「ホワイトボードアニメーション」という言葉を聞いたことはありますか?
日本ではまだあまり知名度がないですが、アメリカでは大反響を呼んでおり、2週間で2600万シェア、真似した動画が66万件、YouTubeの再生回数も200万再生を超えるほどです。あまりに人気すぎて今ではホワイトボードアーティストという専門職も誕生するほどです。
ですが、日本人の多くの人はまだ知らない人が多いため、「ホワイトボードアニメーションって何?本当に使われているの?」と考える方も多いでしょう。
そこで、今回は以下のトピックについて解説します。
・ホワイトボードアニメーションとは?
・ホワイトボードアニメーションを活用する5つのメリット
・ホワイトボードアニメーションの注意点
・ホワイトボードアニメーションの作成の5つのステップ
この記事ではホワイトボードアニメーションとは何なのか、メリット、注意点、作成の際のポイントについて解説します。
ホワイトボードアニメーションについて詳しく知りたい、自社で何か活かしたいと考えている方は是非参考にしてください。
目次
ホワイトボードアニメーションとは?
ホワイトボードアニメーションは、ホワイトボードの背景にイラストや図などを書き込みながら動画のテーマについて解説していくものです。今では本のレビューを紹介するなど何かのテーマを解説するYouTubeチャンネルで多く使われている手法です。
白の背景に黒や赤、青などの文字を書き込むことで見やすく、またイラストが非常にシンプルで、大げさなBGMも使われないため、非常に聞きやすいといった特徴があります。また、イラストと音声で作成されたアニメーションのため、抽象的な内容や複雑な概念も分かりやすく解説がしやすいです。
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ホワイトボードアニメーションを活用する5つのメリット
ホワイトボードアニメーションには次の5つのメリットがあります。具体的なメリットを理解し、ホワイトボードアニメーションはどのようなことに利用できるのか確認していきましょう。
情報が伝わりやすい
ホワイトボードアニメーションの最大のメリットは情報が伝わりやすい点です。具体的には、シンプルな背景にイラストや図を使って説明するため、格段に相手に情報が伝わりやすいです。また、人間は見ている情報と音声の情報が一致していると理解しやすいという特性があります。この点でも、ホワイトボードアニメーションは情報が伝わりやすいです。
最後まで見てもらえやすい
人間は一貫性の法則から、アニメーションのワンシーンを見てしまうと次のシーンも気になって見てしまうといった傾向があります。特に、アニメーションは聴覚情報も提供するため人の注意を惹きやすいといった特徴があります。また、人は動くものを目で追ってしまうので、ホワイトボードアニメーションはテキストや静止画を使ったネット上の媒体よりも視聴者の興味・関心を引きやすいです。実際のところ、ホワイトボードアニメーションは視聴維持率が80%と高い数値を出しており、一般的なYouTubeの動画と比べて約1.6倍長く見られているといったデータがあります。このような人間の特性をうまく活用していることから最後まで見てもらいやすいものになっているのです。
見た人の記憶に定着する
見た人の記憶に残りやすい点も非常に大きな強みです。実際に英国の心理学者であるリチャード・ワイズマンは、アニメーションと実写映像でどれくらい記憶の定着率が変わるかを調査しました。具体的に自己紹介の動画を「ホワイトボードアニメーション」と「実写で話した動画」の2パターンを作成して、2チームに見せました。結果はホワイトボードアニメーションを視聴したチームの方が、正答率が15%高いという結果が出ています。この結果から分かることは、人間は事象をただただ覚えるよりも、ストーリーとして理解しながら覚えた方が記憶に残りやすいということが分かります。
学習効果が期待できる
ホワイトボードアニメーションは学習効果も期待できます。情報が伝わりやすく、そしてアニメーションで最後まで見てもらえるため結果的に動画で伝えたい内容を深く理解させることが可能です。また、イラストが次々と描き足されていくことで、視聴者は無意識に快楽を感じさせる脳内物質のドーパミンが分泌されるので強く印象に残ります。実際に現在多くのYouTubeチャンネルでホワイトボードアニメーションが使われているのは、学習効果が最も高いためです。
実写撮影に比べて低コスト
さらにホワイトアニメーションの大きなメリットは、実写の撮影に比べて低コストで済む点です。一般的に実写の撮影の場合、安価な場合数万円、しっかりした企業の広告動画ともなると数百万円ほどかかります。一方、ホワイトボードアニメーションは数万から制作可で、本格的な企業のPRであっても費用は数十万程度です。この違いは実写の動画はロケ地や撮影機材、人件費などによる負担が大きいのに対して、ホワイトボードアニメーションは動画編集者や構成作家を雇う程度で済むからです。このように実写に比べて明らかにホワイトボードアニメーションは低コストで作成できます。
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ホワイトボードアニメーションの注意点
人気の高いホワイトボードアニメーションですが、注意しなければならない点も存在します。主に注意点は2つあるので、しっかりと把握して上手にホワイトボードアニメーションを作成しましょう。
商品のプレゼン動画などには不向き
万能なホワイトボードアニメーションも商品のプレゼン動画には少し不向きです。なぜならば、商品のプレゼン動画は実際のリアルな商品を見せながら解説した方が伝わりやすいからです。また、ホワイトボードアニメーションに実際の商品の写真や効果のグラフを組み込むこともできますが、不自然な出来上がりとなってしまいます。そのため、商品のプレゼンをする際は他の方法を検討した方が良いでしょう。
差別化が難しい
ホワイトボードアニメーションの最大の注意点は差別化が難しい点です。ホワイトボードの白い背景に文字やイラストを描き足すという基本のスタンスは変えられないので、どうしても似た作品が出来上がってしまいます。ですが、シーンの切り替え方やイラスト、話の展開の仕方、イラストの配置など工夫できる点は多くあるので、まだまだ可能性はあるでしょう。
ホワイトボードアニメーションの作成5つのステップ
実際にホワイトボードアニメーションを作成するには主に5つのステップがあります。この5つのステップさえ確実に行えば、ホワイトボードアニメーションを作れるのでまずは一歩を踏み出しましょう。
脚本や絵コンテを考える
第一のステップとして脚本や構図、カットごとの動き、尺などの絵コンテを考えなければなりません。何を伝えたくて、どういうカット割りと展開なら伝わりやすいか、などを考える重要な工程ですが、3割程度の完成度で次の工程に進みましょう。なぜならば、どれだけ緻密に設計しても、実際に動画にしてみたら思っていたものと違っていたというケースは起きてしまうからです。また、一から自分で作り上げるのではなく、再生回数が多く、成功しているホワイトボードアニメーションを参考にしてください。そして、真似できる点は真似して作っていくほうが良いでしょう。特に、初心者であればまだホワイトボードアニメーションへの習熟が浅いため、自分で一から作るよりもはるかにクオリティの高い作品が作れる可能性が高いです。まずは真似てみるところから始めましょう。
キャラクターや文字の配置
キャラクターや文字の配置も視聴者の理解度に関わる部分ですので、しっかり考えなければなりません。ですが、ホワイトボードアニメーションの作成ツールにはテンプレートや素材が用意されています。基本的に絵コンテごとのキャラクターや文字の配置を決めて行くことになるでしょう。もちろん、オリジナルのキャラクター、ロゴを自分で作成してツールに落とし込むことも可能となっています。他との差別化のためにも事前に準備やアイデアを出しておくと良いでしょう。
イラストや文字を動かす
次は静止画で設計したイラストや文字を実際に動画にしましょう。前述した通り、実際に動画にしてからイラストの見え方や伝わり方が考えていたものと違う、と気付くことは多々あります。実際に視聴者は、静止画ではなく動画として見るので、この工程にはなるべく多くの時間を割きましょう。
BGMなどの音声を入れる
ある程度、動画の全体像が見えてきたら次は動画に適したBGMを入れてみましょう。BGMの目的は視聴者に飽きさせないことにあります。いくらホワイトボードアニメーションの視聴維持率が高くても、BGMがないと視聴者は離れてしまう可能性が高いです。そのためBGMを挿入することをオススメしますが、作品の雰囲気やイメージを壊すようなBGMの場合、逆に視聴者の集中力をそいでしまうので注意しましょう。
最終チェック
ここまで作成すれば最終チェックを行いましょう。イラストや文字、ストーリーの展開速度を調節したりします。また、音楽が中途半端に途切れていないか、ナレーションとイラストの動きにずれがないかなど、細部にわたって確認が必要です。
まとめ
今回の記事では、ホワイトボードアニメーションとは何なのか、メリット、注意点、作成の際のポイントについて解説しました。ホワイトボードアニメーションはアメリカで爆発的に人気がある表現技法です。日本でも、いずれアメリカと同じように企業のPR動画などにも大々的に使われ始める可能性があるでしょう。
そのため、今からホワイトボードアニメーションについての知識を深め、何か自らのビジネスに活用してみることをオススメします。