人事業務は採用、人材育成、労務管理など多領域に及びますが、少子高齢化による労働市場の変化や働き方改革の推進などの変化により、人事の求められている役割も変わってきています。
HR総研の「人事の課題とキャリアに関する調査 結果報告【1】」では、今後の人事部門に最も求められる役割に対し「ビジネスの成果に貢献する(ビジネス戦略のパートナー)」が全体の54%と最も多い回答となり、人事はより経営に近い役割を求められている結果が出ています。
人事のより経営に近い役割を果たしていく中で、単純業務やルーティング業務についてはアウトソーシングされるようになる可能性もあります。
今回は、今後さらに拡大していくだろうアウトソーシングのメリットと、人事系サービスについて紹介します。
アウトソーシングのメリット
人事業務に関わらず、人の手を必要とする単純なルーティング業務について外部の企業に委託することはこれまでにも行われてきました。
アウトソーシングのメリットは、企業の競争力を高める「コア業務」へ自社のリソースを注力させることにあります。
最近では、逆にスピードと品質を上げるために自社のリソースを使うのではなく、外部の専門家のリソースを活用することもあります。
外部の専門知識を活用することで、意思決定のスピードアップが実現し、企業の成長を加速させることができます。
人事業務においても、企業競争力向上、効率・スピード・品質の向上などの高い付加価値を生むことを目指し、経営手法としてアウトソーシングが活用されています。
人事系アウトソーシングサービス
人事業務のアウトソーシングとしては以下のものが挙げられます。
◆採用(新卒採用・キャリア採用)
採用アウトソーシング、RPO(Recruitment Process Outsourcing)とも呼ばれています。
近年の売り手市場を背景に、ターゲットとなる求職者からの応募を集めることが難しくなっていたり、内定を出したとしても他の企業に入社を決めて内定辞退が多くなっていたりと、これまでの採用手法では上手くいかず採用担当者の負荷が増えてきています。
そういった中で、採用のプロに採用活動自体を任せることで人事の「コア業務」に集中できるようになります。
ただし、すべてを任せてしまうと自社のノウハウが蓄積されないデメリットもあるので、アウトソースするところとしないところの判断を留意する必要があります。
◆教育研修
社員の教育研修については実をいうと、アウトソーシングしている企業が圧倒的に多いでしょう。
自社で講師を育成し研修の内製化ができれば、コストが抑えられたり自社ナレッジの確実な継承できたりとメリットはありますが、そのためのリソースが十分ではないのが実態として考えられます。
外部の研修会社から講師を招聘(しょうへい)、公開研修やEラーニング(内製のものは除く)であれば、すべてアウトソーシングとなります。
◆給与計算など人事業務
給与計算など、ある程度対象範囲がはっきりしている業務に関しては比較的アウトソースしやすく、かつ、どの企業にも共通する業務であるので、アウトソーシングしている企業も多いでしょう。
企業規模やオペレーションの複雑性によってはコスト高になったり、サービスの特徴により自社の求めているものへの対応が難しかったりと、採用と同じくどこまでの業務を対象とするのか判断していくことが必要です。
アウトソーシングサービス企業
アウトソーシングの人事系サービスをご紹介しましたが、弊社運営の「HRプロ」に人事系アウトソーシングサービスをご紹介しております。
是非、ご参考にしていただければ幸いです。
まとめ
◆人事業務において、企業競争力向上、効率・スピード・品質の向上などの高い付加価値を生むことを目指し、経営手法としてアウトソーシングが活用されている
◆すべてを任せてしまうと自社のノウハウが蓄積されない、企業規模やオペレーションの複雑性によってコスト高になる、サービスの特徴により自社の求めているものへの対応が難しいなどといったデメリットがあるので、どこまでの業務を対象とするのか判断していくことが必要