インターネット広告に馴染みのない方は、オーバーレイ広告がどのようなものか想像がつかないかもしれません。しかし、インターネット広告で成果を上げるためには、オーバーレイ広告を効果的に活用する必要があります。
本記事では、オーバーレイ広告の概要と、利用する際のメリット・デメリットを紹介します。また、オーバーレイ広告を作成・運用する際の注意点についても解説していきますので、ぜひご一読ください。
目次
オーバーレイ広告とは?
オーバーレイ広告とは、画面を覆っているように見える広告のことです。この記事を読んでいる方の中には、記事を読んでいる最中に突然画面に大きな広告が表示された経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これがオーバーレイ広告です。
オーバーレイ広告には様々な機能があり、以下のような広告を表示することができます。
● ユーザーの動きに合わせて広告も動く
● 広告(ポップアップ)をクリックしないと画面をスクロールできない
● 点滅できる広告を配信してクリック率を高める
これらの機能は、時にユーザビリティを低下させ、広告のブロックにつながることもあります。オーバーレイ広告を出稿する際は、ユーザーエクスペリエンスを損なわないように意識することが大切です。
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オーバーレイ広告の種類
オーバーレイ広告と一口に言っても、下記3つの種類が挙げられます。
● アンカー広告
● インタースティシャル広告
● ポップアップ広告
それぞれ順番に見ていきましょう。
アンカー広告
アンカー広告は、画面をスクロールすると表示されるオーバーレイ広告で、Google Adsenseの場合、Googleが自動的に画面の上部と下部のどちらを表示するかを判断します。
アンカー広告は、PCとモバイル端末の両方で表示することができます。モバイル版の場合、アンカー広告は「モバイルビッグバナー」と呼ばれるサイズで表示され、ユーザーのスクロールに合わせて追従するため、高いクリック率を実現できるのが特徴です。
インタースティシャル広告
インタースティシャル広告とは、ページの切り替えや遷移のタイミングで表示される広告のことです。インタースティシャル広告には、「広告をクリックする」「閉じる」の2つの選択肢があります。
視認性が高いというメリットがありますが、SEOガイドラインでは、インタースティシャル広告がユーザビリティの問題を引き起こす可能性があるとされています。そのため、過度なインタースティシャル広告はSEOの評価を下げる大きな原因となります。
ポップアップ広告
ポップアップ広告は、画面上に浮いているように見えるオーバーレイ広告です。スクロール中やその他のタイミングで表示されることがあります。訪問者を目的のページやコンテンツに誘導する可能性は高いですが、UXの観点からは満足度が低くなります。そのため、ポップアップ広告を設置する際は、UXを確保しつつ、訪問者を誘導することが重要です。
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オーバーレイ広告のメリット
オーバーレイ広告には、下記3つのメリットがあります。
● ターゲティングが多彩
● 費用対効果が高い
● 多くのクリックを獲得できる
それぞれ順番に見ていきましょう。
多彩なターゲティング
オーバーレイ広告では、多彩なターゲティングが可能です。デモグラフィックや閲覧傾向を細かくセグメントすることで、見てほしいユーザーにのみ広告を表示することができます。これにより、高いクリック率を実現し、クリックされた後のコンバージョンの可能性を高めることができます。
高い費用対効果
オーバーレイ広告は、多くの企業で広く利用されているわけではありません。リスティング広告のようにオーバーレイ広告を出稿しない企業が大半であるため、広告費が高騰することはありません。コストパフォーマンスが高い広告を探している場合は、オーバーレイ広告を優先的に使いましょう。
高いクリック数
オーバーレイ広告は非常によく目に入ります。そのため、多くのクリック数を得られるというメリットがあります。ただし、クリックを獲得してもコンバージョンに繋がらなければ意味がないので、コンバージョンに繋がらないクリックを排除する工夫が必要です。
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オーバーレイ広告のデメリット
ここまで、オーバーレイ広告のメリットを解説してきました。一方で、オーバーレイ広告にはデメリットがあることも事実です。
● ユーザビリティが低下する
● ブロックされると広告を表示できない
それぞれのデメリットを順番に見ていきましょう。
ユーザビリティが低下する
オーバーレイ広告は視認性が高いが故に、ユーザビリティが低下します。ユーザビリティとは、ユーザーの行動のしやすさのことだと捉えれば問題ありません。ユーザビリティが低下してしまうと、下記3つの弊害が生じます。
● ユーザーがWebサイトに対して嫌悪感を抱く
● 企業としての信頼性も損ねてしまう
● コンバージョンに至らない
ユーザビリティの悪いWebサイトは、ユーザーから嫌悪感を抱かれてしまいます。同時に、嫌悪感のあるWebサイトを運営している企業の信頼性も損ねてしまうため、良い側面が何もありません。
また、ユーザビリティが悪い中クリックを無理やり獲得してしまうと、当然ながらコンバージョンにも至りません。信頼性を損ねてクリックを獲得した結果、コンバージョンも獲得できないのは大きなデメリットでしょう。
オーバーレイ広告を出稿する際は、ユーザビリティを損ねずにコンバージョンを獲得できるかが1つの肝となります。
ブロックされると広告を表示できない
オーバーレイ広告は、ブラウザによってはブロックすることも可能です。ユーザーがオーバーレイ広告自体に嫌悪感を抱いている場合、そもそもブロックされていて出稿できない可能性があるということです。
また、Googleは2017年の1月に、モバイルページの閲覧に支障をきたすインタースティシャル広告は、モバイルページのSEO評価を下げると公言しています。中には、過剰なインタースティシャル広告を出稿した結果ペナルティを受けた事例もあるので、SEOにも悪影響を及ぼす可能性があります。
とはいえ、ユーザビリティを損ねないオーバーレイ広告であればSEO評価も落とさないため、いかにこれらを担保して出稿できるかを意識するようにしましょう。
オーバーレイ広告を作成する際の注意点
オーバーレイ広告は、初めて作成する人だと何を意識すれば良いのか分かりません。結論として、オーバーレイ広告の作成時は下記の点に注意しましょう。
● サイズを網羅する
● フォーマットを網羅する
それぞれ順番に解説します。なお、オーバーレイ広告は本記事でも解説している通り、ユーザビリティを損ねる危険性のある広告です。知見が無い中で作成した結果、ユーザビリティを損ねてしまう可能性があるので、不安な場合は実績のある会社に依頼するようにしましょう。
サイズを網羅する
はじめに、オーバーレイ広告ではサイズを網羅することが重要です。一般的に、オーバーレイ広告のサイズは下記の4つが挙げられます。
● 728×90
● 480×70
● 468×60
● 450×50
これら4つのサイズを網羅していない場合、広告のインプレッションを最大化できません。仮に1つのサイズで100インプレッションを獲得できる場合、サイズが2つしかなければ200インプレッションしか獲得できないため、残りの200インプレッションを損失します。
インプレッションが損失するとクリック数も最大化できないため、必ずサイズを網羅するようにしましょう。
フォーマットを網羅する
次に、オーバーレイ広告のフォーマットを網羅することも大切です。オーバーレイ広告では、テキスト、リッチメディア、画像の3つのフォーマットが存在します。上述したサイズを網羅するのと同じ理由で、フォーマットも網羅するようにしましょう。
オーバーレイ広告は作成工数が多いので大変ですが、成果を最大化させるためにも、サイズとフォーマットは必ず網羅しましょう。
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オーバーレイ広告を運用する際の注意点
オーバーレイ広告の作成が終われば、次に運用に入ります。運用する際の注意点は下記の通りです。
● 無駄クリックを減らす
● ユーザーに嫌われないようにする
それぞれ順番に見ていきましょう。
無駄クリックを減らす
オーバーレイ広告では、無駄クリックを減らすことが重要です。オーバーレイ広告に限らず、インターネット広告を出稿する際は、クリック数(クリック率)を1つのKPIとして設定するケースが多いです。しかし、コンバージョンを獲得できない無駄クリックが増えてしまうと、当然ながら無駄なコストが発生します。
極論を言えば、1回のクリックで1つのコンバージョンを獲得できるオーバーレイ広告が理想的です。そのためにも、ユーザー心理を考慮したデザインで出稿するようにしましょう。
ユーザーに嫌われないようにする
次に、抽象的ではありますが、ユーザーに嫌われないようにすることも大切です。ユーザーに嫌われたり嫌悪感を抱かれたりすると、広告がブロックされてしまいます。また、企業としての信頼性も損ねることになるでしょう。
表示するタイミングやバナーデザインなども含めて、総合的にユーザー満足度の高いオーバーレイ広告を目指すことが重要です。
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まとめ
本記事では、オーバーレイ広告について解説をしてきました。オーバーレイ広告は、費用対効果が高かったり、クリック数を獲得できたりするメリットがあります。一方で、過剰な広告はSEO評価を下げたり、ユーザーにブロックされたりする点には注意が必要です。
まずは、バナーサイズとフォーマットを網羅し、成果を最大化できるようオーバーレイ広告を作成することから始めてみてはいかがでしょうか。