アナリティクスは、広くは「分析」を意味し、ビジネスを加速させるうえで非常に重要です。しかし、アナリティクスの重要性が分からない人も多いのではないでしょうか。アナリティクスは、適切に活用することで有用なデータを得られるため、今すぐに手法やツールとして導入を検討するべきです。
本記事では、アナリティクスの概要や重要な理由、分析に必要な人員を解説します。また、アナリティクスの分析方法や、Webで有用なアナリティクスについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
アナリティクスとは
まずは、アナリティクスの概要から見ていきましょう。アナリティクスとは、統計学、機械学習、予測モデリングなどの手法、およびツールのことです。アナリティクスは、ビジネスにおいて包括的な観点からデータを計測し、今後の改善に有用なパターンを発見したり、ボトルネックを洗い出したりするために活用されます。
昨今では、ビジネスを加速させるうえでアナリティクスは非常に重要な存在となっています。なぜなら、大半の企業がIT・Webの領域に足を踏み入れており、すべての結果を数字として可視化し、改善する必要性が出てきているためです。業界の中でも強い集客力を誇る企業は、必ずアナリティクスを活用して数字を分析しています。アナリティクスを活用することで自社の改善点や現状を詳細に把握できるため、競合他社以上に質の高い施策を実行し、顧客を集めることが可能になるのです。
アナリティクスの種類
アナリティクスと一口に言っても、種類は大きく3つに分かれます。
・ 記述統計
・ 予測分析
・ 指示的アナリティクス
それぞれの種類を順番に見ていきましょう。
記述統計
記述統計は、世界で最も古くから利用されてきたアナリティクスです。記述統計は、データを定量的に要約する要約統計であり、事象が発生した理由を分析するのに役立ちます。たとえば、身近な例を挙げるとWebページのクリック数の計測です。また、販売数と生産数の比較をする際にも記述統計は役立っています。
記述統計は、1749年に初めてスウェーデンが活用しました。当時のスウェーデンは、記述統計を用いて人口統計を作成しました。
予測分析
予測分析は、近年活用されることが多いアナリティクスです。予測分析は、言葉のとおりユーザーの次の行動を予測する際に役立ちます。数千以上のデータを一括で高速に分析することが可能であり、その分析したデータの中から、最もユーザーが取る可能性の高い行動を洗い出せます。
予測分析を業務プロセスに組み込む企業も増えており、自社が実行しようとしている施策が適切であるかを判断できます。
指示的アナリティクス
指示的アナリティクスは、最も新しい技術を使用したアナリティクスです。近年、急速に注目度が高まっています。意思決定に対する推奨事項を洗い出せるアナリティクスとなっており、経営判断や事業の方向性を決定する際に役立ちます。
ただし、指示的アナリティクスを活用するにはビッグデータが必要です。ビッグデータを使用するには、自社で数百万人以上の顧客リストを保有しているか、年間数千万円以上の予算が必要であるため、基本的には大企業向けのアナリティクスです。
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アナリティクスが重要な理由
アナリティクスが重要な理由は、直感に頼らない意思決定を行うためです。決裁権者やプロジェクトマネージャーなどが直感で意思決定をした場合、人それぞれ価値観やユーザーに対する分析は異なるため、仮に成功したとしても再現性がありません。
加えて、競合他社はアナリティクスを活用して的確にユーザーの分析を行い、最適な施策を打つようになってきています。そこで、自社がアナリティクスを活用しないようでは、一向に競合他社との差が埋まりません。
しかし、アナリティクスを活用することで直感に頼らないデータに基づいた意思決定ができるようになり、事業成功の再現性も高まります。「なぜ起きたのか」「次に起こる事象は何か」などを見極められるようになるため、特にITやWebが発展している現代においてアナリティクスの活用は非常に重要だと言えます。
アナリティクスの分析に必要な人員
アナリティクスを活用するといっても、分析には様々な人員が必要です。担当者がアナリティクスの分析を細分化して担当することで、より事業成長を加速させられます。なお、ビッグデータを扱う企業であれば、以下の役割を持つ担当者は必ず配置するようにしましょう。
・ プロジェクトマネージャー
・ データサイエンティスト
・ 分析担当者
それぞれ順番に解説します。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーは、ビジネス全体の意思決定権を持つ人員です。アナリティクスを分析する担当者から上がってきた情報を基に、次に実行する施策を検討したり、舵取りをしたりします。プロジェクトの成功確率を大きく左右させる人員であるため、基本的には業界に長年携わっている人員や、外部のコンサルタントをアサインするケースが多いです。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、非常に複雑な記述分析によるセグメンテーションを行う人員のことです。端的に言えば、高度な分析を行えるデータ分析のプロフェッショナルです。多くの企業は、外部のデータサイエンティストにコンサルティングという形でアサインします。ビッグデータを活用したり、指示的アナリティクスを活用したりする場合には必ず必要な人員です。
分析担当者
分析担当者は、日常的に細かな数字やデータを分析する担当者です。加えて、日々の数字をレポーティングしたり、プロジェクトマネージャーに実行する施策案を出したりすることも行います。データサイエンティストとも連携し、より有用なデータ分析も行います。
ビッグデータを扱わない中小企業では、必ず分析担当者とプロジェクトマネージャーの2つの人員をアサインすることを推奨します。
アナリティクスの分析方法
ここからは、上述した分析担当者の立場として、アナリティクスを分析する方法を解説します。必要な手順は以下のとおりです。
・ 全体像を把握する
・ 分析する指標を決定する
・ ボトルネックを洗い出す
・ 改善案を立案する
・ 期間を指定して改善を開始する
・ 再度データ分析を行う
それぞれ順番に見ていきましょう。
全体像を把握する
はじめに、アナリティクスで分析できる内容の全体像を把握します。これは、次に行う分析する指標を決定する業務を、より効率化するためです。個別の指標に関しては、全体像が見えていなければ、それぞれの個別指標がビジネス全体にどれだけ起因しているかを判断できません。したがって、まずは全体像を把握し、それぞれがどのような状況であるかを確認するようにしましょう。
分析する指標を決定する
次に、分析する指標を決定します。Webサイトのボタンごとのクリック率や、ユーザーの詳細な年齢などが挙げられます。指標を決める際に重要なことは、自社やビジネス全体の目的に対して、よりインパクトのある指標に絞ることです。
たとえば、自社の目的が自社商品の「認知拡大」であった場合、ユーザーの年齢を分析することは非常に重要度が高いと言えます。なぜなら、認知拡大は自社商品で悩みを解決できたり、有用性を感じたりする年齢のユーザーから広がるケースが多いためです。
上記の一例のように、自社の目的から逆算して分析する指標を決めましょう。
ボトルネックを洗い出す
分析する指標が決まったら、指標のボトルネックを洗い出します。大半のケースでは、分析を始めたばかりの頃は、改善の余地がある状況ばかりです。なぜ数字が悪いのか、数字が悪い原因となっている部分が何かを洗い出すようにしましょう。
改善案を立案する
上述したボトルネックに対して、改善案を立案していきます。端的な例を挙げると、ボタンのクリック率が悪い場合、ボタンデザインや文言の変更が改善案になります。また「なぜ、その改善が有用なのか」といった理由もあわせて立案することも大切です。
期間を指定して改善を開始する
次に、期間を指定して改善を開始しましょう。期間を指定するのは、改めてデータを分析する際の比較が容易になるためです。基本的には、データ量によって大きく異なるものの、3日間〜1ヶ月程度の期間を指定して改善するケースが多くなっています。
再度データ分析を行う
最後に、改善後のデータ分析を行いましょう。ここでも、改善の余地があるケースが大半なので、再度ボトルネックの洗い出しからやり直します。同様の流れを繰り返すことで、ビジネス全体の数字が徐々に良くなっていきます。
WebではGoogleアナリティクスが有用
本記事ではアナリティクスについて解説してきましたが、Webの領域では、Googleアナリティクスが非常に有用です。Googleアナリティクスは、Googleが提供しているアクセス解析ツールであり、ユーザーがWebサイトに訪問した後のデータを分析できます。
パラメータを発行することでボタンごとのクリック率を分析できたり、記事ごとの直帰率や離脱率を分析できたりします。現状のホームページやオウンドメディアでGoogleアナリティクスを導入していない場合は、今すぐに導入を検討してみてください。
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まとめ
本記事では、アナリティクスについて解説をしてきました。アナリティクスを活用することで、ビジネス全体やデータにおける相関関係、パターンなどを洗い出すことが可能です。これにより、直感に頼ってしまうビジネスシーンの弱点を改善できるようになります。
また、Webのビジネスを展開しているのであれば、Googleアナリティクスは非常に有用です。まずは、自社の状況に適したアナリティクスを導入することから始めてみてはいかがでしょうか。