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アーカイブ(archive)とは?基本的仕組みを解説

2024.7.12
読了まで約 5

GmailやInstagramなどのSNSを利用していると、アーカイブという言葉を目にした機会はありませんか?

「なんとなく『保存』と理解しているつもりだけど、具体的には説明できない」
「イマイチ使い方が分からない」
という人も多いと思います。

この記事ではアーカイブの基本的な意味やメリット、あわせてよく聞く「メールアーカイブ」「インターネットアーカイブ」についてまとめて解説します。

アーカイブとは?

アーカイブとは元々どのような意味や由来を持つ言葉でしょうか。アーカイブの基本的な意味や種類、混同されやすい言葉との違いについて紹介します。

アーカイブの意味

アーカイブは英単語の「archive」に基づき、重要な記録や文書を保管すること、または保管場所という意味を持つ言葉です。

元々はラテン語の「アルキウム」に由来しており、古代ローマ時代では「日常ではもはや利用しないが、のちの利用のために保管される書類、あるいはそれらを収蔵する建物」という意味で使われていました。

これは現代のIT分野での使われ方と意味するところは同じで、「消してはいけない大事なデータを整理して保存・管理しておくこと」と言えます。

アーカイブの種類

アーカイブにはデータを保護して安全に管理するためのものと、ファイルを圧縮するためのものがあります。

前者は、電子文書などのデータを長期間安全に管理・保存しておくことを指します。例えば、ビジネス上で取引先とのメールを今後見返す必要がある場合に備えてアーカイブしておくことは、前者に該当します。後者は、データをZIPファイルのような圧縮ファイル形式で保存することを指します。

アーカイブとバックアップとの違い

アーカイブと混同しやすい言葉に「バックアップ」があります。似た機能を持ちますが、活用の目的や対象データが異なるという違いがあります。

まず、バックアップの意味ですが、データやプログラムなどを破損・紛失などの不測の事態に備えて、その複製を別のハードディスクなどに保存することを指します。複製したデータやプログラム自体を指す場合もあります。

アーカイブは当面は利用しないデータを整理して長期保存しておくことを目的としていますが、バックアップは最新の状態を記録し、システム障害などの不測の事態に備えておくことを目的としています。

また、アーカイブの対象は通常だとデータのみですが、バックアップはデータだけではなく、OSやアプリケーションも対象としているという違いがあります。

関連記事:今さら聞けないアプリケーションの基礎知識。アプリ開発のメリットやASO対策ってなに?

アーカイブのメリットは?

アーカイブを利用するメリットは、データを簡単に整理・保存できることだと言えます。機能を上手く使いこなすことで仕事の効率アップにつながります。

メリット1:長期保存ができること

1つ目のメリットは活用頻度が低いデータを長期保存できることです。仕事で取引先とメールでやりとりしている場合、放っておけば大量のメールが受信トレイに溜まっていくので、誤って消去してしまったり、見失ってしまったりすることがあります。なかにはのちのち参照するかもしれない重要なメールもあるでしょう。重要なメールはすぐに見つけられるようにアーカイブフォルダに移動させておくと、データが安全に保存されるため時間が経過しても消える心配はないので安心です。また、アーカイブすることで受信トレイも整理整頓されます。

メリット2:ストレージの節約

2つ目のメリットは一般的なアーカイブではデータを圧縮して保存するため、ストレージ容量の節約ができることです。必要に応じてデータを復元し、すぐに使える点もメリットと言えるでしょう。

メリットを活かした例として、最近ではGoogleがAndroidのストレージを最大60%節約できるアーカイブ機能に取り組んでいると発表しました。スマートフォンのストレージが残り少なくなってきた場合、頻繁には使わないアプリを削除するのではなく、一部だけを残すことでストレージの空き容量を確保できるとのことです。また、再度利用したい時に最新版をインストールすれば以前のデータを保持したまま利用を再開できます。

参照:Google、Androidアプリをアーカイブしてストレージ容量を確保する新機能(TECH+)

メールアーカイブとは?

これまで何度かメールでの活用例を挙げているので、メールアーカイブについてなんとなくイメージを掴めてきたでしょうか。ここでは、あらためて基本的な機能やGmail・Outlookなど代表的なメールサービスでの具体的な使い方について解説します。実際にアーカイブ機能を使いこなし、より活用していきましょう。

メールアーカイブの機能

メールをアーカイブすることは、取り急ぎ必要ではないが残しておきたいメールを受信トレイから移動し、別フォルダに保存することを指します。アーカイブするメールはユーザーが取捨選択できます。アーカイブしたメールは受信トレイには表示されませんが、保存場所が変わっただけでデータは残されています。

アーカイブとミュートの違い

アーカイブと混同されがちなメールの機能に、ミュートがあります。ミュートは、該当のメールやメールに対する返信を非表示にできる機能です。アーカイブ済みのメールであれば、返信が来ると受信トレイに自動的に戻されます。一方で、ミュートはたとえ返信がきたとしても非表示のままなので注意が必要です。

アーカイブ機能があるメールサービス

アーカイブ機能があるメールサービスはGmail・Outlook・eM Client・Thunderbirdなどがあります。今回は代表的なGmail・Outlookのアーカイブ機能についてそれぞれ紹介します。

Gmailでのアーカイブ機能の使い方

最も知名度が高く、ビジネスでも多く利用されている無料のメールサービスです。精度の高い迷惑メールフィルターが備わっており、添付ファイルの受信、複数のフォルダによる管理、メール転送などの機能も使えます。

関連記事:Gmailアカウントの作成からログインまで基本的な使い方を解説

Gmailでのアーカイブ機能は以下の手順で利用できます。

【1】PCの場合

1.PCで Gmail にアクセスします。
2.メールにカーソルを合わせます。
3.右側にあるアーカイブアイコン(箱のなかに下向きの矢印)をクリックします。

【2】スマートフォンの場合

1.Gmail アプリがダウンロード済みであることを確認します。
2.Gmail アプリを開きます。
3.メールを開きます(受信トレイから移動したくない場合は、送信者のプロフィール画像をタップします)。
4.アーカイブアイコン(箱のなかに下向きの矢印)をタップします。
※受信トレイにて該当のメールを左右にスワイプすることでアーカイブすることも可能です。

誤ってメールをアーカイブしてしまったときには、画面下に表示される「スレッドをアーカイブしました」の通知にある「元に戻す」をタップすれば元通りになります。

アーカイブ済みのメールを見たいときは、「すべてのメール」で確認できます。受信トレイにあるメールやアーカイブしていないメールなど、すべてのメールが表示されます。

アーカイブしたメールだけを一覧で確認したいときは、「すべてのメール」を開いた状態で
-in:spam -in:trash -is:sent -in:drafts -in:inbox
と入力して検索すれば、確認することができます。
参照:グーグルヘルプ

Outlookでのアーカイブ機能の使い方

マイクロソフトが運営する有料のメールサービスです。Windowsの定番ソフトで、マイクロソフトが販売しているOfficeアプリとの連携に優れています。

Outlookでのアーカイブ操作の方法はGmailと同じく簡単です。
アーカイブしたいメールを選択し、アーカイブアイコンをクリックすることでメールをアーカイブできます。このとき、アーカイブアイコンではなくBackSpaceキーを押す操作でも、メールのアーカイブが可能です。

アーカイブしたメールは「アーカイブ」フォルダから確認できます。元に戻したい場合は、アーカイブフォルダ内の対象メールを選択して、移動⇒受信トレイの順にクリックしましょう。
参照:マイクロソフトサポート

その他のアーカイブについて

インターネットアーカイブやメールサービス以外でよく使われるアーカイブ機能について紹介します。

インターネットアーカイブについて

インターネットアーカイブは「Wayback Machine」を運営する非営利団体名を指します。1996年にBrewster Kahle氏によって設立されました。

インターネットを利用していて「参照したいサイトがすでに削除されていた」という経験はないでしょうか。インターネットアーカイブが提供するサービス「Wayback Machine」を利用すれば、過去に公開されていたWebサイトの情報を知ることができます。「Wayback Machine」は、Web上に公開されている膨大なページの情報を保存してアーカイブし、無償で閲覧することができるサービスです。

また、その他の類似のツールとして、「Stanford Web Archive Portal」「Library of Congress」「Web魚拓」などがあります。

Instagramのアーカイブ機能について

写真や動画が共有できるSNSとして日常に浸透したInstagramにもアーカイブ機能があります。アーカイブすると、ユーザーが指定した投稿を他のユーザーが閲覧できないように非公開にすることができます。フィード投稿・ストーリー・ライブがアーカイブに対応しています。

投稿を削除した場合は30日後にデータが完全に消去されてしまいますが、アーカイブしておけば時間が経過しても自動的に消去されることはなく、保存しておくことができます。

関連記事:
Instagramとは?ログインや検索、アカウント削除方法からInstagram広告まで徹底解説
【初心者向け】Instagram(インスタグラム)の使い方を徹底解説!登録~投稿までを完全ガイド!

アーカイブ配信について

アーカイブ配信とは、講演などの動画・ライブ配信のコンテンツ等をその配信内容を後から視聴可能にすることです。ライブ配信や過去に実施した講演情報などの録画データをインターネット上でアーカイブしておき、視聴者したい方が後から好きな時に再生できるようにすることを指します。これによって視聴者は当日参加が出来なかったり過去に見たいと思ったコンテンツでも後で内容を確認することができます。

まとめ

アーカイブについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。

GmailやOutlook、Instagramなどアーカイブ機能を持つサービスは多岐にわたります。これらのアーカイブ機能を使いこなすことができれば、雑多なデータの整理に役立ち、無駄な時間の削減になります。

今後もアーカイブという言葉を耳にする機会は増えるかと思われますが、その際には今回の知識が少しでも役に立てば幸いです。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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