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VPSとは!仕組みや基本的な意味を解説します!

2023.1.31
読了まで約 6

インターネットやIT業界に携わっている人であれば、一度はVPSという言葉を聞いたことがあるかもしれません。しかし、これらの業界で実務に従事している人でも、VPSの概要が分からない人も少なくないのではないでしょうか。

そこで本記事では、VPSの概要や仕組みを紹介します。また、VPSの特徴やメリット、使用する際の注意点も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

VPSとは?

VPS(Virtual Private Server)を直訳すると「仮想専用サーバー」となります。

その名前のとおり、仮想的な専用サーバーとして提供されるサーバーのことであり、そのサーバーにOSやアプリケーションを自由にインストールできます。

専用のサーバーを手軽に導入できるため、個人事業主やフリーランス、それから中小企業まで幅広く利用されています。

関連記事:サーバーとは何か?サーバー構築からサーバーエラーやサーバーダウンまで徹底解説

VPSの仕組み

「仮想的な専用サーバー」と曖昧な表現を使いましたが、いったいどういう意味なのでしょうか。

この曖昧な表現の中にVPSの仕組みが隠されています。

まず「専用サーバー」とは、1台の物理サーバーのことを指します。

サーバールームの中に大型のコンピュータが何台も設置されている光景を見たことはないでしょうか。

最近のサーバーは小型化されていますが、あの1台1台のサーバー機が物理サーバーです。

そこに「仮想的な」という形容詞が付くことで、実際に存在する1台の物理サーバーが、あたかも複数のサーバーが存在するように見立てたサーバーであることを示すようになります。

つまりVPSとは、1台の物理サーバーの中に、仮想的に複数のサーバーを構築してできた仮想的なサーバーのことです。

関連記事:POCとは?あまり知られていないIT用語を解説します!

VPSの特徴

VPSはサーバーのリソースをレンタルするサービスと言い換えることもできます。

サーバーをレンタルする方法はVPS以外にもたくさんありますが、それらとVPSとでは何が違うのでしょうか。

次にVPSの特徴について考えていきます。

VPSの特徴はたくさんありますが、まず挙げられるのは以下の4点になります。

● ゲストOSがユーザーごとに用意されている
● カスタマイズ性が高い
● アプリケーションソフトウェアを自由に導入可能
● 低価格で高クオリティの構築ができる

どんな特徴なのか、それぞれ詳しく見ていきます。

ゲストOSがユーザーごとに用意されている

VPSの最大の特徴と言えるのが、ゲストOSがユーザーごとに用意されている点です。

たとえば、自身のWebサイトを公開するためにはレンタルサーバーを借りることが一般的です。

そのレンタルサーバーはいわゆる「共用サーバー」と呼ばれる形態で貸し出されることになり、たくさんのユーザー(利用者)で同じOS上で動くソフトウェア(Webサーバー)を共用して使用します。

そのような形態の場合、例えば誰かひとりが超人気サイトを立ち上げたことでサーバー負荷が上がると、同じサーバーを共用している他のユーザーのWebサイトもレスポンスが遅くなるなどの影響を受けてしまう可能性があります。(冗長化の仕組みを検討することで上記課題は回避できます)

しかし、VPSはゲストOSがユーザーごとに用意され、ゲストOS同士は互いに干渉することはありません。

そのため、共用サーバーのように、他のユーザーの影響によって障害などに巻き込まれたり、動作が重くなってしまうことは基本的になく、安定したサービス稼働を実現できるという点がメリットです。

また、ゲストOS上では自由にアプリケーションをインストールすることができるので、Webサイトを公開するためのWebサーバー以外の用途でも利用できるのも特徴です。

カスタマイズ性が高い

ゲストOSがユーザーごとに用意されるというメリットの延長になりますが、VPSはカスタマイズ性が高いというのも大きなメリットです。

専用サーバーと同等にユーザーがOSやアプリケーションなどを自由にインストールできるため、レンタルサーバーなどと比べて、より自由度が高い運用が可能です。

アプリケーションソフトウェアを自由に導入可能

アプリケーションソフトウェアを自由に導入可能ということは、どんな用途にも利用できるということです。

たとえば、

● ネットショップの構築
● Webサービス&アプリの提供
● 勤怠管理などの自社システムの導入

など、独自アプリケーションを含め、大きな制限を受けずに自由に導入できます。

低価格で高クオリティの構築ができる

仮想的とは言え、専用のサーバーを借りるわけですから、価格が気になるところです。

ただ、VPSの価格は本当に安くなっており、誰でも気軽にVPSをはじめることができます。

基本的に、以下の割り当てスペックに応じて月額費用が変わってきます。

● CPUコア数
● メモリ容量
● SSD容量

利用用途ごとにプランを選べるため、安定かつ高速な環境を低価格(月額数百円〜)で構築可能です。

関連記事:デバイス(device)って何?今さら聞けない意味を徹底的に解説します!

VPSとクラウドの違い

VPSと似たサービスとしてクラウドがありますが、VPSとクラウドの違いは何でしょうか。

一言で言えば、柔軟性・拡張性にあります。

クラウドは、何台、何十台あるいはそれ以上のサーバー群でネットワークを組み、ひとつのシステムを構築できますが、VPSではそうした構成を取るのは難しいです。(VPS提供業者によっては不可能ではありません。)

VPSはあくまで一台の仮想専用サーバーを借りるというイメージが近いです。

関連記事:CMSとは?利用目的やメリットデメリット・基本機能を初心者向けに分かりやすく解説

VPSのデメリットや注意点

ここまでVPSのメリットについて考えてきましたが、デメリットとしてどのようなものがあるのでしょうか。

まず挙げられるのが、自由度が高い分、ユーザー側で必要な作業が多いという点です。

たとえば、Webサイトを公開するためのレンタルサーバーであれば、所定の場所にHTMLファイルを格納するだけで、Webサイトを公開できるわけですが、VPSの場合はそうはいきません。

OSやアプリケーションの各種設定や運用はすべてユーザー側で行う必要があり、活用する上での難易度は高めです。

関連記事:今さら聞けないアプリケーションの基礎知識。アプリ開発のメリットやASO対策ってなに?

VPSの利用がおすすめなシーン

VPSは低価格であり、コスト面においては誰でも気軽にはじめられますが、用途によってはVPSのメリットを活かせないケースもあります。

そこで次に、VPSの利用がおすすめなシーンを紹介します。

一例として以下のようなシーンが挙げられます。

● 仮想OSを利用したい
● 独自アプリを開発(利用)したい
● Windowsアプリを起動したまま利用したい
● RubyやJavaで開発したいシステムがある
● クラウドサービスは高額で安価なものを探している

ひとつずつ見ていきましょう。

仮想OSを利用したい

VPSでは、ゲストOSを選んでOSレイヤーでの高度な設定が可能です。

OSの種類は、VPSサービス提供業者が用意しているOSから選ぶこともできますし、自身でISOイメージをアップロードし、手動インストールすることもできます。

アプリケーションによっては対応OSが決められていたりするため、OSの種類を自由に選びたい場合や、OSレイヤーの設定まで行いたい場合、VPSであればそのニーズを満たしてくれます。

独自アプリを開発(利用)したい

独自アプリの開発環境としてや、アプリケーションを提供するサーバーとしても利用できます。

最近のアプリケーションはWebブラウザから利用できる形態のものがほとんどですが、そうしたWebアプリケーションを公開するサーバーとして、VPSは最適と言えるでしょう。

Windowsアプリを起動したまま利用したい

VPSは何もサーバー用途だけの利用に限りません。

たとえばゲームだったり、FXの自動売買ツールであったり、24時間常時稼働させ続けたいアプリケーションもあるでしょう。

自宅のPCで24時間連続稼働させると、電気代も跳ね上がりますし、外出時は発火などの危険もあります。

その点、VPSであれば安価で安定した動作環境でアプリを常時起動させ、Windowsのリモートデスクトップ機能により、自宅PCから必要なときにリモートログインして利用するといった環境を構築できます。

RubyやJavaで開発したいシステムがある

Webアプリケーションであれば、レンタルサーバーでも公開できるのではないかと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、RubyやJavaで開発したWebアプリケーションはレンタルサーバーでは公開できないことがほとんどです。

Webアプリケーションとひとくちに言っても、その種類は様々で、クライアントサイドで動作するもの、サーバーサイドで動作するものがあります。

共用サーバーとなるレンタルサーバーは基本的にRuby on RailsやJavaサーブレットといったサーバーサイドで動作するアプリケーションの利用は許可していないため、そうした本格的なWebアプリケーションを公開したい場合は、VPSを利用する必要があります。

クラウドサービスは高額で安価なものを探している

前述の「VPSとクラウドの違い」でも触れましたが、クラウドサービスはVPSをより柔軟なカタチで提供できるようにしたものであり、言ってみれば、VPSを進化させたサービスです。

そのため、基本的にクラウドサービスはVPSより費用が高くなります。

クラウドサービスは高額であり、そこまでの柔軟性は求めず、安価なモノを探しているのであれば、VPSのほうが適していると言えます。

関連記事:ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)とは?特徴や基礎を解説します

VPSの選び方は?

VPSサービスを提供する業者はたくさんありますが、どのような観点で選べば良いのでしょうか。

VPSを選ぶ際、まずは以下の観点を確認することをおすすめします。

● サポート体制
● 価格が予算以内か
● 契約期間

それぞれ詳しく見ていきます。

サポート体制

VPSでは仮想サーバーの運用管理を契約者自身で行う必要があります。

自由度が高いぶん、はじめのうちは、わからないところやつまずくところが出てくるはずです。

その際、サポート窓口がなく、マニュアルやFAQを参考に自力で問題解決する必要があるのか、それとも担当エンジニアに質問でき、答えてくれるのかは大きな違いとなります。

また、問い合わせ方法はメールのみなのか、電話やチャット対応も可能なのか、夜間や土日祝日も技術サポートを受け付けてくれるのかという観点でも確認しておくのが望ましいです。

自社のWebサイトやWebサービスを公開する場合、24時間365日安定した稼働ができるかどうかというのは、とても重要な要素となります。

見込み客がアクセスした際、そのときたまたまサーバーがダウンしていたら、それだけで機会や信用を失ってしまいかねません。

そうした障害時にも即座に問い合わせできるかどうかといったサポート体制は非常に重要です。

価格が予算以内か

価格もVPSサービス提供業者によって大きく変わってきます。

サービス品質、サポート体制、価格を照らし合わせて、予算内におさまる最適な業者を選ぶ必要があります。

契約期間

契約期間は月単位から年単位となることが多いです。

サービス提供が突然終了となってしまうことはないか、業績や品質が安定した業者であるかは必ず確認してください。

関連記事:ローンチの意味とは?リリースとの違いも合わせて徹底解説します!

まとめ

以前は、自由に構成できるサーバーを立てるには、自宅に自分でサーバーを立てる「自宅サーバー」くらいしか方法はありませんでした。

それが今では、月々数百円でVPSという仮想サーバーを立てることができるようになりました。

VPSを使うことで、フリーランスや中小企業、それから個人であっても手軽にサーバーを構築でき、様々な活用が可能です。

ぜひ、本記事をきっかけにVPSを構築してみてはいかがでしょうか。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

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