企業がオウンドメディアを立ち上げることは近年の大きな流れとなっています。
しかし運用目的を、適切なものとできないために、成果を上げることができない事例も見られます。
オウンドメディアは、運用目的を自社のマーケティング課題と合致させることが重要です。
この記事では、オウンドメディアに適した運用目的とその具体例、およびゴール設定について見ていきましょう。
オウンドメディアは運用目的を自社のマーケティング課題と合致させることが重要
オウンドメディアを立ち上げたのはよいけれど、オウンドメディアがただの「社員の日記」になってしまっている例も見られます。
ただの日記に興味をもってくれる人は一般には少ないです。
逆に、オウンドメディアの宣伝色が強すぎる例も見られます。
自然検索からの流入が基本となるオウンドメディアでは、強すぎる宣伝色は読者が離れていくことになりがちです。
オウンドメディアを運用する際には、その目的をオウンドメディアに適したものに設定することが重要です。
同時にオウンドメディアの運用目的は、自社のマーケティング課題を解決するものでなければなりません。
そして運用目的を設定したら、適切なゴールを設定することも大切です。
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オウンドメディアに適した運用目的とは?
オウンドメディアの運用目的は、一般に次の二点に集約されます。
1. 自社の製品やサービスを認知してもらうための初回接触
2. 自社や自社の製品・サービスを好きになってもらうこと
オウンドメディアにおいても、企業が運営する以上、最終的なゴールは「問い合わせの獲得」や「売上」などでなくてはなりません。
しかしオウンドメディアは、問い合わせの獲得や売上に至るまでには長い時間がかかります。
なぜならオウンドメディアでの集客は、自然検索からの流入を狙うものだからです。
自然検索において、ユーザーは、自分が解決したい課題を表すキーワードで検索します。
したがって自然検索で行き着いた先にある記事は、ユーザーが解決したい課題を、まさに解決するものでなくてはなりません。
記事が、単なる「日記」などであった場合は、自然検索で流入したユーザーの関心から外れることになります。
また同様に、強すぎる宣伝色も、ユーザーの関心から外れるために嫌われる可能性が高くなります。
そのためオウンドメディアの目的は、あくまでも、「まずはユーザーとの初回接触を図り、製品やサービスを認知してもらうこと」となります。
同時にくり返しサイトを訪問してもらい、ユーザーの課題が解決される体験を何度もしてもらうことにより、「自社や自社の製品・サービスを好きになってもらうこと」となります。
自社や自社の製品・サービスが好きになり、顧客ロイヤリティが十分に高まったユーザーは、その時点ではじめて問い合わせをしたり、製品・サービスを購入したりの行動に移ります。
それには長い時間がかかりますが、顧客化してからの顧客生涯価値(LTV)は、時間をかけて信頼を勝ち得ているため、一般に高いとされています。
自社のマーケティング課題とオウンドメディア運用目的
以上のような運用目的が適しているオウンドメディアを、自社のマーケティング課題と合致させるためにはどのようにしたらよいのでしょうか?
ここでは、具体例を三点見てみましょう。
1. 課題解決に自社のサービスが有用であるとの気づきを与える
第一は、見込み顧客と接触することにより、見込み顧客の課題を解決するためには、自社の製品・サービスが有用であるとの気づきを与えることを目的とすることです。
これはオウンドメディアの運用目的として、オーソドックスなものだといえるでしょう。
このタイプのオウンドメディアを運用する際には、自社が提供する製品・サービスと関連がありつつ、見込み顧客の課題を解決することができるコンテンツを作成することが重要です。
検索ワードをどのように選択するかがポイントとなってくるでしょう。
2. 信頼性の高さや業界内での差別化を理解してもらう
見込み顧客と接触するだけでなく、信頼性の高さや業界内での差別化について理解してもらうことにより、顧客ロイヤリティを高めることも、オウンドメディアの運用目的とすることができます。
デザイン会社やWeb制作会社、コンサルティング会社など、サービスの品質がすぐにわかりにくい商材は、このような方向性が適しているといえます。
立ち上げる場合には、自社の役員やスタッフがどのような考え方をし、どのようなスキルをもっているかが伝わるコンテンツを作成することがポイントとなってきます。
外部ライターに頼って記事数を増やすことより、記事数は少なくてもよいから内製化し、内容を濃いものにすることが重要です。
3. 契約後の利用を快適にしてもらう
オウンドメディアは、問い合わせや売上につなげるだけでなく、契約後の利用を快適にしてもらい、購入をくり返してもらうことを目的として運用することもできます。
導入後に専門知識が必要となる、複雑なツールなどの商材には、この方向性が適しています。
立ち上げにあたっては、利用者がつまずきやすいポイントを徹底的に洗い出し、使用マニュアルとして記事化していきましょう。
製品のアップデート情報などと組み合わせることにより、くり返し購入を促すことが可能となります。
適切なゴール設定も忘れずに
オウンドメディアの運用目的をはっきりさせたら、次にゴール設定を明確化することも大切です。
ゴール設定は、オウンドメディアの運用実績により、以下の3つに集約されることが一般的です。
・サイトへの訪問客を増やす
・訪問客から見込み顧客への転換率を上げる
・見込み顧客から顧客への転換率を上げる
「サイトへの訪問客を◯月◯日までに◯◯%アップする」
などとKGI(Key Goal Indicators =重要目標達成指標)を設定したら、次にKGIを達成するための要因を洗い出し、KPI(Key Performance Indicator =重要業績評価指標)を設定します。
KPIは、コンテンツ数やPV数、問い合わせ数などとなるでしょう。
まとめ
◆ オウンドメディアは運用目的を自社のマーケティング課題と合致させることが重要
◆ オウンドメディアの運用目的として適しているのは製品・サービスを認知し、好きになってもらうこと
◆ マーケティング課題により、オウンドメディアの運用目的はさまざまに設定できる