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BtoBとは?BtoCとの違いやマーケティングでのポイントをわかりやすく解説

2024.8.26
読了まで約 24

ビジネスの現場においてマーケティング戦略立案の際、よく耳にするBtoB。一般的にBtoBはBtoCに比べてビジネスの難易度が高く、営業プロセスが複雑になるとも言われています。そのためマーケティング手法も大きく異なり、営業成果に結び付くまでの工程もそれぞれ違っています。

今回説明するBtoBマーケティングの手法の1つとして「Webマーケティング」があります。これからWebマーケティングを始めたい人や自社のWebマーケティング方針を見直したい人向けに、基礎知識や導入〜運用の道筋を資料にまとめましたので、ぜひ以下からダウンロードしてご活用ください。

この記事では、そもそもBtoBとは何か、BtoBとBtoCの違い、BtoBマーケティングなどについて分かりやすく解説します。

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目次

BtoB(B2B)とは?

「BtoB」とは「Business to Business」を略した用語で、企業同士でビジネスを行う「企業間取引」のことを指します。自社から顧客企業へ向けて商品やサービスを紹介、提供していくビジネスのスタイルです。

また、諸説ありますが、英語圏では「to」の発音を「two=2」に引っ掛けて表現することも多いことから「B2B」と表記されることもあります。

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BtoBに向いている商材とは

販売する商材は形のある「有形商材」と形のない「無形商材」に分けられます。有形商材は主に自社製品となり、例えば設備や機器、部品といったものが挙げられます。

一方、無形商材は主に自社サービスとなり、ソフトウェアやアプリケーションの制作及び提供、各種サポート業務やコンサルティングなどの助言・指導といった業務が挙げられます。主にBtoBに向いている商材としては以下が挙げられます。

BtoBに向いている商材
有形商材:商品を製造するために使用する原材料や部品、企業を運営するために必要な機器など
原材料・部品 野菜、果物、布、金属、パーツ類など
業務用機器 AI製品、産業用ロボット、製造システム、発電機など
オフィス用品 文具、用紙、カートリッジなど
無形商材:社内で使用するアプリケーションやソフトウェア、企業向けのコンサルティングなど
アプリケーション・ソフトウェア 各種自動化ツール、各種管理システム、会計ソフトなど
サービス 各種企業向けコンサルティング、経営サポートなど

特徴として、BtoBでは対企業取引となるため取引金額が大きくなりがちになる傾向があります。

BtoC(B2C)とは?

BtoC(B2C)とは「Business to Consumer」を略した言葉で、企業が一般消費者に対して商品やサービスを提供するビジネスモデルのことを指します。いわゆるコンビニエンスストアやスーパー、百貨店といった小売業、旅館やホテルなどの宿泊業、余暇を楽しむためのアミューズメント業やレジャー業、介護やサポートといったサービス業などが挙げられます。主にBtoCに向いている商材としては以下が挙げられます。

BtoCに向いている商材とは

BtoCでは一般消費者に向けた商品やサービス全般を扱います。

BtoCに向いている商材
有形商材:形のある商品
食料品 米、肉、野菜、お菓子、調味料、飲料など
衣料品 シャツ、上着、セーター、肌着、靴下など
医薬品 風邪薬、胃薬、目薬、塗り薬、貼り薬など
家電製品 冷蔵庫、洗濯機、エアコン、パソコン、オーディオなど
化粧品 スキンケア、メイクアップ、UVケア、ボディケア、ヘアケアなど
雑貨 食器、家具、玩具、楽器、置物など
無形商材:形のない商品
宿泊業 旅館、ホテル、宿泊施設などの提供
アミューズメント・レジャー業界 各種テーマパーク、各種アウトドア・レジャー施設、動物園、水族館などの提供
介護業 ヘルパー、デイサービス、各種サポートや支援などの提供
飲食業 ファミリーレストラン、ファストフード店、居酒屋など飲食の提供
IT・通信業 アプリケーションやソフトウェアのサブスクリプション、動画や音楽配信サービス、レンタルサーバーなどインターネット関連サービスなどの提供

特徴として、BtoCでは対個人取引となるため取引金額は小さくなる傾向があります。

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BtoB企業の特徴

BtoB企業の特徴としては以下が挙げられます。

● 市場規模が大きくなりがち
● 取引単価が高くなりがち
● ビジネスが安定しやすい傾向にある

市場規模が大きい傾向にある

BtoBは対企業取引のため、対個人取引のBtoCより市場規模が大きい傾向にあります。例えば、経済産業省発表の令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書によると、日本のBtoB-EC市場規模は年々増加しており2022年には420兆円を超えています。

これに対し日本のBtoC-EC市場規模は、BtoB同様年々増加はしているものの「物販」「サービス」「デジタル」の3分野合計で22兆円超にとどまっています。これらの傾向からみても、BtoBは市場規模が大きい傾向にあることが見て取れます。

参考:経済産業省 令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書

取引単価が高くなりがち

BtoBでは市場規模に比例して取引単価も高くなりがちな傾向があります。例えば大手自動車メーカーや大手航空メーカーなどが、部品や工具を町工場などから一括で仕入れることも多く、まとまった金額が取引されます。

また企業がソフトウェア会社にシステム一式を発注し、従業員の人数分だけ一括で導入する、といったこともあります。こういったことからもBtoBでは一回の取引単価が高くなりがちです。

ビジネスが安定しやすい傾向にある

BtoBでは取引先を柔軟に変更することが難しく、取引先ひとつ変更するにも多くのステップをクリアする必要があります。取引先企業の情報収集や信用調査をはじめ、企業内における稟議や役員チェックなど比較的長期に渡る与信審査を通過してはじめて取引先に選定されます。

こういった背景から取引先との関係は固定化、長期化される傾向にあります。つまり、一度取引先に選ばれるとビジネスが安定しやすい傾向にあるのです。

BtoB企業の具体例

例えば、卓越した部品製造技術を保有する町工場が、大手航空会社や自動車メーカーと取引をして、自社の製品を紹介したり提供したりするのは、BtoBに当てはまるでしょう。

他にも、ソフトウェア会社が顧客である企業へ人材管理システムを提供するなどの例も、企業同士のビジネス、つまりBtoBと言えます。BtoBを行う企業は、次の2つに大別できます。

● 商品を提供するBtoB企業
● サービスを提供するBtoB企業

それぞれの企業の特徴、また提供物の特徴について説明します。

商品を提供するBtoB企業

商品を提供するBtoB企業とは、相手企業が必要とする商品を提供するBtoB企業のことです。例えば、オフィスにパソコンやプリンター、事務用家具などを販売する企業は、商品を提供するBtoB企業です。

ただし、BtoB企業が提供する商品は、常に完成品だけとは限りません。相手企業がメーカーの場合であれば、原料や素材、部品などを提供することもあります。

サービスを提供するBtoB企業

サービスを提供するBtoB企業とは、相手企業が抱える課題を解決し、一定の目標を実現するためのサービスを提供するBtoB企業のことです。

サービスの形は様々です。例えば、相手企業が「新商品の売上を伸ばしたい」という目標を持っている場合であれば、広告代理店などのBtoB企業が広告や販売アイデアなどの形でサービスを提供します。

また、部署を新設することになり、人材が不足している相手企業に対しては、人材派遣会社がBtoB企業となって人材を提供したり、広告代理店がBtoB企業となって社員募集の広告を提供したりします。

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BtoBビジネス3つのメリット

BtoBビジネスのメリットとして挙げられるのは主に下記の3つとなります。

● BtoBは企業間取引のため市場規模が大きい
● BtoBは継続的で安定したビジネスになりやすい
● BtoBは社会に与える影響度が高い

1.BtoBは企業間取引のため市場規模が大きい

BtoBでは企業を相手に取引を行うため市場規模が大きくなる傾向にあります。EC(Electronic commerce=電子商取引)限定の市場となりますが、経済産業省発表の統計では令和2(2020年)年の日本国内におけるBtoBの市場規模は334.9兆円です。一方で、BtoCの市場規模が19.3兆円であり、単純にBtoBの市場規模はBtoCのおよそ17倍強です。

参考:経済産業省「令和2年度産業経済研究委託事業(電子商取引に関する市場調査)」

また、上記の資料を見ても分かるように、BtoBのEC化率も33.5%となり、前年比より1.8ポイント増加し、 年々増加傾向にあることから、今後もさらに市場規模が拡大すると予想できます。

2.BtoBは継続的で安定したビジネスになりやすい

BtoBでは一度取引が開始されると、長期に渡って先方と取引をすることが多くなります。一度企業内で決定された取引先は簡単に変えることが難しく、年単位での取引契約となることもあります。

また、企業は「事業継続」を前提に稼働しているため、毎月決まった数量の受発注を行う必要があります。仕入先企業であったり、検査機関であったり、流通先企業であったり、それぞれの先方企業へ毎月受発注をしなければ、自社内での作業が滞り、稼働がストップしてしまいます。

BtoBではそのような背景もあり、一度取引を開始すれば、一定数の売上が毎月見込める上に、継続して取引することによる利益率の向上やコストの削減など、安定した経営が期待できるでしょう。

3.BtoBは社会に与える影響度が高い
上述の解説の通り、BtoBでは市場規模が非常に大きいため、社会に与える影響力も大きなものになります。特に潤沢な資金力のある企業は、1社単独でも影響力は大きいでしょう。BtoBでは企業同士の繋がりにより、関連する企業や関連分野も広くなりがちで、多方面へ影響が広がります。

例えば、交通インフラの要とも言える、自動車や鉄道、飛行機などの関連企業が、環境に優しい材料を活用したり、エネルギー効率を改善した車体やエンジン、燃料などを開発したりすれば、環境負荷を下げられる効果が期待できます。さらに、地球温暖化により引き起こされる異常気象などの悪影響を地球規模で緩和させられることにも繋がります。

BtoBにおいてこういった事例は数多くあり、社会に与える影響は非常に大きいものになる傾向があります。

BtoB企業のビジネスモデル事例

BtoB企業のビジネスモデル事例として以下を紹介します。

● HubSpot
● 株式会社Mマート
● 株式会社マネーフォワード

HubSpot

HubSpotは自社と顧客との関係をサポートしてくれるCRM(顧客関係管理)ツールです。HubSpotは顧客との関係構築のためBtoCで主に利用しますが、HubSpot自体を必要としているのは企業ですのでBtoBのビジネスモデルとなります。

株式会社Mマート

株式会社Mマートは食材専門のECサイトを運営しており、Webサイト名も「Mマート」となっています。主に食材の販売者側と購入者側をマッチングさせるためのBtoBサイトです。特徴は販売者側も購入者側も企業や事業主であることが条件となっており、一般消費者は販売も購入もできません。

販売者は主に生産業者やメーカー、輸入商社といった企業で、購入者側はホテルや旅館、飲食店などとなっています。株式会社MマートもECサイトを利用したBtoBのビジネスモデルと言えます。食材を専門に扱っている企業で、食材を紹介するECサイトを運営しています。ですがMマートでは主に食材を販売しているのは

株式会社マネーフォワード

株式会社マネーフォワードは中小企業の経営者や個人事業主をターゲットにお金の流れを可視化できる「PFM=Personal Financial Management」サービスを提供している企業です。

また会社の現状から課題を可視化し、解決へとつなげるバックオフィス向けSaaSなども提供しています。いずれも中小企業の経営者や個人事業主をターゲットとしており、BtoB企業のビジネスモデルと言えます。

BtoBとBtoCとの違いとは?

「BtoC」とは「Business to Customer/Consumer」を略した言葉です。企業が一般消費者の個人を対象に、商品やサービスを提供するビジネスのスタイルを指すことが一般的です。例えば、コンビニエンスストアや百貨店、家電量販店などの小売業をはじめ、銀行や保険、観光、エンターテインメントなど、個人が利用する様々な業種がBtoCとなります。

また、BtoCでは一般消費者が生活する上で欠かせない「生活必需品」を提供していることも多く、我々にとって必要不可欠な企業として位置づけられることも珍しくありません。そこで、BtoCとBtoBとの違いを、次の4つの側面から解説します。

● 顧客の違い
● 取引額の違い
● 購入サイクルの違い
● マーケティング手法の違い

1.顧客の違い

BtoBは法人がターゲットとなりますが、BtoCは一般消費者などの個人がターゲットです。BtoBでは法人に直接購入を促す販売チャネルなどもありますが、営業パーソンによって顧客となる法人を一つひとつ開拓することが一般的です。

一方のBtoCでは、一人ひとりに対して直接営業をして顧客を獲得することもありますが、デパートやコンビニなどの小売店のように、不特定多数に向けて販売するケースも多く見られます。

2.取引額の違い

企業は個人と比べて資本力があるため、BtoBでは1回あたりの取引額が高額になることが多いでしょう。取引1回あたりの利益も多い傾向にあり、BtoCと比べると顧客は少なくなります。

一方のBtoCは、1回あたりの取引額はBtoBと比べて少額です。1回あたりの利益も少なくなるため、BtoCでは顧客を増やし、なおかつ販売個数を増やさないと、企業経営を維持するだけの売上を確保できません。

3.購入サイクルの違い

BtoBでは1回あたりの取引の規模が大きい反面、購入頻度は少なく、購入サイクルも長くなります。一方のBtoCでは、1回あたりの取引規模が小さいため、購入頻度が多く、購入サイクルは短くなることがほとんどです。しかし、BtoCであっても単価が高い住宅や車などは購入頻度が少なく、購入サイクルが長いものもあります。

4.マーケティング手法の違い

BtoBでは取引規模が大きいため、顧客も導入するかどうか慎重に決定します。そのため、BtoB企業は相手の企業に対し、自社が信用できる企業であることや、自社製品やサービスの品質の確かさ、購入後のサポート体制などを詳しくプレゼンテーションし、相手の購入意思を高めるように働きかけます。

また、相手企業の担当者は、プレゼンテーションの内容を一度聞いただけで購入を決意することはほとんどありません。「この商品・サービスを購入することが自社にとって本当にプラスになるのか」という点も納得できて、ようやく購入の決意に近づきます。

担当者に「この商品・サービスの導入は、自社にとって有意義だ」と判断してもらうために、BtoB企業は商品の機能や費用対効果を、数字などを使って正確に表現することが必要です。適切な方法でシミュレーションをして、数字で具体的に「導入すると月間○万円分も利益を伸ばせる」「今よりもコストが○%も削減できる」「従来の作業時間が○時間に圧縮できる」などと説明をすれば、担当者も導入を決意しやすくなります。

一方、BtoCでは、BtoBほどには購入が慎重に判断されません。消費者が個々にメリットを吟味することはありますが、企業を相手にプレゼンテーションするほどの精密な状況分析は必要とはならないことがほとんどです。

実際、消費者個人の場合は、「なんとなく良さそう」といった漠然とした感覚で購入の意思決定をすることも少なくありません。BtoC企業は消費者個人の心理を理解し、商品を魅力的に見せる広告活動を展開することで、購入意欲を引き出す工夫をします。

BtoB、BtoC以外のビジネスモデル

BtoB、BtoC以外にも、商品やサービスの提供側と提供される側の組み合わせにより、様々なビジネスモデルがあります。代表的なものが下記です。

● BtoE(B2E)(BusinesstoEmployee)
● BtoG(B2G)(BusinesstoGovernment)
● DtoC(D2C)(DirecttoCustomer/Consumer)
● CtoC(C2C)(Customer to Customer/Consumer)
● GtoC(G2C)(GovernmenttoCustomer/Consumer/Citizen)
● BtoBtoC(B2B2C)(BusinesstoBusinesstoCustomer/Consumer)
● BtoBtoB(B2B2B)(BusinesstoBusinesstoBusiness)

続いては、それぞれのビジネスモデルを紹介します。

BtoE(B2E)(BusinesstoEmployee)

「BtoE」とは「Business to Employee」を略した用語で、企業が従業員を対象に行うビジネスのスタイルです。従業員は自社だけでなく、他社も含めた「企業で働く従業員」を指す場合もあります。BtoEの種類としては、社員食堂やレジャーサービス、保養施設などの福利厚生をはじめ、資格取得や、能力向上のための研修制度、従業員の成長を促す業務支援などがあります。

BtoG(B2G)(BusinesstoGovernment)

「BtoG」とは「Business to Government」を略した用語で、企業が政府を対象に行うビジネスのスタイルです。政府からの要請を受け、道路の工事や整備、公共施設の建設、行政のサイト制作などに着手するケースなどです。

BtoBやBtoCなどと違い、政府が仕事を発注する先は入札方式で決定されるため、企業としてある程度の信頼と実績が必要になります。

DtoC(D2C)(DirecttoCustomer/Consumer)

「DtoC」とは「Direct to Customer/Consumer」を略した用語で、企業が仲介業者を介さずに個人である一般消費者へ直接販売を行うビジネスのスタイルです。

DtoC企業は自社工場などを持ち、企画から製造、販売までをワンストップで行うことから、大幅なコスト削減を期待できるため、高い利益率を確保できることが特長として挙げられます。

関連記事:D2Cとは?ECにおけるビジネス展開が成功した例をわかりやすく解説

CtoC(C2C)(CustomertoCustomer/Consumer)

「CtoC」とは「Customer to Customer/Consumer」を略した用語で、個人が個人を相手に行う「個人間取引」というビジネスのスタイルです。

フリマサービスやマッチングサービス、ネットオークションなどのサービスを活用してCtoCは行われます。最近では有形のものだけでなく、個人のスキルを売買することもできるサービスも登場し、新しいビジネス形態として注目されています。

GtoC(G2C)(GovernmenttoCustomer/Consumer/Citizen)

「GtoC」とは「Government to Customer/Consumer/ Citizen」を略した用語で、政府が個人(国民)を相手に行うビジネスのスタイルです。例えば「ふるさと納税」や「マイナポータル」の提供などが代表例として挙げられます。

GtoCのオンライン化を加速させ普及させることで、国民の生活はより便利になります。ひいては日本の国全体として大幅な経費を削減することにつながるでしょう。

BtoBtoC(B2B2C)(BusinesstoBusinesstoCustomer/Consumer)

「BtoBtoC」とは「Business to Business to Customer/Consumer」を略した用語で、企業が一般消費者を対象に行っているビジネスの間に入り、企業の活動を手助けするビジネスのスタイルです。

具体的な事例としてはAmazonや楽天など、販売する企業と購入する個人を結ぶECなどのプラットフォーム事業などが挙げられます。

BtoBtoB(B2B2B)(BusinesstoBusinesstoBusiness)

「BtoBtoB」とは「Business to Business to Business」を略した用語で、企業が企業を対象に行っているビジネスを手助けするビジネスのスタイルです。具体的には自社と顧客企業の間を仲介して業務を行う「広告代理店」などの企業がそれに該当します。

関連記事:マーケティングとは?基礎から重要ポイントまで初心者にも分かりやすく解説

ビジネスモデルを分類する3つの理由

BtoBやBtoCなどといった形でビジネスモデルを分類する理由としては、そのビジネスは誰が誰に販売するものなのかを明確にして、マーケティングや営業などの企業活動を分かりやすくする意図があるからです。

例えば、BtoBであれば企業から企業へ、BtoCであれば企業から個人へのビジネスであることが明確になります。また、ビジネスモデルを分類することには、次の理由もあります。

1. マーケティング手法が異なるから
2. 取り扱う商品が異なるから
3. 最終的な購買意思の決定者が異なるから

それぞれの理由について見ていきましょう。

1.マーケティング手法が異なるから

取引相手が異なると、マーケティング手法も異なります。例えば、BtoBマーケティングでは数字の正確性が焦点となることが少なくありません。詳細なデータを提示することで、相手企業の購入意欲を引き出すマーケティングを実施します。

また、商品やサービスの導入により、どの程度のメリットがあるのか具体的な数字で表現したほうが、取引の成約率が上がります。例えば「1ヶ月に〇円のコスト減」「売上〇%増を期待できる」など、適切な方法で計算した数字が具体的であればあるほど説得力は増すものです。

一方、BtoCなどではブランドイメージが焦点となることが多いでしょう。商品の利便性やお得さといった実用的な面をアピールしつつ、おしゃれである、最先端である、といったイメージを宣伝することも必要です。

例えば、人気の俳優やアーティストをイメージキャラクターとして起用し、テレビCMや雑誌広告などのメディアを使った宣伝を展開することがBtoCマーケティングではよく行われています。その商品を持っていること、あるいはそのサービスを利用していることが、おしゃれでトレンドに乗っていることだと消費者に印象づける効果が期待できるのです。

また、SNSを使った広告活動も、BtoCのビジネスには有効です。例えば、パッケージがおしゃれだったり、商品に他とは異なる特徴があったりするときは、InstagramなどのSNSに投稿した内容が拡散される可能性もあります。

ビジネスモデルを正確に分類しておくことで、誰をターゲットとしたビジネスなのかが明確になり、適切なマーケティング手法を容易に見分けられるようになるのです。その結果、マーケティング活動のスピードも向上し、より時代のニーズに合う商品・サービスを提供できるようになるでしょう。

2.取り扱う商品が異なるから

取引相手が異なると、取り扱う商品(商品の内容、量、流通なども含む)も異なります。例えば、BtoBでは商品として完成したものだけでなく、原料や素材なども取り扱うことがあります。工場生産する製品の原料を売買する会社と取引をするのであれば、倉庫や物流などの輸送体制も整えておかなくてはいけません。

また、海外から原料などを輸入する企業であれば、船や飛行機などの輸送手段の手配、関税、入国管理の際の停泊代なども管理することが必要です。食品などの生ものを輸入する企業であれば、腐ったり虫がついたりしないように管理することも必要になります。

一方、BtoCでは、BtoBと比べると小ロットでの取引となる傾向にあります。その分、販売店舗を増やす必要が生じ、本部や店舗間などでこまめに連絡を取り合って連携するだけでなく、各店舗への流通も手配しておかなくてはいけません。

ビジネスモデルを正確に分類しておくと、取り扱う商品の形態や数量、流通ルートなどが明確になります。ビジネスモデルが明確になっていると、販売計画が立てやすくなるだけでなく、関連する業者の目安もつけやすくなりますので、よりスムーズに販売の準備ができるようになるでしょう。

3.最終的な購買意思の決定者が異なるから

取引相手が異なると、最終意思決定者も異なります。BtoBでは、最終的な購買意思の決定者は会社のトップや複数の責任者になることがほとんどです。

取引先が小規模な事業者や個人事業主の場合であれば、直接会社のトップに営業活動を行うことは容易ですが、中規模~大規模の企業ですと、企業のトップが営業の相手をしてくれるケースはごく稀です。まずは窓口となる社員を通して営業をすることから始まるでしょう。

BtoBビジネスの営業活動においては、最初に窓口となった社員が、セールスを受けたサービスについて「これは自社にとって有意義だ」と判断すれば、窓口の社員の上司にあたる課長や部長などの管理職にバトンタッチをします。さらに、その管理職も「この商品・サービスは導入すべき」と判断すれば、役員などの経営陣に引き継がれ、最終的な購買意思の決定者となる経営者の判断を待つことになるでしょう。

BtoBビジネスにおいては、このような手順を踏み、営業にかかる時間は膨大になりますので、根気強く各段階の担当者にプレゼンテーションを続けなくてはいけません。また、各段階の担当者の立場にも配慮した営業内容が必要です。「これなら上司(経営者)にも伝えやすい」と各段階の担当者が思えるように、言葉や提示する資料などを整え、万全の準備をしておくことが求められます。

一方、BtoCでは、最終決定者は個人そのものになることが一般的です。そのため、BtoBのように複数の段階に配慮した営業は必要ないことがほとんどです。広告などを見た個人が「これは良さそう!」「ぜひ手に入れたい」などと思えるように宣伝活動をすることが必要になります。

以上のように、ビジネスモデルを正確に分類すると、最終意思決定者が誰かも明らかになります。営業方針も定まりやすくなり、よりスムーズな準備ができるようになるでしょう。

なお、企業が収集してきた情報データの中から、営業活動の成果に結びつけたい案件を選別し、絞り込むための条件をBANTと呼びますが、BANTの重要な項目の中に、「真の意思決定者を見極める」ことがあります。営業活動を効率よく行うためには、最終的な意思決定者を理解することが必要だといえます。

関連記事:BANT(BANT条件)をBtoBにおける営業活動に活用するには?

BtoBマーケティングの3つの特徴

BtoBマーケティングの特徴として挙げられるのは、BtoCマーケティングでは通常考慮しなくてよいプロセスや必要のない工程が加わることです。それが下記の3つの項目となります。

1. BtoBでの購入決定には複数の意思決定者が関わる
2. BtoBでは購入までに時間を要し、営業的な要素が必要となる
3. BtoBではエビデンスを重視したアプローチが必要

それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。

関連記事:BtoBマーケティングとは?基礎や戦略の立て方、13の手法、成功事例を解説

1.BtoBでの購入決定には複数の意思決定者が関わる

BtoBにおいて商品やサービスの購入決定に至るまでには、複数の役員や経営層などによる意思決定を通過させる必要があります。

BtoCにおける購入の意思決定者は、一部の例外を除くと消費者のみです。例えば、ランドセルなどの場合は、実際にランドセルを使う消費者は子供ですが、親、もしくは祖父母など、複数の購入者が存在します。しかしBtoCビジネスでは、ほとんどの場合、消費者=購入者として想定します。ほとんどのBtoCにおいては、購入するもしないも消費者が判断すればよいだけです。

しかし、BtoBでは企業で購入を検討する場合、プロセスがそう単純ではありません。まず企業内で商品やサービスを利用する従業員と、会社資金をコントロールしている財務担当者、および購入の最終判断を下す決裁者はそれぞれ異なります。さらに購入金額が大きい場合には、社内にて稟議を通す必要性も出てくるため、企業での購入決定の判断が下されるまでには、各部署において合理的な判断が行われるのです。

2.BtoBでは購入までに時間を要する

前述のように、BtoBにおいては、商品やサービスの購入決定が下されるまでに複雑なプロセスをたどります。そのため、購入に至るまでには非常に長い時間を要することが多くなります。

導入における会議や審査、比較検討が社内で何度も行われ「自社にとって有益なのか」「購入したことによる不利益は出ないか」など、営業的な要素が必要となるため、損益シミュレーションが長期にわたり繰り返されます。

3.BtoBではエビデンスを重視したアプローチが必要

BtoBにおける商品やサービスの購入決定には、複数の意思決定者が関わります。そのため、窓口となった社員の上長や上司、購買決定権を持つ決済者である役員や経営者などを納得させるだけのアプローチが必要です。そこで重要なのが、エビデンスを重視したアプローチです。

「なぜそれが必要なのか」「それを導入することでどういう効果が生まれるのか」といった事項を詳細に説明できると、セールストークに説得力を持たせることができます。データや裏付け情報などと共に、しっかりと自社のサービスや商品などを導入する根拠を説明できると、意思決定者を納得させることができるでしょう。

BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い

BtoBとBtoCではビジネスの対象やターゲットが異なるため、マーケティング施策も違ったものになります。以下でBtoBとBtoCの違いについて表にまとめました。

  BtoB BtoC
ターゲット 企業 個人(一般消費者)
取引額の規模 高額 少額
決裁権者 複数人 個人
購入を決めるまでの期間 長期 短期
購入決定までのプロセス 複雑 単純
販売方法 直接納入 仲介業者経由
顧客との関係 継続的 単発的
ブランドスイッチ
(他者製品への乗り換え)
起きにくい 起きやすい
エモーショナルマーケティング
(感情に訴えかけるマーケティング)
無効 有効

例えば商品やサービスの購入に関しては、BtoBでは主に社内稟議にかけることも多く決裁権者は複数人にのぼります。そのため購入を決定するまでのプロセスや期間は複雑で長期にわたることが多くあります。一方BtoCでは、個人が欲しいと思ったら即断して購入できるため、購入決定までのプロセスは単純で購入するまでの期間は短期であることが多いと言えます。

BtoBマーケティングの購買プロセスの変化

インターネットの普及により、BtoBマーケティングの購買プロセスは変化しています。従来のBtoBマーケティングにおいては、営業パーソン個人の営業能力が重視されていました。営業パーソンが1社ごとに足を運び、確度の高い顧客を見つけて購入を取り付けるのが営業の王道とされていたのです。

例えば、飛び込み営業やテレアポによる営業などは、「数打ちゃ当たる」的な手法で、今でも実施を続けて いる事業者もあります。しかし、インターネットが普及したことでマーケティング手法は大きく変わりました。営業を始めるまでのプロセスに大きな変化が生まれ、早い時点で見込み顧客と接点を持ち、購買につながる情報を届けることが重要視されるようになってきたのです。

例えば、オウンドメディアを運営し、新製品情報を積極的に発信したり、企業情報を詳細に紹介して自社に対する信頼度を高めたりすることも、見込み顧客の獲得に有効であることが分かってきています。

BtoBマーケティングを成功させるには

BtoBマーケティングの戦略を成功させるには、下記の項目について熟考する必要があります。

 BtoBマーケティング戦略の立案
 BtoBビジネスの購買プロセスの分析
 BtoBにおける効果的なマーケティング手法

BtoBマーケティング戦略の立案

BtoCマーケティングにおける顧客のゴールが、自身への投資や自己の改善、欲求の解消などになっているのに対し、BtoBマーケティングにおける顧客のゴールは、ROI(Return On Investment=投資収益率・投資利益率)の改善や業務の効率化となります。

そこで、BtoBマーケティングにおける戦略立案の際に重要な考え方が「リレーション」です。リレーションとは「関係」や「つながり」といった意味合いで、マーケティングにおいては顧客との良好な関係を築き、長期にわたって良い取引を維持していくことを指します。

リレーションは、リレーションシップマーケティングともいい、段階別に分けると下記のようになります。

1. リードジェネレーション
2. リードナーチャリング
3. リードクオリフィケーション
4. 商談・受注・継続利用

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

関連記事:リレーションシップマーケティングとは?基本と具体的な手法を解説

1.リードジェネレーション

リードジェネレーションは、顧客獲得活動のことを指します。自社商品やサービスに興味がありそうな「見込み客、および潜在顧客=リード」の情報を収集していく活動です。マーケティングプロセスにおける最初の段階となるリードジェネレーションでは、リードとの接点を見出すことを目的にマーケティング活動を行っていきます。

リードジェネレーションの基礎やポイントについて、詳しく知りたい人は下記の資料をダウンロードしてご確認ください。

2.リードナーチャリング

リードナーチャリングは、リードジェネレーションで獲得したリードを育成する段階を指します。獲得したリードにはグラデーションがあり、自社商品やサービスに対する認識の度合いはそれぞれ異なるものです。

「まったく知らない段階」「聞いたことがある段階」「知ってはいるが購入するまでに至っていない段階」など、これらの認識の差を埋めるべく、リードナーチャリングのプロセスにおいてリードの育成を行っていきます。

関連記事:BtoBリードナーチャリングにおけるコンテンツ設計で重要な3つのこと

3.リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションでは、リードナーチャリングのプロセスにおいて育成したリードの絞り込みを行っていきます。

育成したリードの中にも、購入確度の高いリードと低いリードがいるため、購入確度の高い「ホットリード(別名、今すぐ客)」に絞って選別を行う必要があるのです。リードの選別方法は、リードがとった行動に対して点数を付与していく「スコアリング」がよく活用されます。

例えば、サービス資料の請求やダウンロードで5点、ウェビナーなどのイベント参加で10点、サービスへの問い合わせで20点など、リードに対して細かく点数を付与し、独自の基準点数を超えたリードをホットリードとして選別するのです。

関連記事:リードの活用!リードクオリフィケーションとは

4.商談・受注・継続利用

リードクオリフィケーションにより選別したホットリードは、マーケティング部門からインサイドセールスや営業部門などに引き渡します。ホットリードを受け取ったインサイドセールスや営業担当者は商談を行い、受注や継続利用へとつなげていきます。

担当者はこれまでのプロセスでリードがどのような行動をとってきたかをよく確認し、把握をしながらクロージングを行っていきます。最終段階まで持ち込めたことで安堵し、油断をしていると、最後の最後で頓挫して、これまでの苦労が水の泡となってしまうこともありますので、クロージングはしっかり行いましょう。

BtoBビジネスの購買プロセスの分析

BtoBとBtoCでは、下記のような異なるフレームワークを活用してマーケティング戦略を立案する必要があります。

● BtoBでは「ASICA」
● BtoCでは「AIDMA」「AISAS」

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

BtoBでは「ASICA」

BtoBでは主に「ASICA」というフレームワークを活用し、購買プロセスの分析を行っていきます。

<ASICAの詳細>
・Assignment=課題
・Solution=解決
・Inspection=検証
・Consent=承認
・Action=行動

上記のフレームワークには、企業特有のプロセスである「検証」や「承認」といった項目があります。

BtoCでは「AIDMA」「AISAS」

BtoCでは主に「AIDMA」や「AISAS」というフレームワークを活用し、購買プロセスの分析を行っていきます。

<AIDMAの詳細>
・Attention=注意
・Interest=関心
・Desire=欲求
・Memory=記憶
・Action=行動

AIDMAは、従来から活用されてきた購買プロセスの分析法としてよく知られています。

<AISASの詳細>
・Attention=注意
・Interest=関心
・Search=検索
・Action=購買
・Share=情報共有

AISASは、AIDMAに代わる新しい購買プロセス分析法として、近年注目されています。AISASでは「欲求」と「記憶」がなくなり、オンライン特有の「検索」や「情報共有」といった項目が新たに登場しました。

関連記事
AIDMAとは!AISASとの違いやフレームワークの概念を徹底解説!
フレームワークとは?思考を整理しビジネスを進めていくための枠組みを活用シーン別に解説

BtoBにおける効果的なマーケティング手法

BtoBマーケティングでは「アウトバウンドマーケティング」と「インバウンドマーケティング」を組み合わせる手法がおすすめです。どちらが良いというわけではなく、どちらにも一長一短があるため、お互いのマーケティング手法の欠点を補い合いながらBtoB戦略を立案してくのが望ましいでしょう。

例えば、営業候補のリストアップから、見込み顧客との面会の約束と取り付けまでをインバウンドマーケティングで行い、その後の営業をアウトバウンドマーケティングで行う、といった方法も効果的です。

関連記事:アウトバウンドは衰退する?インバウンドマーケティングのメリットや主流になる理由

「見込み顧客を獲得するためにWebマーケティングを始めたいが、どこから手をつけて良いか分からない」という人は、下記の資料をダウンロードして参考にしてください。企業がWebマーケティングで取り組むべき内容やポイントをまとめています。無料でダウンロードいただけますので、お役立てください。

BtoBマーケティングの担当者が知っておきたいWebマーケティングの4つのポイント

BtoBマーケティングにおいて、Webマーケティングの手法を導入する企業が増えています。従来のマーケティングがWebマーケティングに変化したことで、マーケティング担当者が知っておくべき事柄も変化しました。特に理解しておきたいポイントとしては、次のものが挙げられます。

1. リードや顧客のニーズを理解する
2. 他部門との連携を図る
3. MA・SFA・CRMツールの導入、施策の目的を明確化する
4. マーケティング部門・担当者はマーケティング手順を社内周知する

それぞれのポイントを説明します。

1.リードや顧客のニーズを理解する

マーケティング担当者は、リードや顧客が求めているものや状態を正確に理解することが必要です。顧客となり得るリードが、自分自身の業務において、一体どのような課題を抱えているのか、どのような状態になることが望ましいと思っているのかを、様々なデータを基に分析します。

また、分析をした後に、顧客の課題解決のために提供できる自社商品やサービスを割り出すことも欠かせません。BtoBマーケティングを実施する前に、自社のリードや顧客のニーズを正確に理解しておくと、実際の購入までに進める道筋が明らかになり、効果が得やすいマーケティング活動や営業活動を実現できるようになります。

2.他部門との連携を図る

BtoBのマーケティングでは、営業や顧客管理など、ほかの部門とも密に連携を取ることが欠かせません。マーケティング部門だけでなく、インサイドセールスや営業部門、カスタマーサポートやカスタマーサクセスなどの顧客管理部門も、BtoBマーケティングに対して理解を深めることが大切です。

特にWebマーケティングでは、顧客の一人ひとりが購入までどの程度の距離にいるのかを割り出し、各自の距離にあったコミュニケーションを実施する必要があります。

リードジェネレーションからリードナーチャリング、リードクオリフィケーションを経て、顧客との関係性が十分に構築できたと判断したら、いよいよ積極的に営業活動を進めるタイミングです。マーケティング部門は、インサイドセールスや営業部門などに、顧客との間で今まで築いてきた関係性の履歴を余すところなく伝えて、顧客情報を引き渡します。

また、カスタマーサポートやカスタマーサクセスなどの顧客管理部門についても同様です。例えば、顧客に対してメルマガやDMでどのようにアプローチをしてきたか、各種の活動によってどのようなリアクションがあったのか、などの情報も、顧客と企業の関係性に影響を及ぼす要素です。

Webマーケティングにおいては、顧客との間に起こった事柄をすべて履歴として蓄積し、マーケティング部門と営業部門、顧客管理部門とも顧客情報を共有しておくことが重要なのです。

全ての部門で顧客情報を共有できると、今までのコミュニケーション履歴を反映したアプローチを顧客に行えるようになるため、顧客との関係性はさらに強化され、見込み顧客を顧客に、顧客を優良顧客に成長させることが簡単に行えるようになるでしょう。

マーケティングに関わる全ての部門で顧客情報を共有することは、顧客にシームレスな対応を提供するためにも不可欠です。こまめに情報を共有し、部門間で認識の相違などが生まれないようにしておきましょう。

3.MA・SFA・CRMツールの導入、施策の目的を明確化する

顧客のニーズを理解し、顧客にシームレスな対応を提供するためには、MA(マーケティングオートメーション)やSFA(セールスフォース オートメーション)、CRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)などのツールの導入が必要になります。

例えば、見込み顧客に対するアプローチを記録したり、見込み顧客の情報を管理したりする必要があります。ただし、現状のマーケティング課題や状況によって、導入するツールや実行すべき施策は異なります。

自社のマーケティング・営業・顧客管理において、どのような課題があるのか、現状はどうなのかを丁寧に分析し、各種のツール導入によって実現したい目標を明確化しておきましょう。MAツールについては、後ほど詳しく説明します。

4.マーケティング部門・担当者はマーケティング手順を社内周知する

BtoBマーケティングは、マーケティングや営業、顧客管理など、様々な部門が協力して実現する手法です。そのため、マーケティングだけでなく顧客に関わる全ての社員が、BtoBマーケティングはどのようなものかを理解しておくことが欠かせません。

BtoBマーケティングをスタートする前に、マーケティング担当部門やマーケ担当者はBtoBマーケティングについての手順を営業部門や顧客管理部門などに具体的に説明し、周知するようにしましょう。BtoBマーケティングについては、次の資料が役立ちます。

例えば、下記の内容が分かりやすく具体的に記載されています。

● Webマーケティングの定義
● Webマーケティングが近年重要視されている理由
● 見込み顧客が注文するまでのステップ、成約にいたるまでのステップ
● 企業側がWebマーケティングにおいて取り組む事柄 など

資料は無料でダウンロードできますので、ぜひご覧ください。社内でのBtoBマーケティングや、Webマーケティングの周知の際にもご活用いただけます。

BtoBマーケティングに効果的なMAツール

MA(マーケティングオートメーション)とは、Webマーケティングにおいて使われるツールです。

見込み顧客の管理から、メルマガなどを用いた見込み顧客や顧客へのアプローチ、アプローチ履歴の管理など、BtoBマーケティングに必要な手法が自動化できる仕組みが揃っています。ただし、MAツールには多種多様なものがあり、ツールよって機能が異なるため、自社の課題を解決するMAツールなのか、よく吟味してから導入しましょう。

どのようなMAツールが良いのか迷ったときは、ぜひSwitch Plusの導入をご検討ください。Switch Plusは自社サイトの構築に役立つCMS(コンテンツ マネジメント システム)と、効率的なWebマーケティングを実現するMAが一体となったハイブリッドなMAツールです。

月2万円から使うことができ、ほかのMAツールと比べると非常に安価であることが特徴です。CMSだけ、MAだけといったご契約にも対応していますので、お気軽にお問い合わせください。

MAツールを導入する前には、MAツールのメリットと注意点を知っておくことが必要不可欠です。それぞれについて詳しく紹介します。

MAツールを導入するメリット

MAツールの導入には、次のようなメリットがあります。

● 顧客情報を一元管理できる
● 顧客の購入までの距離によって適したアプローチを行える
● 顧客に応じたメルマガ作成・配信が可能になる

MAツールを導入すると、顧客の情報も見込み顧客の情報も一元管理ができます。顧客リストが複数あると、アプローチに抜け漏れが生じ、せっかくのリードを失ってしまうことになりかねませんが、MAツールで顧客情報を一元管理できれば、抜け漏れを防いで失注を減らすことができるでしょう。

また、一元管理をしていないと、特定の顧客情報が重複し、必要以上に高頻度のアプローチをかけてしまう可能性もあります。顧客によってはアプローチを「しつこい」と感じ、購入へのモチベーションを失ってしまうかもしれません。場合によっては「大切な顧客として扱われていない」と感じ、企業との関係を断とうとすることもあります。

顧客に不快な思いをさせないためにも、抜け漏れや重複がない状態で顧客情報を管理しなくてはなりません。MAツールによっては重複した顧客情報もチェックできますので、顧客との関係強化にも役立ちます。

さらに、MAツールでは、顧客へのアプローチや顧客からのリアクションを蓄積できるため、顧客の購入までの距離感を割り出せます。割り出した距離感に沿ったアプローチをすることで、顧客をさらに購入に近づけられるでしょう。

顧客の購入までの距離感によって、メルマガの内容や配信頻度、シナリオメールなどを変えると、より効率的なマーケティングが実現できます。しかし、手作業で顧客管理を行うとなると、手間がかかりすぎて現実的ではありません。

MAツールを活用すれば、顧客情報の管理から距離感の割り出し、距離感に応じたメルマガ作成・配信、顧客の行動に対応するシナリオに基づいたメールの配信など、全て自動化できるので、効率的なマーケティングが実現できます。

関連記事
メルマガとは?配信の目的やメリット、開封率が上がる作り方

MAツール導入の注意点

メリットの多いMAツールですが、導入するときには次の点を吟味しておきましょう。

● 自社にとって必要性が高いか
● MAツールを運用できる人材がいるのか

MAツールは確かにWebマーケティングを簡易化するツールですが、全ての企業に必要とは限りません。

例えば顧客数が少なく、ツールを使わなくても十分に管理できる場合もあります。そのようなケースにおいてMAツールを導入すると、メルマガ配信機能や顧客情報管理機能しか利用しないことになり、MAツールの費用対効果は低くなってしまいます。

また、MAツールを導入しただけではWebマーケティングは自動化できません。MAツールを運用する人材が必要です。ですので、社内に適切な人材がいるかも検討しておきましょう。

適切な人材がいない場合は、新しく雇用することになりますが、人件費が増えるため費用対効果が低くなってしまいます。場合によってはMAツールの利用から運用までを外注するほうが、費用効率が良いかもしれません。MAツールを提供している会社にも相談し、企業に合った方法でWebマーケティングを実施できないか検討しておきましょう。

なお、MAツールだけでなく、SFA、BI、CRMなどの関連したツールを使いこなすことが必要とされる機会もあるため、並行して検討することが大切でしょう。

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マーケティングのノウハウがなければ外部サービスの利用がおすすめ

自社にマーケティングのノウハウがない場合は、外部サービスを利用するという方法もあります。Webマーケティングのノウハウがない状態でMAツールを導入しても、使いこなせないままですとコストだけがかかってしまう状態になりかねません。

マーケティングのお悩みは、ぜひMarkeTRUNKにご相談ください。リード獲得が上手くいかない、リードの活用方法が分からない、などの様々なお悩みに対応いたします。

お問い合わせ|MarkeTRUNK

BtoBマーケティング成功事例3選

BtoBマーケティングの必要性は、成功事例から学べます。そこで、各種のBtoBマーケティングの実行により具体的な成果が出た例を紹介します。

● MAツールを有効活用した成功事例
● コンテンツSEOやアクセス解析でリード獲得数が約10倍増えた事例
● 未経験BtoBマーケターの成功事例

MAツールを有効活用した成功事例

株式会社エルテスは、SNSの炎上などのデジタルリスクを解決するサービスを展開する企業です。エルテスでは、事業拡大のためにはマーケティング活動で潜在層にアプローチをかける必要性を感じていたため、かなり早い時期からMAツールを導入しました。

当初はマーケティングのノウハウに乏しく、MAツールは単なるメルマガ作成・配信のためだけのツールになっていたようです。そこで、会社が抱える課題を全て洗い出し、MAツールでできることを再確認しました。活かされていない機能を使うべく、様々な施策を進めたところ、前年比で獲得リード件数は138%も向上。さらに営業効率も上がり、アポイントの獲得も取りやすくなったそうです。

コンテンツSEOやアクセス解析でリード獲得数が約10倍増えた事例

株式会社ブイキューブは、Web会議ツールやWebセミナー向けの動画配信サービスなどを提供する企業です。ブイキューブは新規のリード獲得を目的としたコンテンツSEOを実施したところ、「Web会議」や「テレビ会議」などのキーワードで検索エンジンの上位表示ができるようになりました。

同時にオウンドメディア内のアクセス解析も実施し、適切な位置にCVポイント(コンバージョンに至るポイント。CTAボタンなど)を配置し直しました。結果として新規のリード獲得数は約10倍に成長し、受注率も前年当月比で約3倍に増加したそうです。

未経験BtoBマーケターの成功事例

Automagi株式会社は、画像や動画の解析エンジンの構築サービスなどのAIサービスを展開する企業です。事業の拡大を目指してマーケティング部門を立ち上げたものの、マーケティングの経験者がおらず、マーケティング戦略すら描けない状態が続いていました。

そこでターゲットのペルソナを設定し、MAツールを活用したところ、確度の高いホットリードを取り逃がさない仕組みの構築に成功し、月30件のリード獲得が実現できたそうです。

まとめ

BtoBマーケティングでは、BtoCマーケティングにはない複雑なプロセスを通過させる必要があるため、エビデンスに則った説得力のあるアプローチが鍵を握ります。

また、BtoBにおいては購入が決定するまでに長い期間を要することなども鑑み、慎重を期した戦略立案が不可欠です。丁寧にBtoBマーケティングを学び、業務で活用し、成果の得られる仕組みを構築しましょう。

よくあるご質問

BtoB(B2B)って何?

「BtoB」とは「Business to Business」を略した言葉で、企業間の取引を指します。「to」の発音と同じ「two = 2」にかけて「B2B」と表記されることもあります。商社や広告代理店などはBtoB企業であることがほとんど です。取引相手が企業であることから、一つの取引あたりの金額が多く、購入サイクルが長くなる傾向にあります。

BtoBとBtoCはどう違う?

「Business to Business」の略語である「BtoB」が企業間の取引を指すのに対して、「BtoC」は「Business to Customer/Consumer」を略した言葉であり、企業が個人をターゲットとして行う取引のことを指します。つまり、ビジネスを行う相手が企業なのか、個人なのかの違いです。他にも、取り扱う商品や取引額、マーケティング手法の違いもあります。

監修者

古宮 大志(こみや だいし)

ProFuture株式会社 取締役 マーケティングソリューション部 部長

大手インターネット関連サービス/大手鉄鋼メーカーの営業・マーケティング職を経て、ProFuture株式会社にジョイン。これまでの経験で蓄積したノウハウを活かし、クライアントのオウンドメディアの構築・運用支援やマーケティング戦略、新規事業の立案や戦略を担当。Webマーケティングはもちろん、SEOやデジタル技術の知見など、あらゆる分野に精通し、日々情報のアップデートに邁進している。

※プロフィールに記載された所属、肩書き等の情報は、取材・執筆・公開時点のものです

執筆者

『MarkeTRUNK』編集部(マーケトランクへんしゅうぶ)

マーケターが知りたい情報や、今、読むべき記事を発信。Webマーケティングの基礎知識から、知っておきたいトレンドニュース、実践に役立つSEO最新事例など詳しく紹介します。 さらに人事・採用分野で注目を集める「採用マーケティング」に関する情報もお届けします。 独自の視点で、読んだ後から使えるマーケティング全般の情報を発信します。

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