企業がメディア戦力を考えるときに利用する3つのマーケティングチャネルとして「トリプルメディア」があります。
トリプルチャネルは「ペイドメディア」「オウンドメディア」「アーンドメディア」があり、3つのメディアを活用できるのが理想的といわれています。
まずペイドメディア(広告)で企業から消費者へ情報発信します。
次にオウンドメディア(自社運営メディア)で商品や企業に関しての紹介や販促を行い、サポーターを増やす。
最後にアーンドメディア(ソーシャルメディア)でサポーターと消費者のコミュニケーションを促進し、情報の拡散や評判の生成などを行うことが基本的な役割です。
その3つの中でもオウンドメディア(自社運営メディア)に注目が集まっています。
BtoBの企業はリードナーチャリング(見込み客の育成)を成功させることが重要です。
今回は、自社運営メディアの1つでもあるナーチャリングにおけるセミナー・展示会の役割についてご紹介します。
リード育成とリードナーチャリングとは?
はじめに「リード育成」「リードナーチャリング」とは何のことかご存知でしょうか?
これらはBtoBマーケティングによく使われる言葉で、見込み客(=リード)を育成(=ナーチャリング)するという意味です。
具体的には将来的に顧客となる見込みのある層に対して、Web上で情報提供したり定期的にメルマガを届けたりと関係を築いていき、自社サービスや商品への購買意欲を高め、将来的な顧客になってもらうことを指します。
マーケティングでは1つのアプローチにこだわらずに、いろいろなアプローチから見込み顧客を育て、将来の顧客獲得のために仕掛けていく必要があります。
最近では、そのひとつの手法としてセミナーや展示会といった場、つまりWeb上ではないオフラインの施策を打つ企業が増えてきているのです。
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ナーチャリングにおけるセミナー・展示会の役わりとは?
リードナーチャリングについて理解したところで、本題のナーチャリングにおけるセミナーと展示会の役割についてご紹介します。
ナーチャリングにおけるセミナーでの役割
セミナーは一度に多くの人を集めるため、顧客にとっては参加しやすい場です。
セミナーによって商品やサービスの活用、ノウハウが明確になるので、商品イメージが具体的にもちやすくなり、自社への導入検討に入っていく可能性も高くなります。
そのほか、顧客側にとってはWebの記事を読むだけではわからない情報の信ぴょう性、評価基準の公平性や精度を確かめることもできる機会となります。
ナーチャリングにおける展示会の役割
今までのBtoBの展示会といえば、「ブランディング目的」で出展している企業がほとんどでした。ところが最近では展示会で見込み客を獲得しようとする企業もあります。
たしかに人はまったく興味のない展示会にはそもそも足を運ばないので、その考え方は理にかなっているといえるでしょう。
Webでの情報収集より、オフラインで情報収集することに重きを置く人もいるため、こうした人々に自社サービスをダイレクトに知ってもらい、企業側にとってもより多くの人と接点をもつことできるという点でメリットがあるのです。
またそのほかにも、企業姿勢や会社自体の信頼性などを直接見てもらえる機会にもなります。
セミナー・展示会で行うべき3つのこと
BtoB企業向けのセミナーの多くは、基本的には平日に開催されます。
そこで見込み顧客を獲得するためには、以下の3つを心がけていくことが重要です。
1.「心を動かす」プレゼン
優れた商品なのはわかるにせよ、あまりにも細かい部分の説明に偏り過ぎたり、専門用語を頻繁に使ってしまうと、聞いている側は取り残された状況になってしまいます。
知識の差がある大勢の方の前で説明する際は、説明は必要不可欠なポイントに絞る一方、むしろ自らの体験談などをまじえながら話すなど、より多くのお客様の心を動かすプレゼンを心がけることが大切です。
2.資料は簡潔にわかりやすく!
「〇〇〇の△△△は……□□□で云々……」などと専門用語がズラリとならんだ資料では、読む気も失せてしまう人が必ず出てきます。
資料を途中で読むことをやめてしまう人がなるべく出ないようにするためには、視覚的な素材(写真、図)などを効果的に使うことが大切です。
誰から見ても「簡潔で、見やすく、わかりやすい」資料を意識しましょう。
3.個別相談会を設ける
セミナーや展示会は、前述した通り「Web上で接点のない人と接点をもてる」貴重な機会でもあります。そこで顧客それぞれのヒアリングの場を設けることで、さらに具体的な提案をすることもできます。
場合によっては、そこで一気に話がまとまる可能性も高くなるので、必ず個別相談会を設けましょう。
展示会での心がまえ
せっかく展示会に出展しているのに、ブースに座り込んで待っているだけの人を見かけることがありますが、それでは見込み顧客をみすみす逃していることと同じです。
見込み顧客を獲得するために、さらに以下のような心がまえでのぞみましょう。
顧客と真摯に向き合う姿勢
話を始めてみると、「これは話がまとまらないな」と感じる瞬間もあります。
そんな時に話を早く終わらせようと話を切り上げてしまうのはNGです。
現代は企業も既存分野以外のさまざまなサービスを取り扱う中、たとえ今回はうまくいかなくても、次の話が出てくる……という可能性も大いにあることを忘れてはいけません。
いざという時、あなたの顔を思い出してもらえるような真摯な対応を心がけましょう。
資料・名刺を忘れずに渡す
人間は1回聞いただけの話を記憶に残すのは難しいものです。再度お客様に資料で自社サービスを目にしてもらうことで、記憶をより確かなものにしましょう。またあなたの名刺も必ず渡して印象づけましょう。
展示会全体のことも考える
さまざまな企業が集った展示会では、自社のことだけを考えず「展示会全体が盛り上がる」ことも念頭に置くことも大切です。
活気のある展示会は自然と成約率もあがるもの。ブースの前に立ち、積極的にお客様に話しかけるとともに出展企業同士協力し合うことも心がけましょう。
まとめ
ここまでオフラインでのリードナーチャリングの1つの手法でもある、セミナーや展示会についてお話してきましたが、「周りの企業がやっているからウチもやろう」という安易な気持ちでセミナーを開催したり展示会に出展したりするのはオススメできません。
実際やろうとすると、人員配置も大変で時間もかなりとられるものです。
またせっかく商談にもっていっても、最初はなかなかまとまらないケースも多いのです。
セミナーや展示会の肝は、なんといっても「ご縁づくり」にあります。
会場で出会った人々とのご縁を大切にしようと思う心がまえで、焦らずに自社の魅力について伝えていきましょう。
そうした気持ちがいつか顧客の心をつかみ、顧客獲得にもつながっていきます。
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