Webサイトを運営していくには、レンタルサーバーが必要となります。しかし、「聞いたことはあるけど、実際どのようなものなの?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、レンタルサーバーの概要や仕組み、そして数あるレンタルサーバーの中から選ぶ際のポイントについて解説します。
目次
レンタルサーバーとは
レンタルサーバーとは、インターネット上に自分のWebサイトを公開するために必要な、専用のコンピューター(サーバー)を、サーバー提供会社から借り受けることです。一般的に、サーバーの管理やメンテナンス、セキュリティ対策などはサーバー提供会社が行ってくれます。
サーバーの仕組み
レンタルサーバーについて解説する前に、サーバーの仕組みそのものについての理解を深めておく必要があります。サーバーとは、複数のパソコンがネットワークで接続された状態で、データの共有や処理を行うコンピューターのことを指します。
レンタルサーバーは、複数のユーザーが同じサーバーを共有して使用するため、サーバー提供会社はサーバーのリソースを適切に割り当てる必要があります。
一般的に、サーバーは高速かつ安定したハードウェアを使用し、信頼性が高い環境で運用されます。また、バックアップや冗長化などのセキュリティ対策が施され、ユーザーのデータを守るために様々な技術が用いられています。レンタルサーバーにも様々なプランがあります。冗長化・セキュリティ対策、Webサイトの規模によって最適なプランを選択していきます。
サーバーとドメインの関係性
サーバーとドメインは密接な関係があります。ドメインとは、ユーザーがインターネット上で自分のWebサイトを公開するためのアドレスのことで、一般的に「www.example.com」のような形式で表されます。
レンタルサーバーを利用する場合、ユーザーは自分のWebサイトを公開するために、サーバー提供会社から割り当てられたIPアドレスを利用することができます。しかし、IPアドレスは数字の羅列であり、覚えにくいため、ドメインを利用することが一般的です。
そのため、ユーザーは、自分のWebサイトに対応するドメインを取得し、サーバー提供会社に登録することで、自分のWebサイトをインターネット上で公開することができます。ドメイン名は、DNS(Domain Name System)というシステムを利用して、IPアドレスに変換されます。ドメインの取得には様々な方法がありますが、オリジナルのドメインを取得する場合にはお名前.com等のサービスを活用し取得します。
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レンタルサーバーの種類
レンタルサーバーには、共有サーバー、専用サーバー、仮想専用サーバー(VPS)、クラウドサーバーなど、様々な種類があります。それぞれの特徴や適した用途について解説します。
共有サーバー
共有サーバーは、複数のユーザーが同じサーバーを共有して使用するタイプのレンタルサーバーです。多くの場合、比較的低価格で提供されており、初心者や個人ブログ、小規模サイトなどに適しています。
しかし、複数のユーザーが同じサーバーを使用するため、他のユーザーのトラフィックや負荷が自社のWebサイトに影響を及ぼすことがあり、パフォーマンスが低下する可能性があります。具体的にはサイトの表示や動きが遅くなったり、最悪の場合はWebサイトそのものが一定期間表示できなくなったりする状態になります。また、セキュリティの面でも、他のユーザーが使用するアプリケーションやファイルによって、セキュリティリスクが生じる可能性があります。
専用サーバー
専用サーバーは、一つのサーバーを一人のユーザーが専有して使用するタイプのレンタルサーバーです。高いパフォーマンスやセキュリティが要求される大規模サイトやビジネスサイト、アプリケーションなどに適しています。
専用サーバーは、他のユーザーが使用することがないため、高速で安定したパフォーマンスを発揮することができます。また、セキュリティの面でも、自社で独自のセキュリティ対策を行うことができ、他のユーザーによるセキュリティリスクを心配することなく運用することができます。
ただし、専用サーバーは共有サーバーよりもプランが高くなるケースが多く、管理やメンテナンス、セキュリティ対策などにも自己責任があるため、専門知識や技術が必要になります。
仮想専用サーバー(VPS)
仮想専用サーバー(VPS)は、複数のユーザーが同じ物理サーバーを共有しながら、それぞれに仮想的に独立した環境を提供するタイプのレンタルサーバーです。
VPSは、専用サーバーのような高いパフォーマンスやセキュリティを求める場合にも利用されますが、専用サーバーに比べて低価格で提供されているため、中小規模のビジネスや個人事業主、趣味のブログなどにも適しています。
また、VPSは仮想的な環境を提供するため、他のユーザーの負荷が影響を及ぼすことが少なく、より高い安定性やパフォーマンスを発揮することができます。また、専用サーバーと同様に、自社で独自のセキュリティ対策を行うことができます。
クラウドサーバー
クラウドサーバーは、クラウドコンピューティング技術を用いて、複数の仮想サーバーを組み合わせて構成されたサービスです。クラウドサーバーは自由度の高い設定が可能であり、自動スケーリングや冗長化機能、高い可用性を持つため、大規模なWebサイトやビジネスアプリケーションなどに適しています。
クラウドサーバーは、他のサーバーと比べてより高度な運用が必要となる場合があります。クラウドサーバーは、基本的には自己責任で運用することになるため、運用者にはクラウドコンピューティングに関する高度な知識や技術が必要になります。
また、クラウドサーバーは利用量に応じて課金されるため、初期費用は低くても利用量によっては費用が高額になる可能性があります。
レンタルサーバーでできること
レンタルサーバーは、ユーザーがインターネット上で様々な活動を行うための基盤となるサービスです。ここでは、レンタルサーバーを利用してできることについて、3つのポイントを紹介します。
メールアドレスの利用
レンタルサーバーを利用することで、自分で設定したオリジナルのドメイン名を使ったメールアドレスを作成することができます。自分で設定したオリジナルのドメイン名を使ったメールアドレスは、ビジネスや個人事業主など、プロフェッショナルなイメージを与えることができます。
また、レンタルサーバーには、複数のメールアカウントを作成することができるため、チームメンバーやプロジェクトメンバー、個人の場合には家族と共有することもできます。レンタルサーバーのメール機能は、一般的にIMAPやPOP3、SMTPなどのプロトコルをサポートしており、より高度なメール機能を必要とする場合は、Webメールや外部クライアントを利用することもできます。
ホームページの運用
レンタルサーバーを利用することで、自分のホームページを運用することができます。ホームページは、自分や自社のプロモーション、オンラインショップの運営、ブログの投稿などに利用することができます。
ホームページは、HTMLやCSS、JavaScriptなどの言語を使って作成することができます。また、レンタルサーバーには、Webサーバーとして一般的なApacheやNginxなどが標準で搭載されており、自分で独自のWebサイトを構築することができます。
さらに、レンタルサーバーには、一般的なWebアプリケーションやCMS(コンテンツ
マネジメントシステム)も標準で搭載されている場合があります。CMSには、WordPressのようなサービスが存在します。WordPressとは世界的で最も利用されているCMSで、初心者でも簡単にWebサイトを作成することができます。
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ネットショップの運営
レンタルサーバーを利用することで、オンラインショップを運営することができます。オンラインショップは、自社や個人で製造・販売する商品や、他社製品の販売を行うことができます。レンタルサーバー上に設置したオンラインショップは、世界中の人々にアクセス可能で、販売エリアを広げることができます。
オンラインショップを運営するためには、レンタルサーバーに対応したネットショップソフトウェアを利用することが一般的です。代表的なネットショップソフトウェアとしては、EC-CUBEやMagento、Shopifyなどがあります。これらのソフトウェアには、商品登録や在庫管理、注文管理など、必要な機能が備わっており、簡単にオンラインショップを運営することができます。
また、オンラインショップの運営には、SSL(Secure Socket Layer)証明書の取得が必要です。SSL証明書は、Webサイトとユーザーのブラウザとの通信を暗号化することができ、個人情報やクレジットカード情報の漏洩を防ぐことができます。
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初めてのホームページの運用なら共有サーバーがおすすめ
インターネット上に自分の情報を発信するためには、レンタルサーバーを借りることが必要です。初めてホームページを運用する場合は、共有サーバーがおすすめです。
共有サーバーは、多くの人が同じサーバーを使用しているため、一人でサーバーを運用する場合に比べてコストが抑えられます。また、初心者でも簡単に管理できるので、専門的な知識が少ない方にもおすすめです。
専門知識が少なくても管理ができる
共有サーバーは、複数の人が同じサーバーを利用するため、管理者が最初から設定してくれている場合も多く、初心者でも簡単に管理できます。例えば、WordPressを利用する場合、管理画面からインストールすることができます。必要な設定は、自分で行うことができるので、専門的な知識が少なくても運用することができます。
申込後すぐに使える
共有サーバーは、申込後すぐに利用できます。必要な情報を申し込みフォームに入力し、支払いをすれば、すぐにサーバーを利用することができます。初めてのホームページを作成する場合、すぐにWebサイトを公開することができるのは大きなメリットです。
コストがかからない
共有サーバーは、少人数でサーバーを運用する場合に比べてコストが抑えられます。共有サーバーは多くの人が使用しているため、サーバーの購入費用や維持費用を分担することができます。また、初めてのホームページの場合、必要な容量が少ないため、共有サーバーで十分な場合があります。共有サーバーであれば、低コストで初めてのホームページを運用することができます。
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レンタルサーバーを選ぶ際の5つのポイント
レンタルサーバーを選ぶ際には、自分の目的に合ったプランを選択することが重要です。以下に、レンタルサーバーを選ぶ際のポイントを5つ紹介します。
容量が利用目的に合っているか
レンタルサーバーの容量は、データやファイルを保存するために必要不可欠な要素です。利用目的に合わせた容量を選択することが重要です。例えば、ブログやホームページの場合は、数GB程度の容量で十分ですが、オンラインショップの場合は商品画像やデータを保存するために多くの容量が必要になります。
機能が利用目的に合っているか
レンタルサーバーには、様々な機能が備わっています。そのため、利用目的に合った機能を備えたプランを選択することが重要です。例えば、オンラインショップを運営する場合は、EC-CUBEやMagento、Shopifyなどのネットショップソフトウェアに対応しているプランを選択することが必要です。
会社の信頼性が高いか
レンタルサーバーを提供する企業の信頼性は、重要なポイントの一つです。安定したサーバー稼働や、セキュリティ上の対策などがしっかりとされている企業を選ぶことが重要です。また、サービス提供開始からの実績や、利用者の評判なども確認すると良いでしょう。
適切な料金で使用できるか
レンタルサーバーの利用料金は、各社によって異なります。目的に合ったプランを選択し、適切な料金で使用できるかどうかを確認することが重要です。また、初期費用や更新費用、オプションサービスの利用料なども確認すると良いでしょう。
サポートは充実しているか
レンタルサーバーを利用する上で、トラブルや不具合が発生した場合、適切なサポートが受けられるかどうかは非常に重要です。特に初めての利用者にとっては、分からないことが多いため、迅速に問い合わせに対応してくれるサポートがあると安心です。
サポート体制は、メールサポートやチャットサポート、電話サポートなど、各社によって異なります。また、24時間対応しているかどうか、専門のスタッフがいるかどうかなどもポイントです。
レンタルサーバーの契約の流れ
Webサイトを作るためには、レンタルサーバーを契約する必要があります。契約は、インターネット上で行えるため、自宅にいながら簡単に手続きをすることができます。以下では、レンタルサーバーの契約の流れについて説明します。
サーバーをレンタルする会社を決める
まず、レンタルサーバーを提供している会社を選ぶ必要があります。提供している会社は多くありますが、自分のWebサイトに適した会社を選ぶためには、以下のようなポイントを考慮する必要があります。
・容量や機能が利用目的に合っているか
・会社の信頼性が高いか
・適切な料金で使用できるか
・サポートが充実しているか
これらのポイントを踏まえ、自分に合ったレンタルサーバーを提供している会社を選びましょう。
ドメインの取得
Webサイトを作るためには、ドメインの取得が必要です。ドメインとは、Webサイトを識別するためのアドレスのことで、例えば「example.com」といった形式で表されます。ドメインは、レンタルサーバーの契約とは別に取得する必要があります。
ドメインは、ドメイン提供業者やレンタルサーバー提供業者から取得することができます。ドメイン提供業者は、JPRSやGMOペパボなどがあります。
ドメインは、取得する際に登録者情報を入力する必要があります。登録者情報には、氏名や住所、電話番号などが含まれます。登録者情報を正確に入力することが重要です。
ドメインの関連付け
次にレンタルサーバーとドメインを関連付ける必要があります。関連付けとは、ドメインとレンタルサーバーをつなぎ、レンタルサーバー上のコンテンツをWebサイトとして公開するための設定です。
方法としては以下の2つの方法があります。
● DNS設定を変更する方法
● ドメインのネームサーバーをレンタルサーバーに変更する方法
DNS設定を変更する方法は、ドメイン管理画面からDNSレコードを設定する方法です。DNSレコードには、ドメインとレンタルサーバーのIPアドレスを関連付ける情報が含まれています。DNS設定を変更する場合、設定変更後にDNSレコードが反映されるまで時間がかかることがあります。
ドメインのネームサーバーをレンタルサーバーに変更する方法は、レンタルサーバー会社から提供されるネームサーバーをドメイン管理画面で設定する方法です。この方法は、DNS設定を変更する方法よりも簡単で、反映までの時間も短く済みます。
まとめ
今回の記事では、レンタルサーバーについて解説しました。
・レンタルサーバーとは、インターネットに接続されているコンピュータのことで、自分でサーバーを用意する必要がなく、レンタルすることでWebサイトやメールの運用ができるようになります。
・共有サーバー、専用サーバー、仮想専用サーバー(VPS)、クラウドサーバーの4つの種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。
・レンタルサーバーを利用することで、メールアドレスの利用、ホームページの運用、ネットショップの運営など、様々なことができます。・レンタルサーバーを選ぶ際には、容量や機能、会社の信頼性、料金、サポートの充実度などを考慮する必要があります。
・初めてのホームページ運用には、共有サーバーがおすすめです。専門知識が少なくても管理ができる、申込後すぐに使える、コストがかからないといったメリットがあります。
・レンタルサーバーは、自分でサーバーを用意することなく、手軽にWebサイトやメールの運用ができるため、初めてのホームページ運用や個人的なブログなどにも利用することができます。選ぶ際には、目的に合ったサーバーを選び、契約の流れを把握しておくことが大切です。