのウェブブラウザでは、複数ストアのアカウントに同時にログインすることはできません。
Shopifyアプリで複数ストアのアカウントにログインする手順は以下のとおりです。
1.アプリ内のプロフィールアイコンをタップし、「アカウントを管理する」を選択
2.メールアドレスをタップする
3.「別のアカウントにログインする」を選択し「続行」をタップ
4.メールアドレスとパスワードを入力してログインする
参考:Shopifyヘルプセンター 複数のShopifyアカウントにログインする
ログインできない場合の解決策
Shopifyへのログインに問題が発生した場合の解決策を解説します。なお、トラブルシューティングを行う前に、Shopifyのステータスページを確認し、システム全体の障害が発生していないかを確認しましょう。
参考:Shopifyヘルプセンター ログインのトラブルシューティング
メールアドレスを忘れた→アドレスを確認する
アカウントに登録したメールアドレスを忘れてしまった場合は、Shopifyの「リカバリーページ」で確認できます。手順は以下のとおりです。
1.リカバリーページにアクセスし、考えられるメールアドレスを入力
2.「ストアの詳細をメールで送信する」をクリック
3.登録されているストアのURLが記載されたメールが届くので、URLにアクセスする
メールが届かない場合は、他のメールアドレスを試してください。それでも解決しない場合は、Shopifyサポートにお問い合わせください。
パスワードを忘れた→パスワードをリセットする
パスワードをどうしても思い出せないときには、パスワードのリセットを行います。以下の手順でリセットしてください。
1.ログインページでメールアドレスを入力し、「パスワードをお忘れですか?」をクリック
2.パスワードリセット用のリンクが届いたらクリックし、新しいパスワードを設定
3.新しいパスワードでログインできるか確認
なお、パスワードリセット用リンクの有効期限は48時間です。
参考:Shopifyヘルプセンター パスワードをリセットする
ブラウザが古い→アップデートする
Google ChromeやSafari、Microsoft Edgeといったブラウザのバージョンが古いと、Shopifyにログインできないことがあります。Shopifyは主要なブラウザに対応していますが、常に最新バージョン、またはその直前のバージョンを使用することを推奨します。ブラウザのバージョンを確認し、必要に応じてアップデートしてください。
関連記事:ブラウザ(browser)とは?意味や種類、仕組みを解説
キャッシュが残っている→キャッシュクリアを実行する
ブラウザのキャッシュに古いログイン情報が残っていると、Shopifyのログインに失敗することがあります。キャッシュをクリアすることで問題が解決する場合がありますので、キャッシュクリアをお試しください。
なお、キャッシュの削除方法は、ブラウザや端末によって異なりますので、下記を参考にしてください。
関連記事:ブラウザキャッシュクリアの設定・手順:Web制作・開発者が知っておきたい基礎知識
認証コードが届かない→端末再起動・SMS受信設定の確認
二段階認証を設定しているにも関わらず、認証コードが届かない場合は、以下の点をご確認ください。
・端末の再起動
・SMS受信設定の確認
それでも解決しない場合は、ご利用の通信事業者にお問い合わせください。
Shopifyログインのソーシャルログインと複数アカウント管理
Shopifyでは、新規のユーザー登録をせずに、既存のGoogleやFacebook、LINEなどの各種アカウントのデータでログインできる「ソーシャルログイン機能」が利用できます。
ここでは、ソーシャルログインの設定方法やメリット、複数アカウント管理における注意点について解説します。
ソーシャルログインの設定方法
Shopifyのソーシャルログイン機能では、Google、Apple、Facebookなどのソーシャルプロバイダーを利用できます。設定方法は以下のとおりです。
1. Shopify管理画面から「アカウントを管理する」を選択し「接続する」をクリック
2.利用したいソーシャルプロバイダーを選択し、「接続する」をクリック
3.選択したソーシャルプロバイダーのアカウントでログインする
ソーシャルログインのメリット
ソーシャルログインのメリットは、ユーザー側は新たなIDやパスワードを記憶する必要がなくなり、ログインの手間を軽減できることです。また、ユーザーエクスペリエンスが向上し、スムーズなストア利用が体験できます。
Shopifyアプリストアでは、ソーシャルログイン機能を拡張するためのアプリも提供されています。
複数アカウントを同時に管理するための注意点
複数のShopifyストアを運営する場合、原則としてストアごとにアカウントを作成する必要があります。そのため、複数アカウントの管理が煩雑になる可能性があります。
顧客情報などが分散してしまうため、データを一元的に管理するためには、ストアのIDとパスワードで複数アカウントにログインできる仕組みを導入することが有効です。これにより、業務効率の向上とデータ管理の最適化を図ることができます。
セキュリティ対策:二段階認証
Shopifyでは、二段階認証やアクセス制限など、多岐にわたるセキュリティ対策が提供されており、重要な情報を保護しています。とくに、ログイン時の二段階認証は、セキュリティ強化において不可欠な対策と言えるでしょう。
二段階認証の重要性
二段階認証を有効にすることで、アカウントのセキュリティレベルを大幅に向上させ、不正ログインや情報漏洩のリスクを軽減できます。アカウントの乗っ取りやハッキングなどの脅威を防止するうえでも、二段階認証は欠かせません。
Shopifyは顧客情報を含む多くの機密データを取り扱うプラットフォームのため、万が一の事態に備えて、二段階認証は必ず設定することを推奨します。
二段階認証の設定手順
Shopifyの二段階認証では、SMSや認証アプリを使用して認証を行います。設定手順は以下のとおりです。
1. Shopify管理画面でストア名をクリックし、「アカウントを管理する」から「セキュリティ」を選択する
2.「二段階認証」画面で「二段階認証を有効にする」をクリックし、パスワードを入力する
3.「認証方法」のリストから、使用する認証方法を選択する
4.選択した認証方法に応じて、決められた手順に沿って実行する
アクセス制限
ストアの運営を複数人で行う場合、管理画面から特定のスタッフアカウントに対してアクセス権限を設定することが可能です。スタッフごとに必要な権限のみを付与することで、誤操作によるデータ削除や改ざんなどのトラブルを防止できます。
定期的なバックアップ体制
Shopifyは、定期的にストア情報をバックアップしていますが、Shopify側のシステム障害に備え、ユーザー自身も定期的にバックアップを取得することが重要です。
Shopifyでストア情報をバックアップするには、管理画面からCSVファイルをエクスポートします。バックアップ可能なストア情報は、商品や顧客情報、注文履歴、クーポンコードなどです。
パートナーとコラボレーターの権限設定とログイン管理
先にも述べたように、Shopifyパートナーとは、Shopifyと提携し、ストア構築やアプリ開発などのサービスを提供する企業または個人を指します。
コラボレーターは、Shopifyストアの運営において、オーナー以外に作業を分担するユーザーを指します。
Shopifyパートナーの管理画面では、他のスタッフを招待し、パートナーダッシュボードを通じてストアや開発チームのアカウント権限を管理できます。コラボレーターには、ストアへの特定のアクセス権限を付与することで、作業の効率化とセキュリティの強化を図ることが可能です。
外部サービス(API)との連携におけるログインのカスタマイズ
Shopifyアプリストアでは、外部サービスとの連携を可能にするアプリが多数提供されており、ストアの機能を拡張し、利便性を向上させることができます。
アプリ連携
X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSとShopifyアプリを連携させることで、商品のプロモーションや集客を効果的に行うことができます。また、SNSアカウントを利用したシングルサインオン(SSO)を導入することで、ソーシャルログインの実現も可能です。ShopifyでSSOを実装するには、Shopify Plusプランで利用できるマルチパス(Multi-pass)APIを使用します。
API連携
API(Application Programming Interface)は、アプリケーション同士がデータをやり取りするための仕組みです。Shopify APIを利用することで、顧客管理、在庫管理、デザイン変更、外部サービスとのデータ同期など、さまざまな機能を活用できます。Shopifyアプリストアでは、多様なAPI連携アプリが提供されています。
まとめ
Shopifyへのログイン方法は、一般的なWebサービスと大きく変わりませんが、マーチャントとパートナーでログインページが異なる点に注意が必要です。また、二段階認証を設定している場合は、認証コードを受信できる環境を整えておくことが重要です。