Z世代に次いで、次世代を担っていく世代として注目されているのが「α(アルファ)世代」です。特徴や価値観、そしてどのような消費行動をとるのかなど、α世代が注目されています。
今話題となっているα世代ですが、「聞いたことはあるけれど、具体的にどんな特徴があるのか分かっていない」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回の記事では、α世代の特徴や価値観、α世代にマーケティングを行う際のポイントについて解説していきます。
α世代が今後ビジネスの世界で大きな影響を与えることは間違いありません。α世代への理解を深め、効果的なマーケティング施策を行っていきましょう。
目次
α世代とは?
α(アルファ)世代とは、2010年~2024年ごろに誕生した世代のことを指す言葉です。「ジェネレーションα(アルファ)」とも呼ばれることもあります。
α世代は、オーストラリアの社会学者のマーク・マクリンドル氏が2005年に提唱した言葉です。マーク・マクリンドル氏は、今後の世界人口の増加により2025年にはα世代が歴史上最大の世代になる可能性があると公言しています。
α世代は、1980年〜1990年代半ばごろに誕生した「ミレニアル世代」の子供にあたる世代であり、ミレニアル世代の影響や社会の情勢から以下のような世代だと言われています。
● デジタルへの抵抗が少ない
● 多様な価値観を受け入れる
● 経験・体験を重視する
● ウィズコロナの生活に慣れている
● 様々なジャンルの学びに興味が強い
Z世代との違い
Z世代は1990年代半ばから2000年代終盤までの世代を指す言葉で、α世代の一つ前の世代です。
Z世代は、現在中高生~20代半ばと経済において消費の中心になりつつあります。Z世代は「デジタルネイティブ世代」とも呼ばれ、幼少期から身近にあったデジタルデバイスを使って、情報の収集などを行ってきました。
今では、InstagramやTwitterなどのSNSで情報収集・コミュニケーションを日常的に行っています。Z世代は、それまでの世代とは価値観や特徴、行動の特性が大きく異なると分析されてきました。
一方でα世代は、生まれたときからすでに、スマートフォンやタブレットなどデジタル機器が発達していたり、InstagramやTwitterなどのSNSも環境が整っている状態で利用できるなど、Z世代よりもデジタルが発展した環境で生まれ育ってきました。
さらに、コロナウイルスの影響によりオンラインツールを用いてのオンライン授業、また学校教育でプログラミングを学ぶなど、Z世代よりもさらに進んだデジタル環境で生きてきた世代だと言えます。
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α世代の4つの特徴
Z世代よりもさらに進んだデジタル環境で生きてきたα世代ですが、これまでの世代とは大きく違った特徴について注目されています。
ここからはα世代の4つの特徴について解説していきます。
デジタルネイティブである
α世代よりも前のZ世代も、幼少期から様々なデジタルデバイスに触れ「デジタルネイティブ世代」と呼ばれていましたが、α世代はさらにデジタルネイティブだと言えます。
生まれたときから、スマートフォンやタブレットなどデジタル機器が身近にあったり、InstagramやTwitterなどSNSが発展していたりなど、デジタルの環境が当たり前の世代となっています。
また、タブレットを用いたオンライン授業や、プログラミング教育など、高度なデジタルリテラシーを身に付けています。
タイムパフォーマンスへの意識が強い
α世代は、タイムパフォーマンスへの意識が強い世代です。タイムパフォーマンスとは、「かけた時間に対する成果や効果」のことをいいます。
α世代はデジタルの環境が当たり前の世代であるため、WebやSNSを活用していち早く情報を取得します。
テレビのニュースなどでも情報の取得は可能ですが、情報収集に一定の時間がかかってしまいます。
WebやSNSは膨大な情報が流れていますが、その中で自分の欲しい情報だけをキャッチして情報を取得できるため、α世代はタイムパフォーマンスを鑑みてデジタルの環境を活用しています。
オンラインの交流や活動に関心が強い
α世代は、オンラインの交流や活動にも関心が強い世代です。ウィズコロナの中で生きてきた世代であることから、オンラインでの交流環境に抵抗がありません。
例えば、SNS上でのコミュニケーションやオンラインゲームでの交流など、今やオンラインを活用して仲を深めることができる環境が整っています。
また、VR空間やメタバース、アバターを利用したバーチャルな世界など、オンライン上で様々なサービスを利用できたり、全世界の人たちと繋がることができる点も要因の一つです。
現代では、VR空間で学校行事が開催されることも多くなっています。幼いころから発展したデジタル環境の中で暮らしていることによって、これから大人になった際にはさらにデジタルの活用が盛んになると考えられます。
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自分らしさや多様性を重視する
α世代は、自分らしさや多様性を重視し、様々な考え・価値観を認める傾向があります。
異なる人種や出身地、文化の違い、仕事や恋愛に関する価値観など、個人各々の考えを重要視します。「みんなと同じ考え」よりも各々の考えや価値観を重要視することで。個人が望む生き方や自分らしさを大切にします。
前述しているようにα世代は、オンライン上で世界中の人と繋がったり、SNS上で様々な情報・価値観に触れたりしているので、自分だけの考えに固執せず様々な考え・価値観に触れることに抵抗が無くなっていることが要因です。
α世代によってこれからさらに、今までと違った生き方や振舞い方が当たり前となり、様々な生き方が認められる風潮となっていくことが予測されます。
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α世代へのマーケティング
今までとは異なる価値観・考え方をもつα世代ですが、いずれ史上最大の消費力を持つことが予測されます。そんなα世代に向けて、企業やサービス提供者たちはどのようなマーケティング施策を行えばよいのでしょうか?
ここからはα世代へのマーケティングのポイントについて解説していきます。α世代へのマーケティングは以下の点に注力してみましょう。
● α世代、ミレニアル世代の両方へのアプローチ
● 「コスパ」より「タイパ」
● 「モノ」より興味や経験
α世代、ミレニアル世代の両方へのアプローチ
α世代は現時点ではまだ幼く、消費の主体となる前段階です。そのためα世代の親世代にあたる「ミレニアム世代」に着目し、α世代・ミレニアル世代の両方へのアプローチを意識する必要があります。
ミレニアル世代は1980~95年ごろの生まれの世代を指す言葉で、特徴としては自分の考えや価値観に合った「価値のあるもの」に対して、購買意欲を持つ傾向があります。
周りの人たちと共有できる楽しさや、自分にとって特別である感覚などを重要視するため、「モノ」よりも「コト」を重要視します。
そのため自分の子供に関する消費でも、子供に優れた体験や特別な知識がもたらされる商品や環境、経験に積極的であることが考えられます。
「コスパ」より「タイパ」
前述していますが、α世代はタイムパフォーマンスへの意識が強い世代です。
そのためマーケティングに関しても、「出したコストに対する成果やサービスの満足度」であるコスパ(コストパフォーマンス)よりも、「かけた時間に対する成果や効果」であるタイパ(タイムパフォーマンス)に重きを置きましょう。
α世代にとって膨大な情報が手に入れられる環境は当たり前のようになっています。その中で時間がかかってしまったり、手間がかかったりしてしまうことは、「タイパが悪い」といってすぐに切り捨ててしまう傾向があるのです。
α世代は、限られた時間そして膨大な情報の中で、いかに効率よく情報を得たり、商品を手に入れられるかを重視しています。
「モノ」より興味や経験
クオリティの高いデジタル環境に慣れたα世代は、「モノ」よりも自らが得られる経験や自らの価値観に合った興味の高いものに価値を感じる傾向があります。
現代は商品やサービスなど「モノ」であふれており、安価でもクオリティの高い「モノ」が多く存在しています。
そのため、α世代は物質的な豊かさには強い関心を抱かず、新しい経験や斬新な商品、自らの価値観に共通する人などに興味を持つ傾向が強いのです。
前述したように、α世代は自分らしさや多様性を重視し、様々な考え・価値観を認める傾向にあるため、それらに触れる中で自分らしさや自分にとって特別なものを発見していきたいのではないかと考えられます。
これらを鑑みて、前項の『「コスパ」より「タイパ」』と組み合わせると、短時間で新しい学びができるものや、効率よく様々な人たちと関わって多くの価値観に触れられるものなどがα世代には効果的だと考えられます。
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まとめ
今回の記事では、α世代の特徴や価値観、α世代にマーケティングを行う際のポイントについて解説しました。
現状では、α世代はまだまだ幼い子供ですが、未来の消費行動を作ることは間違いありません。α世代が社会に出るまではまだ時間がありますが、将来経済に大きな影響を与える存在の特徴を押さえておくことはとても重要です。
α世代の特徴をまとめると以下の通りです。
● デジタルネイティブである
● タイムパフォーマンスへの意識が強い
● オンラインの交流や活動に関心が強い
● 自分らしさや多様性を重視する
α世代の考えや価値観、そしてどんなことを有意義に感じるかを考え、α世代へのマーケティングを成功させましょう。