リードナーチャリングとは、見込み顧客が自社商品やサービスを購入するように導くことです。必要性やメリット、プロセス、具体的な手法を紹介します。なお、この記事では主にBtoBにおけるリードナーチャリングについて解説します。
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目次
リードナーチャリングとは?
リードナーチャリングとは、見込み顧客を受注・商談へとつなげるためのマーケティング活動のことです。自社商品やサービスへの潜在的ニーズを有する見込み顧客に対して、メルマガやセミナーなどを活用して役立つ情報を中長期的かつ適切なタイミングで提供し、自社の製品やサービスへの購買意欲を高めていきます。
なお、リード(lead)とはビジネス用語では見込み顧客を指します。また、ナーチャリング(nurturing)とは、育成を意味する言葉です。見込み顧客を育て、自社商品やサービスの購入に誘導することがリードナーチャリングです。
関連記事
・リードとは?マーケティング・営業での意味や見込み顧客の獲得方法を解説
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BtoBマーケティングの3つのプロセス
BtoBマーケティング(対企業マーケティング)は、次の3つのプロセスで進めていきます。
1. リードジェネレーション
2. リードナーチャリング
3. リードクオリフィケーション
リードナーチャリングへの理解を深めるためには、まずはBtoBのマーケティングについての理解が必要です。それぞれのプロセスを順に説明します。
1.リードジェネレーション
リードジェネレーション(lead generation)とは、見込み顧客の情報を獲得することです。将来的に自社商品やサービスを購入する可能性がある見込み顧客を見つけ、マーケティングに必要な情報を集めます。
たとえば、Web広告への出稿やオウンドメディアの運用により、自社商品やサービスが見込み顧客の目が触れる機会を創出します。そのほかにも、展示会やイベントの実施などでも、見込み顧客の目に触れる機会を増やせるかもしれません。
なお、リードジェネレーションでは、見込み顧客とのタッチポイント(接点)を増やすことが重要です。タッチポイントが増えれば自社商品やサービスが見込み顧客の目に触れる機会が増え、リード獲得やリードナーチャリングにつなげていけます。
関連記事:リードジェネレーションとは?リードナーチャリングとの違いや手法、注意点を徹底解説
リードジェネレーションの基本となる考え方や手法については、以下で資料を無料ダウンロードしていただけます。ぜひご活用ください。
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2.リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、リードジェネレーションにより獲得した見込み顧客を育成する段階です。そのため、リードジェネレーションの後にリードナーチャリングが始まります。
リードナーチャリングでは、見込み顧客が「自社商品やサービスに興味がある」という段階から、「自社商品やサービスを購入したい」という段階に進めるように導きます。
適切な方法でナーチャリングを行わないときは、リードジェネレーションによって獲得した見込み顧客を逃すことにもなりかねません。
関連記事:ナーチャリングとは?意味と手法、4つのメリットを解説
3.リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーション(lead qualification)とは、リードナーチャリングによって購入に近づいた見込み顧客を選別し、商談につなげていく段階のことです。マーケティングから営業へと見込み顧客の情報を引き継ぎ、見込み顧客にあった手法で購入へと誘導します。
ただし、適切なタイミングで商談を実施しない場合には、購入につながらないばかりか、見込み顧客が離れる可能性もあります。リードクオリフィケーションの精度を高め、見込み顧客がどの程度まで購入に近づいているのか、適切に見極めることが必要です。
BtoBマーケティングでは、リードの獲得・育成・選別を適切におこなうことが成功するかどうかを大きく左右します。対企業のWebマーケティングにおいて、知っておくべき手順や具体的な手法を以下から無料ダウンロードしていただけます。ぜひご利用ください。
関連記事:B to B企業の成約率を上げるリードナーチャリングとリードクオリフィケーションとは?
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リードナーチャリングが必要な理由
リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションの3つの過程を、まとめて「デマンドジェネレーション」と呼ぶことがあります。
デマンドジェネレーションの過程のなかでも、リードナーチャリングはとりわけ重要度の高い部分です。リードナーチャリングがマーケティング方法として注目される理由について、解説します。
関連記事:デマンドジェネレーションとは?意味や取り組み方、事例を解説!
急速なデジタル化に伴う顧客行動の変化
インターネットが広く普及したことで、人々は必要な情報を自分自身で簡単に収集できるようになりました。どのような商品やサービスが必要なのか調べるだけでなく、特定の商品やサービスの価格・スペック・特徴などを比較検討することも一般化しています。
顧客行動の変化に伴い、企業はできるだけ早い段階で見込み顧客と接点を持ち、関係を築き上げ、自社の商品やサービスを比較検討の枠に加えてもらう必要があります。
また、インターネットで情報を検索することを想定し、正確かつ見込み顧客が得たいと思う情報を公開することも有用です。デジタル化に対応した見込み顧客へのアプローチを展開するためにも、リードナーチャリングは欠かせない過程といえるでしょう。
購買意欲の高いリード創出の必要性
リードジェネレーションにより見込み顧客を獲得しても、購買意欲が高いとは限りません。購買意欲が低い状態の見込み顧客に適切なアプローチをしないでいると、購買意欲が上がるどころか、消失する可能性があります。
購買意欲が少しでも芽生えた見込み顧客に対しては、適切にアプローチを繰り返し、より確度の高い見込み顧客へと育てることが必要です。購買意欲が高まると、商談へとつなげられるだけでなく、購入にも近づきます。
特に、単価の高い商品・サービスは検討期間(リードタイム)が長くなる傾向にあります。リードナーチャリングをおこない、顧客の取りこぼしを防ぐことが大切です。
休眠顧客の掘り起こし
休眠顧客とは、過去に商談や契約まで至ったことがあるものの、現在はやりとりがない顧客のことです。休眠顧客は自社商品やサービスについての基本的な知識がすでにあるため、リードナーチャリングで的確にアプローチを実施すれば、優良顧客になる可能性が高いと考えられます。
休眠顧客に適切なアプローチを行うためにも、顧客情報を適切に管理しておくことが欠かせません。顧客が現在どのような状態にあるのか一目でわかるようにしておけば、アプローチに適した段階なのか、どのようなアプローチが適切なのか判断しやすくなります。リードナーチャリングの効果を高めるためにも、顧客・見込み顧客の管理を適切に実施しましょう。
リードナーチャリングのメリット
マーケティングでは、リードナーチャリングを実施することで、以下のメリットが得られます。
● 営業活動が効率化し受注率がアップする
● 新規顧客獲得の負担を軽減できる
● 適切なタイミングでアプローチでき、見込み顧客の流出を防げる
● アップセル、クロスセルがしやすくなる
それぞれのメリットについて見ていきましょう。
営業活動が効率化し受注率がアップする
勘や記憶、経験に頼る従来型の営業では、営業担当者によって成果が変わります。しかし、リードナーチャリングをマーケティングから営業までの仕組みとして組み込んでしまえば、営業担当者のスキルに頼らず、業務の属人化を予防できます。
購入につながりやすい見込み顧客から優先的にアプローチすると、受注率アップが期待できるでしょう。営業活動の効率化を実現するためにも、リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションの一連の流れが必要です。
ただし、リードナーチャリングは、一般的にはマーケティングの仕事とされています。確度の高い見込み顧客に適切なタイミングで営業を行うためにも、営業部署とマーケティング部署の連携は必要です。見込み顧客に対する情報の伝達漏れをなくすためにも、エクセルファイルなどのオンラインツールを使って情報共有をしておきましょう。
新規顧客獲得の負担を軽減できる
新規に顧客を獲得するには、多大な時間とコストがかかることがあります。しかし、リードナーチャリングで既存顧客と強い結びつきを構築すれば、長期的かつ安定した利益を生み出せるようになり、新規顧客獲得に要する負担を軽減できるでしょう。
また、休眠顧客の情報も活用すれば、既存顧客を優良顧客に育成することも可能です。顧客獲得までの時間とコストを削減するためにも、リードナーチャリングの過程は欠かせません。
適切なタイミングでアプローチでき、見込み顧客の損失を防げる
リードナーチャリングで見込み顧客の行動や関心を可視化すれば、適切なタイミングでアプローチできるようになります。アプローチのタイミングや手法を間違えると、見込み顧客を失うことにもなりかねません。顧客のニーズの変化を見極め、長期的に接点を持ち続けることで、機会損失を防ぐことが大切です。
関連記事:リードナーチャリングのメリットとは?見込み顧客を増やしたい企業のマーケティング法
アップセル、クロスセルがしやすくなる
リードナーチャリングにより見込み顧客が購買意欲を高めると、より上位モデルを販売する「アップセル」や、複数の商品・サービスの販売につなげる「クロスセル」がしやすくなります。
アップセルやクロスセルにより、顧客の人数は同じでも売上増を実現できます。より効率性の高い販売を実現するためにも、リードナーチャリングが必要です。
リードナーチャリングのデメリット
メリットの多いリードナーチャリングですが、いくつか注意する点があります。デメリットになり得る点としては、次のものが挙げられます。
● 多くのリソースを要する
● 短期間で効果を得るのは難しい
● 一定のリード数が必要
それぞれについて見ていきましょう。
多くのリソースを要する
リードナーチャリングを実施するには、見込み顧客情報の管理やナーチャリング施策の準備・提供、マーケティング活動の記録など多くのリソースが必要です。いずれの情報・準備が欠けても、リードナーチャリングは効果的に実施できません。
多くのリソースを適切に管理するためにも、MAツールの導入を検討できます。MAツールでは、見込み顧客情報の管理からナーチャリング施策の提供、マーケティング活動の記録などの一元管理が可能です。また、関連する担当者すべてが適切に閲覧できる状態にしておくことで、マーケティング担当者から営業担当者への引き継ぎもスムーズにできます。連絡漏れもなくなり、見込み顧客に対してより効果的なアプローチができるようになるでしょう。
『Switch Plus』は、効率的なリードナーチャリングを実現するMAツールです。既存の顧客リストと連携すれば、簡単に顧客情報やマーケティング活動の記録を管理できます。また、リードナーチャリングに欠かせないオウンドメディアの作成やメルマガ配信などもまとめて実施できます。まずは無料トライアルアカウントで、使い心地をお試しください。
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短期間で効果を得るのは難しい
リードナーチャリングは、さまざまなアプローチを経て見込み顧客を購入まで導いていく手法のため、短期間で効果を発揮することは困難です。見込み顧客が見込み顧客のままでいる期間「リードタイム」が長引くことが想定されます。
とりわけ単価が高い商品・サービスに関しては、リードタイムは長期化する傾向にあります。長期化しても見込み顧客を失うことがないよう、適切に見込み顧客を管理することが必要です。
一定のリード数が必要
ナーチャリング施策を実施したとしても、見込み顧客すべての購入意欲を高められるわけではありません。そのため、見込み顧客数が少ない場合、リードナーチャリングにより期待するような成果が得られない可能性があります。
ある程度の成果を得るためにも、まずはリードジェネレーションにより一定のリード数を確保しておくことが必要です。
リードナーチャリングを行うための4つのプロセス
リードナーチャリングは、次のプロセスで実施していきます。
1. リード情報を一元化する
2. リードをセグメントする
3. 顧客にあわせたコンテンツを作成する
4. 施策を実行しPDCAサイクルを回していく
流れに沿って解説します。
1.リード情報を一元化する
まずは、名刺や資料請求フォームなどから取得した見込み顧客の情報を一元化します。また、営業担当者が個別で管理している顧客情報もまとめて一元化すれば、必要な情報の抜け漏れを防げるだけでなく、情報の重複も回避できます。
情報管理に役立つのがCRMツールです。CRMとはCustomer Relationship Managementの略称で、顧客関係管理を意味します。CRMツールを用いると見込み顧客の名前や年齢、住所などの詳細なプロフィール情報をまとめるだけでなく、会社の規模や役職、消費特性や傾向について分析もトータルで対応できます。
関連記事:CRMとは何か?知っておきたいSFAとの違いやCRMツール導入の注意点まで徹底解説
関連記事:Salesforce(セールスフォース)とは!基本となる機能や特徴を初心者でも分かるように解説!
2.リードをセグメントする
収集した見込み顧客の情報は、そのままでは活用できません。住所や年齢、職業、過去の取引履歴などから顧客を分類する「セグメント」を実施することで、ようやくリードナーチャリングができる状態になります。
セグメントにより、購入意欲の高さなどを分析すると、見込み顧客に応じたアプローチが可能になります。手作業では膨大な手間がかかるため、MAツールを活用しましょう。
3.顧客にあわせたコンテンツを作成する
自社製品の情報提供や、無料セミナーへの誘致など、セグメント分けされたリードにあわせたコンテンツを作成します。
なお、コンテンツマーケティングとは、ターゲットに対して価値あるコンテンツを提供することでファンを獲得し、商品・サービスの購入につなげるマーケティング手法です。たとえば勤怠管理システムを販売する企業であれば、ターゲットが必要としていると思われる労務や人事などの情報を提供することで、興味を惹きつけられるかもしれません。
コンテンツマーケティングでは、見込み顧客にとって価値のある情報をメルマガやSNS、ブログなどのさまざまな方法で提供します。
関連記事:コンテンツマーケティングとは?基本的な概念から実践までを解説します
関連記事:BtoBリードナーチャリングにおけるコンテンツ設計で重要な3つのこと
4.施策を実行しPDCAサイクルを回していく
ナーチャリング施策を実行した後は、顧客の反応測定を欠かさずに行います。期待したよりも成果が得られていないときは、コンテンツの内容や提供タイミングなどを改善しなくてはいけません。
ナーチャリング施策は、実行と効果検証、改善のPDCAサイクルを継続的に回していくことが必要です。実行・効果検証・改善を続けることで、より効率的なリードナーチャリングが可能になり、売上増を実現しやすくなります。PDCAサイクルについては、次の記事で詳しく解説しています。
関連記事:PDCAサイクルの具体例を徹底解説します!成功・失敗の要因を説明!
リードナーチャリングの主な手法
リードナーチャリングの主な手法としては、以下のものが挙げられます。
● メール
● DM(ダイレクトメール)
● 電話
● セミナー・ウェビナー
● SNS
● オウンドメディア
● リターゲティング広告
● ホワイトペーパー
それぞれの手法の特徴やメリット、注意点などを説明します。
メール
メールを使ったリードナーチャリングを実施することがあります。たとえばメルマガを配信し、見込み顧客の興味を引く話題や、自社商品やサービスの使い方・メリットなどを定期的に提供できます。
また、購入意欲の程度にあわせて配信内容を変える「ステップメール」や、特定の条件を満たす見込み顧客に対して配信する「セグメントメール」なども有用です。一律に同じ内容のメールを配信するよりも、より効果的なリードナーチャリングを実施しやすくなるでしょう。
メールによるリードナーチャリングは、見込み顧客との接点を作るためにも実施されます。メールを活用したメールマーケティングについては、次をご覧ください。
顧客接点を作るために必要なメールマーケティング【初級編】
ユーザーの購買行動において、問い合わせ・購入前に自ら情報収集をすることが増え、企業にとってはユーザーから選ばれるためにどうすればよいか?を考える必要があります。 選ばれるためには、…
また、メルマガを一方的に送り続けるだけでは、手ごたえを感じにくく、見込み顧客との関係を正確に把握できなくなることがあります。次の記事では、見込み顧客の反応をメールに反映するステップメールについて解説しています。ぜひチェックしてみてください。
送るだけのメルマガから卒業!初めてのステップメール
マーケティングオートメーションやメール配信ツールを導入したけれど、顧客リストへ一括配信するだけに留まっている… メルマガ・メールマーケティングを始められた方に、このケースは多いので…
DM(ダイレクトメール)
DM(ダイレクトメール)とは、郵便やFAXを利用して行われる古典的なリードナーチャリングの手法です。紙で受け取るため、メールよりも内容を見てもらえる確率が高いと考えられます。
内容が気になったときは、何度でも見返してもらえるのもDMの特徴です。たとえば自社商品やサービスのカタログを見込み顧客に送れば、何度も見返して、商品・サービスへの購入意欲を高めてくれるかもしれません。
自社ホームページなどで電子カタログを公開することもできますが、必ずしも見込み顧客が閲覧するとは限りません。また、閲覧するためにはインターネットにアクセスしなくてはならず、面倒に感じる可能性もあります。世の中の流れとしてはペーパーレス化が進んでいますが、紙ならではのメリットにも注目し、リードナーチャリングにも活用していきましょう。
電話
DMと並んで古典的な手法ですが、電話もリードナーチャリングにおいて活用されることがあります。一般的には、ある程度受注・商談に近づいた見込み顧客に対して、電話でのアプローチが実施されます。
DMやメールのように販売者側から一方的に情報を与えるのとは異なり、電話では見込み顧客の意見や希望なども直接聞けるため、より必要性の高い情報をピンポイントで提供できる点がメリットです。
また、購入意欲の高い見込み顧客であれば、電話でリードナーチャリングを実施するタイミングで商談を取り付けられることもあります。見込み顧客に対して柔軟に対応できるのも、電話のメリットといえます。
セミナー・ウェビナー
セミナーやウェビナー(オンラインセミナー)も、効果的なリードナーチャリングの手法です。自社の商品やサービスの受注、商談を検討している見込み顧客に対して、直接コミュニケーションがとれるため、効率性の高いアプローチが可能です。
直接対面で話せるセミナーもよいのですが、会場の準備や出席者の管理などに手間がかかる点に注意しましょう。一方、ウェビナーはオンラインで情報を伝えるため、見込み顧客と双方向性のあるコミュニケーションはとりにくくなってしまいます。
しかし、ウェビナーとして配信した動画を公開すれば、リアルタイムで視聴できなかった見込み顧客にも見てもらえるため、より多くの見込み顧客に届きやすいというメリットがあります。ウェビナーで新規顧客を効率よく増やすためのポイントについては、以下の資料にまとめました。無料ダウンロードしてお使いください。
新規リードを効率よく増やす!知っておきたい共催ウェビナーの実施ポイント
オンラインツールの浸透により、ウェビナーへの抵抗感は以前より低減され、 ウェビナーは多くの企業にとって主要なリードチャネルになりました。 また、ウェビナーはオンラインで手軽に開催で…
関連記事:ウェビナー(Webinar)とは?意味やメリット、おすすめツールを紹介
関連記事:オフラインでのリード育成~ナーチャリングにおけるセミナー・展示会の役割~
SNS
SNSで新商品や新サービス、関連する情報などを発信するのもおすすめの方法です。SNSは拡散力が高いため、認知度の向上やブランディング、ロイヤリティの向上が期待できます。
ただし、拡散力が高い分、炎上しやすい点に注意が必要です。投稿する内容を複数人がチェックし、全方向に対して不快にならないか確認しておきましょう。
関連記事:SNSとは?種類や使い方、仕組みについて分かりやすく解説
関連記事:メールマガジンやSNSから効率的にリードを獲得する方法とは?
関連記事:SNSマーケティングとは?成功事例や始め方のポイントを解説
オウンドメディア
オウンドメディアを運営し、見込み顧客に有意義な情報を発信し続ける方法もあります。作成にはSEOやWebマーケティングの知識が必要ですが、軌道に乗れば見込み顧客の獲得が期待できます。
なお、SEOとは検索順位で上位獲得を目指す対策のことです。見込み顧客が検索するであろうキーワードを絞り込み、そのキーワードを検索エンジンにかけたときに対象Webページが上位に表示されるように対策を練ります。
検索上位に表示されると、Webページの流入数向上が見込まれ、より多くの人々に情報を届けることが可能です。知名度向上や見込み顧客の獲得だけでなく、売上増も実現しやすくなるでしょう。
リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、自社のWebサイトを訪問した顧客や広告をクリックした見込み顧客に対し、その見込み顧客が閲覧している外部サイトに自社広告を表示することです。ニーズ喚起や、自社を思い出してもらうきっかけづくりになります。
なお、リターゲティング広告を利用するには広告費が必要です。料金体系はクリック課金(広告がクリックされるたびに費用が発生)と、インプレッション課金(広告が表示されるたびに費用が発生)に分かれています。費用対効果に注目するならクリック課金、認知度向上を図るならインプレッション課金と使い分けましょう。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーとは、自社製品やサービスについての情報、関連する課題を解決へ導くためのノウハウ、業界動向などの資料のことです。PDFファイルなどでまとめておき、興味を持つ見込み顧客が自由にダウンロードできるようにしておきます。
オウンドメディアで提供したり、メルマガに添付したりすることで、見込み顧客の目に触れる機会を増やします。また、ダウンロード数をチェックすることで、見込み顧客が悩んでいる課題の把握もしやすくなるでしょう。
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ビジネス環境が、リアルからオンラインへ移行しつつある昨今。 多くのマーケターの方から「オンラインにおけるリード獲得」について、お悩みの声を頂きます。 効果的にリード獲得を行うにあた…
リードナーチャリング成功のためのポイント
次のポイントを押さえることで、リードナーチャリングで成果が出やすくなります。
● 適切なKPIを設定する
● 各部門が連携しリード情報を共有する
● MAツールの導入を検討する
● ホットリードの定義を明確化する
それぞれのポイントについて説明します。
適切なKPIを設定する
KPIとは「重要業績評価指標」のことで、簡単にいえば数値目標です。たとえばメルマガの登録者を1,000人にする、問い合わせ数を20%増やすなど、具体的な数字で目標を設定します。
効果的なリードナーチャリングを行うためには、数値化できる明確なKPIを設定することが必要です。また達成までの期間を定め、定期的に成果を検証し、改善点を見つけて実行・再検証・再改善とPDCAサイクルを回しながらよりよい状態に変化していきます。
関連記事:KPIとは?ビジネス成長に必須のKPIやKFSを正しく理解し「勝ち筋」を極める方法
各部門が連携しリード情報を共有する
見込み顧客の情報は、リードナーチャリングを行うマーケティング部門だけでなく、見込み度合いの高まった顧客へ受注活動を行う営業部門にも共有することが大切です。
氏名や年齢などの見込み顧客の基本情報だけでなく、今までにどのようなアプローチをしたのか、それに対して見込み顧客がどのように反応したのかなども詳細に共有すると、よりスムーズな商談につなげられます。
MAツールの導入を検討する
リードナーチャリングを効率的に進めるなら、MAツールの導入がおすすめです。アンケートメールの配信やホワイトペーパーダウンロードへの誘導などに活用でき、見込み顧客の購入意欲にあわせてアプローチできるようになります。
また、MAツールを活用することで、見込み顧客の情報を社内で共有しやすくなります。営業部署に引き継ぐときに伝え漏れがなくなり、情報共有の正確さと効率性が高まるでしょう。
『Switch Plus』は、顧客情報の共有からリードナーチャリング、営業までをシームレスに行うMAツールです。無料トライアルアカウントで、使い心地をぜひお試しください。
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関連記事:MA(マーケティングオートメーション)とは?MAツールの導入ステップや選び方を解説
ホットリードの定義を明確化する
ホットリードとは、自社の商品やサービスに対しての興味関心度が高い見込み顧客のことです。一般的には数か月以内に商談・販売が見込める顧客のことを指しますが、販売する商品・サービスによっては異なる期間のほうがよいかもしれません。
見込み顧客に適切なアプローチをするためにも、ホットリードの定義を明確にしておきましょう。定義が明確に定まっていないと、個人の認識の違いにより見込み度合いに合わない施策を実施してしまい、リードナーチャリングの効率が下がる可能性があるため注意が必要です。
リードナーチャリングの成功事例
ProFuture株式会社で実際に支援し、適切なリードナーチャリングによって顧客獲得の効率を高めた事例をいくつか紹介します。ぜひ参考にして、計画的かつ成果の期待できるリードナーチャリングを実施してください。
「株式会社ペイロール」アウトバウンドに注力しリードを獲得
給与計算システムを提供する「株式会社ペイロール」では、少数精鋭の営業部隊で効果的なマーケティング活動を展開しています。マーケティングの効率性向上に活用されているのが、国内最大級の人事ポータルサイト「HRプロ」です。「HRプロ」でリードを開拓し、顧客へと育成し、少ない人数でも効率的な顧客獲得を実現しています。
また、「株式会社ペイロール」では、リードナーチャリングにも注力してきました。「株式会社ペイロール」が提供している給与計算システムは基本的に5年で保守が切れるため、5年後に契約更新を選択してもらえるように、メルマガ配信などで定期的にコンタクトを取り続けます。顧客からのアプローチを待つのではなく、顧客に向けて積極的にアプローチするアウトバウンドな施策で、顧客の確保・獲得を実現しています。
関連記事:株式会社ペイロール様|給与計算アウトソーシングのトップランナー。 人事に寄り添い、課題の中からニーズを掘り起こす
「株式会社あしたのチーム」インバウンドマーケティングを強化
人事評価制度の構築支援や提供を行う「株式会社あしたのチーム」では、全国各地でセミナーを開催するほか、オウンドメディアで情報を発信するなど、インバウンドマーケティングを強化してきました。「HRプロ」を活用して獲得した見込み顧客が、進んで問い合わせをしたくなるような仕組みづくり、仕掛けづくりにも注力しています。
また、アンケート調査の結果を、リードナーチャリングのコンテンツづくりにも活かしています。調査結果から見込み顧客のニーズや属性を具体的に割り出し、見込み顧客が求めるコンテンツを作成し「HRプロ」に掲載するというサイクルを繰り返し、見込み顧客からのアプローチが絶えない仕組みを構築しました。
関連記事:株式会社あしたのチーム様|未来の卵(シーズ)を育て、ニーズに応える。 マーケティングで伝える私たちの“想い”
「株式会社パフ」顧客目線のセミナーでリード獲得
就活生向けのコミュニティの運営や新卒採用のコンサルティングなどを手がける「株式会社パフ」では、あえて“売り込まない”セミナーを意識し、見込み顧客の役に立つ情報だけを提供することを心がけています。
たとえば、新卒者向けの採用活動を行う企業に対しては、他企業の人事担当者をコミュニケーションをとる機会や学生と向き合うイベントなどを提供するなど、「共感」を狙ったマーケティング施策を実施しています。このように徹底的に見込み顧客に寄り添うことで、信頼を獲得し、アポイントにつながる確率が向上しました。
関連記事:株式会社パフ様|共感を狙うマーケティングでマッチング率を向上。 “売り込まない”セミナーの目的と効果とは
「株式会社ビズリーチ」営業との連携で質の高いリードを獲得
プロフェッショナル人材の転職サポートを行う「株式会社ビズリーチ」では、従来のプッシュ型の営業からの脱却を実現しました。実現のために注目したのが、見込み顧客との関係の見直しです。見込み顧客の課題をヒアリングし、適切なサービスを提案し、信頼関係を構築したうえで営業を進めれば、自然な流れで商談につなげていけます。
CMを流して知名度を高める、わかりやすい問い合わせ窓口をつくるなど、見込み顧客側からのアプローチがしやすい環境を構築したこともプッシュ型の営業回避につながりました。また、社内で営業部署とマーケティング部署が協力し、マーケティングに役立つ魅力的なコンテンツをつくることでも、見込み顧客の育成と既存顧客との関係強化に役立っています。
関連記事:株式会社ビズリーチ様|プッシュ型のマーケティングから脱却し、より質の高いリード獲得を目指す。
リードナーチャリングのプロセスを理解し活用しよう
リードナーチャリングは、獲得した見込み顧客の購入意欲を高めるために必要な過程です。丁寧に実施することで、売上増を実現しやすくなります。
実際のところ、新規顧客の獲得には多大な時間とコストがかかります。リードナーチャリングにより見込み顧客を販売に誘導する確率を高めることで、新規顧客獲得までのコストを抑え、効率性の高いマーケティングを実現できるでしょう。
効果的なリードナーチャリングには、リードナーチャリングのプロセスや手法を深く理解しておくことが欠かせません。また、リードナーチャリングをより効率的に進めるために見込み顧客の情報を適切に管理することや、MAツールを導入することも必要です。ぜひ紹介した内容を参考に、効果のあるマーケティングを実現してください。
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よくあるご質問
リードナーチャリングにおける顧客とリードの違いとは?
顧客とリードは、自社商品やサービスを購入したことがあるかどうかが異なります。リードナーチャリングでは、すでに取引をしたことがある人を顧客と呼ぶことが一般的です。また、購入を決めた人も顧客と呼ぶことがあります。一方、リードはまだ取引をしていません。また、購入の意思も固めていないことがありますが、将来的に顧客になる可能性があります。
リードナーチャリングに必要なリードリストとは?
リードリストとは、見込み顧客の情報をまとめたリストのことです。見込み顧客の名前や住所、興味のある自社商品・サービスなどの情報などが含まれます。リードリストを作成するときは、記載情報の粒度や項目などを統一しておくことが大切です。また、MAツールやエクセルファイルなどを活用し、社内で共有しやすい形で管理することも必要です。
リード区分とは何のこと?
リード区分とは、リードが購入までどの程度近づいているかによって区分することです。数か月以内に商談に結びつきそうなリードは「ホットリード」、1年程度で商談につながりそうなリードは「ウォームリード」、商談の時期が未定のリードは「コールドリード」と区分けします。リード区分を行うことで、リードの状況に応じたアプローチがしやすくなります。