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顧客ロイヤルティを意識したマーケティング戦略のポイント

2019.3.20
読了まで約 3

顧客ロイヤルティとは、企業やブランド、商材、サービスなどに対する信頼や愛情を、数値化して評価するための指標です。

これまでの顧客満足度と比較して、収益性と直接の連動が見られることが知られています。

今回は、顧客ロイヤルティとは何か、顧客ロイヤルティを数値化する指標NPSについて、顧客ロイヤルティを高める意味、顧客ロイヤルティを高めるマーケティングの戦略についてご紹介します。

顧客ロイヤルティとは?

「ロイヤルティ(Loyalty)」の元々の意味は「忠誠」です。顧客ロイヤルティとは、顧客が企業やブランド、商材、サービスなどに対して抱く信頼や愛情のことを指します。

顧客ロイヤルティの「信頼」は、商品やサービスの価格や品質を客観的に評価するものだといえます。

それに対して「愛情」は、「他の商品やサービスより自分に合っている」「このブランドは自分のことをわかっている」などの、ファン心理のようなものです。

顧客ロイヤルティが高まるためには、信頼と愛情のどちらか一方ではなく、両方が必要です。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

顧客ロイヤルティと顧客満足度はどう違う?

顧客ロイヤルティは、従来使用されてきた顧客満足度と比較して、収益性との関連性が高いことが特徴です。

顧客満足度の場合には、「顧客満足度が高い顧客」が必ずしも「商品やサービスを頻繁に購入する顧客」とはなりません。

商品やサービスに大きな不満がなくても、顧客が他社に乗り換えてしまうことがあります。実際に顧客満足度を向上させても、解約が減らなかった例もあります。

それに対して顧客ロイヤルティは、商品やサービスの満足度にとどまらず、信頼や愛情を加味して評価します。

それにより、収益性との直接の関連性が高いことが実証的に示されています。

顧客ロイヤルティの指標NPS

顧客ロイヤルティを数値化する際の指標としてよく知られるのが「NPS(ネットプロモータースコア)」です。

2003年にアメリカで発表されたNPSは、GEやアップル、レゴなどがその有効性を示したことで急速に普及し、グーグルやアメリカンエクスプレス、P&Gなども使用しているといわれます。

NPSは、計測方法および計算方法がシンプルでわかりやすいことが特徴です。

 

●NPSの計測方法

NPSを計測するためには、顧客に対し、ある製品やサービスについて「あなたは〇〇を親しい友人や家族にどの程度お薦めしたいと思いますか?」と質問し、0~10までの11段階で回答してもらいます。

回答の結果に応じて、顧客は、

・批判者(0~6)
・中立者(7~8)
・推奨者(9~10)

に分類されます。

 

●NPSの計算方法

製品やサービスのNPSを計算するためには、推奨者の割合と批判者の割合との差を求めます。

たとえば推奨者が全体の40%、批判者が20%であれば、NPSは、40%-20%で「20」となります。

NPSの値が大きいほど顧客ロイヤルティは高いこととなります。

 

●収益性に連動するのは未来の行動を点数化するため

上の計測方法および計算方法で見たように、NPSは、「今後他人に薦めますか?」という未来の行動を点数化します。

そのため今後の収益性と連動すると考えられています。

 

顧客ロイヤルティを高める意味

顧客ロイヤルティを高めることにはどのような意味があるのでしょうか? 顧客ロイヤルティを高めることで、顧客離れの防止と口コミによる拡散が期待できます。

 

●顧客離れの防止

顧客ロイヤルティを高めることにより、顧客離れを防止することが期待できます。

顧客離れの防止は、5%改善できれば利益率は25%改善するといわれるほど、収益性を高めるために有効です。

契約あたりの単価が高いBtoBにおいては、1件の解約でも大きな損失につながることがあります。顧客離れの防止は大きな課題だといえるでしょう。

 

●口コミによる拡散

顧客ロイヤルティを高めることにより、口コミによる拡散も期待できます。BtoBの場合には、SNSによる拡散などはありませんが、他の部署やグループ企業へのリコメンドが期待できます。

新規開拓の手段が限られているBtoBにとって、口コミによる拡散は大きいといえるでしょう。

 

顧客ロイヤルティを高めるマーケティングの戦略

顧客ロイヤルティを高めることが、収益性を高めるためには重要であることを見てきました。

では顧客ロイヤルティを高めるためのマーケティング戦略はどのようなものでしょうか? 顧客ロイヤルティの2つの側面、信頼度と愛情のそれぞれについて見てみましょう。

 

●信頼度を高めるための戦略

企業・ブランドとしての信頼度を高めるためには、企業活動についての情報を積極的に発信していくことが有効でしょう。

とくに商材やサービスの導入実績の紹介は、どのような企業が自社の商材やサービスを利用しているかがわかりますので、信頼度を高めることにつながります。

情報の発信方法は、自社サイトに掲載することが1つです。

その他にも、メールや、FacebookなどのSNSなどで情報を公開すれば、顧客との双方向のやり取りが生まれることも期待できます。

 

●愛着を高めるための戦略

BtoBにおいては、サポートプログラムにも高いニーズがあります。サポートは、商材やサービスの導入後に限らず、導入前にも実施することができます。

BtoBでの購買は、社内の意思決定にどうしても時間がかかります。その際に、意思決定に役立つ資料を提供するなどのことにより、顧客とのつながりを深めることができるでしょう。

契約が進行している顧客に対し、セミナーなどを開催する企業も実際に増えています。

 

まとめ

・顧客ロイヤルティとは企業や商材、サービスに対する信頼度と愛情を評価するもの

・顧客ロイヤルティを評価するための指標はNPSが知られている

・顧客ロイヤルティを高めることにより、顧客離れの防止および口コミによる拡散が期待できる

・顧客ロイヤルティを高めるためには、信頼度および愛情それぞれについて戦略を立てることが大切

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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