会社を起業する際や、新規事業を立ち上げる際は、必ずと言って良いほどロゴを作成することになります。ただし、ロゴは今後長期的に使用することになるため、どのようなデザインにすれば良いのか、またどのように作成するべきか悩む方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ロゴの概要を解説するとともに、ロゴを作成する際のポイントを説明します。また、ロゴを作成する際に考えられる4つの方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ロゴとは?
まずは、ロゴの概要から解説します。ロゴとは、「ロゴタイプ」の略称であり文字列やテキストなどが、イラスト化されたもののことを指します。
また、ロゴの歴史は、メソポタミア文明の円筒印章から始まったと言われています。紀元前2300年ごろの話であるため、非常に歴史が深いことが分かるのではないでしょうか。現代では、企業のブランドイメージとしてのエンブレムとして使用されたり、商品のパッケージなどに使用されたりしています。
代表的な3種類のロゴ
ここまで、ロゴの概要を解説してきました。しかし、ロゴと一口に言っても、主に3種類に分けられることをご存じでしょうか。
・ シンボルマーク
・ ロゴマーク
・ ロゴタイプ
ここでは、それぞれの違いを順番に解説します。
シンボルマーク
シンボルマークとは、会社、団体、個人など、人数に関わらず、組織の特徴などを図案化したものを指します。代表的なものとしては、家紋が挙げられます。シンボルマークは和製英語であり、シンボル(象徴)と、マーク(記号)が組み合わされています。
ロゴマーク
ロゴマークとは、企業や商品のイメージを図案化したものを指します。おそらく、本記事を読んでいる方が一般的に耳馴染みのあるロゴという言葉は、こちらのロゴマークのことを指しているケースが多いです。なお、ロゴマークに関しても和製英語になります。
ロゴタイプ
次にロゴタイプとは、会社名、個人名、商品名などの文字(テキスト)を図案化したものを指します。ロゴタイプは英語であり、ロゴ(言葉)+タイプ(活字)が組み合わされています。もともとは、イギリスの活字鋳造所で用いられていた用語です。
ロゴを作成するうえで重要なこと
ここまで、ロゴの概要や種類を解説してきました。ここからは、ロゴを作成するうえで重要なことを紹介します。
・ ペルソナを設定する
・ ブランディングをする
・ ロゴを使用する媒体に合わせる
・ 拡大・縮小時でも認識できるか
・ 会社の規模が大きくなっても使えるデザインにする
それぞれ順番に見ていきましょう。
ペルソナを設定する
はじめに、ロゴを見てもらいたいペルソナを設定しましょう。ペルソナとは、自社の商品やサービスを届けたい個人像のことを指します。ただし、ペルソナとターゲットは大きく異なる点に注意が必要です。
ターゲットは、あくまで「40代女性」など、大枠のユーザー像を表します。しかし、40代女性の中には、貯金が1,000万円以上あったり、一方で年収が100万円程度しかなかったりと、それぞれで状況が異なることは間違いありません。これらに対して、ペルソナは「40代女性、年収1,000万円、既婚、趣味は料理」など、事細かに詳細を決めていきます。
ペルソナを決めなければならない理由は、ペルソナを決めない状態では、誰にも伝わらないデザインとなってしまう可能性が高いためです。たとえば、企業や商品のペルソナ(ターゲット)が20代などの若者である場合と、60代以上など比較的高齢の方の場合とでは、求められるデザインがまったく異なります。
ロゴは、企業が打ち出したいイメージをデザインに落とし込むことも当然重要ではあるものの、それ以上に誰に求められているのかを明確にすることから始めましょう。
関連記事:今さら聞けない、マーケティングにおけるペルソナの作り方とは?
ブランディングをする
次に、ロゴを通じたブランディングを意識することも大切です。ブランディングとは、企業としてのブランドを強く訴求する、ブランドを1から作るという意味の言葉になります。企業やサービスのブランド力が高まることで、ロゴを見ただけでもどのようなサービスであるかを認識できるようになり、非常に強い競争優位性を獲得できます。
上記のようなブランディングをするためにも、イメージカラー、コンセプトなどは、最低限ロゴに含めるようにしましょう。たとえば、マクドナルドのMと描かれたロゴや、ナイキのロゴであるスウッシュは、多くのユーザーがロゴを見ただけで会社を判断できます。
ロゴでのブランディングが成功すると、ロゴを見ただけで「〇〇の企業」「〇〇の商品」というイメージをユーザーに与えることができ、結果的に事業成長に繋がりやすくなります。
関連記事:ブランディングの本当の意味を知る!正確に把握して始めよう!
ロゴを使用する媒体に合わせる
次に、ロゴを使用する媒体や商品にデザインを合わせることも大切です。なぜなら、使用する媒体によって、ロゴを変形する必要があるケースも存在するためです。たとえば、名刺やホームページに使用するロゴは、媒体が異なったとしても変形する必要はありません。しかし、ボールペンなどにロゴを使用する場合は、ロゴ自体を変形する必要が出てきます。
そのため、ロゴを使用する媒体に合わせたデザインで作成するとともに、媒体が異なり変形させる必要がある場合は、それらのイメージも事前に固めておくようにしましょう。
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拡大・縮小時でも認識できるか
ロゴを拡大、縮小したときでも、ロゴを認識できるかも重要です。たとえば、Web広告で使うバナーは、表示する画面幅によってサイズやフォーマットが異なります。
そのため、拡大や縮小時でも認識できるロゴでないと、バナーサイズやフォーマットを網羅できなくなります。拡大時、縮小時でも適切にロゴを認識できるデザインを目指すと良いでしょう。
会社の規模が大きくなっても使えるデザインにする
最後に、会社の規模が大きくなったとしても、使えるデザインでロゴを作成することも大切です。上述したように、ロゴではブランディングを意識することも重要であるため、あとからロゴを変更してしまうと、既存ユーザーからの購入率などが下がってしまう恐れがあるためです。
もちろん、会社の規模やフェーズによって、ロゴを変更することもあるかもしれません。しかし、極力変更する必要がないように、十分にデザインを検討したうえで作成するようにしましょう。
ロゴを作成する4つの方法
ここまで、ロゴを作成する際に重要なことについて解説しました。ここからは、ロゴを作成する4つの代表的な方法を紹介します。
・ 自社で作成する
・ フリーランスのデザイナーに依頼する
・ デザイン企業(会社)に依頼する
・ クラウドソーシングでのコンペ
それぞれ順番に見ていきましょう。
自社で作成する
1つ目は、シンプルに自社内で作成する方法です。社内にデザイナーが在籍しているのであれば、最も簡潔に作成できる方法と言えます。自社で作成するメリットは、コミュニケーションで認識の乖離が生まれづらいことです。自社の商品やサービスの特徴は、自社が1番理解しているので、必然的にロゴに対してブランドカラーや魅力を落とし込めます。社外に依頼して作成する方法だと、どうしてもコミュニケーションで認識の乖離が生まれたり、スピード感を担保できない場合があります。
一方の自社で作成するデメリットとしては、ロゴ作成にリソースを割いてしまい、他の業務が逼迫する恐れがあることです。それらを防ぐためにも、他の業務に支障の出ないリソースにて作成するようにしましょう。無料プランもある、人気の画像デザインソフト「Canva(キャンバ)」では、ロゴのテンプレートも多数用意されています。
関連記事:Canva(キャンバ)ってなに?初心者にも分かる使い方を解説します!
フリーランスのデザイナーに依頼する
次に、フリーランスのデザイナーに依頼するという方法になります。フリーランスのデザイナーに依頼する場合の費用相場は、媒体の数によっても異なるものの、10,000円〜20,000円程度で作成可能です。企業に依頼する場合、クオリティは同等であっても、30,000円〜50,000円程度の費用が必要になります。そのため、クオリティを担保しながら、なおかつ安い費用で発注できるのがフリーランスのメリットです。
一方、特定の個人のフリーランスに発注する場合、発注後にデザイナーを変更したいと思っても、個人のため変更ができません。そのため、変更できないリスクを発注者が背負う必要がある点は、フリーランスのデザイナーのデメリットだと言えるでしょう。
したがって、実績などを確認し、問題がないようであればフリーランスのデザイナーも検討しましょう。
デザイン企業(会社)に依頼する
また、デザイン企業(会社)に依頼して作成する方法もあります。デザイン企業の場合、費用相場は30,000円〜50,000円程度です。フリーランスと比較して少々高くなるものの、担当者が合わない場合は変更をお願いできたり、スピード感を担保できたりすることがメリットです。強いてデメリットを挙げるとすれば、フリーランスよりも単価が高くなることですが、変更をお願いできるメリットなどを踏まえると、大きなデメリットはないと言えるかもしれません。
自社の状況や求めるものによって、依頼先をフリーランスか企業か選択すると良いでしょう。
クラウドソーシングでのコンペ
最後に、クラウドソーシングでのコンペで作成する方法です。クラウドソーシングとは、仕事を依頼する発注者と、仕事を受ける受注者を結ぶプラットフォームのことを指します。
クラウドソーシングでコンペをかければ、自社の要望に合わせて多くのフリーランス、企業がデザインを応募し、その中からイメージと合致するロゴを選ぶことができます。また、自社の予算に合わせてコンペをかけることも可能なので、予算組みがしやすいことがメリットです。
一方で、コンペの応募数が少なかったり、魅力的なロゴが上がってこなかったりする場合は、費用のみがかかる点がコンペのデメリットになります。
どの程度のクオリティを求めるのかによって、フリーランスや企業、コンペなど複数の選択肢から検討するようにしましょう。
まとめ
本記事では、ロゴの概要や作成方法を解説してきました。ロゴは、企業や個人、商品のブランドイメージとなる重要なものです。そのため、ペルソナを設定したり、ブランディングができるようにしたりするなど、留意したうえで作成することが大切です。
また、フリーランスに作成を依頼する、コンペで募集するなど、ロゴを作成する方法はいくつかの方法が存在します。そのため、まずはロゴのイメージを固めるとともに、最適な作成方法を検討することから始めてみてはいかがでしょうか。