SMS(Short Message Service)が届かないときは、受信側だけでなく送信側に問題がある可能性があります。よくある原因と対処法を受信側・送信側に分けて解説します。また、SMSをビジネスで活用するメリットや具体例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
SMSが届かないのはなぜ?原因と対処方法【受信側】
SMSはさまざまなシーンで活用できる便利なサービスです。到達率の高さもSMSの特徴ですが、ごく稀に届かないこともあるようです。
SMSが届かないときは、受信側・送信側のいずれか、あるいは両方に原因が考えられます。受信側のよくある原因としては、以下のものが挙げられます。
● 電波状況に問題がある
● SMSの受信設定に問題がある
● 端末に問題がある
● 端末の容量が不足している
● SMS受信できない格安SIMを使用している
● SMSアプリのバージョンが古い
● メッセージが海外から送信されている
それぞれの原因と対処方法について見ていきましょう。
電波状況に問題がある
SMSはWi-Fiなどのインターネット回線ではなく、電話回線を利用してメッセージを送受信するサービスです。電波が弱かったり圏外になっていたりすると、相手に届かない場合があるため注意してください。
SMSを受信するときは、電波のアイコンを確認してください。もしアイコンが表示されていないときや電波の本数が少ないとき、圏外になっているときは、電波が入る場所に移動してみましょう。
また、飛行機のアイコンが出ている場合は機内モードがオンになっています。Androidの場合は、画面を上から下に大きくスワイプし、機内モードの状態を確認してください。
機内モードがオンのときは、インターネット回線だけでなく電話回線も含めたすべての通信機能が使えません。SMSを受信する前に機内モードの部分をタップして、オフにしておいてください。
SMSの受信設定に問題がある
SMSは電話回線を使って送受信するサービスのため、相手の電話番号が受信拒否の設定になっているときはSMSも受信できません。SMSを受け取りたい相手の電話番号が電話帳に登録されている場合には、受信設定をオンにしておきましょう。
受信設定は、スマートフォンの設定ページからも変更できるケースがあります。SMSの送受信に関連するページを開き、受信制限がかかっていないか確認してください。
端末に問題がある
端末に不具合が生じているため、SMSの受信に対応できないケースがあります。SMSが何日も届いていないときは、一度、スマートフォンを再起動してみてはいかがでしょうか。
また、スマートフォン本体のバージョンが古く、SMS受信ができない可能性が考えられます。Androidの場合なら、設定画面から「システム」を選択し、「システムアップデート」の項目をチェックしてみましょう。アップデートが必要だと表示されているときは、速やかに更新してください。
端末の容量が不足している
電話回線の圏外ではなく、受信設定やシステムにも問題がないときは、端末の容量不足の可能性があります。スマートフォンのメモリの空き容量をチェックし、不要なデータを削除します。
Androidの場合は、画面を上から下に大きくスワイプし、歯車状の「設定」アイコンをタップしてください。設定画面から「ストレージ」を選択します。
空き容量が少ないときは、「空き容量を増やす」をタップし、不要なファイルを選択して消去してください。また、使っていないアプリや画像、動画なども削除します。
iPhoneの容量は、「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」から確認します。不要なデータやアプリを削除し、SMSを受信できるようにしておいてください。
SMS受信できない格安SIMを使用している
格安SIMを使っている場合は、SIMの契約内容について確認しておきましょう。インターネット通信だけでなくSMSや電話も利用できるSIMもありますが、インターネット通信のみの契約の場合はSMSを利用できません。
SMSを使う場合は、格安SIMの契約内容を変更する必要があります。電話やSMSを利用できることで便利にはなりますが、利用料金が上がる可能性もあるため、事前の確認が必要です。
SMSアプリのバージョンが古い
SMSアプリのバージョンが古い場合は、アップデートをして最新のバージョンを利用できるようにしておきましょう。SMSアプリのバージョンも、スマートフォンの設定ページから確認できます。Androidの場合なら、「設定」→「アプリ」→「SMS」と進み、最新のバージョンか調べてください。
メッセージが海外から送信されている
メッセージが海外から送信されている場合、携帯会社側が迷惑メッセージと判断し、拒否するケースがあります。また、海外から送信されていない場合でも、海外の通信網を利用してSMSを送信している場合は、迷惑メッセージと判断される可能性があります。
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SMSが送れないのはなぜ?原因と対処法【送信側】
先方にSMSが届いていないと指摘された場合、受信側だけでなく送信側に原因がある可能性があります。主な原因としては、次のものが考えられます。
● 送信先の電話番号を間違えている
● 文字数や送信件数が上限を超えている
● 画像や動画が添付されている
それぞれの原因と対処法について見ていきましょう。
送信先の電話番号を間違えている
SMSは電話番号でメッセージを送信するサービスのため、送信先の電話番号を間違えているとSMSを送信できません。もし先方からSMSが届いていないと指摘されたときは、まず電話番号を確認してみましょう。
文字数や送信件数が上限を超えている
文字数や送信件数の上限を超えているときは、SMSを送信できません。以下の基準を超えていないか確認してください。
携帯会社 | SMSで送信できる上限文字数 | SMSの上限送信件数 |
au | ● 2017年5月以降に販売された4G LTEスマートフォン、4G LTEケータイ:全角670文字(半角では1,530文字) ● それ以外の端末:全角70文字(半角では160文字) |
● 加入月~3ヵ月:1日に200送信もしくは1ヵ月に3,000送信 ● 4ヵ月目以降:1日に200送信もしくは1ヵ月に6,000送信 |
ドコモ | ● 全角670文字 | ● 200通未満(70文字以内のSMSは1通分、71~670文字のSMSは、一度の送信で2~10通分とカウントする) |
ソフトバンク | ● 全角670文字(半角では1,530文字) | ● 1日に200件以上送信すると、その後24時間の送信が制限される |
※2023年11月23日時点
画像や動画が添付されている
SMSでテキストやURLは送信できますが、画像や動画が添付されているときは送信できません。画像や動画を送信したいときは、URLを作成して添付しましょう。
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SMSとは?ビジネスで活用するメリット
SMS(Short Message Service)とは、電話番号宛てにテキストを送るサービスのことです。SMSは家族や友人などの個人間で利用されてきたサービスですが、近年ではビジネスでの利用も活発になってきています。ビジネスでSMSを活用するメリットや利用シーンについて見ていきましょう。
ビジネスでSMSを活用するメリット
ビジネスでSMSを活用することには、次のメリットがあります。
● 電話番号のみでダイレクトに連絡できる
● 到達率や開封率が高い
● 通信コストが抑えられる
それぞれのメリットについて解説します。
電話番号のみでダイレクトに連絡できる
SMSは、電話番号を知っている相手であれば誰にでも送信できます。相手のメールアドレスやSNSアカウント、住所がわからないときでも、手軽にメッセージを送れます。
ビジネスにおいて、電話番号を取得する機会は多いです。SMSを活用すれば、電話番号以外の情報がわからない相手にもテキストを使って連絡でき、多くの情報を伝えられるでしょう。
また、SMSではメッセージ内にリンクを挿入することも可能です。より多くの情報を伝えたいときや、アンケートやキャンペーンに参加してもらうときは、リンクを添付したメッセージを送信しましょう。
到達率や開封率が高い
メールアドレスをこまめに変更する方もいます。メッセージを送ったものの、すでに使用していないアドレスという可能性もあるでしょう。
また、メールアドレスを複数所有し、仕事用やプライベート用、アカウント登録用などに使い分けている方もいます。このような場合は、メールアドレス自体は有効でも、メッセージが開封されない可能性もあります。
一方、電話番号をこまめに変更する方は少なく、SMSの到達率は高いと考えられるでしょう。また、複数の電話番号を所有している場合でも、着信やメッセージを確認することが一般的なため、開封率も高いと想定されます。
通信コストが抑えられる
電話でメッセージを届ける場合、通話料が発生します。伝える内容が多い場合は通話時間が長引き、通話料も高額になってしまいます。また、1回の通話でコンタクトできる相手は1人に限られるため、顧客が多い場合は通話料が莫大になるだけでなく、人件費も高額になってしまうでしょう。
一方、SMSなら一定料金で送信できるため、通信コストを抑えられます。情報量が多い場合でも、リンクを添付してほかのWebページで表示すれば定額で送信可能です。
また、まとめて複数の電話番号に送信できるため、人件費も抑えられます。通信にかかるコストを抑えたいときにも、SMSを検討してみましょう。
ビジネスにおけるSMSの活用用途
ビジネスでは、主に以下のような用途でSMSが活用されています。
● 2段階認証
● 従業員への緊急連絡
● 顧客へのアプローチ
それぞれの用途を具体的に説明します。
2段階認証
インターネット上で契約や販売を行うときには、より慎重に手続きを進めるために、SMSを用いた本人確認を行います。また、サービス登録やログインなどの個人情報を使用するときも、SMSを用いて本人確認を実施します。
運転免許証などの本人確認書類の画像を送信する方法もありますが、重要書類を送受信するのはセキュリティ面でのリスクもあり、できれば避けたいものです。電話番号だけで本人確認できるSMSを活用し、より安全な取引を実現しましょう。
従業員への緊急連絡
従業員に緊急連絡をするときも、SMSを活用できます。SMSなら別途アプリをインストールする必要がなく、スマートフォンを持っている全従業員に送信できて便利です。
また、インターネットが利用できる環境でなくても利用できる点も、SMSの特徴です。電話が通じる場所なら即時メッセージを送れるため、従業員がWi-Fiを利用できない環境にいるときでも連絡できます。
顧客へのアプローチ
メールに比べて顧客への到達率が高いため、支払い状況の確認や出荷連絡などの重要情報の送信にも適しています。また、予約や閲覧商品のリマインド、満足度調査などにも幅広く活用できます。
SMSは、見込み顧客へのアプローチ手段としてもおすすめです。適切なタイミングで適切な情報を提供することで、商品やサービスへの認知度を高められるだけでなく、購入の意思決定にもつなげられるでしょう。
SMS以外にも、SNSやメールなどのWebツールをマーケティングに活用することがあります。以下から、BtoBのWebマーケティングについてわかりやすく解説した手引書を無料ダウンロードしていただけます。ぜひご利用ください。
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企業におけるSMSサービスの活用例
従来、携帯会社からのお知らせの手段として、SMSが活用されることがありました。新サービスの案内や利用料金のお知らせ、キャンペーンの紹介などに幅広く利用されています。
近年では、携帯会社以外の企業も、SMSを使ってメッセージを送信するケースが増えてきました。各業界でどのようにSMSサービスが活用されているのか、具体的に紹介します。
ホテルでの予約確認
ホテルを予約すると、SMSに予約確認のメッセージが送信されることがあります。予約の日時や内容について再度確認してもらえるため、認識の食い違いやノーショー(宿泊当日に顧客が来ない状態)の防止につながります。
予約確認は、予約直後と宿泊の数日前、宿泊前日などのタイミングで複数回実施できるでしょう。また、宿泊後にサンキューメッセージを送信したり、忘れ物の連絡をしたりするときにもSMSを活用できます。
チケット販売時の本人確認
コンサートやスポーツの試合のチケットを販売するときに、SMSを使って本人確認するケースも増えてきました。チケット販売時にユーザーの電話番号と席番号を紐付けておけば、1人で複数のチケットを購入することが難しくなり、高額転売を防ぎやすくなるでしょう。
本人確認するサービスを利用する場合は、ユーザーは以下の流れでチケットを購入します。
1. チケット販売サイトに会員登録する
2. チケット販売サイトからチケット購入を申し込む
3. 会員登録に用いた電話番号に認証コードが送信される
4. 認証コードを使って、購入手続きを完了する
メールマガジンのリマインド
メールマガジンの開封率が低いときは、SMSでメールマガジンをリマインドする方法を検討できます。メールマガジン送付後に次のようなメッセージを送信してみましょう。
〇〇様
株式会社△です。20日14時に「△△」という件名でメールマガジンを送付いたしました。今月始まるキャンペーンと新商品◇◇の魅力をまとめて紹介しています。読み応えのある内容です。ぜひご覧ください!
実際にSMSでリマインドメッセージを送信すると、メールマガジンの開封率が向上したという報告もあります。また、メールマガジン内のURLのクリック率も上昇し、コンバージョン率アップも期待できます。
アンケートサイトへの誘導
商品やサービスを購入した顧客に対して、アンケートサイトのURLを添付したメッセージを送るケースもあります。メッセージの確認からアンケートの回答までワンストップでできるため、回答率も向上する傾向にあります。
支払い期限や督促の案内
口座振替や払込票を使って料金を回収する場合、SMS経由で支払い期限や料金を案内するケースもあります。また、支払いに遅れている顧客に対して、督促を送るときにもSMSを活用できます。
SMSは開封率が高いため、督促状を郵送するよりも周知しやすくなるのがメリットです。また、郵送に比べて送料も節約できます。
関連記事:メールマーケティングとは? 実施するメリットや成功のポイントを徹底解説
SMSが届かない場合は設定や電波状況を確認しよう
SMSが届かないときは、何らかの原因が潜んでいます。紹介した原因と対処策を参考にして、状況を改善していきましょう。
SMSを利用する企業も増えてきました。開封率が高く、手軽に送信できるSMSを、ぜひマーケティングや顧客とのコミュニケーション手段として活用していきましょう。