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アトリビューション分析とは?分析方法と実戦での活用方法について

2019.7.31
読了まで約 3

アトリビューション分析は、直接コンバージョンに至るまでの、顧客のタッチポイントの貢献度を評価する手法です。

間接コンバージョンを横断的に計測できるようになり、近年注目を集めています。

この記事では、アトリビューション分析とはどのような分析なのか、方法と実践での活用方法についてご紹介します。

 


■アトリビューション分析とは?

アトリビューション分析とは何なのか、どのような経緯で注目されるようになったのかを見てみましょう。

 

●アトリビューション分析とは間接コンバージョンまでも考慮に入れるWeb広告の評価法

アトリビューション分析とは、Web広告のコンバージョンを分析する手法です。

直接コンバージョンだけでなく、間接コンバージョンも考慮に入れて、それぞれの広告のコンバージョンに対する貢献度を評価できます。

 

●以前は最後にクリックされた広告しか評価できなかった

アドネットワークが普及する以前は、実際にクリックされる直接コンバージョンでしか広告の効果を評価できませんでした。

したがってWeb広告を複数掲載していても、最後にクリックされた広告しか評価の対象となりません。

広告がクリックされるに至るまでには、顧客は多くの経路をたどるのが一般的です。

顧客が閲覧したページに表示されたものの、クリックされるには至らなかったビュースルーなど、経路の途中で発生した間接コンバージョンが評価できないことは大きな課題となっていました。

 

●間接コンバージョンが評価できるようになっても重複が発生していた

間接コンバージョンが評価できない課題については、アドネットワークの登場により、ある程度解決されました。

アドネットワークでは、ビュースルーの計測も可能となります。

アドネットワークでは、コンバージョンの計測はメディアごとに行われます。

そのためにメディア間のコンバージョンが重複してしまっていました。

 

●3PASにより複数メディアのコンバージョンが評価可能になった

メディア間のコンバージョンの重複は、広告の第三者配信(3PAS)のにより解決されました。

広告配信の一括管理を行う3PASの利用により、直接コンバージョンに至るまでの、すべての間接コンバージョンを、重複することなく計測できます。

アトリビューション分析は、こうして計測されたコンバージョンの貢献度を評価するための分析です。

アトリビューション分析が近年になって注目されているのは、コンバージョンの計測が可能になったこと自体が、比較的最近だからです。

 


アトリビューションモデルの種類

さて、直接コンバージョンに至るまでの、すべてのタッチポイントの貢献度を評価するアトリビューション分析を行うためには、「モデル」を仮定しなくてはなりません。

モデルには多くの種類があり、主に、

・成果配分モデル
・ベイジアン・ネットワークモデル
・マルコフ連鎖モデル
・ボルツマンウェイトモデル

などがあります。

初心者でも、もっとも使いやすいアトリビューションモデルである「成果配分モデル」を見てみましょう。

成果配分モデルは、直接コンバージョンが得られるまでに顧客が経由したタッチポイントに、分析を利用するケースに応じた重み付けをするものです。

重み付けの種類は、

1.終点モデル
2.始点モデル
3.線形モデル
4.減衰モデル
5.接点ベースモデル

の5つとなります。

 

1.終点モデル

終点モデルは、最後のタッチポイントに100%の貢献度を割り振ります。

アドネットワークが登場する以前の考え方とおなじです。

期間限定のキャンペーンなど、販売サイクルが短期間であり、検討段階が含まれないケースで使用するのに適しています。

 

2.始点モデル

始点モデルは、顧客がはじめて接したタッチポイントに100%の貢献度を割り振ります。

ブランド認知を目的にキャンペーンを行う場合などに適しています。

3.線形モデル

線形モデルは、コンバージョンに至るまでの顧客のタッチポイントに、すべて同等の貢献度を割り振ります。

販売サイクル全体を通じ、顧客との関わりを維持して認知度を高めることが目的である場合には、このモデルが適しています。

初心者でも使いやすく、成果配分モデルの中でもっともオーソドックスなものだといえます。

 

4.減衰モデル

減衰モデルは、タッチポイントの発生した日が、コンバージョンが発生した日より前になるほど貢献度を減らします。

終点モデルと同様に、期間限定のキャンペーンを行う場合などに適しています。

 

5.接点ベースモデル

接点ベースモデルは、始点と終点の貢献度を高め、そのあいだのタッチポイントの貢献度を低めるもの。

「顧客にブランド認知をさせたタッチポイント」および「販売につながったタッチポイント」の両方を重視する場合に適しています。

 

アトリビューション分析のBtoBでの活用方法

アトリビューション分析の考え方は、BtoBではなじみが深い考え方ともいえます。

なぜならば、BtoBでは、いくつものタッチポイントや経路を考慮しながら、販売戦略を構築することが一般的だからです。

BtoBでは、マーケティングオートメーション(MA)を導入していることも多いでしょう。

MAでは、

・展示会やセミナー
・ブログや動画、プレスリリース
・SNSやメール
・テレビ・新聞などの広告
・営業部門からのアプローチ

などのさまざまなリードナーチャリング施策の費用対効果を評価できます。

アトリビューション分析をBtoBで活用するための方法として、このMAと連携させる方法があげられます。

アトリビューション分析だけでは、コンバージョンが得られたリードのうち、どれが実際に商談や成約に至っているかまでは分析できません。

しかし、MAと連携させることにより、実際のビジネス成果を参照しながら、Web広告の配信を最適化できます。

アトリビューション分析を導入することにより、BtoBでは、より総合的かつ効果的なマーケティング戦略が立案できるようになります。

 

まとめ

◆ アトリビューション分析とは顧客のタッチポイントすべてを考慮に入れるWeb広告の評価法

◆ 間接コンバージョンを横断的に計測できるようになり、注目を集めている

◆ アトリビューションモデルのなかでは「成果配分モデル」が使いやすい

◆ アトリビューション分析をMAと連携させることにより、総合的かつ効果的なマーケティング戦略を立案できる

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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