オウンドメディアとは、自社が所有するメディアを指し、会社のコーポレートサイト、商品やサービスが紹介されているECサイト、有益な情報が発信されるコンテンツサイトなど、様々なものを意味します。
オウンドメディアを運営すると決まれば、まずはサイトデザインの戦略を練る前に目的を明確にしなければなりません。
しかし、自社のサイトにどのような目的や効果を持たせるのか、なかなか言葉だけで表現するのは難しいものです。
実際のオウンドメディアの見本を見るのが一番イメージを持ちやすいでしょう。
そこで今回は、他社が運営しているオウンドメディアの成功事例をもとに、どのような点に特色があるのかなどを解説していきます。
印刷通販サイト「イロドリ」が運営する『IRODOLIC!(イロドリック)』
成功事例として挙げるのが、株式会社プリマリールのオウンドメディアです。
印刷通販サイト「イロドリ」が運営する『IRODOLIC!(イロドリック)』
株式会社プリマリールは、印刷通販サイトを運営しています。
ターゲットとなる顧客は、印刷を発注する「個人」や「企業」となります。
いわばBtoC、BtoB、両方の側面を持つ企業といえます。
ホームページにアクセスするターゲットとしては、印刷を考えている個人や、企業の担当者と予測するでしょう。
一般的に考え付くのは、だったらすぐにでも印刷の発注を受けられるようにと、自社の印刷のサービスを内容としたコンテンツの展開です。
しかし、ここが株式会社プリマリールの特筆すべきポイントです。自社のサービスに直結する情報というよりは、どちらかというと、印刷に関する様々な有益な情報を項目に分けて提供しています。
コンテンツの中でも特に目を引くのが、以下の2つです。
・やってみた
「印刷物であんなことをやってみた」という企画で、実際の企業の編集部員が様々な印刷に関する挑戦を行っています。
独立した読み物としても、非常に内容が濃く、楽しむことができます。
また「展示会レポート」では、様々なデザインなどに関する展示会へ直接足を運び、記事にしているところが、ユーザーの興味を誘います。
タイムリーな話題ともいえ、情報収集のための役割も果たしているといえるでしょう。
・お役立ち
「初心者のための印刷基礎」「ノンデザイナーでもできるデザイン」など、HowToものの内容が中心です。
お役立ちとのタイトル通り、様々な印刷に関連した有益な情報をまとめています。
特に印刷関連の知識がない初心者など、幅広い層を引き込むことが可能です。
このように様々な情報を詰め込むことで、印刷の発注先を迷っている顧客だけでなく、印刷に関連する知識を探しているユーザーにもアクセスしてもらいやすい環境を整えています。
また印刷通販というだけあって、サイト自体もカラフルです。
印象に残りやすいのは当然ですが、印刷物のイメージも容易となり、ブランディングへも一役買っているのも特徴といえるでしょう。
オウンドメディアを個別に立ち上げない成功事例
上記の株式会社プリマリールのように、コンテンツサイトを別で立ち上げて運営するという方法が主流です。
ただ、継続して更新させていくには、ヒト、カネというリソースが共に必要となってきます。
コンテンツサイトの運営を業務とする担当者を置けない場合には、外部のライターに外注するなどの対応が必要です。
特に、専門的な情報をタイムリーに提供するようなコンテンツサイトであればなおさらでしょう。
この点、コンテンツサイトの立ち上げを行わずに、会社のコーポレートサイトを利用して情報を発信するという方法があります。
具体的には、コーポレートサイト内に全ての情報を集約するのです。
自社の商品やサービスはもちろん、付随する関連知識や有益な情報なども一気にコンテンツに組み入れます。
メリットは、まず手間がかからないこと。
コーポレートサイトの運営の中で行うため、随時更新も容易となります。
また自社の商品やサービスが全てサイトの中で掲載されているため、単なる興味ある見込み客がそのまま様々な段階を飛ばしてサイト内の窓口から発注に至るケースも、可能性があるといえるでしょう。
オウンドメディアを運営するにも環境的に厳しいと判断するのであれば、自社のコーポレートサイトでテストランをしてみることも検討の余地があるといえます。
オウンドメディアの運営については、コーポレートサイトの中で行う、他方、コンテンツサイトを立ち上げて運営を行うなど、様々な方法があります。
どちらで行うかは、会社が置かれている状況を総合的に見て判断する必要があります。
両者は運営方法が異なりますが、内容的には、やはり、目的、コンセプトを明確にしてサイトデザインを行うことが必要です。
運営方法もさることながら、オウンドメディアを立ち上げる際に、まずはぶれない基軸をしっかりと持つこと、その上でデザイン戦略を練ることが重要ではないのでしょうか。
まとめ
◆印刷通販サイト「イロドリ」が運営する『IRODOLIC!(イロドリック)』は、自社とは関係のない有益な情報を内容としている特徴がある。
◆コンテンツサイトを立ち上げず、会社のコーポレートサイトを利用する方法もある。