サイトの導線設計ができているかできていないかによって、Webサイトから得られる売上は大きく変わります。なかには、サイトの導線設計を整えただけで売上が倍以上になるケースも珍しくなく、今すぐに対策するべき内容だと言えるでしょう。
しかし、サイトの導線設計と言っても、何から始めれば良いのか分からない人も多いかもしれません。そこで本記事では、サイトの導線設計の概要から考え方、実際のやり方を解説します。また、サイトの導線設計をする際に意識するべきことも解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
サイトの導線設計とは?
はじめに、サイトの導線設計の概要について解説をします。サイトの導線設計とは、ユーザーに起こしてほしい行動を検討し、そのルートを用意することです。「導く線」という言葉のとおり、Webサイトの運営者がユーザーに起こしてほしい行動のとおりにWebサイトを設計していきます。
たとえば、自社が営業代行サービスを提供していると仮定します。このサービスの問い合わせをWebサイトから獲得したい場合、「TOPページ→営業代行サービスページ→料金ページ→問い合わせページ」という流れが考えられます。
もしくは「TOPページ→資料請求ページ(問い合わせ)」というシンプルな流れも考えられるかもしれません。サイトの導線設計で難しいところは、自社が検討しているユーザーの流れのとおりにWebサイトを設計しても、実際のユーザーはそのとおりに動いてくれないことです。
どこかのページで離脱が起きたり、滞留をしてしまったりするため結果として、問い合わせをしてくれなかったりする可能性も高いです。そのため、自社が思い描いたとおりにユーザーが遷移していない場合は、導線を改めて見直すか、ユーザーの遷移のとおりにWebサイトを改善するようにしましょう。
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導線と動線の違い
ところで、導線と動線という2つの言葉が存在しますが、Webサイト運営においても、これら2つの言葉は意味合いが異なります。導線に関しては上述したとおりですが、動線は、実際にユーザーが動いたルートのことです。つまり、遷移したページや流れが動線になります。
Googleアナリティクスを使えば、細かな動線を分析できます。たとえば、先ほどの営業代行会社のWebサイトを例にすると、料金ページを見てほしいものの、実際は料金ページではなく運営者情報を見られているとします。
この場合ひとつの対策として、運営者情報ページの内容に厚みを持たせて、導線設計を変更する必要があると考えられるでしょう。
Webサイトにある程度のデータが溜まってきたら、動線を基に、導線設計を考え直す分析の時間を設けるように心がけましょう。
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サイトの導線設計が重要な理由
ここまで、サイトの導線設計の概要を解説してきました。ここからは、サイトの導線設計が重要な理由を紹介します。
● コンバージョンを増やすため
● SEO評価を高めるため
● 企業のイメージを向上させるため
それぞれ順番に見ていきましょう。
コンバージョンを増やすため
サイトの導線設計を行うことで、コンバージョンが増えることにつながります。冒頭でも紹介したとおり、サイトの導線設計を行っただけで、売上が2倍に増えたケースも存在します。
サイトの導線設計を行うことでコンバージョンが増える理由は、ユーザーが求めている情報を、適切なタイミングで伝えられるためです。ユーザーが料金を知りたい際に、料金ページへの導線が分かりやすければ適切に遷移し、コンバージョンに至ってくれます。
コンバージョンは売上に直結する指標であるため、サイトの導線設計は必ず行うようにしましょう。
SEO評価を高めるため
サイトの導線設計を行うことで、SEO評価も高まります。ユーザーが適切に複数のページを遷移するため、回遊率や滞在時間などの指標が高まるためです。SEO評価が高まれば、新規でページを作成した際も、比較的早くインデックスしてくれるようになります。
企業のイメージを向上させるため
回遊しやすいWebサイトは、UXやユーザビリティが向上します。その結果、企業のイメージが向上することにもつながります。そして、イメージが良いWebサイトはユーザーも拡散したいと思ってくれるので、SNSでも自然とWebサイトやページを拡散してくれるようになります。
サイトの導線設計を行うことはメリットしかないため、熟考したうえで取り組むことが重要です。
サイトの導線設計の考え方と作り方
サイトの導線設計は、初めて取り組む人には非常に難しいと感じるかもしれません。実際、サイトの導線設計を専門に行う人も存在するぐらいなので、一朝一夕で成功するものではないでしょう。少しでも良いサイトの導線設計を行うためにも、下記3つを意識するようにしましょう。
● Webサイトの目的を明確にする
● ターゲットを細かく選定する
● ターゲットが問い合わせしやすい導線を設計する
● 効果検証を行い続ける
それぞれ順番に解説します。
Webサイトの目的を明確にする
はじめに、Webサイトの目的を明確にしましょう。目的は、言い換えればユーザーのゴールであり、コンバージョンです。Webサイトの目的が「資料請求を獲得すること」の場合、資料請求ページへの適切な導線を設計する必要があります。
一方で「電話問い合わせ」の場合、電話をしやすい作りにする必要があるでしょう。Webサイトの目的によって適切な導線は異なるので、先に目的を明確にすることから始めましょう。
ターゲットを細かく選定する
次に、ターゲットを細かく選定することが大切です。学習塾を例にしたよくある失敗事例は、「30代の親御様に見やすいWebサイト」というケースが考えられます。一見すると、30代という年齢で絞り込みつつ、保護者をターゲットにしているので、ターゲットは選定できていると思うかもしれません。
しかし、ターゲットがどのような状況や背景があって問い合わせするのかを考えないと、コンバージョンは最大化できません。たとえば学習塾のケースでは「他の学習塾で成績が上がらなかった」「複数の塾の無料体験会に参加している」など、状況が異なります。
これらの状況まで細かく検討することが重要です。
ターゲットが問い合わせしやすい導線を設計する
ターゲットや状況・背景が決まれば、次にターゲットが問い合わせしやすい導線を設計しましょう。たとえば、先ほどの学習塾のケースで「複数の塾の無料体験会」に参加している人をターゲットにする場合、無料体験問い合わせのページに遷移させる必要があります。
同時に、無料体験会を開催している日程やカレンダーで予約ができると便利でしょう。こういった形のように、ターゲットが問い合わせしやすい導線を設計することが重要です。
効果検証を行い続ける
最後に、効果検証を行いましょう。Googleアナリティクスや分析ツールを活用して、実際にユーザーがどのように遷移しているかを確認します。その遷移を基にユーザーの心情分析を行い、適切なページを作成したり、導線を設計し直したりすることが重要です。
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サイトの導線設計を行う際に意識するべきこと
ここまで、サイトの導線設計を行う際の考え方ややり方を解説しました。ここからは、その他で意識するべきポイントを解説します。
● TOPページの構成
● ナビゲーションメニュー
● サイドバー
● ボタンの位置
それぞれ順番に見ていきましょう。
TOPページの構成
TOPページの構成は、サイトの導線設計を行ううえで、最も重要なポイントと言っても過言ではありません。TOPページの構成や流れが適切でないと、下層ページにユーザーが遷移してくれません。TOPページを訪問する際に、ユーザーがどのような情報をどういった順番で求めているのかを分析し、そのとおりに構成を作るようにしましょう。
また、SEOではTOPページに情報が集中していないと、サイト全体のSEO評価が高まりません。よくある失敗例としては、見栄えだけを意識してしまって、TOPページにテキストがほとんど入っていないケースです。
検索エンジンは、綺麗な画像よりもどれだけユーザーに必要なテキストが入っているかを判断しているので、テキストと画像のバランスが重要になります。なお、これは下層ページでも同様です。
ナビゲーションメニュー
ナビゲーションメニューは、ヘッダーにあるメニューのことだと思ってください。ナビゲーションメニューに問い合わせのための導線を用意していくことで、CVR(成約率)が改善する可能性があります。
また、ナビゲーションメニューにユーザーが気になるページのリンクを設置することで、ユーザーが遷移しやすくなります。
サイドバー
主に記事コンテンツのサイドバーに、自社が遷移させたいページのURLやバナーを設置しておきましょう。同時に、遷移させたいURLやバナーは、ユーザーのスクロールに追従させる形が望ましいです。これにより、記事コンテンツに訪問したユーザーのなかで、一定数を自社が遷移させたいページに遷移してくれるようになります。
ボタンの位置
最後に、ボタンの位置も重要です。先ほどのサイドバーのケースと同様で、ユーザーが問い合わせしたいと思ったタイミングでボタンがなければ、コンバージョンの機会損失が生まれます。ヘッダーやサイドバーを追従させ、そこに問い合わせボタンを設置しておくことで、CVRやコンバージョン数を改善できるでしょう。
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まとめ
本記事では、サイトの導線設計について解説をしてきました。サイトの導線設計をする際は、Webサイトの目的を明確にしたり、ターゲットを細かく選定したりすることが大切です。サイトの導線設計を行うことで、売上が伸び、改善するべき項目も明確になるメリットがあります。
まずは、現状のサイトの導線を分析し、改善するべき項目を洗い出すことから始めてみてはいかがでしょうか。