Wayback Machineとは過去のWebページを閲覧できるツールのことです。Webサイトは日々更新されており、古い記事は差し替えられたり削除されたりします。しかし、「Wayback Machine」は自動的にWebサイトの情報を保存するため、過去のWebサイトも無料で閲覧が可能です。本記事では「Wayback Machine」の概要や使い方を解説します。
目次
Wayback Machine(ウェイバックマシン)とは?
Wayback Machineとは、Internet Archive(インターネットアーカイブ)が運営する保存された過去のWebページを閲覧できるツールのことです。運営資金は寄付でまかなわれており、ユーザーは完全無料で利用できるといったメリットがあります。また、競合サイトや運用サイトの過去の状態も見れるため、SEO施策を行ううえでも有用なツールと言えます。サイトのアーカイブツールはWaybackMachineだけではない様々なインターネットアーカイブツールがあるのでチェックしておくことをおすすめします。
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運営元のInternet Archiveとは、1996年にアメリカのサンフランシスコで発足した非営利団体のことです。Webサイトのトラフィック情報を独自に収集するAlexa Internetの協力も得つつ、インターネット上の膨大なデータをクローリングしており、2016年10月時点で2,790億を超えるページをデータベースに保存しています。
保存内容は、Webサイトも含めて本や映画、ソフトウェア、音楽などが保管されています。Wayback Machineは、1996年以降の保存データをインターネットから誰でも無料で閲覧できる貴重なサービスと言えるでしょう。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)の使い方
ここでは、Wayback Machineの使い方を解説します。結論として、以下のような使い方です。
・ URLから検索
・ キーワードから検索
・ 画像や動画コンテンツの検索
それぞれ順番に解説します。
URLから検索
はじめに、Internet Archiveにアクセスします。
次に、Internet Archiveのトップページや、Wayback MachineのトップページにあるWayback Machineの検索窓に、過去のページを閲覧したいサイトのURLを入力します。
年表をクリックすると該当年のカレンダーを閲覧できるため、カレンダーからは何月何日の何時に保管されたデータかの選択が可能です。また、日付によって丸い円の色が異なるものの、円の色によっても意味が違います。そのため、それぞれの色についてはアーカイブした際のWebサーバーのリクエスト結果によって異なります。
色のパターンについては、以下の4パターンが存在します。
・ 青色:200番台
リクエストに成功すると青色になります。基本的には青色が理想です。
・ 緑色:300番台
リクエストがリダイレクトされると緑色になります。
・ オレンジ色:400番台
クライアントエラーの場合はオレンジ色になります。
・ 赤色:500番台
サーバーエラーの場合は赤色になります。
基本的には、青色の日付を閲覧するものの、まれに赤色の日付でもアーカイブ情報を閲覧できる場合もあります。そのため、色に関わらずアーカイブされた日が複数ある場合は、ある程度のアーカイブ情報を確認してみましょう。
また、調べたい日付を選ぶことによってアーカイブ時刻の一覧が表示されるため、希望のアーカイブ時刻を選びましょう。
キーワードから検索
Wayback Machineは、トップページのリンクに使用されたキーワードを解析しているため、URL検索以外にもキーワード検索を用いて活用できるといった機能も備わっています。キーワードを入力した場合は、関連するWebサイト一覧が表示されるため、一覧中のURLかサムネイルをクリックするとカレンダー表示に移動します。なお、Wayback MachineはURLでの検索が多いため、キーワード検索は補助的な機能として使うと良いでしょう。
画像や動画コンテンツの検索
ページの最上部には、さまざまなアイコンが並んでいます。通常はURL検索やキーワード検索を行うことによって過去データを閲覧できるものの、書籍や画像、音楽などの一般的なサイト以外でもデータの確認が可能です。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)にはどれだけ保存されている?
Wayback Machineには、保存されている対象のURLやキーワードなどを確認する方法が存在します。検索結果が表示された場合は、画面内に「Saved 〇〇times between 〇〇 and 〇〇」と表示があるため、この部分がデータの保存数です。
たとえば、「Saved 284,956 times between June 17, 1999 and July 26, 2017.」と書かれていた場合は、1999年6月17日から2017年7月26日の間に 284,956個のアーカイブデータを保存しているといった意味になります。
大規模なWebサイトの場合でも、Wayback Machineは膨大なアーカイブデータを保存できるうえに、無料で閲覧が可能であるため利便性が高いと言えるでしょう。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)への保存方法
Wayback Machineへの保存方法は「手動保存」と「自動保存」の2つ程度存在します。それぞれ順番に見ていきましょう。
手動保存
1つ目は、手動でデータを保存する方法です。Wayback Machineは、自分のタイミングでデータを保存したい場合、手動で保存できる機能が備わっています。下記の手順を踏むことによって、手動でデータの保存が可能です。
はじめに、Wayback Machineのトップページ右下にある「Save Page Now」に登録したいページのURLを入力し、「SAVE PAGE」ボタンをクリックします。読み込み後、「Page save as [URL]」と表示されれば登録完了です。
保存処理は、1分未満で完了するため、時間を取られることがありません。
自動保存
2つ目は、Wayback Machineが自動的にデータを取得して保存する方法です。自動保存は、あらかじめ設定をする必要がないため、Wayback Machineが自動的にデータを取得するといった特徴があります。
しかし、データの保存がいつ行われるかは不明であるため、必ずデータが保存されるといった確証はありません。そのため、確実にデータを残したい場合は手動保存を行いましょう。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)のページ削除方法
Wayback Machineからサイト情報を削除する方法は、 info@archive.org 宛にメールで削除依頼する方法です。しかし、運営元のInternet Archiveはアメリカの団体であるため、メールのやり取りはすべて英文で行わなければなりません。そのため、サイトの所有者であることを証明しなければならないなど、少々ハードルの高い方法になります。
Wayback Machine(ウェイバックマシン)を活用したSEO施策
ここでは、Wayback Machineを活用したSEO施策を解説します。結論として、以下のようなSEO施策です。
・ 検索順位の分析
・ 競合調査に役立てる
それぞれ順番に解説します。
検索順位の分析
Wayback Machineを活用することによって、SEO施策を効果的に行いやすいといったメリットがあります。なぜなら、競合サイトや自社サイトなどの変化をみて検索順位と照らし合わせることによって、順位の推移を見れるからです。そのため、仮説検証を繰り返し行うことによってSEO施策ができるといったメリットがあります。
また、Googleの検索エンジンはユーザーの利便性が高いサイトを上位化するようなアルゴリズムになっているため、画像や動画の追加といったテキスト以外のリライトも非常に重要な要素です。
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競合調査に役立てる
上述のSEO施策と同様に、競合サイトの過去コンテンツと現コンテンツの比較をした場合は、対策を把握できるといったメリットも存在します。SEOの視点のみに限らず、競合サイトのLP(ランディングページ)を遡って確認を行うことによって、競合サイトの調査が可能です。
たとえば、競合サイトで購入ボタンのサイズやデザインがアーカイブデータごとに変わっている場合は、CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)の改善をしている可能性が挙げられます。そのため、Wayback MachineはSEO施策を行ううえで有用なツールと言えるでしょう。
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Wayback Machine(ウェイバックマシン)の注意点
Wayback Machineは、過去のサイト情報を確認できるツールとなるものの、すべてのページ情報を確認できるわけではありません。なぜなら、IDやパスワードが必要とされるページも存在するためです。加えて、ページを表示する際に多少時間がかかるデメリットも存在します。なお、表示速度が遅いからといって何度もクリックした場合は、エラー画面が表示されてしばらく使用できないため、使用する際は十分に注意しましょう。
まとめ
本記事では、Wayback Machineの概要や使い方を解説しました。Wayback Machineは、自社サイトを閲覧できるものの、競合サイトの過去情報も閲覧できるため、サイトの変遷を見る際には利便性が高いといったツールになります。
また、無料で使用できるうえに古い情報と現在の情報を比較した場合は、SEO対策や競合サイト分析に役立てられるといったメリットがあります。本記事を参考にして、他のSEOマーケターと差をつけましょう。