マーケティング部門と営業部門が役割を理解し、お互いを機能させることは、企業の成長にとって必要不可欠です。マーケティングと営業が企業においてどんな役割があるのか、2つの仕事の違いや、必要とされる能力や資質を改めてみていきましょう。はじめに、マーケティングと営業の役割について解説します。
マーケティングの役割
マーケティングには定義がさまざまあり、企業によって業務内容が異なります。
日本マーケティング協会の定義では「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である」とあります。
つまりマーケティングの役割は、企業が継続して利益を得るために、よりたくさんの顧客に製品・サービスを販売するために活動することです。
まず戦うべき市場と顧客のターゲットを定め、自社の商品企画・開発部門を先導する必要があります。
いかに費用対効果を高めながら見込み客をみつけ、検討段階の顧客とコミュニケーションをとり、真の顧客になってもらえるかがポイントです。
マーケティングについてさらに詳しく知りたい場合は下記のリンクが参考になります。
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営業部門の役割
マーケティングと営業の違い
次に、マーケティングと営業は具体的にどこが違うのか解説します。
仕事という観点で端的にあらわすとマーケティングと営業は次のように表現できます。
どちらも「製品を購入してくれるお客様」が活動の対象ではありますが、マーケティングはその潜在的な顧客を掘り起こし、ターゲットを絞り込んだ「市場」に対してプロモーションを行います。
一方営業はリアルな顧客、目の前の「お客様」に対して販売活動を行います。
またマーケティングの役割は最終需要となる顧客を創造し、その顧客に「売れる」製品を作ることですが、この段階でまだ製品は売れていません。
営業が自社製品の良さや魅力を伝えるための「商談」を行い、製品の売上が上がることではじめて企業にとってその製品の価値が実現するのです。
マーケティング部門で必要とされる能力や資質
1.顧客の思考を理解する
2. 新しい仮説を創造する
現状を分析する能力の他に、刻々と変化する市場の変化に対応し、新しい可能性を見いだす能力もマーケティング部門には不可欠でしょう。
3. 経営者の目線をもつ
営業部門で必要とされる能力や資質
1. 顧客に役立つことは何か?を常に考えることができる
自分や自社の利益のみならず、顧客や社会の利益になるか?役に立つことは何かを考える能力や資質がある人が顧客との信頼関係を築くことができるでしょう。
2. コミュニケーション能力が高い
「コミュニケーション能力=話が上手い」ではありません。
真のコミュニケーションとは、一方的なものではなく相手の立場を考えたものでなくてはなりません。
たとえば顧客からの問い合わせに対し、素早く、かつわかりやすく対応し、クレームに対しても真摯に対応するなど相手が望むコミュニケーションです。
また業務が円滑にまわるよう、社内でもサポートしてくれる営業事務や他部門とも上手にコミュニケーションをとることができる調整力や根回しも重要なります。
3. 自分自身を管理できる
そのため売上目標から逆算して行動を整理し、自身をマネジメントする能力が必要です。
また顧客と接する業務であるため、成約に結びつかないことやクレームやトラブル等で落ち込むこともあるでしょう。
しかし必要以上に後悔し仕事が手に付かないといったような人では営業の仕事は続きません。
まとめ
◆マーケティングの対象は市場であり、営業活動はリアルな目の前の顧客に対して販売活動を行う
◆マーケティングは顧客の行動を理解し、新しい市場の仮説を創り出す資質が必要
またマーケティングは企業活動そのものであるため、経営戦略を理解し、経営者目線をもたなければならない
◆営業職の資質は、顧客の立場になって考えることができ、コミュニケーション能力が高く、自己管理ができることが重要