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デシル分析とRFM分析の違いとは?活用方法と事例をご紹介

2020.5.7
読了まで約 3

マーケティングで成果をあげるには、商品の購入金額や頻度などさまざまな情報から顧客の購買傾向を押さえ、商品を購入してくれそうな顧客に効果的にアプローチすることが大切です。
デシル分析やRFM分析は顧客分析に利用される手法であり、企業が購買予測を立てる際に役立ちます。

この記事では、デシル分析とRFM分析の違いを解説するとともに、マーケティングで活用する方法や具体的な活用事例をご紹介します。

 

デシル分析とRFM分析の違い


デシル分析とは


デシル分析とは、すべての顧客を商品の購入金額順に10等分し、各グループの購買データを読み解く手法です。
比較的簡単な手法であり、顧客分析の第一歩とも呼ばれています。

 

RFM分析とは


RFM分析とは、顧客の購入金額、購入頻度、最終購入日の3つの指標からデータを読み解く手法です。
指標の数が多い分、より正確な顧客分析が可能です。

 

デシル分析・RFM分析の違いとは


まず、デシル分析の指標は「購入金額」のみであるのに対し、RFM分析は「購入金額」「購入頻度」「最終購入日」という複数の指標があります。
デシル分析は指標がひとつだけなため簡単にデータ分析できるメリットはありますが、分析結果の正確性に欠ける点は無視できません。
 
一方、RFM分析は指標が多い分、デシル分析よりも正確なデータ分析が可能です。
しかし、デシル分析のようなシンプルさはなく、かなり複雑なデータ分析となるため、ある程度の経験がなければ難しいかもしれません。
初心者の方はまずはデシル分析からはじめ、慣れてきたらRFM分析を取り入れてみるのがおすすめです。

 

デシル分析とRFM分析の活用方法


デシル分析とRFM分析は、顧客の購買傾向を読み解き購買予測を立てる手法であり、マーケティング分野において以下のように活用されています。

デシル分析の活用方法


デシル分析では、購入金額順に10等分したグループがそれぞれ全体売上の何%を占めるのか算出します。
業種や地域性などさまざまな要素によって変動はあるものの、基本的には購入金額の高いグループほど購買力があり、企業の売上に貢献しているとみなします。
同じコストや内容でプロモーションを行っても、購買力の低い下位グループでは大きな効果は望めない可能性が高く、コストパフォーマンスは低下します。
つまり、デシル分析によって購買力のある上位グループを導き出し囲い込むことで、購買力の低いグループよりも集中的に強化した施策を行うことができるのです。

 

RFM分析の活用方法


RFM分析は、デシル分析よりも顧客分析の指標が多いため正確性があり、販促行動においてもより密度のある施策が可能です。
そのため、顧客の実態を正確に把握したい場合に活用されています。
購入金額のみのデータだと顧客の購買力しか測れませんが、購入頻度や最終購入日のデータがあることで優良顧客の他にも新規顧客、休眠顧客、離反顧客などが分析できます。
それぞれの顧客ニーズに寄り添った戦略が立てられるでしょう。

 

デシル分析とRFM分析の具体的な事例


デシル分析とRFM分析がどのように活用されているのか、具体的な事例をご紹介します。

デシル分析の具体的な事例


デシル分析の流れ
1. 全顧客、もしくは分析したい顧客の購買データを用意する
2. 購入金額順にデータを並び替え、10等分する
3. 各グループが全顧客の合計売上の何割を占めているか算出する
4. グループごとに異なる販促施策を立てる

600人の顧客がいる場合
まず、購入金額順に1グループ60人、合計10個のグループを作ります。
次に各グループが全体売上の何割を占めるか算出した結果、1〜5位グループが全体売上の80%、6〜10位グループが20%を占めていました。
この場合、上位5グループと下位5グループの人数は300人ずつで同数ですが、購買力に大きな差が生じていることがわかります。
よって、上位300人に集中して販促行動を行い、リピート率を上げるのが得策ということになるのです。

 

RFM分析の具体的な事例


RFM分析の流れ
1. 全顧客、もしくはデータ分析したい顧客の「R:最終購入日」「F:購入頻度」「M:購入金額」のデータを用意する
2. 3つの指標に沿って顧客の購買行動を5段階で評価し、評価ごとに顧客を分ける
3. グループごとに異なる販促施策を立てる

RFM=5:5:5の場合
3つの指標すべてにおいて最高評価であり、まさに「お得意様」と呼べる顧客であることがわかります。

RFM=3:3:3の場合
3つの指標すべてにおいて平均的な評価であり、実際はこのような中間層が多いのが現状です。
この中から優良顧客となりうる顧客を見つけ、いかに5:5:5に近づけていくか戦略を立てる必要があるでしょう。

RFM=5:1:1の場合
最終購入日(R)が高くその他の指標は低いため、新規の顧客であることがわかります。
購入頻度と金額を上げるには、ダイレクトメールやクーポンの配布などでリピート化を狙い、顧客の購買意欲を高めていきたいところです。

 

まとめ


◆デシル分析・RFM分析とは顧客分析の手法であり、主に顧客の購買行動からマーケティング戦略を立てる際に利用されている

◆デシル分析とは顧客の購入金額順で10等分してグループを作り、各グループのニーズに沿ったマーケティングを行うための手法である

◆RFM分析とは顧客の「R:最終購入日」「F:購入頻度」「M:購入金額」のデータから5段階で評価・分類し、各グループのニーズに沿ったマーケティングを行うための手法である

◆デシル分析は簡単だが正確性に欠ける部分があり、一方RFM分析は正確性はあるが複雑なデータ分析が必要となる

 

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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