ホームページを作成したいと思っているものの、費用感が掴めずに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
ホームページ作成にかかる費用は「ホームページの規模や機能」によってさまざまですが、ビジネス向けであれば最低ラインとして20万円程度と予想しておきましょう。
また、ホームページを適切に維持していくための保守運用も一緒に外注するなら、作成作業そのものが終わった後も、ランニングコストとして費用が必要です。
この記事ではホームページ作成費用の相場や外注先、また作成・運用コストをおさえるためのポイントを紹介します。
費用対効果の高いホームページ作成をしたい方は、ぜひ最後までお読みください。
関連記事:ホームページ制作の相場は?内容、目的によって金額はどう変わるのか
目次
ホームページ作成費用の相場
ホームページ作成費用は主に以下の要素によって変動します。
・ホームページの規模・ページ数
・ホームページの種類・目的(LP、採用サイト、ECサイトなど)
・依頼する作業の多さ
・外注先(フリーランス、制作会社など)
この章では最低ラインの予算をお伝えします。
最低でも20万円ほどはかかる
ビジネス用ホームページの場合、費用の相場は最低ラインでも20万円程度となります。
さらに以下のような希望や機能が増えていくと、費用は高くなります。
・テンプレートではなくオリジナルのデザインにしたい
・ECサイトの決済システムを入れる
・予約機能を入れる
・社員インタビュー記事をライターに作ってもらう
・写真をプロカメラマンに撮影してもらう
・コラム記事をたくさん掲載したい
・動的なサイトを作りたい
50万円を超えるケースもありますし、大規模なホームページであれば数百万円程度かかることも少なくありません。
費用が比較的安くなるフリーランスに依頼する場合でも、外注すれば費用は発生します。
ホームページ作成費用の内訳
ホームページ作成費用の内訳を紹介します。
見積もりを見たときにどの費用がどういった内容を指しているのか知ることで、外注先と「この費用は削ってください」とか「○○費用が入っていないのはなぜですか」などと、適切な計算となっているかが確認しやすくなります。
コスト削減や必要な機能の追加依頼をするために重要な知識ですから、費用の内訳はひと通り把握しておきましょう。
コンサルティング費用
コンサルティング費用は、主にホームページでの集客に関わる費用です。そのため「とりあえず簡単なホームページを作れればいい」と考えている場合には不要な費用となります。
具体的には以下のような工程に対する費用です。
・ホームページ作成の方向性を決める(企画)
・ホームページの目標となる指標を設定する
・(リニューアルの場合)既存のアクセスデータを分析して課題を見つける
・検索上位に表示されるような施策を行う(SEO)
なお、広告代理店やWebマーケティング支援会社にホームページ制作を依頼する場合は、コンサルティングも含めて依頼することが前提です。そのため、コンサルティング費用がかかるケースが一般的と考えておきましょう。
コンサルティングの範囲によって、費用は変動します。
ディレクション・進行管理費用
ディレクション費用(進行管理費用)は、ホームページ作成のプロジェクトを取りまとめる作業(ディレクション)にかかる費用です。「Webディレクターに支払う費用」とも言い換えられます。
具体的には以下のような工程に対して支払われます。
・打ち合わせ
・制作スケジュール作成
・進行管理やプロジェクトメンバーとの調整
「ディレクション費用が必要」と聞くと、「ディレクション費用って本当に必要なんですか?」と疑問に感じるクライアントもいるようです。確かに、デザイン費用やコーディング費用に比べて、何にいくら使われているかわかりにくい費用かもしれません。
しかし、ディレクションを担う人がいないと、進行管理がうまくできません。結果として納品が遅れてしまったり、コーダーやデザイナーとの調整がうまくできずに完成度が下がってしまったりする可能性があるため、必要な費用です。
ディレクション費用の算出方法には、主に以下の2パターンがあります。
・ホームページ制作全体の見積もり金額に、あらかじめ決められた割合をかけて算出する
・ディレクション作業の日数・時間数から算出する
前者の場合には、見積もり金額の10%~30%が相場となり、概ね5万円~20万円に収まるケースが多くなっています。ただホームページの規模が大きいとディレクション作業は増えるため、費用も増加する傾向にあるでしょう。
関連記事:ディレクションとは?意味や仕事内容を解説
デザイン費用
デザイン費用(Webデザイン費用)は、ホームページのデザイン(外観)を作るための費用です。
デザインが魅力的だと、ユーザーは惹きつけられます。ユーザーにとって「情報を探しやすいホームページ」「カート機能や問い合わせ機能を使いやすいホームページ」にするためにも、Webデザインは重要です。
具体的には以下のような工程に対して支払う費用となります。
・ワイヤーフレーム(ホームページの設計図)作成
・画像選定
・フォント選定
・バナーやロゴのデザイン
・レスポンシブ対応(パソコンでもスマホでも表示できるようにすること)
トップページのデザイン費用相場は5万円~20万円程度、下層ページは1万円~5万円程度が一般的です。
トップページが下層ページに比べて高めの料金設定になっている理由は、トップページはホームページの第一印象を決める重要なページだからです。トップページのデザインが悪くて「怪しい会社だな」と思われてしまうと、せっかくアクセスしてくれた見込み顧客が、すぐにホームページから離脱しかねません。
なお下層ページは一般的にトップページに比べて料金設定は安いですが、加える機能やデザインによっては、費用が高くなることもあります。「下層ページだから全部安い」というわけではありませんので、注意しましょう。
トップページと下層ページ
トップページはホームページの階層の一番上にあり、ホームページの入り口となるページのこと。下層ページはトップページから派生したページで、製品・サービス情報ページや会社情報ページなどがある。
関連記事
・ワイヤーフレームって何?Web制作で欠かせないツールをご紹介!
・バナーとは?意味や作り方、制作のポイントを解説します!
・ロゴ作成初心者必見!デザインの考え方やコツを解説
・レスポンシブの意味とは。Webデザイン上で気を付けること
・ホームページ制作の際に重要なトップページ制作のポイントとは
コーディング費用
コーディング費用とは、Webデザインを画面上に表示させるための指示(コード)を書く作業に支払う費用です。
コーディング費用はトップページで1万円~4万円程度が相場です。アニメーションを導入した複雑なページの場合には、費用は高くなります。
Webデザインを作るのはWebデザイナーで、コーディングをするのはコーダーです。デザイナーがコーディングまで担当することもあります。
適切にコーディングできていないと、ユーザーが快適にホームページを利用できなかったり、SEOに悪影響を及ぼしたりする可能性もあります。コーディング費用が安すぎる場合には、品質が担保されているのか確認しておきましょう。
記事などのコンテンツ制作費用
コンテンツ制作費用とは、ホームページに掲載するための「記事や商品紹介文」「写真やイラスト」「動画」などを作るための費用です。上記のような素材をすべて自社で用意する場合は、かからない費用となります。
しかし実際にはホームページ作成にあたり、以下のようなコンテンツ制作依頼が発生することは多いです。
・社屋や社員の写真を撮影してもらう
・商品説明文やコラムを書いてもらう
・ロゴやインフォグラフィックを作成してもらう
例えば採用サイトであれば、社員のインタビュー記事などを掲載することが多く、「インタビュアーによるインタビュー」「当日の写真撮影」「文字起こしや記事作成」を外注する費用がかかります。
テキストコンテンツ(記事など)の場合、内容や依頼先にもよりますが、0.5円~5円/1文字程度の費用が発生します。
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・インフォグラフィックとは!作り方と作成する上でのコツを解説!
・「はじめての採用サイト」作り方は?制作手順やコンテンツを徹底解説!
検証・テスト費用
検証・テスト費用とは、コーディングが終わった後に、ホームページが意図した通りに表示され動作するか確認するための費用です。
具体的にはパソコン(Windows、Mac)やスマホ(iPhone、Android)、タブレットなどでWebサイトを閲覧して、以下のような点をチェックします。
・ページの崩れがないか
・問い合わせフォームや買い物カートなどが機能するか
・テキストに誤字脱字がないか
・画像の入れ間違いがないか
検証・テスト費用は、ホームページの規模や機能によってさまざまです。ホームページの規模が大きく機能も複雑で、チェックする内容が多ければ、検証・テスト費用は高くなります。
またチェックするデバイス(iPhone、Android、Windowsなど)やブラウザ(Safari、Microsoft Edgeなど)が増えるほど手間も増えるので、費用は高くなることが多いです。
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・デバイスとは?意味や種類、関連用語を解説します
・ブラウザ(browser)とは?意味や種類、仕組みを解説
システム費用
システム費用(システム構築費用)は、ホームページに特定の機能をもたせるためのシステム開発にかかる費用です。
例えば以下のような機能・システムがあります。
・決済機能
・ショッピングカート機能
・予約システム
・お問い合わせフォーム・エントリーフォーム
・チャットボット
・データベース設計
システム構築費用はシステムの複雑さや規模によって異なり、難しいものは100万円以上かかることもあります。難易度によって、対応できる外注先も限られてきます。
関連記事:Bot(ボット)とは?基本的な仕組みや代表的なチャットボット
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)導入費用
CMS導入費用は、コンテンツをデータベースで管理・保存するシステムであるCMSの導入にかかる費用です。CMSのインストールや初期設定作業に対して支払います。
CMS導入費は使用するCMSやホームページの規模によって異なりますが、相場は2万円~5万円程度です。ただ自社のホームページ運用方法に合わせてCMSをカスタムする場合には、追加で費用がかかることもあります。
CMS(コンテンツマネジメントシステム)
「テキスト」「画像」「レイアウト」などのホームページを構成するコンテンツを、一元的に管理するシステムのこと。
CMSを導入することで、Webデザインやコーディングの知識がなくても、ページの更新や新規追加が簡単に社内でできるようになります。
自社で更新作業できれば、更新のたびに外注費用をかける必要がなくなります。情報更新が頻繁なホームページの場合、特に導入を検討しておきたいシステムといえるでしょう。
関連記事:CMSとは?種類やメリット・デメリット、おすすめツール15選
ホームページ作成の依頼先別の相場
ホームページ作成費用の相場は、誰・どこに依頼するかでも変わります。依頼先別に、ホームページ作成費用の相場を紹介します。
制作会社
ホームページ作成を外注する際の依頼先としては、まずホームページ制作会社があります。大規模な制作会社なら料金は高め、中小なら低めとなります。予算が少ない場合は小規模な制作会社を探してみましょう。
規模別の費用相場は以下の通りです。
・小規模・中規模の制作会社:30~100万円
・大規模の制作会社:100万円~
上記は一般的な相場です。ホームページの規模や複雑さによって費用は安くなることもあれば、高くなることもあります。
制作会社に依頼するメリットは、技術力と豊富なホームページ作成実績をもつプロが対応してくれることです。こだわりたいポイントなどの見せ方も要望に対応してくれますし、わからないことがあるときに聞きやすいメリットもあります。
マーケティング支援会社や広告代理店
Webマーケティング支援会社や広告代理店も、ホームページ作成を請け負っています。広告代理店の中にホームページ制作部門がない場合には、提携する制作会社(子会社・グループ会社の場合もあり)やWebデザイナーがホームページ作成を行うケースもあります。
マーケティング支援会社や広告代理店でのホームページ作成にかかる費用は30万円~150万円が相場です。ただし、サイトの規模や複雑さによって変動します。
またマーケティング支援会社や広告代理店に外注する場合には、「広告運用」「SEO対策」など、ホームページを通じた集客についてもサポートを受けることが前提です。つまり「マーケティング支援や広告運用支援の中に、ホームページ作成やリニューアルも含まれる」というイメージになります。
そのためホームページ作成費用にWebマーケティング支援費用が加算され、ホームページ公開後の月額料金も含めたトータルコストは高くなります。
ホームページ作成は中小制作会社やフリーランスに任せ、ホームページがリリースされた後に別途マーケティング支援会社や広告代理店にサポートを依頼することも可能です。ただホームページ作成とマーケティング支援を一緒に依頼することで、マーケティングの目的に沿ったホームページを作成しやすくなるメリットはあります。
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個人(フリーランス)
フリーランスにもホームページ作成を外注することは可能です。
制作会社などでWebデザイナーやコーダーとして経験を積み、ホームページ作成を個人で請け負っているフリーランスも多く存在します。副業として取り組んでいる人もいるでしょう。
フリーランスにホームページ作成を依頼する場合の費用相場は、10万円~20万円程度です。
ただし、フリーランスへの外注は、規模の大きなホームページの作成には向きません。相場も小規模なホームページを想定した価格になっています。規模が小さい分管理費なども抑えられるため、制作会社や広告代理店より外注費用は安くすみます。
SNSやインターネット検索でフリーランスを探すのは大変ですから、フリーランスが集まるクラウドソーシング(クラウドワークス、ランサーズ、ココナラ、クラウディアなど)で外注先を探すのがおすすめです。
なお「Webデザイン」と「コーディング」を別の人にお願いすると、それぞれと契約を結んだり連絡を取ったりする必要があります。できればデザインからコーディングまでワンストップで請け負ってくれるフリーランスを探すことができると、工数削減できるでしょう。
またホームページに掲載するコンテンツ作成についても、クラウドソーシングを通じてフリーランス・副業のライターやイラストレーターに依頼するのも1つの方法でしょう。
ホームページの目的(種類)別の相場
ホームページの目的(種類)別の相場を紹介します。
LP
LP(ランディングページ)とは、Web広告やSNS広告をクリックしたユーザーの受け皿になるページです。一般的にはページ1枚(ペライチ)で作成し、商品購入や資料請求につながる問い合わせフォームを加えます。
ページ1枚なので費用は安めですが、「外注先」「依頼する業務の範囲」によって実際かかる費用はかなり異なります。
例えば「テンプレートを使い、テキストや商品画像などのコンテンツはクライアント(依頼主)が準備する」というパターンなら、外注先の負担が少ないため3万円~5万円程度で作成が可能です。
一方オリジナルデザインで作りたいなら、中小の制作会社でも10万円~30万円程度は見積もっておく必要があります。
また「競合調査やLPを使ったマーケティング戦略の立案から、LPO(LPの最適化)までカバーする」といった依頼をする場合は、60万円以上かかることもあります。
関連記事
・LP(ランディングページ)を作る意味は?費用対効果を高める方法を解説!
・LPO~ユーザーを導きCVRを最大化させる秘訣を徹底解説します!
採用サイト
採用サイトの費用相場は、掲載するコンテンツ(社員インタビュー、写真・動画など)をどのように用意するかによって異なります。
「インタビュー記事や写真撮影」「企業データ・採用データに関するインフォグラフィック制作」を外注するなら、外注して作成するコンテンツが多いほど費用は高くなります。コンテンツを多数外注して制作するなら、50万円~150万円程度は予定しておく必要があるでしょう。
戦略やコンセプトの設計から依頼したい場合は、さらに高額となります。
一方で募集要項やインタビューを自社で用意し、簡単な内容で作成するなら、10万円以下でできることも。
掲載したいコンテンツや、コンテンツ制作を外注するかどうかを決めてから見積もりを取りましょう。
コーポレートサイト
コーポレートサイト(企業サイト)は、企業の基本情報(会社概要、事業内容、製品情報、ニュースなど)を掲載するホームページです。
コーポレートサイトの費用相場は「コーポレートサイトの規模」や「依頼する作業の範囲」によってかなり異なります。
例えばページ数が少ない簡単なホームページであれば10万円~50万円程度で作成できますが、ページ数が多くなるほど価格は上がっていきます。
また「校正」「素材準備」など外注先に依頼する内容が増えるほど、価格は高くなります。
製品情報なども掲載するコーポレートサイトで、構成設計などから任せる場合には、50万円以上を見込んでおくといいでしょう。
関連記事:コーポレートサイトとは? 制作時のポイントや具体例をご紹介
オウンドメディア
オウンドメディアとは、企業が運営する情報発信のためのサイトです。
コラム記事でお役立ち情報などを発信し、自社のブランド力や商品・サービスの認知度を高めたり、顧客との信頼関係を構築してファンを獲得したりするために使われます。
オウンドメディアの制作費用は一般的に高めです。理由としては「必要なページや機能が多いこと」「リリース後のSEO対策やコンテンツ制作も外注するケースが多いこと」などがあります。
相場はCMSを備えた簡易的なもので10万円以上です。デザインに凝ったオウンドメディアなら100万円以上を想定しておきましょう。
関連記事
・オウンドメディアとは?意味や運用する目的、ホームページとの違い、具体的な成功事例を解説
・採用サイトと採用オウンドメディアの違いとは?メリット・デメリットをご紹介
ECサイト
ECサイトを作成する場合の費用相場は、ECサイトの構築方法により異なります。
ECサイトの構築方法には、以下のような例があります。
・ASP(アプリケーションサービスプロバイダ):クラウド上でECサイトに必要な機能を使用できる。相場は100万円以下。
・オープンソース:一般公開されているプログラムをインストールしてECサイトを構築する。相場は100万円~500万円。
・ECパッケージ:ECサイトの運営に必要なシステムを購入してカスタムする。予算は500万円以上。
・フルスクラッチ:完全オリジナル。予算は1,000万円以上で、億単位になることも。
関連記事
・短期間で、広告収益化になるECサイトとは?
・ASP(Application Service Provider)とは?その特徴やSaaSとの違いを解説!
ホームページ作成後の運営費用
ホームページ作成後の運営費用(ランニングコスト)についても解説します。
サーバー費用
ホームページを公開する場合にはサーバーが必要です。
サーバーには自社サーバーとレンタルサーバーがあります。自社サーバーは管理が大変であるため、レンタルサーバーを利用する企業・店舗・個人事業主がほとんどです。
そのためホームページの維持管理費として、レンタルサーバーの費用がかかります。相場は月数百円~5,000円程度です。
容量が少ないなら安いプランで十分なこともあります。アクセス数が多かったり容量が大きいホームページの場合は、高めのプランをおすすめします。
主なレンタルサーバーは「エックスサーバー」「ロリポップ!」「コアサーバー」「さくらのレンタルサーバー」「お名前.comレンタルサーバー」などです。
参考
エックスサーバー|エックスサーバー株式会社
ロリポップ!|GMOペパボ株式会社
コアサーバー|GMOデジロック株式会社
さくらのレンタルサーバー|さくらインターネット株式会社 (SAKURA internet Inc.)
お名前.comレンタルサーバー|GMOインターネット株式会社
無料で使えるサーバーもありますが、「広告が表示される」「容量やスペックが低い」「サービスが突然停止される可能性がある」といったデメリットがあるため、ビジネス利用には適していません。
関連記事:レンタルサーバーとは?仕組みやレンタルサーバーを選ぶ際のポイントを徹底解説
ドメイン費用
ドメインは「インターネット上の住所」と言われます。ざっくり言うと「URL」のことです。
企業独自のドメインを維持していくのにかかる費用がドメイン費用です。レンタルサーバーのサブドメインを使って費用を節約する方法もありますが、コーポレートサイトであれば多くの企業が独自ドメインを取得します。
ドメイン費用は取得するドメインによって異なりますが、年間1,000~4,000円程度が相場です。
末尾が「.jp」や「.com」になっているドメインは高めで、「.net」や「.biz」は比較的低めの料金設定になっています。
費用の節約を考えると安いドメインを選びたくなりますが、安いドメインほど信用度は低くなるので注意しましょう。例えば「.ml」「.tk」といったドメインはあまり見かけないので、ユーザーが不安を感じて離脱しやすくなります。
コーポレートサイトであれば「co.jp(日本企業限定のドメイン)」を使うのが無難です。
SSL費用
SSL(TLS)とは、インターネット通信時にデータを暗号化する仕組みです。暗号化によってユーザーは安心してホームページを閲覧でき、個人情報も送信できるようになります。
SSL化しなくてもホームページは作れますし公開もできます。
しかしブラウザによっては「このサイトは安全ではありません」という警告が表示されるため、ユーザーが不安を感じてホームページから離脱する可能性が高まります。せっかく作ったホームページをしっかり見てもらえなくなってしまうということです。
またSSL化していないと検索結果で上位に入りにくくなるので、ホームページを作成するならSSL化はしておきましょう。
SSL化するためにかかるのがSSL費用で、有料のものだと認証方法によって年間数千円~数十万円がかかります。
一方レンタルサーバーなどが提供している無料のSSLもあります。無料SSLでも暗号化の強さに違いはないのですが、有料のSSLに比べて「サイト所有者を確認しない」という面で信頼性が劣ります。
関連記事
・SSLとは!基本的な概念を初心者にもわかるように解説!
・TLSとは?基本的な仕組みやSSLとの違い
保守費用
保守費用(保守管理費)は「サーバーやドメインの更新」「システムアップデート」「セキュリティ管理」「障害発生」などに対応するための費用です。
保守費用の料金設定は外注先やホームページの規模によってさまざまですが、相場としては月額3,000円~10,000円程度となります。
保守費用に含まれるサービス内容も会社にとって違うので、内容はしっかり確認しておきましょう。
情報更新など運用費用
「コンテンツの修正や差し替え」「ニュースの更新」などを外注する場合には、運用費用もかかります。
相場は月額10,000円~20,000円程度ですが、外注先や更新頻度によって変動します。最低限の更新頻度であれば、月5,000円程度で請け負ってくれる制作会社もあります。ホームページ作成費用の中に更新費用が含まれているケースもあるので、見積もりを確認しておきましょう。
ホームページを作成してから一切更新しないなら、更新費用はかかりません。
ただし情報を更新せず放置されているホームページはユーザーから「古い」「役に立たない」と思われがちです。例えば「最新のニュース」が1年前の情報だったら、企業自体が存続していないかもしれないと怪しまれる可能性もあります。
また、更新されていないとGoogleからの評価が下がるので、検索順位は上がりにくくなってしまいます。
ホームページ作成後は、タイミング良く内容を更新していくことが大切です。
SEO対策などマーケティング支援費用
SEO対策とは、ホームページを検索結果の上位に表示させるための施策のことです。専門知識が必要になる分野なので、SEO対策を外注する企業や店舗も多くなっています。
総合的なSEOコンサルティングを外注する場合には、一般的に月10万円~30万円程度が必要です。
ただSEO費用の料金設定はさまざまで、月額固定型もあれば成果報酬型もあります。月額固定の場合は予算管理がしやすい一方、成果が出なくても費用は発生します。成果報酬型だと無駄はありませんが、予算管理しにくく、成果が大きかった場合には月額固定よりも支払い額が大きくなる可能性もあるでしょう。
LP作成を依頼した場合には、LPでのCVR(コンバージョン率)を上げるためのLPOを外注する企業・店舗も少なくありません。
LPOを単発依頼する場合の相場は5万円~20万円程度となります。月額固定で継続的に外注するなら月10万円~30万円程度が相場です。
関連記事
・【2024年最新】SEOとは?基礎知識と具体的な施策を詳しく解説
・コンバージョンレート(CVR)とは?計算や改善方法
費用をおさえてホームページは作成できる?
結論から言いますと、相場よりも費用をおさえてホームページを作成することは可能です。ホームページ作成費用をできるだけ安くするためのアイデア・コツを紹介します。
オリジナルデザインではなくテンプレートを活用する
まずはオリジナルデザインではなくテンプレートを活用する方法があります。テンプレート利用だとデザイナーがイチからデザインを考えなくて済むので、費用を安く抑えられるでしょう。
「テンプレートだと安っぽく見えそう」「集客効果が低そう」と心配する人もいるかもしれません。しかし実績のある外注先であるほど、テンプレートも安っぽく見えないように、あるいはテンプレートでも集客効果が出るよう工夫されています。
ホームページのデザインや機能を凝ったものにしなくてもいいなら、依頼先に「テンプレートの用意がありますか」と聞いてみましょう。
関連記事:専門知識が無くても作れるホームページのテンプレートのご紹介
ノーコードツールでホームページを作成する
ノーコードツールを使ってのホームページ作成を依頼するのも、費用を安くするコツです。ノーコードツールならコーディングなしでホームページを作成できるため、コーディング費用を省けます。
代表的なノーコードツールとしては「WordPress」「Wix」などがあります。ECサイトの構築なら「BASE」も人気です。
参考
WordPress|Automattic社
Wix|Wix.com Ltd.
BASE|BASE株式会社
ただしノーコードツールを使うと自由度は下がってしまうことが多いので、デザインにこだわりたい場合や大規模ホームページには不向きです。
関連記事
・ワードプレスとは?選ばれる理由や基本機能・メリット・デメリットを完全解説!
・Wixとは!使い方やメリットデメリットもあわせて解説!
コンテンツの素材を自社で用意する
コンテンツの素材(テキスト、画像・ロゴ、動画など)を自社で用意するのも、ホームページの制作費用を安くするコツです。
例えば写真やイラストであれば、商用利用できるフリー素材を使えば無料です。ストック素材を購入する場合も、プロカメラマンに撮影してもらうよりは安く済みます。
有名なフリー素材サイト・ストック素材サイトは以下の通りです。素材を利用する際は「商用利用可能か」「利用できる範囲」「クレジット表記の有無」に注意しましょう。
■フリー素材サイト
・Pixabay
・足成
・写真AC
・イラストAC
・icooon-mono
■ストック素材サイト
・Getty Images
・アマナイメージズプラス
・iStock
・123RF
・Sutterstock
また採用サイトのインタビュー記事なども、社内にインタビューや記事作成を担える人材がいれば、外部のインタビュアー・ライターに来てもらう必要はありません。
ただし素人が作成したコンテンツだと、プロが作成したものに比べてクオリティが落ちる可能性は否定できません。
「重要な画像やテキストはプロに外注する一方、重要度の低いコンテンツは自前で準備する」など、メリハリをつけるのもおすすめです。
関連記事
・フリー素材をうまく活用しよう!著作権フリー画像を使用する際の注意点とは!
・フリー素材サイト7選/背景などの豊富な素材を無料でダウンロードできるサイトを紹介
・フリーアイコンとは?無料で商用利用できるサイトや注意点
ページ数や機能を厳選する
最低限のページと機能から始めるのも、ホームページ制作費用を安くするためのコツです。ページや機能が少なければ、外注する内容も少なくなるので、費用は抑えられます。
例えば「更新頻度の少ないホームページなら、都度外注して更新するほうが安いから、CMSは導入しなくていい」といったアイデアができるようになるでしょう。
また少ないページから始めると、方向転換したいときのロスが少なくなる点もメリットです。ホームページに対するユーザーの反応をチェックして改善を重ねていくなら、最低限のページから始めたほうが、リスクは少なくなります。
相見積もりを取る
相見積もりを取る(複数の外注先候補から見積もりをもらって比較検討する)ことも大切です。ホームページ制作費用は外注先によってかなり差があるので、相見積もりは大変重要と考えてください。
比較検討せずに「まあこんなものか」と決めてしまうと、相場より高い会社に依頼してしまったり、値段のわりにサポートが充実していない会社に依頼してしまったりして、後悔することになりかねません。
ただ見積もりを比較する際には、安さだけで選ぶのは避けたほうがいいでしょう。「安かろう悪かろう」になる可能性もあるためです。料金設定とサービス内容のバランスを見て、必要なサービスを納得できる価格で提供してくれる外注先を選んでください。
ホームページ作成を外注する場合のポイント
ホームページ作成を外注する場合のポイントを紹介します。
以下のポイントをおさえておくことで、外注先の能力を引き出して、納得できるホームページを作成できる可能性が高まります。
ホームページを作成する目的を明確にする
まずは何のためにホームページを作成するのか、目的を明確にする必要があります。
「同業他社もみんなホームページをもっているから、何となく作ったほうが良さそう」といった感覚では、費用と時間の無駄になりかねません。「ポータルサイトへの掲載」「紹介・口コミ」「リピーター」などで十分集客できているなら、ホームページをもつ必要すらないかもしれません。
「なぜホームページが必要なのか」を考えてみましょう。ホームページを作成する目的としては、以下のようなことが考えられます。
・ブランディング
・新規顧客の獲得
・問い合わせの獲得
・ホームページ上での販売
目的が決まったら、目的を達成するためにどのような機能や運営体制が必要なのかも見えてきます。例えば「ホームページ上で商品・サービスを販売したいなら、予約機能やショッピングカート機能がいるな」と、自ずと必要な機能が判断できるでしょう。
自社・自分の強みを明確にする
自社・自分の強みを明確にすることも大切です。
強みがあやふやだと、特徴のないホームページになってしまうリスクがあります。せっかくホームページにアクセスしてくれた見込み顧客も、競合他社との違いがわからないと問い合わせや購入を決意しにくくなるかもしれません。
自社・自分のセールスポイントを明確にすることにより、「ホームページで強調したい要素」が決まります。
例えば以下のような強みやセールスポイントが考えられます。
・商品・サービスの独自性や質の高さ
・顧客からの評価
・これまでの実績
上記の内容を外注先に伝えることで、強調したい内容が際立つデザインを作成しやすくなります。
関連記事:SWOT分析とは?やり方やテンプレ、事例、注意点をわかりやすく解説
RFPを準備する
RFP(Request for Proposal、提案依頼書)をしっかり準備することも大切です。
PEPは、ホームページ作成にあたって外注に提案を依頼するための書類で、以下のような内容を記載して外注先候補が適切な提案をできるようにします。
・プロジェクトの概要
・自社の情報(所在地、担当者など)
・ホームページ制作の背景
・現状の課題点
・ホームページ制作の目的(売上アップ、業務効率化、UX向上など)
・上記の具体的な数値目標(売上○%アップ、問い合わせ数○件アップなど)
・実装したいコンテンツおよび機能
・不要なコンテンツおよび機能
・使用してほしいプログラミング言語(指定があれば)
・リリース後の運用保守外注の有無
・予算
・スケジュール
口頭だと「伝えたつもり」になることもあるので、RFPの作成は大変重要です。また社内でホームページ作成についての共通認識をもつためにも役立ちます。
ただ「LP制作など小規模な案件」「とりあえずホームページを作るだけの場合」では、わざわざREPを用意する必要はないでしょう。
関連記事:RFPとは!使われる意味や作り方を解説!
作成後の運用体制を決めておく
ホームページを作成した後の運用体制についても考えておきましょう。運用体制やホームページの使い方によって、必要な機能やサービスが変わってくるからです。
例えば「お知らせ」「コラム追加」などで頻繁にコンテンツを更新するのであれば、CMSを導入しておくと便利です。
また「ホームページ完成後はSEO対策やSNSと連携したプロモーションを考えているけれど、Webマーケティングに精通した人材が社内にいない」という状態であれば、運用も任せられる外注先を選ぶ必要があります。
関連記事:SNSとは?種類や特徴、使い方と注意点を簡単にまとめ
外注先候補の実績をチェックする
外注先の実績をチェックすることも大切です。制作会社やフリーランスは、それぞれスキルが異なります。スキルの高い外注先を選ぶためには、実績のチェックが欠かせません。
また外注先によって「得意なデザイン」や「得意なホームページの種類」は違います。例えば「ポップなデザインが得意」「重厚感ある雰囲気が得意」「LP制作の実績が豊富」「化粧品業界に強い」などです。
得意分野の仕事を頼むことで、よりクオリティの高いホームページが完成しやすくなりますから、依頼する前には各社の得意分野をチェックしましょう。具体的には、ポートフォリオや制作実績を見て、「自分が依頼したいホームページと似たテイスト」「自社と同じ業界・規模・用途の制作実績があるか」などを確認します。
制作実績を公式サイトに公開していない制作会社であっても、問い合わせをすれば回答してもらえる可能性もあります。
まとめ
ホームページ作成費用は、以下の要素によって大きく異なります。
・外注先
・ホームページの種類
・ホームページの規模
・依頼する作業の範囲
できるだけ費用を安くしたい場合には、料金設定の安いフリーランスや中小の制作会社に、最低限のページと機能を備えたホームページの作成を依頼しましょう。小規模なECサイトや簡単なホームページであれば、ノーコードツールを採用するのも1つの方法です。
ただ「安価に」ということだけを考えると、「自由度が低くなる」「クオリティが低くなる」といったデメリットもあります。結果として、ホームページ作成の目的を果たせないかもしれません。
「ホームページで何をしたいのか」を整理したうえで、目的を叶えられる外注先や作成方法を選びましょう。